TS転生したクール系美少女は幼馴染の彼が大大大好きなようです。   作:蝉時雨。

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第7話 雨の日

6月に入り、雨が多くなる、梅雨のシーズンの到来だ。

 

ジメジメしたり晴れが少なく、洗濯物が乾かないなど嫌われる要素が沢山ある時期ではあるが()としては大好きな時期である。

 

なんとなく察している人もいるだろう

 

そう!鋼太朗の傘に入り、相合傘で合法的にイチャイチャする事が必然的に増えるからである!!

 

学校への登下校を鋼太朗の傘に入り、密着しながら過ごせる雨の日は今世における()の至福の時間だ

 

そして今日は絶好の傘日和!朝から夕方まで雨が降るようなので帰りも相合傘できそうだ!!

 

天気予報を見てから鋼太朗と一緒に入る用の傘を持って自宅を出る、鋼太朗の家に行き、鋼太朗を起こした後アンジェリカさんが作った朝ご飯を頂いてから登校する

 

鋼太朗が傘を持ち、()はそれに寄り添うように歩く、()と鋼太朗の間に会話は無いが気まずい雰囲気などは微塵も無い

 

鋼太朗と並びながら歩き、少しだけ斜め上を向き鋼太朗の顔を盗み見る

 

はぁ〜〜〜、顔良。120点。

顔面のパワーがありすぎる、()を惚れ殺す気か???

 

この角度で鋼太朗の顔を見れるのが()だけだと思うとめちゃくちゃ優越感に浸れる

 

ふへへ、幼馴染兼嫁候補の()だけの特権だ、最高。

 

鋼太朗の200点の顔を眺めながら歩いていると鋼太朗が()の視線に気がついた

 

「ん、俺の顔に何か付いてるか?」

 

「ふふっ、何も付いてないわ、ただ貴方の顔が素敵で眺めていたの」

 

ここで誤魔化してはいけない、事実を述べることでほぼカンストと言っていい信頼度、好感度をさらに上げるのだ!

 

本当は褒め言葉を言われ、照れる鋼太朗が見たいだけなのだが…

 

「…そうか、凛もいつも通り綺麗だ」

 

「……っ」

 

へぁっ!?

うぐっ…ジャブを打ったと思ったらストレートで返された!!

 

なんだよぉ!なんなんだよぉ!!

最近()の攻めが全然効いてないんだが!?むしろ返り討ちに会いまくってるが!?

 

中学の頃やりすぎたか?毎回好きだの愛してるだの言いまくってたから耐性が付いたのか?

 

くっ、ここで引いたら男…今世は女だけど…が廃る!

 

「鋼太朗君の為に綺麗でいるのよ?」

 

さぁ!この『貴方の為に』作戦はどうだ!!

 

「…男としてこんなに嬉しい事は無い、ありがとう凛」

 

そう言ってわざわざ傘を持ち替え、微笑みながら()の頭を軽く撫でる。

 

……()の負けです。

だめ、完敗、勝てる気がしない、かっこよ、無理、しゅき。

 

普段顔に出ないはずの()の顔が熱くなってるのが分かる、今絶対顔赤いよ…

 

けど!諦めてたまるか!いつの日かまた鋼太朗を照れさせてやる!!!

 

…今はもう無理です、勘弁してください。

 

鋼太朗にバレないように深呼吸を繰り返して平常心を取り戻し、顔の色も戻して鋼太朗と2人で歩いていく

 

そんな時間を過ごしているとすぐに学校の近くに着く、相合傘をしているので同じく登校している生徒達の注目をいつも以上に集める

 

「あ、城ヶ崎さんだ…いつも隣にいる男ってやっぱ彼氏なのか…?」

 

「あの距離感で恋人じゃないのかよ…」

 

「相合傘?は?なんで???」

 

うちのクラスじゃない生徒や他学年の先輩方はこの距離感に戸惑っている模様、ちなみにうちのクラスの反応は

 

「うーん実家のような安心感、鋼凛尊い」

 

「い つ も の」

 

「城ヶ崎さんニッコニコで草」

 

など、見慣れた風景を見ているような反応ばかりだ、()としてはそっちの反応の方が少々恥ずかしいが悪い気はしない

 

まぁ、こうやって鋼太朗にくっ付いているのにも訳がある。

 

イチャイチャしたい、という理由もあるのだが鋼太朗は()のモノだという事、そして()は鋼太朗のモノだという事を周りの人間に伝える為である。

 

()への告白は前に比べて圧倒的に少なくなったが、未だに告白してくる奴らもいる、そんな時は鋼太朗に一緒に来てもらい、相手の脳を破壊してから帰る。

 

だって変に執着されても怖いしな!

