TS転生したクール系美少女は幼馴染の彼が大大大好きなようです。   作:蝉時雨。

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第2話 デート

今日は久々に鋼太郎(こうたろう)からの誘いがあり2人っきりのデートである。

 

学校は一緒に自宅から登校するのだがこういう買い物、デートの時は待ち合わせをするようにしている。なんでかって?その方が恋人っぽいでしょ?

 

…付き合ってないけど

 

そう、()鋼太郎(こうたろう)に大好き、愛してるなんて言っておきながら実はまだ付き合ってはいないのだ。

 

決して自分が彼に釣り合っていない、とか、彼にはもっと相応(ふさわ)しい女性がいるはずだなんて思っているとかでは無い。鋼太郎(こうたろう)の隣は誰にも譲るつもりはないし、()の隣も鋼太郎(こうたろう)ただ1人だけだ。

 

では何故付き合ってないのか、それは鋼太郎(こうたろう)から告白してくれるのを待っているからである。

 

鋼太郎(こうたろう)は漢字の(かん)と書いて(おとこ)と呼ぶのに相応(ふさわ)しい男である、そしてロマンチストだ。

 

然るべき場所、タイミングで告白してくれる、と()は思っている。

 

高校を卒業する前には告白してくれるとは思うが、あっちが来ないなら()から告白すればいいのである、そしてそのままベットに押し倒して貪り食ってやる。

 

…押し倒せるかわかんないし返り討ちに合う未来しか見えないけど。

 

少しピンクな妄想をして気がついたら待ち合わせ時間の5分前になっていた、彼は毎回ちょうどピッタリの時間に来るので問題は無い。

 

時計を見つつこの永遠と思うほど長い5分を待つのは悪くないな、なんて思っているとふと声をかけられる

 

「君可愛いね〜、この辺の子?俺ら旅行でここら辺来たんだけどさ、すこーし道案内とかしてくれない?」

 

「いいお店紹介してよ〜」

 

「服のセンス良いね、どこのブランド?」

 

「美人さんだね〜、大学生?」

 

うっっっっっわ、ひっさびさにナンパしてくる奴が現れた。この場所は小さい頃から鋼太郎(こうたろう)と出掛ける時、いつもここを待ち合わせ場所にしている。

 

なので()鋼太郎(こうたろう)の関係を知ってる人の方が多いはずなので、基本的に声を掛けて来る人はあまり居ないはず、だがコイツらは旅行で来たとか言ってるから鋼太郎(こうたろう)の事も知らないのか。

 

というか3、4人でこっちに言い寄ってくるな、普通に怖いだろうが…。だが怖がっているところを見せるとこういう奴らは調子に乗りそうなので、普通を装いつつ言い返す。

 

「申し出は嬉しいのですが友人と待ち合わせをしているので、すみません」

 

と言ったが相手はそう言われるのを分かっていたのか

 

「いいじゃんいいじゃんほんの2、3分案内してくれるだけでいいからさ〜」

 

などと言ってくる、その視線は()を舐めるように見ている。…気持ち悪い。そしてそんな()を見て気がついたのかニヤリと笑みを浮かべながら

 

「そんなこと言ってさ、手、震えてんじゃん」

 

と言われてはっとする、そして連れの1人が

 

「ほんとだ〜、ちょっと震えてんじゃ〜ん。あんなぶっきらぼうな態度とっておいて内心ビクビクなの〜?かっわいい〜」

 

…当たり前だ。怖くないはずがない。

 

()の今の身長は160あるかないかくらいだ、自分より大きな連中で相手は男。力でかなう訳もないし、万が一にでも襲われたら対処しようがない。

 

そして4人の中の一人が俺の手を掴もうと手を伸ばして来る。

 

直ぐに警察を呼べるように準備しておいたがその準備は無駄に終わる

 

「おい」

 

男達はその声にビクッと肩を揺らし、声がした方を見る。だいぶ怒気を含んだ声で話しかけてきた1人の巨漢。()の愛しの鋼太郎(こうたろう)だ。

 

そんな鋼太郎(こうたろう)はずんずんとこちらに向かって歩いてくる、男達はそんな鋼太郎(こうたろう)を見て動けずにいた。

 

そして男達の中から救いあげる様に()を手を取り彼の胸元に抱き寄せられた。

 

一瞬何が起こったのか分からなかった。

 

手を取ってれた!かっこいい!鋼太郎(こうたろう)大好き!!!ときゅんきゅんしていたら彼の胸元にぽすん、と抱き寄せられたのだ。頭が宇宙猫になりそうだ、というかなった。

 

「俺の連れが世話になった、じゃあな」

 

そう言い彼は()の肩に手をかけ()を守るように自らの方に寄せ、立ち去ろうとする。そんな彼のことを見て我に返ったのか最初に声を掛けて来た奴が

 

「…あっ、おい!ちょっと待て!その子は俺らが狙ってたんだぞ!」

 

…おい。完全に身体目当てじゃねーかよ。だと思ったけどさ。

 

そんなカスの言葉が癪に障ったのか鋼太郎(こうたろう)の表情が一層険しくなる。

 

