東方のシェフ   作:多聞丸

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自分の記憶を思い出すために幻想郷を旅をすることにしたケン。そのためにケンは人里へ向かった。

※前回、アンケートありがとうございます。多かった稗田家にしました。今回もアンケートがあります。参加の方よろしくお願いします!


#7 少女に出す品

ー人里ー

人間が暮らす唯一の集落、人里。ここで幻想郷の大抵のものは買える。米はもちろん、調味料、肉、魚、酒、豆腐、果物、花…様々なものである。

 

ー回想ー

妹紅「ケン、人里にある稗田家って知らない?」

ケン「稗田家…」

妹紅「そう、人里にある大きな屋敷。其れが幻想郷で『幻想郷縁起』を書いている稗田阿求の屋敷」

ケン(そういえば人里に行った時、一際大きな屋敷を目にしたな)

妹紅「ケン、この幻想郷の一部には霊夢の力が及ばないところが存在する。例えば早苗が言っていた妖怪の山、あそこは天狗の縄張りだ。ただ行っただけでは白狼天狗に追い回される、最悪は捕らえられて殺される」

妹紅「でも稗田家の紹介状があればある程度は融通が効く。それほど幻想郷の中でも力があるんだよ」

ケン(…なるほど…確かに回る前に紹介状を書いてもらった方が警戒はされにくいか…

妹紅「ただ、稗田家に入るには誰かの紹介状が必要だ。ただ怪しい奴が屋敷に目通りをさせてもらおうとしても門前払いを食らうのがオチ。そこで…」

 

ー人里ー

慧音「私に稗田家の招待状を書いて欲しい?」

ケン「はい」

慧音「なるほど…確かに妖怪の山や地霊殿に行くには紹介状があればある程度は安心か…」

ケン「いきなり来て図々しいとは思いますが…」

慧音「いや、いいよ。肉じゃがを作ってくれた礼だ。そういえばあの肉じゃがだか、自分でも作ってみた。なかなか美味しかったよ。生徒達にも人気だ」

ケン「そう言って頂けると幸いです」

ケン「すぐ稗田家への紹介状を記す、待っていてくれ」

 

ー10分後ー

慧音「出来た。これだ」←紹介状

ケン「ありがとうございます」

慧音「また料理を教えに来てくれ。みんな楽しみに待ってる」

ケン「はい」

 

ー1時間後ー

ケン(人里で買い物をしたし、そろそろ稗田家に行こう。なんでも稗田阿求はかなり幼いらしい。見た目10歳を少し越えたぐらいらしいが…)

ケン(妹紅さん、慧音さんの話から30歳まで生きられない短命で何度も転生を繰り返しているらしい。今は九代目なので『阿求』と名乗っているのだとか…)

ケン(…そういえば慧音さんが…子供が食べられそうで…)

ケン(…なら作る料理は…)

 

ー稗田家正門ー

ケン「すいません、どなたかいらっしゃいますか」

 

しばらくして女中の人が出てきた。

 

女中「あ、はい。蔵書閲覧希望ですか?」

ケン「いえ、ここの当主稗田阿求さんに会いに来ました。こちらに上白沢慧音さんの紹介状があります。お目通りを願えませんでしょうか」

女中「慧音先生の…少しお待ちください」

 

ー10分後ー

女中「お待たせしました。奥の部屋まで案内させていただきます」

ケン(…なんとか会えるようだ)

 

ー阿求の部屋ー

ケンが部屋で待たされていると、しばらくして襖が開いた。

 

阿求「お待たせしました、ケンさんですね。稗田阿求と申します」

 

そこには確かに若い女子の姿があった。頭には花の髪飾りをつけている。

 

ケン「お初にお目にかかります。外来人のケンと申します」

阿求「丁寧な挨拶、ありがとうございます。慧音先生からの紹介状を読みました。幻想郷を回るために紹介状を書いて欲しいということですね」

ケン「はい、妹紅さんから妖怪の山や地霊殿に行くには紹介状があった方がいいと言われました」

阿求「失礼ですが…なぜ地底や妖怪の山へ行くのか教えていただいても大丈夫でしょうか」

ケン「はい」

 

ーケン、説明中ー

 

