魚雷職人☆初雪さん! 作:こんこんВерныйカワイイヤッター
「そういえば今日白雪が公式に着任するらしいよ」
と北上さんが言ってきた。
「まだかなー」
「待ち遠しいねー」
「…ん?」
「どうしたの初雪?」
あれ?今週の教導担当艦弥生だったよね?弥生緊急遠征…あ。
「弥生今遠征行ってるよね…」
「…あ」
「…行くかぁ」
「…そだね」
「司令官。今白雪居る?」
「どうした?」
「弥生、今週教官、遠征」
「…ほんとじゃん」
「白雪の教導艦してくる」
「よろしく」
初雪ッ!退室ッ!
「…老けたかな?」
「過労だと思いますよ?」
大淀が瑞雲を持ちながら出てくる
「…誰のせいだと思ってるんだ」
「さぁ?」
今日も司令官は頑張ります。
「白雪ー訓練行くよー」
「分かりました」
白雪に案内を含めて少し遠回りで演習場に向かう。
「ここが出撃待機所であそこが道場…まぁ剣道とかの武道系だよ。でここが演習場」
「ここがですか」
「そこに白雪の装備と訓練用の弾薬が置いてあるから装備し終わったら演習場に来て」
「分かりました」
数分後白雪がフル装備で出てくる。
「来たね…じゃあ先に航行訓練してそのあと砲撃訓練しようか。まず航行訓練だね」
「はい」
「動かし方は分かるね?特型はトップヘビー気味だから腰を落とすことを心掛けて。慣れてないとコケるから」
「こう…ですか?」
白雪は航行に関してはかなり上手いらしい。すぐに出来ていた。
「筋がいいね。じゃあ問題ないみたいだし砲撃訓練しようか」
そう言いながら私は長らく手入れのしていない主砲を構える。
「主砲はね、物を飛ばしてるわけだから落ちるし着弾まで時間がかかる。だから敵の進行方向に少しずらして撃つと当たる。あと弾落ちは結構あるから少し上を狙って撃たないと当たらないよ」
「うーん…」
「砲塔をゆっくり動かしてください(wows脳)」
遅いながらも狙いが付く。
「はい。撃って」
「…ッ!」
ドン!
「…」
「うーん優等生みたいだね。そのまま慣れた…ら…」
白雪キラキラ状態
(しまった。白雪ってトリガーハッピーなんだった。)
そう思ったが既に遅く数回分の砲撃音が鳴り響いていた。
「頑張ってるなぁ…」
「その割にはキラキラしてますけどね」
上空に白色の機影が18機映る。その正体は佐世保から来た零式艦上戦闘機一二型の中隊。
「そろそろ降下するよ。一番機から降下するね」
「了解」
彼女は戦闘機妖精。他の妖精とは少し違い人の言葉を喋れるという特技を持っている。佐世保第一航空隊、第一戦闘機隊の隊長でもある。そんな彼女が今日、横須賀に到着した。横須賀の整備妖精の案内を受けながら飛行隊長が二番機の妖精と共に執務室に向かう。
「本日付で佐世保第一航空隊、第一戦闘機隊から着任した隊長です。よろしくお願いします」
「うむ」
「あとこっちの妖精が私の二番機を務める副隊長です」
話せない代わりにぺこりと挨拶をする。
「長旅ご苦労。疲れただろう。ゆっくりしていきなさい。執務室を出て突き当たりから右の部屋が君たちの部屋になるからそこで休みなさい」
「了解しました。失礼します。」
提督の横に立っていた大淀が提督に問いかける。
「なぜ佐世保の航空隊が?」
「あぁ…佐世保の提督をやってる中島っていうやつが居るんだがそいつから休暇代わりに横須賀に行きたいらしいから通してやってくれと連絡が来たんだよ」
「なるほど」
「なかなかのベテランらしいぞ」
そうこの隊長、かなり強いのだ。しかも彼女の愛機は生産されたパーツの中でも精度のいいもので出来ていて彼女の腕前と合わさり比較的精鋭の多い佐世保第一航空隊、第一戦闘機隊のなかでも群を抜いて強い妖精だ。先程その彼女は執務室を出たが行き先は実は違う。彼女の行方は…工廠だ。
「おお…これは」
「いいでしょう…佐世保自慢の機体なんです」
「工作精度が抜群にいい…整備もされている」
「それでお願いがあるんですが…この子の整備をお願いしたい。うちの自慢の子なんだ」
「もちろんだ。いやむしろさせてくれ。整備してやらんと佐世保の整備班に失礼だ」
「ありがたい…」
ところで話は変わるが彼女にはある二つ名がある。『閃光』彼女の愛機である零戦21型は他より速い。そして彼女の運転技術も合わさり高速で飛来し20mm機関銃で粉々に粉砕し絶対に追えない。彼女のゼロが空を駆ける姿を見て皆は『閃光』と呼んだ。そんな彼女は愛機のゼロを娘のように扱っている。先程精度のいいパーツだけで出来ているといったがそこには整備班だけでなく遠征艦隊などもかなり関わっている。彼女の零戦を組み立てるためにかなりの資材が使われている。少なくとも一つのパーツのみで50個以上製造されている。それもネジ1本に至るまで。そのため資材の数は尋常じゃない量が使われている。佐世保では「フォーゲルプロジェクト」と言われ鎮守府総出で制作された零戦なのだ。そんな零戦を整備するというのは整備士として名誉なことだった。
「めしだー」
なおそんな零戦のパイロットは癒しである。
がんばった。なんざんってつらい。