東方のシェフ   作:多聞丸

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ある日、ケンは鬼へカクテルをご馳走をしに地底へ行く。その際に忘れていた記憶を取り戻す方法を聞き出す。


#42 記憶への道

ー地底ー

鬼「兄ちゃん、美味い酒を作ってくれるんだろ。適当に酒を作ってくれや」

ケン「はい、分かりました」

 

コポコポ…

 

ケン「お待たせしました。『桜モヒート』です」

鬼「ほぉ…桃色の酒なんて初めて見たぜ。どういうやつなんだ?」

ケン「こちらは桜の花弁の塩漬けを日本酒煮付けた物です。これにミントを加えて爽やかな味を出しております。ちょうど地上では桜が開き始めたところであるのでこちらのカクテルをお出ししました」

鬼「ほぉ…そろそろ上は春なのか。どれどれ…」グビッ…!

鬼「ほぉ…強くは無いけど、うめぇな。じゃあな」チャリ…←金を置く音

ケン(…やはりカクテルでは鬼を酔わせることは出来ないのか)

勇儀「また来ていたのかい?」

ケン「勇儀さん」

勇儀「あたしにも1つ作ってくれないか?」

ケン「カクテルでは勇儀さんを酔わせる事が出来ないと思いますが…」

勇儀「いや、酔わせる事だけが酒の楽しみじゃないと思うさ。それに…」

勇儀「あたしはケンの酒を気に入っているんだ」

ケン「…ありがとうございます。ではこちらを…」

 

ー数十分後ー

ケン「いかがでしたか」

勇儀「ああ、美味かったよ。ありがとう」

勇儀「そういえばかなり前の話になるが、なんでこの誰にも寄り付かない地底…それも地霊殿に行こうと思ったんだい?」

ケン「それは…自分の記憶を思い出すためです」

勇儀「自分の記憶…?」

ケン「はい、この幻想郷来た時から記憶が曖昧でして…。そのため自分の記憶を思い出して自分の時代へと帰ろうとしました。もう今となっては諦めましたが…」

勇儀「…ケン、それは良くないな」グビッ…

ケン「えっ?」

勇儀「確かに幻想郷で暮らしていくには外の記憶は必要ないさ。だがな…記憶を捨てるというのは自分自身の生き様を捨てるということさ。今までの事を全て忘れて自分自身を否定する…記憶を捨てるというのはそういうことさ」

ケン「し…しかし…」

勇儀「記憶を取り戻してからここを去るもよし、ここに残るもよし。ただ、今までの生き様を否定するのは良くないな」グビッ

ケン「ですがもう方法は…ん?」

ケン(そういえば霊夢さんが記憶を取り戻す方法を言っていなかったか?)

 

霊夢『いくつか方法はあるわ。まず、さっき話した永遠亭。そこに医者がいるわ。まあ、妹紅が彼処とは仲が悪いけどね。2つ目に地底の地霊殿にいる『古明地さとり』に見てもらう、ただし、地底は危険だから何も武器を持ってないあんたが言っても死ぬだけよ。最後に閻魔の『浄玻璃の鏡』で見てもらうだけど…』

 

ケン(閻魔の『浄瑠璃の鏡』か…)

ケン「勇儀さん、浄瑠璃の鏡って分かりますか?」

勇儀「浄瑠璃…ああ、閻魔が持っているやつか」

ケン「その…浄瑠璃の鏡を見せてもらうにはどうしたらいいですか?」

勇儀「えっ?まさか是非曲直庁に行くのか?」

ケン「えっ?ここも地獄では…」

勇儀「ああ、昔は地獄だったさ。たが、ここは旧地獄…広かった地獄を削った場所を鬼や封印された妖怪を閉じ込める場所だったんだ。今はここじゃないところに閻魔は住んでいる?」

ケン「その…是非曲直庁に行くには?」

勇儀「…それならさとりに聞いた方がいいんじゃないか?あいつは度々妹を探しに地上に出ているらしいしな」

ケン「分かりました、ありがとうございます」

 

ー地霊殿ー

さとり「ええ、たまに妹を探しに外に行きます。ですが、私よりも赤い巫女の方が知っているとは思いますが…」モグモグ…

ケン「それでもさとりさんが知っている情報だけでもいいです。教えていただけないでしょうか」

さとり「…」

 

カタン…

 

さとり「…分かりました。私が分かる範囲であるならば…」

ケン「…! ありがとうございます!」

さとり「いえ、この『生八ツ橋』と言いましたか…。そのお礼です」

 

ー5分後ー

さとり「こちらが幻想郷の地図です」パサッ…

さとり「ええと…ケンは確か竹林に住んでいましたね」

ケン「はい」

さとり「では、この竹林から三途の川までの行き方を教えましょう」

さとり「まず、人間の里…人里をめざし、次は命蓮寺を目指します。命蓮寺を通り過ぎかなり先に行くと『中有の道』というところに出ます」

さとり「この中有の道は死者が三途の川を渡るために必ず通る道です。ここ以外に三途の川を渡るとなると上空を飛ぶしかありませんが…」

ケン「私は飛べませんね」

さとり「だから中有の道から三途の川、そして冥界へ行く道になりそうね」

さとり「さて…この三途の川は基本は六文銭…渡し賃を払って渡るのだけど、本来生きている人間はここを渡れないわ。まあ、だから渡るにはまた別で方法を考えなさい」

ケン「…死神がこの三途の川を渡していると聞いたことはありますが…」

さとり「…さあ…。今まで生きた人間を渡し船に乗せて向こうへ渡したことを聞いたことがないからなんとも言えないわね」

ケン「…ありがとうございます」

さとり「…ケン、私では一部だけしか分からなかったけどきっと閻魔なら浄瑠璃の鏡を見せてもらえれば自分の記憶が分かるわ。頑張りなさい」

ケン「…はい」

さとり「それから…」スッ…

こいし「あ~、お姉ちゃんだけずるい!」

さとり「こいし?!いつからそこに…」

こいし「ねぇ、ケン。これなぁに?」

ケン「ええと…生八ツ橋です」

こいし「じゃあ、私もちょうだい♪」

ケン「はい、ただいま作ります」

こいし「じゃあ私は広間で待ってるね~」スタスタ…

さとり「…ケン、また後で話をしましょう」

ケン「…はい」

 

ーその後ー

さとり「また来なさい」

こいし「じゃぁね~♪」←手を振り

ケン「はい、ありがとうございました」

ケン(…自分を否定する…か…)

ケン(…妹紅さんに相談してまた記憶を探す旅に出よう)

 

この記憶を巡り、ケンは幻想郷の事件に巻き込まれていく。




#42はここまで。大変更新が遅くなりました。完全にお盆休みを満喫してたらこうなってしまいました。( ̄▽ ̄;)

さて、今日は作者が旅行に行った京都の名産、八ツ橋についてです。八ツ橋の歴史はかなり古く安土桃山時代の後半からあったとされています。今でも西尾などの老舗で売られている『八ツ橋』(別名硬八ツ橋)が一番最初の八ツ橋です。実は生八ツ橋は昭和に作られたものになります。八ツ橋は季節限定品があり、ラムネや夏みかん、青リンゴ、ブルーベリー、チョコ、栗など多種多様の味があります。東方ロストワードにも生八つ橋が出てきますが、この世界線では八ツ橋は知られていないということで、何卒よろしくお願いいたします。

ケンは今後どうする?

  • 1 戦国時代に戻る(可能なら)
  • 2 現代に戻る(現実的)
  • 3 幻想郷に残る(これも現実的)
  • 4 その他
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