大乱闘スマッシュブラザーズに他の作品が参戦した世界線 作:薬師審神者
「切国さん、大丈夫ですか?」
「み、みたら…わ…かるだ…ろう」
山姥切は精一杯の声で返し、毛利はそうですよね〜とコロコロと笑った。
「さすがは歴戦のファイターですね。切国さんをこんなに追い込むことができるだなんて…。…………でも、刀剣男士の“殺し方”は知らなかったみたいですね」
意味ありげな毛利の言葉に山姥切は眉をひそめる。
確かに山姥切の怪我は一般の人間なら死んでいる可能性が高い。
しかし、そんな程度での怪我ではそうやすやすと刀剣男士は死なない。それは刀剣男士として一般常識だ。
だが、ジョーカーはそのことを知らないとは限らない。一回、山姥切と会ったことがあるのだし、刀剣男士のことを把握していると思われるからだ。
「な…ぜ、そう思う…?」
「知っていたなら、最初からそうしていますよ」
刀剣男士の殺し方は簡単だ。
本体である刀を折るだけ。
刀剣男士は、たったそれだけで死ぬ。
ジョーカーにとって山姥切の刀―――本体を奪ってそれを折ることはそんなに苦労しない。
なら、なぜ殺すと言いながらそうしなかったのか…。だとしたら、知らなかった可能性が高い。
「まあ、そんなことより。傷だらけにはいきませんしね。これ、あるじさまの霊力が込められた御札です」
毛利が懐から一枚の紙を取り出した。
山姥切は最初からそれを出せ…と心の中でツッコミながら、毛利からその紙を受け取る。
主の霊力が込められているというその御札には何やら複雑な模様が描かれており、一体何を表しているのか分からない。
山姥切はその御札をギュッと握ると、御札が燃えて灰になっていき、山姥切の傷がどんどん癒えていく。
御札が全て灰になって空に舞ったころには山姥切は体力、体調共に全回復しており、傷もすべて無くなっていた。
…相変わらず、審神者の力には驚かされる。
山姥切はそんなことを思いながら、毛利の方に向く。
「…で、毛利はこの後どうするんだ?」
「僕はしばらく武闘会の見回りです。安心して仲間達と戦ってくださいね!」
毛利は笑顔でガッツポーズをし、その後、どこかに消え去った。
…さすがは極短刀だ。まるで忍者のように退場していた。
◆◆◆
その後、山姥切は無事に寮に着くことが出来た。
寮と言っても豪華ホテルの客室を借りていて、諸々のお金は運営委員会がなんとかしてくれるらしい。太っ腹だ。
ロビーでチェックインをし、山姥切は仲間達がいる部屋に向かう。
(今日は疲れたな…)
二度とあんな目に会いたくないと山姥切は思った。
とある夏、青春の始まりである。