ー三途の川ー
映姫「…ケンが来た場所は…日本の戦国時代です」
霊夢「せ…戦国時代?」
映姫「分かりやすく言うなら今から400年以上前の時代という訳です」
?「そ…そんな訳ないじゃないですか!!」
咲夜「早苗…?」
早苗「ケンさんが戦国時代の人間…?絶対ありえませんよ!!それなら1つ決定的な疑問が残ります!」
映姫「…疑問…?」
早苗「私はあまり歴史には詳しくありません。だけどよく考えてみてください。ケンさんが作っている料理が果たして日本の戦国時代に存在したのでしょうか」
妖夢「えっ…?でもあるんだったら…」
早苗「確かにあれば作れるでしょう。ですが、モンブランや咲夜さん達が教えて貰っていた料理は戦国時代に作られたのですか?絶対そんなことはありません!」
アリス「た…確かに…」
※モンブランが初めて作られたのは1903年のフランス、日本に伝わったのは1933年である。戦国時代のおよそ300年以上後となる。
映姫「…守谷の巫女、その矛盾は最も。確かに戦国時代から来た彼が未来の料理を知っているのは明らかに矛盾があります」
映姫「…ですが、これは矛盾していないのです」
妹紅「矛盾…していない?」
ケン「…」
映姫「…彼に何があったのか…それはこの浄玻璃の鏡が全てを物語っています」
霊夢「浄玻璃の鏡…人間が過去にどんな罪を犯し、どんな過去を生きてきたのかを知る為の道具だったわね」
映姫「ええ、そのためこの道具の前では嘘をつくことができません」
映姫「…本来であるなら閻魔以外が見るべきでは無いもの…。しかし、今回は特別に…ケンの過去の記憶を公開しましょう」
映姫「…ケンもそれでよろしいですね?」
ケン「…はい、構いません」
映姫「…それではケンに何があったのかを調べてみましょう」
ー回想ー
映姫『これはケンが元の時代にいた時の姿です』
ケン「…」←コックの姿
妹紅『…あ、これ私がケンを初めて見つけた時の姿だ』
魔理沙『うーん…いつも和服着ているケンからは想像出来ないのぜ』
松田「葛城!またヒゲを生やして頭ボサボサじゃないか!」
松田「どうせ望月くんと寝泊まりして新メニューを考えていたんだろうが、休業中とはいえ仕事なんだ、身だしなみはきちんとしたまえ!!」
アリス(…ケンって意外と抜けているのね)
瑤子「賢一郎、オープン1組目の結婚パーティーの打ち合わせよ、4階に行きましょう」
ゴゴゴゴ…
霊夢『えっ…?』
ゴッ…!!ガラガラガラ!!!!!
妖夢『た…建物が崩れましたよ?!』
ケン「?!」ゴッ!
ー?ー
松田『な…なんだったんだ?!』
望月『おい!ケン!大丈夫か!』
ケン「…」
ケン「」←気絶
魔理沙『な…何が起こったのぜ?』
霊夢『建物が崩れて…ケンが頭に傷を負って…』
妹紅『ケン…』
ー数日後ー
松田「ダメだ!時代劇のセットじゃない!変なやつらがウロウロしてるし…」
瑤子「そんな…」
?「…ん…」
三原「ケン!気づいたのか!」
三原「良かった…大丈夫か!」
瑤子「あ…」
瑤子「わ…私、賢一郎に水を汲んできます!!」ダッ!
松田「あ…1人じゃ危ないよ、瑤子くん!」
三原「聞いて驚くなよケン!ここはな…」
ケン「………?」
咲夜『…ケンの様子がおかしいわね…』
三原「おい、どうしたんだケン」
ケン「…ケン…?」
映姫『…彼はここで記憶喪失になったようですね』
妖夢『えっ…て言うことは…』
霊夢『ケンは幻想郷に来てから記憶喪失じゃなくて…』
妹紅『だとするとおかしい…ケンが居た時代は説明できても、戦国時代の説明が…』
?「キャアアアアアア?!」
兵「こいつ女だ!捕まえろ!!」
兵2「どこぞの間者かもしれんぞ!!」
三原「何があった瑤子君!!」
兵「あっちにもいるぞ!!二手に別れろ!!」
ー宇治川ー
夏「うん、いい真砂だ」
※真砂…真砂砂鉄のこと。製鉄の原料となった。夏は鍛冶屋のため、鉄を作るための真砂を取っていた。
兵「間者がおったぞ!!あそこだ!!」
兵2「待てぇ!!」
三原「ケン!川に…」ドスッ!!
ケン「…!」←手を伸ばし
三原「い…行け…」パシッ!
三原「行けっ…ケン!!お前は絶対生き延びろっ…!!」
三原「そして平成に帰れっ!!」
兵「もう1人もうち取れ!!」
ケン「…!」バッ! ドボン!!
兵「…この寒さじゃ助からんだろ。この死体はどうする?」
兵2「そんな物は川に捨てておけ」
ドボン!!
