DR Dystopia March   作:黒木冴

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下ネタちょい多め&色んな意味でグロい描写アリ


Chapter1 (非)日常編④

時雨視点

 

服飾室の探索を終えた俺達は教室を探索することに。あっ、ランドリーとトラッシュルーム探索すんの忘れていた。後で個人で行くか。

 

教室は何処にでもある普通の教室が3つ。寄宿舎と校舎を繋ぐ渡り廊下の出入口の近くには男子トイレと女子トイレがあった。

 

因みにモノクマコインというゲームのメダルみたいな硬貨が校舎や寄宿舎のそこかしこに隠されているらしい。集めてモノモノマシーンというガチャガチャで遊べるとムカつく顔でモノクマがどっからか出てきて説明して帰って行った……誰が好き好んでこんな不細工なクマのメダルを集めなきゃいけないんだ、罰ゲームかよ。

 

『ガチャガチャなんて小学生の時以来やってねぇっての』

 

「欲しいもの欲しい時に来てくれないんだよねー」

 

「大人の間違った力の使い方見たことある」

 

「大人買いという名前の買い占めだな」

 

 

『俺もあれ嫌いだな。コンビニの短期バイトの時に出会したんだけど、そういう奴って大抵上から目線だし。スプレー缶のガス抜きする時、スプレー缶をソイツやクソ客共の顔に見立てて作業してた』

 

「えっ……」

 

「…………」

 

「松永……」

 

『えっ?ムカつく奴の顔を何かに当て嵌めて作業とか普通だろ?』

 

「大丈夫?おっぱい揉む?」

 

『セクハラやめろ!というか真面目な顔で言うな!』

 

「そうだよ静奈ちゃん!寧ろあたしのセリフ!」

 

「お前のセリフでもないぞ」

 

今の女子高生ってこんなあけすけな子ばっかりなの?俺ゆるふわ系の子が好みなんだけど……否茉波お前もかよ。

 

『じゃあ、次は保健室に行くか』

 

「セクハラ返しか?」

 

『そんなんじゃねーわ!お前までボケに回ったら収拾つかなくなるだろ美山コノヤロー!お前もどうせ未経験だろうが!!』

 

「既に経験済みだが何か?」

 

「えっ嘘、マジで?」

 

「???」

 

『…………何か、ごめん』

 

「アレは中3の天高く馬肥える秋の日、俺はクラスの金持ち陽キャの女子によって―」

 

『言わんでいい!!!』

 

茉波はちょっと引いてて、米倉は何の話なのか理解せず、美山は厚家羅漢と話そうとし、ワトソンに至ってはヘソ天で寛ぐとか自由過ぎる!言い出しっぺは俺だけど!!

 

 

校舎1階・保健室

 

『なんていうか、普通より少し広いだけの保健室だな……あれ?このベッドの下にある段ボールって何だ?』

 

「ああ、それ?コロシアイに繋がりそうな危険な薬品や医療器具を段ボールに詰めたんだー。ガムテープで封してあるから、そこから取ったら痕跡残るようにしたの!」

 

「頭痛薬や胃薬とかの一般的な薬は薬品棚に保管されているわ。睡眠薬は鍵付きの棚にあるから、狩谷さんに頼んで開けてもらうといいわ」

 

「ベッドもふかふかのようだなワトソン」

 

≪ふにゃぁ〜〜、何か眠くなってきたニャ……≫

 

『好きなだけ眠りなさい』

 

「お前ワトソンには甘いな」

 

『お猫様は神が作った至高の生き物だぞ、敬い愛でる以外に何がある』

 

「………………そうだ、ねー」

 

『今の長い間はなんだ茉波』

 

「な、ナンデモ、ナイヨー?」

 

『いや誤魔化し方下手かよ……?』

 

何か視線を感じた気がするんだが……気の所為か。どうせモノクマの嫌がらせだろう。アイツホントに自然発火してくんねぇかな。

 

 

校舎1階・体育館

 

体育館の入り口付近にも男子と女子、そして多目的トイレがあった。何でここに多目的トイレ?まあ、広さの問題か……。キュッとスニーカー独特の摩擦音とボールが弾む音が聞こえる。確か昨日戌神が木巾と刻村とバスケをするから紅羽も来ないかと誘っていたな。誘われた本人はガン無視していたが。

 

「あっ、時雨君!媛子さん達も!」

 

『楽しそうだな戌神』

 

「うん!やっぱり体を動かすのはいいよね!ワンちゃん達がいればもっといいんだけど……」

 

「蘭でも撫でてろ犬派め」

 

「何でそうなるの!?」

 

「蘭は夕海の下僕(イヌ)だろ?」

 

「ワンちゃんとヒュウガ君を一緒にしないでよ!」

 

「ホントだよねぇ、俺はハルちゃんの犬じゃなくて伴り、ぐぶぇ!」

 

「やっぱりあの時スケ○ヨにすりゃ良かった」

 

蘭が何時の間にか来やがった。美山が描いた筈の顔の落書きは既に落とされている。クレンジングオイルでも使ったのか?なんでいるんだよ……

 

