大乱闘スマッシュブラザーズに他の作品が参戦した世界線 作:薬師審神者
山姥切は加州清光と別れ、主に指定された部屋に向かった。そこにはこれから共に戦う仲間がいるからだ。
そもそも、この武闘会は予選に出られる選考戦以外は基本的にチームで戦う。
そのチームのメンバーは武闘会の運営委員会が何らかの基準で決めているらしいが、開会式の前まで分からない。
しかし、山姥切は知っていたのだ。
今回、共に戦うメンバーを――――。
「失礼する」
山姥切は辿り着いた部屋のドアをガチャリと開ける。
ノックをしていてはいないが、部屋の中にいた人達はあまり気にしなかったようだ。
「あら、あなたもこのチームのメンバー?」
桃色の髪に二つのシニヨンキャップをつけた女性がこちらを向いた。
彼女は
どこかチャイナを思わせる服装と右手に巻かれた包帯に左手に着けてある鎖の腕輪。強者感が溢れ出ている。
山姥切は華扇に近づき、先程の問いに「ああ」と答えた。
「俺は山姥切国広だ」
「わたしは茨木華扇よ。国広と呼んでもいいかしら?」
「……いや、切国、でいい」
山姥切がそう言うと、華扇は不思議なニックネームね、とクスリと笑った。
ふと、赤い髪の少年が近付いてきた。山姥切よりも背が低いが、どことなく只者ではない気がする。
「切国、僕はリドル。リドル・ローズハートだ。共にこの大会を頑張ろう」
赤髪の少年―――リドルが、手を差し出した。
握手をしたいのだろう。山姥切はそのリドルの手を握って握手する。
リドルは嬉しそうにニコリと笑うと、何かに気付いたような顔をして、再びニコリと笑った。
「それにしても君、きれいな顔をしているね。フードで隠すのがもったいない…ってポムフィオーレ寮の寮長なら言いそうだ」
「なっ…?!き、綺麗とか言うな…!」
思わぬ褒め言葉に山姥切は顔を赤くして、フードをさらに深く被るが、そもそも山姥切は綺麗と言われるのがコンプレックスだからだ。
しかし、それは散々慣れている。主によく言われているからだ。
だが、リドルは真に受けてしまったのだろう。彼は慌ててすまない、と繰り返していた。
「おいおい、俺達のことは忘れてねえか?」
トゲトゲ頭の少年とどこか内気そうな少女がやってきた。
グリーンと小豆沢こはねだ。グリーンは凄腕のポケモントレーナーで小豆沢こはねはVivit BAD SQUADのメンバーだ。
「俺様はグリーン。最強のポケモントレーナーなんだぜ」
「あ、あの…。私は
知ってるよ、と山姥切は心の中で返したが、そう言うわけにもいかず、山姥切はよろしく頼むとだけ返す。
「切国、わたしはリン。お互い頑張りましょ!」
切国の隣に緑色の髪でポニーテールをした少女が来た。
彼女はリン。本名はリンディスで、キアラン公爵の孫娘らしい。
どこか気強そうな雰囲気だが、眼差しは優しいような感じだ。
メンバーが揃った。山姥切のチームはこの6人だ。こはねは実際に戦わないが、サポート選手として活躍してくれる。
山姥切は改めて、新しい仲間を見まわす。
どのメンバーもやる気に満ちていた。
これなら、主命を果たせるかもしれない。
山姥切はそう確信した。
◆◆◆
とはいえ、開会式までには時間があったので、各々おしゃべりしたり、のんびりしていると、
「失礼するよ」
ちゃんとノックを3回ならして、一人の青年が入ってきた。
グリーンは新しいメンバーか?と期待していたが…。
「り、霖之助……?」
「やあ、華扇」
グレーの髪にメガネを掛けて、あまり選手に見えない青年だ。しかも、華扇と知り合いと見える。
「僕は
「お、おう…」
どうやら霖之助とやらは運営委員会のスタッフらしい。
だが、リドルはなぜ監視?と疑問にする。
「不正を防ぐためだよ。何せ、この大会は大乱闘スマッシュブラザーズの新しいファイターを決める大会だからね。そのための監視役なのさ」
なるほどと山姥切とリドルは合点がいく。
つまり、この監視役の前では怪しい動きはするなということだ。
山姥切は改めてこの大会が凄いものだと実感した。
「さて、もうすぐ開会式だ。行こうか」
霖之助が時計を見てそう言った。
グリーンはおっしゃあ!と声を上げ、リドルはそろそろだな、と呟く。華扇とこはねは緊張するねと話し合っていた。
山姥切は彼らの方に振り向く。
「…行くぞ」
伝説の大乱闘が始まった合図がした。