アリス『ひ…酷い…』
早苗『あ…ああ…』
霊夢『…』
ケン「…」
夏「うわっ?!なんだお前…生きていたのか…あっ…お連れはその…残念だったな…」
夏「?」
ケン「…ビチビチ…」
夏「ぶっ…はははっ!!生きるか死ぬかの時に宇治丸を取っていたのか!?面白い奴だな!」
夏「は~~…は~~…と…とにかくうちに来いよ、その服のままでは凍えてしまう」
ケン「…宇治丸…ここは戦国時代の京都なのか…」
ー現在ー
映姫「…これが彼の戦国時代から来たはずなのに、未来の料理を知っているという事の証拠です」
魔理沙「…なるほど…でもそこからどうなるんだぜ?この幻想郷に来るまでの流れは…」
霊夢「…確かに謎は解けたけどね…」
ケン「…夏さん…」
妹紅「…ん?」
ケン「…夏さんは…夏さんはどうなったのですか…」
映姫「…もう少し見てみましょう」
ー回想 永禄11年9月、京醍醐ー
※醍醐…現京都市伏見区。秀吉が晩年に花見を行った『醍醐寺』があるところで有名。信長と出会う前に夏とケンが住んでいた場所。
ジュゥゥゥ…!!
夏「やれやれ…鍛冶より食い物の商売の方が忙しくなるとは」
夏「ケンは凄いやつだな…」
ケン「お待たせしました」
客「次俺だ!!」
客2「私が先よ!!」
?「ほれ、ちょっとどけい」
?「料理達者のケンとはお主のことか?!」
客「な…何だこのチビは…俺が先だぞ…」
客2「でっけぇ声して…この辺じゃ見かけない顔だな…」
?「すまんなぁ…なんせ尾張・中村の田舎者だからのぅ…」
客「お…尾張?!」
?「御館様ぁ、ケンとやらがおりました」
カッカッカッ…!!←馬の蹄の音
信長「…お主が『ケン』か」
早苗『えっ…ええええぇぇぇ?!?!』
霊夢『五月蝿いわね!何よ急に』
早苗『お…織田信長ですよ?!知らないんですか?!』
咲夜『知らないわね…』
妹紅『…織田信長…尾張出身の戦国大名だ。永禄11年に上洛し、斎藤、浅井、朝倉、本願寺、武田を破って天下に覇を唱えた人物だ。だが最終的には天正10年に明智光秀によって本能寺で命を落としている』
アリス『それとケンに何が関係あるの…』
信長「この者を岐阜に連れて行くことに決めたぞ」
妹紅『…?!』
早苗『も…もしかして…ケンさんは…』
ケン『う…上様…』
魔理沙(ケンがだんだん記憶を思い出してきているのぜ)
その後、武田信玄や上杉謙信、浅井長政、徳川家康、武田勝頼、顕如、村上武吉、豊臣秀吉など名だたる武将に食事を出していたことが明らかになった。
早苗「…も…もうなんとえいばいいか…」
魔理沙「…早苗、どれだけすごいんだ?」
早苗「も…もう歴史を知らない私でも知っているような人達です。そんな人達にケンさんが料理を出していたなんて…」
霊夢「…でもまだあるわ。ケンがどうやって幻想郷に来たかよ」
映姫「…それはこれを見ればわかるでしょう」
ー天正10年6月2日、京本能寺ー
ゴォォォォ!!
信長「…光秀…」
蘭丸「上様…」バタッ…!
ケン「…上様…」
ケン(あれだけの策を弄してもやはり…)
信長「…是非も無し」
信長「…ケン、わしはかつてお主に言った。『わしから離れる時は死ぬ時』とな」
信長「…そなたを自由にしてやろう」
信長「餞別じゃ」←ケンの白衣とエプロン
ー2分後ー
信長「それがそなたがいた時代の服か」
ケン「…はい」←着替えた
信長「ふっ…お主の料理をもっと食べてみたかったわ」
ケン「う…上様は…」
信長「わしの首はやらん」
信長「……最後に残ったのがお主で良かった。さらばだ」スタスタ…!
ケン「上様…!!」
信長「…」
ケン「上様っっっ!!!!」
バタン…!!←襖がしまった
ケン「…!」
ケン(急がなければ…!!本能寺が既に崩れつつあ…)
ガラッ…!!
ケン「!!」
ガラガラガラッッ!!
ー?ー
ケン「…?ここは…」
ー現在ー
映姫「…これで全てですね」
霊夢「…なるほどね…」
ケン「…」
妹紅「…ケン…」
映姫「…さて、ケン。あなたはこれからどうするのですか?」
ケン「…?」
映姫「自らの過去をあなたは知りました。ならば決断をしなければなりません。この幻想郷に残るのかそれとも…外の世界へ行くのか」
ケン「…妹紅さん」
妹紅「…ケンが決めた方がいい。これはケンの人生で、ケンの問題なんだ」
霊夢「…妹紅の言う通りね」
ケン「…俺は…」
あけましておめでとうございます。今回はアレンジ版を作りました。なぜなら現在雑誌版では本能寺の変が終わっていますが、現在は今回作った話しは原作とかなりかけはなれています(なお単行本では36巻まで発行中。最期は信長が本能寺の炎に包まれたが…)。
そうしないと1話に繋がらないので…(メタい)。さて…ここからはケンがどのように進むかは読者の皆様に選んでもらおうと思います。今後の話の展開が変わります。
ケンは今後どうする?
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1 戦国時代に戻る(可能なら)
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2 現代に戻る(現実的)
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3 幻想郷に残る(これも現実的)
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4 その他