「しぐっちゃんさっきぶりだねぇ〜」

 

『こっち来んな爆ぜろ』

 

「えぇ〜ひどくなぁい?」

 

「松永君にセクハラしたせいだよね?」

 

「ちょっと米倉さんチクるとか酷くなぁい?」

 

「酷いのはあなたの頭でしょ」

 

「釈迦に説法だぞ米倉。コイツは人間性を母ちゃんの腹の中に置いてきたバケモノだ」

 

「美山君マジで巫山戯んな!何の恨みがあるんだよ!」

 

 

「俺とワトソンをベーコンレタスの材料にしやがったからだこの腐れ外道め。剰えワトソンを擬人化しやがったな。ワトソンはあのフォルムが最大の魅力だ、軽率に擬人化すればウケると思っているなぞアホか貴様は。後木巾と戌神と刻村に似た奴いたし、戌神と米倉にも似た男女が―」

 

『美山もう止めろ!!巻き込まれ事故多発してんぞ!!』

 

「イッツ・ア・カオティックワールド」

 

木巾は殺意しかない顔してるし、戌神は顔真っ赤。刻村と米倉は何の話なのか理解していない様子。茉波は美山のデリカシーの無さに呆れると同時に、塚本のストライクゾーンの広さにドン引きしている。ワトソンいなくてよかった。こんな俗物的な話をお猫様の耳に入れてはならない。蘭は美山にチョークスリーパー掛けられてまた気絶した。こんなのは放置するに限る。

 

 

「すまない。ワトソンをあんな扱いされたのがどうしても許せなかったんだ」

 

『だからってアレはないだろうが。刻村や戌神はまだ良い、木巾なんて何処ぞの兵長みたいな顔していたぞ』

 

「駆逐してやるー」

 

「……始祖の―」

 

「米倉、お口チャックだ」

 

「ミ○フィー」

 

『……柔道場、行くか?』

 

「パンドラの箱開けに行くのか……」

 

 

柔道場に向かおうとした俺達の前に何か飛んできて落ちた。何か人に見える……違う、これは紅羽だ。性懲りも無く脱走を図ったようだ。

 

「澪島……お前は正味のバカだな」

「澪島君、反省することは大事なことよ」

「紅羽君、悪いこと言わないから遥音ちゃんに謝ってきてなよ。あたしも謝るから」

 

正攻法で諭しに来ている……けどな、コイツそんなんで反省する奴じゃないんだよ。幼馴染みとして長年の付き合いで分かる、コイツはそんな素直じゃない。

 

 

『立てるか、紅羽』

 

「…………時雨、夕海さんにいじめられた。慰めて」

 

「嘘を吐くな!あんた又塚本と一緒にベーコンレタス作ってたろうが!!!」

 

前科を増やしてどうすんだよ。自分から天罰に突っ込むのはプ○ン脳か脳内お花畑か伝説の9○位なものだぞ。

 

「紅羽君……」

 

「澪島、貴様の三大欲求に関して俺は何も言わん。だがな、ここは集団生活している空間だ。お前だけが生活しているわけじゃない」

 

「塚本君はワトソン君擬人化させた挙げ句に性別メスにしてたよ?後擬人化メスワトソン君は美山君とイチャコラしていたなー。あっ、逆パターンもあった」

 

「塚本殺す」

 

「ステイステイステイ!!!」

 

「美山君落ち着いて。暴力、ダメ」

 

自分が助かる為に塚本を売りやがったよ、なんつー奴だ。俺の幼馴染みがサイコパスな件について問い質したい。

それはそれでワトソンに対する仕打ちはどうしてくれよう……洗濯バサミで塚本の鼻を挟むか?それとも去勢か?

 

『紅羽、友達を簡単に売るんじゃありません』

 

「ボクに友達なんかいないよ?いるのは体の良い生け贄だし。勿論時雨は除いているよ」

 

「サイコパスだこの人!!」

 

「茉波、サイコパスはこの世に沢山いるぞ。社長とか上に立つ権力者の思考は大抵サイコパス寄りと聞く」

 

「サイコパス=異常者や社会的にヤバい人ではないのである」

 

『リアルサイコパスが幼馴染みの俺はどうしろと?』

 

「………………相談には乗る」

 

「中庭に埋めようか?」

 

「あたしと付き合って下さい!!」

 

『せめて回答は統一して?』

 

ボケをさばいている間に紅羽が夕海に〆られていました。夕海に引き摺られていくアイツの姿は、宛ら母ちゃんのシバキから逃げる悪餓鬼だ。はあ……先が思いやられる。

 

探索を終えて茉波達と別れた俺は一人でトラッシュルームとランドリーコーナーを探索することにした。

 

 

寄宿舎1階・トラッシュルーム、ランドリーコーナー

 

燃えるゴミ、燃えないゴミ、資源物、プラスチックと分類されたゴミ箱と3つのダストカートが並んでいる。

焼却炉まであるのかよ。通常モードとサイレントモード?何か違いがあるのか?

