アサルトリリィ×仮面ライダー time of 百合ヶ丘女学院   作:黒破リンク

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第10話。
結梨を亡くした梨璃達の心は…。


EP10:「アネモネ〜なくしもの〜part1」

生徒全員が霊園に建てられた結梨とソウゴの墓標の前に立っていた。

 

トマリ「(あいつが……ソウゴが簡単にくたばるわけ…ない……!!!)」

 

ザクサ「(ソウゴは生きてる…必ず。)」

 

 

壱「どうして梨璃達が罰を受けないといけないんですか?」

 

亜羅椰「結梨が人だって認められたんなら、梨璃達のしたことだって、お咎め無しってことじゃありません?」

 

天葉「命令は命令。

たとえそれが、間違いから出たものだとしても、撤回されるまでは有効よ。」

 

依奈「命令を守ったり守らなかったりでは、仲間を危険に晒すことにもなるでしょう?」

 

壱「そんなのわかってます!!けど、リリィには臨機応変な状況判断も認められているはずです!!」

 

蓮「そうだ。

でもそれは百合ヶ丘での話。外にはそれを良しとしない連中がごちゃまんといる。」

 

ユウ「百合ヶ丘には、例え形式上でも梨璃さん達を罰する必要があるんです。

……僕たちも、すごく心苦しかったですが…。」

 

亜羅椰「ばっかばかしい…。」

 

樟美「梨璃さん達、可哀想…。」

 

レント「これじゃあ、まるで見せしめだな…。」

 

 

懲房室──

 

梨璃の部屋の扉が開くと、夢結が入ってくる。

 

夢結「梨璃。」

 

梨璃「夢結様…どうして…。誰とも会えないって…。」

 

夢結「シュッツエンゲルの特権ね。と言っても、ほんの10分程度だけど。

……どうかしら、具合は。」

 

梨璃「わからないです…。」

 

夢結「そうね。馬鹿な質問だったわ。」

 

梨璃「いえ…。」

 

夢結は梨璃の隣に座り、梨璃の髪について触れる。

 

夢結「髪がボサボサね。こんな時でも、身だしなみは大切よ。」

 

夢結は梨璃の髪に違和感を感じた。

その正体がすぐにわかった夢結は、梨璃に問いかけた。

 

夢結「梨璃、あなた髪飾りは?」

 

梨璃「ぇっ…?そうですね…なくなっちゃったんですね…。」

 

10分が終わり、夢結が部屋を出ると、扉の横に楓が立っていた。

 

楓「わたくしの部屋にも自動ドアが欲しいですわ。」

 

夢結「施設科に常信なさい。」

 

楓「いちいち口にしなくたって、リリィなどしていれば、誰だって何かしら抱えているものですわ。おひとり様など気取っていないで、少しは周りを頼って見てはいかがと申し上げているのです!!」

 

夢結「…あぁ。」

 

楓「ほんっと、めんどくさいお方ですわ。」

 

その頃、梨花の部屋──

 

ユキ「梨花、入るわよ。」

 

梨花「……ユキ。」

 

ユキ「まず謝らないといけないと思って。

……ごめんなさい。」

 

ユキは誠心誠意込め、礼をした。

 

ユキ「間違った命令だったとはいえ、実力行使に出ようとした真似して。」

 

梨花「平気。気にしてないわ。

……あなたも、苦労するわね。」

 

ユキ「私の立場は、私が望んで選んだから。」

 

梨花「そう…。

ところで…どうしてここへ…?」

 

ユキ「私は生徒会の人間だから特別ね。

夢結も今頃梨璃の部屋にいるわ。あの子はシュッツエンゲルの特権だけど。」

 

梨花「……ユキ、1つ聞かせて。

アラタは…どう?」

 

ユキ「……ずっと落ち着かなさそうにしてるわ。

…梨花の助けになれなかったんだ、って心では思ってるわ。責任感は強い方なのは知っているから。」

 

梨花「……あのさ。」

 

梨花はふとユキを呼んだ。

 

ユキ「何?梨花。」

 

梨花「ずっと心の中にしまってたことがあるの。」

 

ユキ「それは?」

 

梨花「……私、アラタのことが好きみたい。

いつからこの感情を抱いてたのか…分からないけど。」

 

梨花はアラタへの思いを吐露した。

幼馴染で信頼出来る彼女にしか伝えるつもりはなかったのだ。

 

