ハンターは辛いよ   作:荒北龍

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§依頼者§
・龍歴院の粘菌研究家


§依頼文§


すまないが古代林で研究用の深層シメジを集めてきてくれ。
··········そういえば各地で様々なモンスターの目撃情報が集まっている。
古代林でも何やら晴れているのに落雷が落ちてくるという情報があった。
くれぐれも油断せず、気おつけてくれ。


序章の幕開け

 

 

 

 

「このエリアのシメジはこれで最後か」

 

「こっちも回収終わりましたよ」

 

俺たちはあの後すぐにクエストを受けた。

事前にレーギーナに伝えようか迷ったが、別に伝えるまでもないだろうと思い、マイハウスに戻ることなく、今は古代林でシメジ狩りをしていた。

お互いシメジを探索する場所を決め、二手に別れながらシメジを取り続け、最後にこの古代林でも最下層、エリアの1番奥が残った。

 

「あとはこの奥のエリアだけか」

 

「あと残り3個。さっさと見つけて帰りましょう」

 

依頼書に書かれていた晴れの日でも落ちてくる落雷。

一番最初に思い浮かんだのはジンオウガだったが、ここ1年ジンオウガの目撃情報は全くない。

そもそもジンオウガは群れで行動するためか、目撃情報は直ぐに上がるはずだ。

 

「それにしても、まさか新大陸調査団の人だったとは」

 

横で共にシメジ狩りをしている盲目の女性の装備。

それは新大陸と呼ばれる未だ未開の地で生息が確認されている惨爪竜オドガロンの1式装備。

新大陸調査団と言えば、ハンターの中でもよりすぐりのエリート達しか入れない集団。

話ではG級【城壁】アル=ハイゼンは第8期団の隊長として新大陸に向かったと聞く

 

「それにしても本当に見えていないんですか?先程からなんの迷いもなく深層シメジを取っていますが」

 

「まぁな。最初の頃は不便だったんだが、私の師匠がこんなことを言ってくれたんだ」

 

───モンスターは大剣でぶった切れば死ぬ。モンスターは壁をすり抜けたり、攻撃が通り抜けたりすることは無い。

 

───つまり攻撃し続けていれば死ぬわけだ。ほら、目の執拗なところなんてどこにもない。つまり目が見えなくても戦えるって訳だ。

 

「で、気づいたらこうなってた」

 

「どう言うことなの?」

 

軽々と話しているが、全く意味がわからない。

それを人は脳筋というのだ。

 

───パシュッ

 

「?」

 

「この音は··········ハンターの緊急信号だな。 ちょうどあそこは深層シメジが大量に生えてる場所だな」

 

「まじで目が見えてないんですか?」

 

ここからそう遠くない距離で1つの先端に赤い光を放ちながら1本の細い狼煙を上げていた。

近年突然のモンスターの大量発生。

そして歴戦個体や上位個体、G級個体すら多く出没するようになっている。

それ自体は今までの歴史を見ればそこまで珍しいことでは無い。

問題はそのモンスターが人里近くや、下位のクエストでも多く見られるようになってしまった事。

本当なら生息していない場所に生息していたり、中には大陸を渡って別の大陸にいるモンスター。

 

それが原因で多くのハンターが命を落とした。

ギルドは急遽対策としてハンターに救難信号を送れる携帯用小型ボウガンを配布した。

おかげで近くにいるハンターがすぐに駆けつけることができるようになり、最初よりも死者は大きく減ることとなった。

 

カシファは狼煙が上がってる方へ歩き出す。

 

「自分戦えませんよ?」

 

「戦うことが目的じゃない」

 

「あぁ、そういう事ですね」

 

恐らくカシファが言いたいのはあくまでも今救難信号を出しているハンターの救助。

 

「じゃ、自分は竜車で向かうんで1度キャンプに戻ります。キャンプには回復薬や支給品秘薬もあるので」

 

「あぁ、頼む」

 

そう言って2人は別れる。

 

「さて、···············行くか」

 

カシファは古代林の深層に繋がる崖を飛び降りた。

 

 

 

このとき二人は知らない。

この行動が何千年も動かなかったモンスターとハンターの歴史の歯車を動かすことになるのだと。

 

 





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