 

洗濯機と乾燥機も大中小とコインランドリーみたく置かれていた。大きい洗濯機の裏側と洗濯かごの中にモノクマコインがあった。暇つぶしにモノモノマシーンでもするか。

モノモノマシーンの場所は…校舎1階の購買部?んなもんあったか?……と思ったら俺が地図をよく見てなかっただけだった。よし、行くか。

 

 

 

 

校舎1階・購買部

 

プレハブ小屋みたいなスペースや店前のワゴンには色んな商品が置かれている。学園ドラマでよく限定品のパンやおにぎりとかの争奪戦でみんな走り出すシーンに出てくるアレだ。

モノモノマシーンはプレハブ小屋に堂々と鎮座していた。しかも縦にも横にもデカい。景品の出口もデカい。一体何が入っているんだか……

 

看板には「1回1枚。一度に複数枚入れても購入出来るのは1つだけですが、コインを沢山入れれば入れるほど重複率は低くなります。」と書かれている。こうやって射幸心を煽るのは、ソシャゲだろうとパチンコ屋だろうとコロシアイだろうと関係無いらしい。

 

『うーん……何が出るんだ?』

 

「あっ、時雨君じゃん。さっきぶり〜」

 

『茉波……お前もモノモノマシーンをしにきたのか?』

 

「その通り〜。遥音ちゃんからモノクマコインお裾分けしてもらったから、そのお返しに何かプレゼントするの〜」

 

夕海との仲は相変わらずか……別に夕海のことが羨ましいなんて思っていない…筈だ。チリチリとした謎の感情にモヤモヤしつつ、モノクマコインを1枚入れてガチャを回す。出てきたのは「フクロウの栞」だ。俺は本とかあまり持ってないから茉波にあげよう。

 

『茉波、これやるよ』

 

「えっ、いいの?ありがとう!可愛い〜、キンメフクロウの親子だ!」

 

『キンメフクロウ?』

 

「その栞に描かれているフクロウの種類だよ。北アメリカ大陸やユーラシア大陸、一部の個体は中央アジアを生息地としている留鳥で、日本でも数は少ないけど繁殖が確認されているんだー。渡り鳥じゃないのに、秋になると南に移動する珍しいフクロウでもあるんだよ?鳴き声がポ、ポ、ポと続けて鳴いて、針葉樹林や針広混交林の奥で生活してて、木の洞の中に3〜6個の卵を……あっ、ごめん!要らないことまで言っちゃった!」

 

『あっ、別に気にしてないって!つーか、イラスト見ただけでそんな事細かく言えるのは普通出来ないだろ』

 

 

「……迷惑だよね?昨日イスパハンのこと説明して刻村君に引かれたばっかりなのにこうして知識をひけらかすとか…あたし、嫌味な子に見えてたりする?」

 

『そ、そんなことねえって!何でそんなこと……』

 

「……あたし、中学生の時クラスの女子グループから虐められていたんだ。休み時間とかは図書室にずっと籠もりっきりで、本の虫や陰キャとか誂われて。本から得た知識を、皆によく話していたのも気に入らなかったみたいでさ、「良い子ちゃん振ってて気持ち悪い」や「男の子に媚び売ってる尻軽女」とか陰口叩かれたり……暴力振るわれなかったのが救い、かな」

 

『………………』

 

「けどね、いじめられていた時お父さんやお母さんは勿論、お兄ちゃんやお姉ちゃん、双子の弟やお祖母ちゃんが助けてくれたんだ!だからあたしは本や学校を嫌いにならずに済んだの。こうして時雨君達と交流出来るの、凄く嬉しい!」

 

『…………そっか』

 

何時も明るく振る舞っている茉波の過去に俺は苦い顔をする。暴力を振るわれなかったのが救い……救いなものか。いじめなんて百害あって一利無しだ。いじめをやった奴等やいじめられた奴、双方の親や友達、教師や上の立場の人達だって巻き込むんだ。

 

茉波、お前は幸せだよ。俺や紅羽が受けた仕打ちに比べれば……否、考えるのは止めろ。言ったところで…余計に他人の傷を増やすだけ。

 

それでも……茉波のことを知れたのは素直に嬉しいと思った。

 

「次あたしがやるー」

 

『どうぞどうぞ』

 

「唸れ、あたしの右手!どりゃぁぁぁ!」

 

大袈裟なリアクションの後にガチャを回す茉波。出てきたのは「桜のヘアピン」。桜か……夕海に似合うんじゃないか?