 

ああいう時の鋼太朗は「俺の女に手を出したら殺す」みたいな雰囲気をバチバチに出してたりする

 

実はこれが好きで告白される場所に鋼太朗を連れて行ったりしているのは内緒だ。

 

だって鋼太朗の男らしい一面をガッツリと堪能出来るんだもん!いつもカッコイイけどそれに加えてワイルドな男らしさが加わるともう最強、女として生まれてこんな男に惚れない女はいない!!

 

ところで鋼太朗はいつになったら告白してくれるのだろう、いつまでも待つとは言ったがもう充分"強い男"ではあるはずなんだけど…

 

んー、今月末にある体育祭か10月にある文化祭で告白するつもりなのだろうか?

 

今のままでも充分に満足はしているのだが恋人として、もっとイチャイチャしたいなーとかも思ってしまうのだ

 

手を繋いだり、腕組んだりとかキ、キキキス…とかも…

 

いや、ダメだ、そんなことしたら()が幸せ大爆発してしまう

 

はっ!まさか()が幸せ大爆発するかもしれないからそれの耐性を付けるためにあんな積極的な行動を…!?

 

い、いやぁまさかね、いくら()の事に察しがいい鋼太朗でもそこまではないよね?…ない、よね?

 

そんなことを考えながら他の生徒達の注目を集めつつ校門まで歩いていく

 

玄関で靴を履き替えていると元気な声で()の名前を呼ぶ声が聞こえた

 

「凛ちゃん!おはよー!」

 

「おはよう、向日葵さん」

 

雨の日だがいつも通り元気な向日葵さんが挨拶してきたのでこちらも挨拶を返す

 

「凛ちゃん雨の日なのに髪の毛ツヤツヤだねー、私朝起きた時寝癖直すの大変だったんだよ?」

 

「向日葵さんの髪も綺麗よ」

 

「えへへ、そう?」

 

向日葵さんのオレンジ色の髪は雨の日でも煌びやかな髪が輝いている

 

「そういえば凛ちゃんと鋼太朗君ってほんとに仲良いよね〜!」

 

「えぇ、幼馴染だもの」

 

「え〜?ほんとにそれだけ〜?朝からあんなにイチャイチャしてたのに〜?」

 

とニヤニヤしながら聞いてくる向日葵さん

 

おっと、向日葵さんにも相合傘見られてたか

 

「鋼太朗君に頭撫でられて顔を赤くしてた凛ちゃん、可愛かったな〜」

 

「……え?」

 

へ?ひ、向日葵さんま、まさかアレも見てたの…?

うそうそうそうそ!待って!なんで?と、とりあえず口封じを…

 

「ひ、向日葵さん?あの…」

 

「ふふーん、分かってるよ〜、内緒でしょ?」

 

あ、よ、良かったぁ…これ以上クラスの皆に可愛い目で見られるのはゴメンだ…

 

「ただし!秘密にして欲しかったら私のお願い、聞いてくれる?」

 

お、脅し!?可愛い顔しながらなんて事を…!天使かと思ってたけど実は悪魔なんじゃ…

 

けどこれを受けなきゃ精神的に死んでしまう、受けるしかないか…

 

「……わかったわ」

 

「ほんと!?ありがとー!じゃあお願いは今じゃなくて今度の機会に使わせてもらおうかな〜」

 

今じゃないのか、良いのか悪いのか…

変な事じゃないといいけど…

 

「じゃあ私は先に教室行ってるね〜」

 

「えぇ」

 

元気よく教室に向かう向日葵さんを見送る()、やっぱ天使の皮かぶった悪魔だよ、向日葵さん。

 

「…すまん、凛」

 