ユキ「……あの子、記憶をなくしてた貴方を1番支えていたものね。」

 

梨花「そうだね。

最初は突然距離を詰めてきたからびっくりしたけど、いつしかそんな彼に惹かれてた…のかもしれない。」

 

ユキ「心の中に閉まってた理由、聞いてもいい?」

 

梨花「……怖かったの。もし打ち明けて、その後にアラタと離れることが。

もう、あの時みたいに離れるのなんて嫌だから。

……今の私を見たら、カブトゼクターはきっと失望しちゃうわね。」

 

ユキ「…そうね。

でも、今のあなたは強い。自分を信じて、未来を掴むの。

そうすればきっと…あなたは今よりもっと…強くなれる。」

 

梨花「……うん。ありがとう、ユキ。

これが終わったら、アラタに伝えてみる。」

 

時を同じくして、ショウイチの部屋に瞬が入ってくる。

 

ショウイチ「……。」

 

瞬「ショウイチ君、入るよ。」

 

ショウイチ「瞬君…なんで?」

 

瞬「俺は生徒会だからね。一応許可はされてる。

そんなに長くはいれないけど。」

 

ショウイチ「……僕、何も出来なかった。

結梨ちゃんが死ぬのを、ただ見てることしか出来なかった…。悔しいっ……!!もっと僕に力があれば……!!結梨ちゃんを救えたかもしれないのに…!!」

 

涙を流しながらズボンの袖を掴むショウイチ。

悔しさと自分への怒りを混ぜた彼の声は震えていた。

 

瞬「……ねぇ。ショウイチ君はさ、どうして戦うの?」

 

ショウイチ「……戦わなきゃいけないって、この力を持った時からずっとそう思ってる。

これが僕の運命なんだよ、きっと。」

 

瞬「そういうことを聞きたいんじゃない。

俺は、誰のために戦うの?って聞きたいの。」

 

ショウイチ「誰の……ために…?

わかんないよ。考えたことなんてなかったから。

望まずにアギトの力を得た僕には、そんなことわかんないよ…。この力で守れって、内なる声が言ってくるんだよ。」

 

弱気なショウイチに嫌気がさしたのか、瞬は珍しく声を荒げてショウイチの胸ぐらを掴んだ。

 

瞬「お前、ほんとに考えたことないのか!?

見知らぬ誰かを守ることは俺たちの責務だ!!それは素晴らしいことだよ!!でもな、それじゃあダメなんだよ!!!」

 

ショウイチ「どういう…意味…?!」

 

瞬「内なる声にだけ耳をすませてるだけじゃ、これ以上強くなんかなれないって言ってんだよ!!!

自分で強くなる努力をしてんのはわかるよ、でも俺が言いたいのは心の方だ!!」

 

瞬は握った左手でショウイチの心臓辺りを叩く。

 

瞬「弱い自分が嫌だってんなら変われ!!強くなれ!!心を強く持つんだよ!!弱い自分から変身するんだ!!

ショウイチは強い!!それは俺が保証する!!

今すぐ心を強くしろなんて言わない!!

少しくらいは自分で戦う理由を探して心を強く持て!!」

 

ショウイチ「……。」

 

瞬「そうすれば、もっと強くなれるよ。」

 

瞬は手を離して隣に座り直す。

 

ショウイチ「……言われてわかったよ。

僕さ、『梨璃ちゃんや梨花姉、百合ヶ丘で出来た大切な皆と一緒』に、市民を守りたい。

これは、僕の意思だ!!

人の想いを、誰にも奪わせやしない!!だから僕は戦う!!今、決めた!!」

 

瞬「うん、その意気だよ、ショウイチ君。

……梨璃さんのために頑張れ?」

 

ちょっと煽るように言った瞬だったが、煽りだと気づかなかったショウイチは恋心を見透かされたと勘違いしていた。

 

ショウイチ「……気づいてたの?」

 

瞬「……うん。」

 

勘違いされてるとすぐに察した瞬はすぐに話を合わせた。

 

瞬「だって、梨璃さん見る時の目が異様に輝いてんだもん。

お前が楓さんみたいなタイプじゃなくて良かったよ、ほんと。」

 

ショウイチ「それ楓さんに失礼じゃない!?」

 

瞬「かもな!!あははっ。」

 

2人の顔には笑顔が零れていた。

さっきまで泣いていたショウイチの目には涙などなくなっていた。

 

ショウイチ「バレてたんならしょうがないや!