 

「何かエモいヤツ出てきた!よーし、もう1回回そ!」

 

『ガチャに沼る典型的なパターンじゃねーか』

 

 

≪ニャンニャカニャーン!媛子ちゃん抱っこ!!≫

 

 

ワトソンの急襲にバランスを崩した茉波を咄嗟に受け止める。やっぱ体幹は鍛えておいて損はないな。……いい匂いする。

 

『だ、大丈夫か?怪我とかないか!?』

 

「………………キョウキン、ヤワラカイ

 

『えっ?』

 

「茉波さん、何か顔が赤いけど……エッチなことしたんですね?」

 

『してねぇよ!!!』

 

≪にゃぷうぅ!ひ、媛子ちゃんとえ、エッチなことしたのかニャ!?≫

 

『ほれみろ誤解しか生まれてない!』

 

「松永君…後ろ向いてみて」

 

『ああ?後ろに誰がい……』

 

「…………………」

 

『あっ…………く、紅羽?』

 

「…………………」

 

最悪だ……なあ、何でお前ここにいんの?夕海にシバかれてた筈だろ?自力であのバーサーカーの目掻い潜って脱走したの?否そんなことどうでもいい。問題は俺が茉波を抱き締めているのを見た米倉の要らねぇボケとワトソンの勘違いが引き起こしたラッキースケベ(誤解しかない状況)を紅羽にどう説明するかだ。俺が口を開く前に紅羽が叫んだ。

 

 

「時雨の浮気者!そんな巨大な乳袋しか取り柄のない女の何処がいいのさ!?」

 

お前マジでそういうとこだぞ。乳袋って……何処ぞのエロゲーでしか出てない言葉だぞソレ。

情報収集と称して知り合いのお兄さんから貰った沢山の資料(エロ本やエロゲー)がお前の母ちゃんに見つかって夜通し叱られたことを、当の本人は忘れているようだ。

 

 

「ちょっと!乳袋って酷すぎるんだけど!?この確りしたマシュマロバストをキープすんのにあたしがどんなに苦労していると思ってやがる!紅羽君なんてコミュ障サイコパスじゃん!!」

 

「日々の努力でキープしている乳袋と学校の本から得た薄っぺらい雑学ひけらかすしかアピールポイント無いくせに随分言うよね」

 

「あ゙ぁゴラッ、今何つった!?あたしの悪口はまだいい、本の悪口は絶許案件だぞコノヤロー!!」

 

それでいいのか茉波……このままじゃいけないと離そうとするが、茉波は欲しいモノを買ってくれない子供みたいに俺にしがみついている。ワイシャツ皺だらけになるから止めて?そしたら紅羽が後ろから俺を抱き締めた。アナコンダに締め上げられる獲物の気持ちが痛いほど分かる。

 

 

「時雨君痛がってるじゃん!離れてよ!」

 

「君が離れればいいでしょ。ぽっと出のクセにしゃしゃり出ないでよモブレベルの顔」

 

「あ゙ぁん!シバくぞこのヤンホモ!!」

 

「何なら百倍にして返してあげようか?性別メスなだけのモブの分際で楯突かないでよ」

 

「はぁぁッ、言ってくれんじゃん!今に見てろよ、絶対時雨くんの隣分捕ってやっからな!!」

 

「やってみなよ。どうせ寝室に忍び込んで―」

 

『言わせねぇからな馬鹿野郎!!』

 

 

モウヤメテ、モウヤダ。コレ何の罰ゲーム?俺何か悪いことした?ただ茉波が転ばないように受け止めただけなのに……茉波は良い匂いがした。おい米倉、電子生徒手帳のカメラ機能で撮るんじゃねーよ。小声で「バズるかな?」って言ったの聞いたぞ。肖像権とプライバシーの侵害、後名誉毀損で訴えるからな。

 

 

「あっ、澪島君の背後に怒った夕海さん……」

 

「ハハッ、米倉さんって嘘吐くの下手でしょ。夕海さんならさっき蘭君シバいているのをボクは見て―」

 

 

「よりも怖い顔しているクロト君がいる」

 

米倉の言葉の後、グワシッと人智を超えた音が俺の背後から聞こえてた。俺は怖くて後ろを振り向けない。

茉波に視線を向けると顔文字の「(`;ω;´)」みたいな顔で涙ぐんでて、全身は工事現場で使われている締固め用機械の如く震えている。

 

「廊下で騒がない。小学校はおろか、幼稚園でも言われていることすらアナタ達は出来ないのかしら?」

 

「ぴぇぇっ、クロト君ごめんなさい……」

 

「クロト君、茉波さんと松永君は完全なる被害者だから許してやって。澪島君はぶん殴っていいよ、私が許すから」

 

『米倉ぁ?』

 

「静奈ちゃんも誂わないの。時雨君災難だったわね……紅羽君、女の子に乳袋だのモブ顔だの悪口言わないの。自分がやられたら嫌なことはしないって、親や学校で教えられたでしょうが」

 

 

「……ボクに親なんていないよ?生まれて直ぐにゴミみたいに捨てられたから」

 

 

「えっ……」

 

「学校で教えられたこと?親に捨てられたり親と血が繋がっていない人は……暴力振るわれても、食事に異物混入されても、悪口言われても、反抗しないで黙って耐えろって教えられたっけ」

 

「紅羽君アナタ…何を言っているの」

 

「そういう奴等ってさ、いざ自分がそういうことされると直ぐに「悪気は無かった」や「遊びのつもりで」とかゴミクズに相応しい言い訳並べるの。悪気が無いなら、遊びなら人を傷つけたり死ぬこと選ばせる程のことしてもいいんだよ?だからね―」

 

 

 

そうやってボクや時雨を虐めていた奴等、みぃんな地獄に落としてやった!!