阿求「…なるほど…自分の記憶を失っている…」

ケン「はい、そのため自分を探すためにいろいろな場所を巡りたいと思っています」

阿求「分かりました。すぐ書きますね。それとケンさんは料理が得手と書いてありましたが…」

ケン「はい、慧音先生に頼まれて肉じゃがを作らせて頂きました」

阿求「肉じゃが…そういえば里で少し話題になってましたね。材料も少なくて美味しいと…。使用人が聞いてきて作ってくれたのですが…なるほど…あなたが作ったという訳ですね」

阿求「…私も少しお腹が減ってきました。何か作ってもらってもよろしいですか?何かお礼を差し上げますので」

ケン「いえ、紹介状を書いてもらうお礼です。何も要りませんよ。少し台所をお借りします」

 

ー1時間後ー

ケン「お待たせしました。インド…天竺の料理、カレーです」

阿求「カレー…どういうものですか?」

ケン「このカレーは香辛料を使うものですが、幻想郷では見つからなかったため日本風にアレンジしてあります。ゆがいた魚の頭、生姜、ネギのみじん切りを入れて焼き、クチナシの実、唐辛子、小麦粉を加えてお湯を入れて煮詰め、塩と胡椒ををつけて味付けしてあります。今回は魚の具材の他に、好きだと伺った兎肉を使用しています」

阿求「…カレー…ですか…(文字通り少し辛そう…)」

 

パクッ…

 

阿求「…!美味しい」

ケン「お口にあって何よりです」

阿求「見たことが無い料理なのに食べ慣れたような味がしますね…」

ケン「本場の味はタリマンド(アフリカ原産の豆。果肉は甘酸っぱさと特有の香りが特徴)を使いますが、日本では塩梅…塩と梅酢が味の基本なので梅干しを使っています」

阿求「…この兎のお肉もよく煮込んである…」

ケン「ご飯が足りなくなったらこちらをつけてお召し上がりください」

阿求「…これは?」

ケン「ナンです。本場ではこれをつけてカレーをいただきます」

阿求「…つけて食べるとまた違った味わいがありますね…」

ケン「ありがとうございます」

 

ーその後ー

阿求「美味しかったです。あんなに美味しい料理は初めてです」

ケン「喜んで頂けたら…」

ケン(でもあれはあくまで『もどき』…本場のカレーを作るには香辛料がやはり必須…。香辛料があればさらに料理の幅が広がるのだが…)

阿求「どうしましたか?」

ケン「あ…いえ。香辛料が幻想郷にないかと少し思案してまして…」

阿求「…香辛料…確か本で見た気がします。あるとするなら永遠亭…ですかね。もしくは太陽の畑…」

ケン(太陽の畑…初めて聞く場所だ)

阿求「でも太陽の畑はあまり近づかない方がいいかと」

ケン「何故ですか?」

阿求「あそこには強力な妖怪がいますので…」

ケン「分かりました。色々情報をありがとうございます」

阿求「いえ。料理、とても美味しかったです」

 

ーケンが帰った後ー

阿求(…あのケン…という男の人。この里の人間を一瞬で虜にしてしまうほどの料理の腕と確かな知識を持っている…)

阿求(…でも力があるものは誰もが手に入れたがるもの…)

阿求(…何も起きないといいけど…)




#7はここまで。皆さんの投票の結果稗田家になりました。#3のあとがきでカレーは諦めたと言ってましたが、ケンも香辛料を手に入れてない時に信長と光秀にカレーを振舞ってます。その事を思い出して今回、書いてみました。ちなみに兎肉は阿求の好物のため入れたため、原作にはありません。やっぱり香辛料を手に入れるには永遠亭に行かないと行けないのか…。それとも死を覚悟して太陽の畑に行くのか。

#8の目的地をアンケートで決めます。投票の方よろしくお願いします!

#19で行く場所は?

  • 博麗神社
  • 守谷神社(妖怪の山)
  • 紅魔館
  • 魔法の森
  • 永遠亭
  • 妙蓮寺
  • 人里(稗田家、寺子屋)
  • 地底
  • 三途の川(行かないほうが懸命)
  • 白玉楼(冥界)
  • 玄武の沢
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