ハンターは辛いよ   作:荒北龍

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変態女

 

 

 

 

 

「んじゃ、オレは装備の新調してくる。そのついでに依頼金も貰ってくるからおっさんは先にマイハウスに帰っててくれ」

 

「了解」

 

俺達はベルナ村に着いたあと、そう言って別れた。

このままマイハウスに帰るのもいいのだが、まずは温泉にでも入ってこれからレーギーナがいない間どんな納品クエストを受けるか考えねば

その前にレーギーナの面接練習にも付き合わなければ。

 

そう思いながら、ユクモ村の風習である温泉が作られた場所まで移動する。

 

この時間帯は誰も入ってこない。

ユクモ村では混浴文化があるが、ベルナ村では男女に別れている。

可愛い女性と裸の付き合いが出来ないのは少し残念ではあるが、まぁ仕方ない。

 

「ふぅー、久々の風呂かァ。風呂に入るのなんて何時ぶりだろ」

 

思えば人前ではあまり素肌を見せることなんて全くなかった。

 

「ま、こんな薄汚ぇ体なんて誰にも見せられねぇか」

 

包帯を脱げば、身体のほとんどが黒く変色した火傷跡跡が残っている。

他にも横腹には肉が抉れた様な傷跡ができていた。

ジャックは普段から身体を洗う時はあまり人目のつかない場所、もしくは時間帯を見て風呂などで身体を清める。

よってこんな明るいうちから風呂に入れると言う初めての行為に若干テンションが上がっていた。

 

「よっしゃーッ!風呂ー!」

 

「入ってマース」

 

「失礼しましたー!」

 

しかし、風呂の扉を開けた途端、あったのは全裸で仁王立ちした金髪のナイスバディの女。

俺は勢いよく扉を占め、急いで腰に布を巻き、入口ののれんを見る。

 

「よっしゃ男湯ー!」

 

「お客様!服ッ!服忘れてるニャッ!」

 

そして再び風呂場に向かう。

 

「お、またあったな!」

 

「やっぱいるッ!」

 

「私は幽霊かなにかかよ」

 

「ギルドナイトさーんッ!変態!ここに女なのに男夜に入ってる変態がいますッ!!」

 

「はぁ?バカかよお前。そこはこんなナイスバディタダ見できたんだから崇め奉れよ」

 

「お医者さーん!頭のお医者さんいませんかああああぁぁッ!!」

 

 

 

 

 

§§§

 

 

 

 

「で、なんで男湯に女がいるんですか」

 

「あー、ここ男湯なのか」

 

「字読めないの?」

 

「字が読めねぇって言うより···············」

 

よく見れば女の目は白く濁っていた。

 

「目が見えてないんですね」

 

「そ」

 

よく目を凝らせば目の周りには薄く古傷の跡があり、体にも何か大きな爪で切り裂かれたような大小様々な傷があった。

どうやら彼女も同業者の様だ。

だがこんな金髪美人のハンターがベルナ村の集会場に居たという話は聞かないし、そもそも顔も初めて見る。

 

ベルナ村の集会場には2ヶ月以上は滞在しているが、これだけ美人なら噂の一つや二つ流れてもおかしくないと思うのだが、そう出ないということはたまたまベルナ村に立ち寄ったのだろう。

 

「そんな目になってもハンターをやめないんですね」

 

「それはお互い様だろ?」

 

「····················本当に見えてないの?」

 

「なに、目が見えなくてもそれ以外を見ればいいだけの話さ」

 

そんな不思議なことを言う彼女。

目が見えない者にはに別の世界が見えているとでも言うのか、きっと目が見えなくなれば分かるのだろうか。

 

「なぁ」

 

「はい」

 

「実は私この後納品クエストを受けたいんだが、こんな目だ。手伝ってくれないか?」

 

「それは別にいいですが、別に俺でなくてもいいのでは?」

 

「これも何かの縁てやつさ」

 

そう言って彼女はザバァと風呂から上がり、そのまま風呂場の扉に向かう。

 

「そう言えば名前がまだだったな。私はカシファ」

 

「俺はジャック。短い間だがよろしく頼みます」

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