 

 

悪意に満ちた紅羽の声を聞いて思わず手を離したクロト。クロトだけじゃなくて、米倉や茉波も紅羽に対して得体の知れない存在を見るような目で見ていた。

 

「………………」

 

「何、その目……可哀想とか憐れむんなら消えてくれない?」

 

「別に澪島君を憐れむつもりはないよ。私にも人には言えないことあるから」

 

「あっそう」

 

「と、兎に角、ワタシ達はコロシアイに巻き込まれた仲間なんだから、そういう悪口は言わないで欲しいの。紅羽君、分かってくれたかしら」

 

「何の話ですか」

 

『いい加減にしろ!!!』

 

余りにもな態度の紅羽に俺は渾身の鉄槌を下した。ホントにお前ってヤツは…茉波は俺の行動を見て「紅羽君やっぱりサイコパスだ……」って言いながら距離を置き、米倉は「いいぞもっとやれ」と某サイトのタグの如く俺を煽り、クロトは呆れた表情で額に手を当て、ワトソンは「サマーソルトキックの出番はまだかニャ!?」と何故か目をキラキラさせていた。俺、コイツの幼馴染み辞めようかな……どう足掻いても逃げられる要素ないけど。

 

 

 

媛子視点

 

カヲスが極まるモノモノマシーンでの出来事が終わり、あたしは先程引いた桜のヘアピンを遥音ちゃんに渡す為にアマゾンの奥地へ向かった。……というのは冗談で、食堂に行ったら普通にいました。

 

「遥音ちゃんだー」

 

「媛子か」

 

「これあげるー」

 

「あたしに?……ありがとう。今度稽古の時着けとくわ」

 

「ねえねえ、遥音ちゃん。遥音ちゃんって何で薙刀使いになったの?あたしはね、本を読むのが大好きだからなったの!遥音ちゃんも、薙刀が好きが乗じてなったの?」

 

あたしを含めてみんな凄い才能を持ってここに呼ばれたんだもんね!紅羽君の才能は分かんないけど、きっと凄い才能なんだろうな〜!

 

 

 

 

「先に言っておくけど……あたし、自分の才能大ッ嫌いだから」

 

「えっ……」

 

「薙刀使いなんて、本当はなりたくなかった……夕海流の跡継ぎだの何だの、ガキだったあたしに意味分かんないこと押し付けて、あたしの人生ブチ壊したクソババア共が与えたコレに、愛着や好きなんて感情なんざ更々無い。あたしはただ……家族揃って朝食食べて学校行って、家に帰ったら母親が温かいご飯作って待っててくれて、仕事から帰って来た父親と一緒に夕飯食べて、自分の部屋で寝る……アニメや漫画とかで見るそんな暮らしすら、あたしには許されなかった」

 

 

うっ……あたし、とんでもない地雷を踏んでしまったのか。遥音ちゃんにそんな重い過去があったなんて……よくよく考えれば、才能が好きな人ばかりじゃない。親や周りから押し付けられたり、本人にそんな気が無くても、勝手に持て囃されたりした人もいる。

それなのに自分の才能が好きだから、相手も自分の才能が好きなんだって決めつけて好きかどうかを聞くなんて……あたし嫌な子じゃん。サイテーじゃん。

 

 

「…………………」

 

「……別に、あんたが気落ちする必要ないからね。あんたは自分の才能が好きで、あたしはそうじゃないってだけだから」

 

「で、でも…あたし、遥音ちゃんの事情、何も知らないであんなこと言っちゃった……」

 

「そんなの知らなくて当然でしょ。自分はこんな酷い目にあったとか、それでも負けないで頑張ったんです〜って、信頼してない奴に言う必要はないだろ。誰彼構わず言い回る方が碌でもない。ソイツはただ相手に話を聞いて貰って、悲劇のヒロインとして慰めてもらいたいだけ……本当に、気持ち悪い。他人の物差しで、あたしの人生を決めてもらいたくない」

 

「…………………」

 

「けどあんたになら、話してもいいって思ったから話した……あたしの本心」

 

「遥音ちゃん……」

 

 

「ぶっちゃけあたし夕海流とは絶縁しているから、もうあいつ等と他人同然なんだよ。卒業したら薙刀使いとして生きるんじゃなくて…薙刀とは無縁の生活を謳歌するつもり。まあ、どうせヒュウガもついて来るから2人暮らしか」

 

「確実に蘭君はついて来るんだ……」

 

「夕海流と絶縁出来たのは、アイツがギャンブルで稼いだ金とコネを使って四方八方に手を回してくれたお陰。それでも金が腐る程あるとか、アイツどんだけ稼いだんだよ」

 

「そんなにお金持ちなの?蘭君の財力って、ぶっちゃけどれくらい?」

 

