ハンターは辛いよ   作:荒北龍

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エピローグ

 

 

 

 

「た、ただいま····················」

 

「おかえり」

 

疲れた。

何故こうなってしまったんだろう。

ストレスを発散する為に飲んだお酒のせいで余計にストレスが溜まることになるなんて、誰が想像出来んだよ。

しかも相手が悪すぎる。

 

カティちゃんは龍歴院にも所属しており、今の龍歴院は長年姿を表さなかった古龍バルファルクのG級相当の個体が発見されその調査で各地を行ったり来たり。

 

そうでなくても古龍【老山龍】ラオシャンロンのG級相当個体の出現と突然防衛拠点に現れた巨大な未確認モンスター。

 

ドンドルマでは火薬庫から火薬が大量に紛失する事件と、突然のセルレギオスの大移動。

禁足地で上位相当か、それ以上と思われる【天廻龍】シャガルマガラが発見されたとの報告。

 

モガの村の方では度重なる大地震と津波の為緊急避難警告が出されたって話だ。

近くで黄金の鯨(・・・・)を見たって報告まで上がってる。

そしてその近くで"猛り爆ぜる"こと【臨界】ブラキディオスが発見されたと報告。

海の方では【冥海竜】ラギアクルス希少種が発見されたと報告。

 

バルバレの近くの大砂漠じゃG級相当の個体と思われる【豪山龍】ダレン・モーランと【霊山竜】ジエン・モーラン亜種が同時出現してバルバレにも緊急避難警告が発令されている。

 

塔の秘境ではG級相当の【月迅竜】ナルガクルガ希少種と【銀火竜】リオレウス希少種の縄張り争い。

 

デデ砂漠では十年前から数多くのハンターを殺しまくった二つ名個体と思われる【鏖魔】ディアブロスと【魔王】ディアソルテが冷戦状態となっており、この二頭が縄張り争いをした際は砂漠の環境と近隣の村に甚大な被害が予想されている

 

何よりヤバいのは古龍調査団の報告によれば、シュレイド城に再び【祖龍】が現れたらしい。

これはあくまで噂だ。

 

まるで世界崩壊1か月前のようなこの高難度クエストの嵐。

俺みたいな凡人ハンターにはなにもできない。

俺は祈ることしか出来ないのだ。頼む、どこかのG級ハンター達よ、この世界を救ってくれと。

 

「そう言えばさっき聞いたんだけどよぉ」

「あ、はい。なんでしょう」

 

「おっさんってロリコンなの?」

 

「ほぇ?」

 

突然の質問に、俺は頭の上にハテナマークを浮かべながら首を傾げてしまった。

 

「いやさ、さっき噂でおっさんが小さい女の子を襲って泣かせたとか言う話が持ち上がってたんだよ」

 

そう言うとレージーナは双剣を持ってゆっくりとこちらに歩みよる。

何故だか恐怖で体に力が入らない。

 

今のこの光景を例えるなら、蛇に睨まれた蛙という表現が正しいのだろうか。

 

「待ってくださいそれ俺じゃないっす」

 

「しかも相手はネコ嬢だって話だし」

 

ゆっくり、しかし確実に殺意を帯びながら俺に近いてくるレージーナ。

 

「ほんと待ってください。俺じゃないです、なのでその双剣を今すぐしまってください」

 

「ジャック」

 

「はい」

 

レージーナは双剣を俺の首筋、大動脈の辺りに刃を押し当てた。

少しでも動いたり、下手な真似をすれば俺の大動脈が引き裂かれ、そのまま出血多量で死んでしまう。

 

レージーナの瞳はどこまでも冷めきっていて、本気で殺す目をしている。

 

「オレのパーティーにロリコンとか言う性犯罪者がいたって侮辱されたんだが、もしそれが本当なら、俺に恥をかかせたテメェを殺して俺も死ぬ。返事かYESかはいな?」

 

「い、いえす····················」

 

「だよな!おっさんが性犯罪者なわけねぇもんなぁ!わりぃわりぃ、あんまり皆噂してっからちょっとだけ疑っちまったよ!」

 

「ハッハッハ!そんなわけないじゃないっすか!俺にそんなに度胸───」

 

ドサッ

 

 

次の瞬間、視界が反転して俺のマイハウスの天井が視界に移る。

どうやら俺はレージーナに押し倒されているらしい。

 

そして左目にはもう一つ、天井の他に、双剣の片方の刃が突き刺さるギリギリの所で寸止めされていた。

 

俺はぶわっと毛穴から一気に冷や汗と、恐怖のあまり子孫を残そうとラリったアイルー並みに下半身が興奮しまくってる。

 

「····················俺に恥かかせんなよ?」

 

「イ、イエッサー!」

 

そう言うと、レージーナは無言で双剣を納刀した。

 

すると、先程の殺気と脅しがうそだったかのようにベットに寝転がってくつろぎ始める。

 

「腹減った、早く飯作ってくれ」

 

「はい」

 

これが俺の日常です。

 

年下から命狙われて、同じハンターから命狙われて、モンスターからも命を狙われる日々。

 

でも最近はレージーナのこの脅しも、嫉妬による脅しなんじゃないかなぁっと思い始めてる。

 

そう思えばとても可愛いものである。

 

なぁーんだ、レージーナはツンデレなのかぁ。

 

とか馬鹿みたいなこと思ってないと胃が爆発する。

 

あと最近レージーナに罵倒されたり、こうやって奴隷のようにこき使われることに興奮を覚えてしまっている自分が居る。

 

「おいおっさん、早く飯」

 

今も年下にこき使われ、この冷たい目線で見られることに興奮してしまっている。

 

変態? 知ってるか、男はみんな変態なんだよ。

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