靴を履き終え一部始終を聞いてた鋼太朗が謝ってきたが、悪いのはムキになってやり返そうとした()の自業自得なので鋼太朗は悪くない

 

「鋼太朗君は悪くないわ、それに向日葵さんなら変な事は言わないはずよ」

 

「…そうだな」

 

鋼太朗とのイチャイチャを見られる分には問題は無いのだが、()の恥ずかしい事が広まるのは勘弁願いたい

 

朝の出来事で一波乱あったがそれ以外はいつもの学校生活とあまり変わりは無い

 

いつも通り鋼太朗の顔を盗み見みしながら授業を受けていると、あっという間に昼休みの時間となる

 

雨が降っているため、屋上が使えず今日は教室で母が作ってくれた弁当を鋼太朗と一緒に食べる

 

鋼太朗の弁当は重箱弁当だ、もちろん三段。

成長盛りの高校生だからね、いっぱい食べるのはいい事だ

 

ただ鋼太朗の弁当を見て驚いてる奴もいる、小野寺の奴も最初はめちゃくちゃ驚いてたな

 

鋼太朗の母であるアンジェリカさんは、毎日この量作ってるのだ、素直に尊敬する。ちなみに鋼太朗の父、武蔵さんの弁当もプラスだ。

 

そんな鋼太朗、武蔵さんの食費に関しては全然問題無い、()の父が武蔵さん、というか東一家が大好きなので定期的に食材を送っている為だ

 

ほんと、金持ちって凄いわ

 

そんな事を考えつつ自分の弁当を食べ終える、鋼太朗はまだ食い足りないのか焼きそばパンを買いに購買へ行ってしまった

 

クラスメイト達の声を聞きながら読書をし、時間を潰す。次の時間は体育なのですでに着替えに行った人達もいる

 

体育では今月末に体育祭があるため、競技の練習などが主になってくる、ただ今日は雨なので屋内でできるものに限られる、行進やダンス、そしてバトンの受け渡しの練習。

 

実は()はこのバトンに少しだけ嫌な思い出がある、けれどその嫌な思い出は鋼太朗との大切な思い出でもある

 

あれは中学の時の運動会、3年生が行う全員リレーというものがあり、当然()も参加させられた

 

 

 

 

最終種目の全員リレー、鋼太朗はアンカー、そして()はそのひとつ前で走ることになっていた、()達のクラスの現在の順位は1位、練習通りにバトンを受け取り、そのまま走れば1位は確実であった

 

だが、()はやらかした

 

バトンを受け取る際にそのバトンを落としてしまった、もたつきながらバトンを拾い、走り出したが他のクラスの選手はもう()のすぐ側まで来ていた

 

カーブのところで次々と越されていく、そして越された時に肩がぶつかったのか転んでしまった

 

泣きたくなった、みんながせっかく繋いでくれたバトンを落とし、さらには転倒してしまったのだから

 

けれど鋼太朗が待っていると思い、諦めずに走り、鋼太朗へバトンを渡す

 

「ごめんなさい…鋼太朗君…」

 

「任せろ」

 

鋼太朗は一言そう言うと()からのバトンを受け取る、次の瞬間、ドンッ!と音がして驚いた、その音は鋼太朗が走り出した音だった

 

鋼太朗はそのままぐんぐんと加速する

 

バトンを落としたり、転んだせいで1位との差を半周ほどつけられてしまったその差はあっという間に縮まっていった

 

1人、2人と追い越し、ラストの直線、彼はさらに加速し最後の1人を追い越しそのまま1位でゴールしてしまった

 

そして走り終えた鋼太朗はすぐさま()の方にやって来て()の心配をしてくれた

 

「凛、大丈夫だったか、怪我は…」

 

「少し膝を擦りむいたみたいだけれど心配要らないわ」

 

「それでも心配だ、救護班の所まで()が運ぼう」

 

そう言って()をひょいとお姫様抱っこをして持ち上げる

 

はへ?

お、おおおお姫様抱っこッッッッ!!!!