「んー……西洋のお城に住んで、メイドや執事兼護衛の使用人沢山雇ってそこで一生終える位の財力らしいぞ。詳しくは知らないけど」

 

「蘭は城に住めんのか!?それチョコ○ール幾つ買えるんだ!?」

 

刻村君が何時の間にか食堂に入って来た。後チョコ○ールで換算するのは小学生だよ。

そろそろお昼ご飯の時間だ。なのであたしと刻村君もお昼ご飯の準備を手伝うことに。

 

今日のお昼ご飯は鮭と大葉と梅とシラスの2種類の混ぜご飯で作ったおにぎりと豚汁。おかずは卵焼きと小松菜と人参のお浸しだ。やっぱり遥音ちゃんのご飯は美味しいなぁ……蘭君そこ代われよ。あたしが遥音ちゃんの幼馴染みになってやる。

 

そんなことを考えていたら「阿呆言ってないで早く食え」と遥音ちゃんに頭をかるーくチョップされました。エスパーかな?それを見てた蘭君がなんか言ってたけどワトソン君の顔面タックルによって静まり返る。

 

 

遥音ちゃんのことを知れたのは嬉しいな。……紅羽君に滅茶苦茶睨まれた理由なんてしーらない。恋する乙女は無敵なんだからな!

 

 

 

時雨視点

 

午後に入り、俺は再び脱出の手掛かりを探すことにした。取り敢えず中庭から……その前にモノモノマシーンをもう一回しよう。出てきたのは「アンティークコイン」だ。

被らないのは良かったけど、俺コインの蒐集とかしてないんだよなぁ……誰かに譲るか。

 

 

……中庭には先客がいた。寄りにもよって今一番会いたくない奴がいる。俺は無言のまま踵を返して出入り口に向かおうとしたが、ソイツは目敏く俺の存在に気付き声を掛けた。

 

「あ〜しぐっちゃんだぁ、偶然だねぇ」

 

『今直ぐ鳩尾を狙うか?否、それともアッパー喰らわせるか?(蘭じゃねーか、何の用だよ)』

 

「しぐっちゃん本音と建前逆だよ〜?」

 

≪ニャンニャカニャーン!時雨君いるところにワトソンあり!今のぼくはブラ○ン神父ニャ!≫

 

黒猫が黒い帽子と黒い外套を身に纏ってこうもり傘を持っているのは、どう見ても黒ずくめのアレです。でも可愛いのでヨシとします。ただし蘭、テメーは消えろ。

 

 

≪さあ、時雨君へのセクハラとぼくをブサイク発言したことを懺悔するのニャ!≫

 

「黙れブサイク。俺は賭博の女神様しか信じてないから」

 

≪にゃぁぁぁあ!!≫

 

 

ワトソン、本日何度目か分からぬラ○ダーキック炸裂。俺の知っているブラ○ン神父はそこまでやんちゃではないし、最早お茶目どころじゃない。

 

「巫山戯んなクソ猫!俺のこと甚振っていいのはこの世で唯一ハルちゃんだけなんだよバァァァカ!!」

 

≪うるせぇバーカ!パンケーキ中毒のあほらぎに言われても痛くも痒くもないニャ!!≫

 

その割にはガッツリ言い返してますけど……このままだとワトソンが怪我するかも知れない。ならこのアンティークコインを餌に蘭の気を引こう。

 

『なあ、蘭。これやるよ』

 

「えっ?これ俺にぃ?」

 

『ああ。俺コインとかあんまり興味無いし』

 

「わぁーい、ありがとうしぐっちゃ〜ん……って、えっ?これ貰っちゃっていいのぉ?」

 

『そんなに貴重なモノなのか?』

 

「貴重も何もさぁ…これ滅茶苦茶貴重なコインじゃぁん。こんなの貰っていいの?俺なら直ぐ現金に換えてギャンブルに注ぎ込むんだけど」

 

『好きにしていいぞ。怒らないから』

 

「やったぁ〜、ローリスクでハイリターン期待大だねぇ〜。あっ、お礼は現金でもいい?ここから出れたらの話だけど」

 

『(ここまで食い付くとは……)そういや、何で蘭ってギャンブラー始めたんだ?』

 

 

 

「何でって……お金が欲しかったから。理由なんてそれしかなくない?」

 

『……………』

 

「俺の過去、しぐっちゃんになら言ってもいいかなぁ〜。俺の父親は腕利きのカジノディーラーで、俺もよく父さんの職場に遊びに行ってたんだぁ。所謂子連れ出勤ってヤーツ」

 

『自分の子供とはいえカジノに連れて行くのはどうかと思うぞ』

 

「……俺の母親はねぇ、男とお金にだらしなくて、父さんが稼いだお金は自分のものみたいに散財しまくるノータリンのバカ女。その癖、家事や母親らしいこと一度もしなかった最低最悪の穀潰し」

 

『……相当酷い扱いされてたんだな』

 