「テメェらなんかに()()()はやらねぇ、なんだ?喧嘩なら受けて立つぜ」

 

鋼太郎(こうたろう)はそう言い、男たちを眼力で殺せるんじゃないかと思うくらい睨んでいた。

 

「……っ!………っ!」

 

チャラ男Aは口をはくはくとさせ、なんとか言葉を発しようとしているが恐怖し、声を出せずにいる。

 

そして鋼太郎(こうたろう)は相手がもう何も出来ないとわかったのか視線を外し前を向いて

 

「行くぞ、凛」

 

そう言って()の歩幅に合うように歩いてくれる。

そんな鋼太郎(こうたろう)を見て()は…

 

めちゃくちゃ興奮していた。

 

さっきの恐怖が宇宙の彼方までぶっ飛ぶくらいには興奮している。

ナンパなら何度もされた事があり、それと同じ数だけ助けられた。だがいつもは手を取り「連れが世話になった、じゃあな」で終わり、相手が何を言っても無視していたのだが今回は違う。

 

()を自分の胸元に抱き寄せ、なんと…なんと!俺の凛と言ったのである!俺のもの宣言である!!!

 

もう()の中身はお祭り騒ぎのどんちゃん騒ぎ、飲めや歌えの大波乱。今なら彼にめちゃくちゃにされても良い…なんて思いながら鋼太郎(こうたろう)と一緒に歩いていると鋼太郎(こうたろう)から声を掛けられた。

 

「すまない、凛。怖くなかったか」

 

多分男たちに言い寄られた事、そして自分があんな態度を取ってしまった事を申し訳ないと思っているのだろう。だから()は彼に対してこう返す。

 

鋼太郎(こうたろう)君が助けてくれると信じてましたから、それに…」

 

鋼太郎(こうたろう)の肩をぐいっと耳元が自分の口元まで来るように下ろし

 

「そんな鋼太郎(こうたろう)君も大好きですよ」

 

と彼の耳元でそっと呟くようにして返事をする。

 

すると彼は表情を変えず

 

「そうか…」

 

と返す、表情は変わらないが耳が若干赤くなっているのに気がつく。

 

この若干耳が赤くなる癖は()鋼太郎(こうたろう)の家族しか気が付かないほど些細なものだったりする。他の人は鋼太郎(こうたろう)は無表情で嬉しさを全然出さないように見えるのかもしれないがそんなことは無い。

 

だがこの癖を誰かに言いふらすつもりもないし、()だけ気がついていればそれで良いのだ。

 

彼の反応を楽しみながら歩いているとスイーツの看板が目に入ってきた。

 

「…春の新作スイーツ?」

 

今世の()は前世の時と同じく甘いものが好きだ、こういう看板を見るとつい気になってしまう。

 

「食うか?」

 

鋼太郎(こうたろう)も興味があるのか()に声を掛けた

 

「えぇ、一緒に食べましょう」

 

「あぁ」

 

そんなやり取りをして2人でお店に入り、その春の新作スイーツを注文し席に座る。

 

しばらく待っているとスイーツが運ばれて来たので1、2枚写真を撮り、いただきます。と言い、フォークで掬い、口へと運ぶ。

 

春の、と言うだけあっていちごが使われおり、甘酸っぱいがそこまでの酸味はなく、甘みと酸味がなんとも絶妙なバランスの取れたとても良いモノだった。

 

…いい事思いついた。

 

スイーツをフォークで掬い、彼に声を掛ける

 

「あーん」

 

「…っ!………あーん」

 

彼は少し驚いた後に素直に()が差し出したスイーツをできるだけフォークに口が付かないよう慎重に食べた。

 

「美味しいかったかしら?」

 

「…あぁ、同じのだからな」

 

2人で同じものを頼んでおいて美味しい?と聞くのはおかしいが()から食べさせられて美味しかったか?と聞いたのだが彼は同じのだから、と答えをあやふやにさせた。

 

ならば、と思い彼に

 

「あーん」

 

と口を開け、彼に食べさせて貰おうとする。

 

「…あーん」

 

彼はフォークでスイーツを掬い、()の口へと運んで来た。

 

少しはしたないがそのままフォークごとがっつりと口の中に入れ、フォークにクリームが残らないほどしっかりと食べた。

 

そして咀嚼し、飲み込む、そして少しだけ舌なめずりをする。

 

「美味しかったわ、鋼太郎(こうたろう)君のスイーツ」

 

「………そうか」

 

ふふっ…彼の目線がフォークに釘付けになっている。

 

()はTS転生者の元男だ、男の肉欲をそそるやり方など沢山知っている。美少女ががっつりと口に入れたフォークはさぞ戸惑いと肉欲を唆るだろう。

 

彼はどんなに身長が高く、ガタイが良くてもまだ高校1年生、思春期もあり異性への興味が収まらないだろう。そんな中こんなことをされてみろ、たまらなく興奮するだろう?()は興奮する。

 

「どうしたの?鋼太郎(こうたろう)君、食べないのかしら」

 