王子様じゃん…やば……すき………

 

バトンの受け取りを失敗し、転んだ事で泣きたくなっていたのだがそんな事など忘れ、その幸せを堪能しまくった

 

 

 

 

そんな思い出があり、良い意味でも悪い意味でも忘れられない思い出になったのだ

 

あの時の鋼太朗はめちゃくちゃかっこよかったな〜、今思い出しても胸がきゅんきゅんする

 

体育祭は嫌だが鋼太朗の活躍が見られるのでプラマイゼロって感じだ、しかも今回の体育祭は()が出なくても大丈夫なくらい、うちのクラスには強者(つわもの)がいる

 

1人目は我が愛しの鋼太朗、50mの記録は5.5秒、それに加えスタミナも桁違いのうちのクラスの主戦力。

 

2人目は小野寺、彼も鋼太朗には1歩及ばないが一般的な目線から言えば彼もまたバケモノ級である。

 

3人目は向日葵さん、彼女はクラスの女子の中で1番運動神経が良く、体育の時間は鋼太朗、小野寺に混ざってゲームをしている。

 

あの二人に混ざれるの凄いわ、向日葵さんに()も誘われるけど毎回断っている、あの2人に混ざれるわけないだろ!いい加減にしろ!!

 

…てかこの3人がうちのクラスにいてパワーバランス崩壊しないか?

 

体育祭なぁ…

()はほとんど活躍出来そうにないし、やっぱ鋼太朗、向日葵さん、小野寺に頑張ってもらうしかないな

 

あ、そうだ!せっかくだし応援のイメージトレーニングでもしてみるか

 

フレー♡フレー♡ガンバレ♡ガンバレ♡

 

()のイメージと合わないしなんかちょっとやらしいな

鋼太朗だけにならいいがその他の人に見られたい訳では無いので実践はやめておこう

 

屋内での体育だから必要以上に体力を使わないで済むのは楽でいい、競技の練習をしているとすぐに時間は過ぎてゆく

 

その後の授業も鋼太朗の横顔を見て過ごし、放課後。朝に予想していた通り未だに雨が降っていた。

 

いつも通り鋼太朗と一緒に帰ろう、そんで相合傘で帰るんだ〜

 

「鋼太朗君、一緒に帰りましょ」

 

「あぁ、だが先生に頼まれた用事を終わらせてからでいいか?」

 

「えぇ、大丈夫よ、では玄関で待ってるわね」

 

「すぐ終わらせる」

 

そう言われたのでいつもと表情は変わらないがルンルン気分で玄関で靴を履き替え鋼太朗を待つ

 

雨が降る外を眺めながら鋼太朗が来るのを待っている…のだが、さっきから傘を持ちながらウロウロしている男子生徒がいる

 

…何度も()の方を見ている、誘おうとしているのだろうか

 

すまんな、少年よ、もし誘われても断るだけなんだ…

 

そのまま1、2分ほど経つとその彼は意を決した表情をし、声を掛けて来た

 

「じょ、城ヶ「遅れた、帰るぞ、凛」」

 

だが声を掛けたタイミングで鋼太朗がやってきてしまった

 

「鋼太朗君!えぇ、帰りましょう」

 

あーあ、少年よ、もう少し早ければワンチャンあったかもしれなかったのに。いや、ないんだけどさ。

 

そんな()たちの様子を見て空いた口が塞がらない男子生徒、まぁ彼の事を気にしても仕方ない、さっさと鋼太朗と一緒に帰ろう

 

そうして、帰り道を2人で歩く

 

鋼太朗が傘を持ち、()がそれに寄り添うように歩く、()たちの間に会話は少ないがこうやって近くにいるだけで幸せだ。

 

雨の日はこうやって帰れるからその幸せも倍増だ。

 

そんないつも通りの小さく、変わりない日常の幸せを噛み締めながら毎日を過ごして行く。

 

 

 

 

 


今回もここまで読んで頂きありがとうございました!

 

話の構成に色々苦労し、前回の投稿から1週間も経ってしまいました…申し訳ないです…

 

ですが、この1週間でUA数が15,000件を越え、お気に入り数も600を越えました!沢山の閲覧や、お気に入り登録をして下さり、本当に、ほんとーに嬉しいです!!!

 

次回、次次回の話のコンセプトは決まっているのですが、話の構成とかは全然組めて無いのでまた時間がかかってしまうかもしれないです…

 

それでも頑張って投稿して行きますので何卒よろしくお願いします!!次回も楽しみにお待ちください!!!

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