「子供が子供を産むの典型的なパターンでねぇ……脳味噌と下半身が緩くて、他人や自分の人生を舐め腐った、性別がメスってだけの人の皮被った有機物―それが俺の母親。高校入る前に手切れ金渡して絶縁したけど、今頃何してんのかなぁ〜…良くて金持ち引っ掛けて寄生虫、最悪裏社会の男引っ掛けてイイコトさせられているんじゃない?どうでもいいけど」

 

『……………』

 

 

「逆に父さんは口を酸っぱくして言ってたなぁ。「お前は真っ当な人生を歩め」って。ギャンブルにのめり込んで、色んなモノ自分の手でブッ壊してきた奴等を見てきたのもあって、俺のこと心配してくれていた」

 

『……親父さんだけは、蘭の味方なんだろ?でも、お前確か…ここで一生過ごすことが一番良いっていっていたのは何でなんだ?』

 

「……父さんは俺が中学生の時に病気で死んだ。親戚も俺や父さんのこと蛇蝎の如く嫌っているから、実質天涯孤独。生きていく為に、どうしてもお金が欲しかった……だから俺はギャンブラーになったの」

 

『……生きる為のお金を稼ぐ為だけに、ギャンブラーになったってことかよ』

 

「あはは、軽蔑した?ギャンブラーなんて嫌われてナンボだし気にしないから」

 

『……お金は汚いものとか、世の中お金が全てじゃないなんて結局綺麗事だろ。物を買って、好きな服を着て、雨風凌げる家に住んで、学校に行けるのは親にお金があるからだ。お金が無ければ人並みの生活すらありつけないことだってザラだし。でも蘭はそれを自分の手で、尚且つ誰も巻き込まずに稼いだんだろ?少なくとも俺は、蘭を軽蔑しない。寧ろスゲェって思う』

 

「しぐっちゃん……」

 

俺だって曲がりなりにも、嫌と言うほど、現実なんざクソだって知っている。お金を稼ぐことの難しさも、それを人より多く持っている奴に自然と人が集まってくることも……陰では馬鹿にしている癖に、一丁前に要求だけはしてくる部外者共(ロクデナシ)がいることも。

 

 

≪ねえ、松永君って     の幼馴染みなんでしょ!?私、彼のファンなの!サインとか貰えない!?≫

 

≪なあ頼むよ!俺の知り合いに     の幼馴染みがいるって自慢したいんだって!≫

 

≪松永も水臭いよなー!別に隠すことでもないだろって!≫

 

≪今までのこと謝るから、過去のことは水に流して仲良くしようよ!≫

 

≪僕、本当は君達を助けたかったんだ。けど、周りの子達に仕返しされるのが怖くて……だから今までのことは許して欲しいんだ!≫

 

≪お、お願いします!許して許して許して許して!私だけでも許してよぉぉぉ!!≫

 

 

『(巫山戯んな…人の痛みも知らねぇ癖に。俺と紅羽がテメー等に裏切られて、ボロボロにされて、それでも地べた這い蹲って掴み取った居場所なのに……何にも知らない奴等に掠め盗られて堪るかよ)』

 

「……しぐっちゃん?おーい」

 

≪どうしたのニャ時雨君。具合でも悪いのかニャ?≫

 

『あっ……悪い。考え事してた』

 

≪にゃふふ、それなら良かったニャ!具合が悪かったら美菜子ちゃんに相談すると良いニャ!≫

 

『狩谷に?』

 

「しぐっちゃん知らないの?みなちゃん医学にも精通しているんだって〜?尤もお医者さんや看護師さんみたいに高度な医療行為出来るとかじゃないけど、保健室の養護教員さん並みの技術はあるらしいよぉ?」

 

「オラのこと呼んだだか?」

 

『うわっ、吃驚した!』

 

俺の背後には何時の間にか狩谷が立っていた。茉波といい夕海といい、ここの女子はステルス機能がオートモードなのか?

 

「わっ、松永さんすまねぇだ!オラ別におめさんのこと脅がすつもりとかねぇがら許してけろ!」

 

『別に謝らなくていいって!怒ってねぇし』

 

「あはは、しぐっちゃんは優しいねぇ〜」

 

『(お前は一生赦さねぇけど…)ところで狩谷は何でここに?』

 

「お、オラは脱出の手掛かりがどっかさ落っこちてねぇか捜してて……あっ、そろそろお茶会の時間だんべ」

 

『お茶会?』

 

「夕海ちゃんに勅使河原ちゃんが用事で来れなくなったからオラが代わりに呼ばれただで。松永さんも来るだか?」

 

『俺も?1人でも増えたら大変じゃねーか?』

 

≪1人じゃないニャ!1人と1匹ニャ!!≫

 

お呼ばれされる気満々のワトソン神父。その下には何時の間にか伸されていた蘭。よくやったワトソン!コイツ連れて行ったら何やらかすか分かんねぇからな!!