「…食べるさ」

 

少し意地悪な質問をし、食べるのを促す。()がさっき食べたフォークで食べ始める鋼太郎(こうたろう)、少し興奮する。

 

…嘘です。めちゃくちゃ興奮してる。

 

戸惑いつつ口に運ぶ様子は果てしなくかわいい。

そんな彼を見つつ()も自分の分のスイーツを口に運ぶ。

 

食べ終え、店を出て次はどこに行こうか考えていると鋼太郎(こうたろう)

 

「スポーツ用品を見に行きたいのだが、いいか?」

 

と言われ()

 

「えぇ、行きましょう」

 

と返事をする。まあ元々鋼太郎(こうたろう)が買い物に出掛けたいと()を誘ったのだから当然といえば当然か。

 

店を入ると買うものを決めているのかスタスタと歩いて目的地まで歩く鋼太郎(こうたろう)

 

高校生になり中学の頃よりもさらに体格が良くなっている鋼太郎(こうたろう)、インナーウェアがキツくなったのかそれとも古くなったのかインナーウェアを手に取り、数枚カゴに入れる。

 

レジ付近に行くとプロテインが入っている袋を数種類手に取りカゴに入れそのまま会計を済ませた。プロテインはそこそこの値段するし、()が払おうとすると彼に止められた。

 

まあ女性に払ってもらうのは男が廃ると思うのは鋼太郎(こうたろう)のいい所である。好き。

 

だが、今世の()はいいとこのお嬢様だ、毎月のお小遣いが軽く数万は貰える、父の機嫌が最高潮に高い時はウン十万は貰えるのだ。

 

ソシャゲに課金するにしても貰える額が多すぎて消費が待ち合わないくらいだ。前世の()は大層羨ましがることだろう。

 

一方鋼太郎(こうたろう)は普通の家の生まれだし、一般的な家庭より少し裕福なくらいだ。鋼太郎(こうたろう)へのお小遣いも数千円程度、前に話した時にそろそろバイトを探すとも言っていた。

 

自律する心は大変素晴らしいがもう少し()を頼ってくれてもいいのではと思う。鋼太郎(こうたろう)ならヒモになってくれても大歓迎である。てかそうして欲しい。

 

だがそんな()の理想は鋼太郎(こうたろう)には通じないだろう、彼は優しいし正義感もある。漢の中の漢だ。そんな男がヒモになることは自分自身が許せないのだろう。

 

あー、やっぱ鋼太郎(こうたろう)かっこいいわ〜。こんな男と幼馴染、しかも両思いとか素晴らしきかな我が人生。

 

そんなこんなで鋼太郎(こうたろう)と一緒に服を見たり、ゲーセンで遊んだり、新しい本を買ったりしているとすっかり夕日が眩しい時間帯になっていた。

 

自宅付近まで来てそろそろ解散になるので()鋼太郎(こうたろう)に感謝を述べる。

 

「今日もとても楽しかったわ、鋼太郎(こうたろう)君」

 

「…俺もだ」

 

そう言い微笑みを浮かべる鋼太郎(こうたろう)

 

!???!?!?

なんなんだ最近の鋼太郎(こうたろう)はッ!!!明らかにデレの回数が増えている!!!少しだけ積極的になりやがって!()をどうするつもりだ!!めちゃくちゃにするつもりなのか!??!?していいぞ!!!!!!

 

「…また明日ね」

 

なんとか平然を装いながら彼に挨拶をする

 

「あぁ」

 

そんなやり取りして()達は自分の自宅へと入っていく。

 

「はふぅ…」

 

玄関のドアを閉めると普段は絶対に出ないような気が抜けたため息が出た。

 

「あら、おかえりなさい凛。ふふっ、何かいい事でもあったかしら?」

 

「ただいま帰りました、お母様。そうね、最近鋼太郎(こうたろう)君が積極的でどきどきしっぱなしだわ」

 

「あらあら、あの鋼太郎(こうたろう)君がね…1歩前進かしら」

 

「そうね、とても嬉しいけれど心臓に悪いわ」

 

母と最近の出来事を話しつつその日の思い出を大切にしながら毎日過ごしていく、今日の幸せな一日はこうして終わりを告げる。

 

 

 

 

 


読んで頂きありがとうございました。

凛ちゃんは好き好きアピールで連打攻撃なのに対し、鋼太郎(こうたろう)はクソデカ愛情をどーーん!!タイプなので凛ちゃんが食らう一撃がとても重い訳ですね。

 

個人的に地の文と会話での口調が違うTS娘って興奮しません?私はします。もっと濃密なイチャコラを書きたいのですが自分自身の才能のなさが悩ましいです。

 

それとこの2人のR18系(純愛)もいつか描きたいなーと思っているので待って頂けるのであれば幸いです。

 

ここだけの話凛ちゃんは結構なマゾだったりします。鋼太郎(こうたろう)限定ですけど。

 

感想などがあれば気軽に言ってください、感想でのネタ提供もぜひ待っています。ネタが全然ないので続くか分かりませんがこれからもよろしくお願いします。

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