 

『1人と1匹なんだけどいいのか……ん?何か焦げ臭くないか?』

 

「言われでみればちょべっと焦げ臭えような……あっ、ウッドデッキの方で煙上がってるだ!」

 

小火か?まさか……放火!?コロシアイなんてしちゃダメだ。俺は焦りつつもワトソン神父に人を呼ぶよう頼んだ。俺と狩谷は中庭の物置小屋からバケツを持ってきて噴水から水を汲み、ウッドデッキへ向かい火元を捜す。煙が上がっている所に辿り着いた俺達が見たのは……

 

 

煙を上げているバーベキューコンロの前で項垂れている米倉と刻村だった。

 

 

「………………」

 

「よ、米倉ちゃん?刻村さんもなして……バーベキューコンロの前で項垂れているだか?」

 

「狩谷先生……焼きマシュマロが、食べたいです」

 

「チキショーーー!オレの幸運が活かされなかったなんてぇぇぇ!」

 

『2人で焼きマシュマロどころか消し炭製作してたのかよ……良かった。小火じゃなくて』

 

≪ニャンニャカニャーン!人を連れて来たニャ!!≫

 

 

あっ……やべぇ、大事になった。

ワトソンが呼んだのは偶然校舎近くにいた木巾、戌神、小鳥遊、塚本、三十石の5人。後半はバケツリレーあんまり出来なさそうだったので小火じゃなくて良かった。

 

 

「静奈ちゃん……そんなに焼きマシュマロが食べたかったのかな?だったら食堂のコンロを使って焼きマシュマロを使えば良かったよね?火の扱いは十分にしないと、下手をしたら大火事になっていたんだよ?」

 

「猛省してます」

 

「コーキっちが食い意地張っているのは分かっていたけど、よねっちも結構食い意地張っているなんて予想外だった……あっ、次のマンガのネタに使えそうだなコレ」

 

『やめてやれ。2人の代わりに使用料(ギャラ)請求してやんぞ』

 

「松永さんって結構ズケズケ言うタイプなんだな」

 

「まったく何をしているんだ米倉クン!刻村に乗っかって小火騒ぎを起こすなど、ふざけているとしか思えないのだよ!」

 

「あ、あんまり米倉を怒んなよ小鳥遊!オレがバーベキューコンロの使い方分かんないって言ったら、米倉が一緒にやろうって言ってくれて……だから、米倉は悪くないんだよ!オレが悪いんだって!」

 

「そうだとしても、結局は静奈ちゃんが決めたことであることは変わらないよ?今度はちゃんと後始末を含めたやり方を覚えてからすればいいからね」

 

「…………うん。ごめんなさい」

 

「甘やかすな木巾!元はと言えば米倉クンが安請け合いをしなければ、こんなことにならなかったのだよ!刻村も刻村だ!呑気にしている暇があるなら、脱出の手掛かりを探す努力をするべきだ!」

 

 

「あずあず…よねちーや、こーちゃんも…すっごく、反省してるよ?そ、そんなにガミガミ言うのは、ダメ…だよ」

 

「そうだよあずっちー、2人共反省しているんだからそれでいいじゃん!ネチネチしてて陰険過ぎない?」

 

「わ、わたしはリーダーとしてやっただけだ!こういうのは厳しくしないと、後々大きな事件になるのだよ!だから―」

 

『だからってしつこく言うのはどうなんだよ……刻村や米倉だって、俺達を不安にさせようとやった事じゃないんだろ。それなのに、悪人扱いすんのは違うだろ』

 

「なっ……ぶ、部外者の癖に意見するのか松永!」

 

『リーダーだからって、何やってもいいわけじゃない。そうやって他人を抑圧して、文句の一つも言わせないようにするのは独裁者と変わんねぇだろうが』

 

立て板に水のように言葉が出て来る。自分でもここまで喰らいつくとは思わなかった……他人(アイツ以外)の為に声を上げるのは何時ぶりだろうか。

 

「松永!わたしが間違っているとでも言いたいのか!?わたしはただコロシアイをしないようにリーダーとして指導をしているだけだ!」

 

『指導ってなんだよ……刻村も米倉も、自分の意志を持っている人間だ。一度失敗したからってなんだよ。寄って集って見世物にしてんじゃねーよ。何様だよお前』

 

「う、煩いのだよ!君こそ何様のつもりだ!?澪島なんかの、幼馴染みってだけの凡人の癖に!!」

 

 

嗚呼、お前もかよ……お前もそんな奴なんだな、小鳥遊。お前も……松永時雨を―澪島紅羽の単なる幼馴染みとしか見ないんだな。

 

 

もうコイツに何を言っても無駄か……そんな諦念を抱きかけたその時、白黒の悪魔が巨大な爆弾を落とした。

 

 

 

 

 

≪えっ?松永クンは凡人なんかじゃないよ?彼は【超高校級のゲームプランナー】汐音(しおね)クレアの幼馴染みなんだから≫

 

 




今明かされた、衝撃の真実……!
おのれモノクマ……!

推しっていますか?

  • 幼馴染み
  • ???
  • ギャンブラー
  • ドッグトレーナー
  • 幸運
  • 留学生
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  • 探偵助手
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