僕さ、この拘留期間が終わったら梨璃ちゃんに告白する。

……玉砕したら慰めてくれる?」

 

瞬「もちろん。」

 

 

一柳隊控え室──

 

楓「髪飾り?あの四葉のクローバーのですか?」

 

二水「そういえばなくなってたかも…。」

 

鶴紗「夢結様、それを探すつもりか?」

 

夢結「えぇ。」

 

ミリアム「とはいえ、1人じゃ無理じゃろうな。」

 

楓「まさか浜辺で無くした髪飾りを探す話とは、思いもよりませんでしたわ。。」

 

夢結「頼れと言ったのは楓さんでしょう…。」

 

カズマ「さっき夢結から今の梨璃の様子を聞いた。

今の梨璃は、心に硬い殻を作ってしまってるらしい。後悔や悲しみを内側に押し込め続ければ、いつか自分で自分を呪うようになっちまう。……前の夢結みたいにな。」

 

夢結「梨璃にはそんな風になってもらいたくないの。」

 

神琳「髪飾りを見つければ、梨璃さんが立ち直ると?」

 

夢結「……。」

 

全員が静寂に包まれた。

その刹那、楓が立ち上がって声を上げる。

 

楓「もう!わっかりましたわ!やりゃいいんでしょう!?」

 

シンカ「奇跡は自らの手で起こす物、ですよね!」

 

トマリ「普通の人には無理でも、私たちにはレアスキルがある。」

 

鶴紗「探し物に便利なレアスキルなんてあったか?」

 

と、鶴紗はドーナツを2個食べながら言う。

 

リョウ「鶴紗、食べながら喋っちゃダメだよ…。」

 

神琳「レアスキルは、組み合わせ方で無限の可能性を引き出せます。

特にわたくしやケイトさんのテスタメントは、増幅系のレアスキルですから、それで知覚系のレアスキルを強化して……」

 

二水「そっか!私の鷹の目を強化してもらえばいいんですね!」

 

楓「あら、わたくしやシンカさんのレアスキルも知覚系ですわよ?」

 

ミリアム「なら、わしは、フェイズトランセンデンスでマギを供給かぁ。

雨嘉と鶴紗、メグミはなんじゃったっけ?」

 

雨嘉「私のは天の秤目。ナノレベルで対象の位置を把握できる。」

 

鶴紗「ファンタズム。未来予知みたいなもん。」

 

リョウ「僕も同じ。」

 

メグミ「私のはこの世の理。力の方向性が感じ取れるスキル。」

 

ザクサ「知覚系のスキル持ちが多いのは幸いだね。

えっと夢結は……」

 

夢結「私のルナティックトランサーなんて、どうせバカみたいに暴れるだけで……」

 

梅「気にすんナ!!私の縮地やザクサのユーバーザイン、カズマのブレイブだってここじゃ役に立たないから!」

 

カズマ「おいこら。」

 

 

海岸──

一日目。

 

手始めに神琳とケイトがテスタメントを発動する。

 

神琳「テスタメント、参ります!」

 

ケイト「テスタメント、GO!」

 

二水「た、鷹の目!」

 

すると、そこにミリアムがフェイズトランセンデンスを発動して二水にマギを供給する。

 

ミリアム「フェイズトランセンデンス!

受け取れ、わしのマギ!!」

 

二水にテスタメントの強化とフェイズトランセンデンスによるマギが二水に流れ込む。

 

二水「うぎゃぁぁっ!

視界が広がって……色々見えます、見えすぎますぅぅぅぅぅぅ〜〜〜〜〜!!!」

 

そのまま見えすぎた情報を処理できずに二水は倒れ、マギが枯渇したミリアムも同時に倒れた。

 

神琳「二水さんに負荷がかかりすぎましたね。失敗ですが、いいデータは取れたので、今日のところは良しとしましょう。」

 

ミリアム「よ、良かないわ…。」

 

楓「前途多難ですわ…。」

 

カズマ「おいおい、これでほんとに探せるのか…??」

 

二日目。

 

神琳「昨日の失敗を踏まえ、今日は新しい組み合わせで行こうと思います。」

 

神琳はその組み合わせを発表する。

 

神琳「まず、二水さん。」

 

二水「また私!?」

 

神琳「安心して?今度は二水さんの鷹の目のスキルを、皆さんに分担してもらいます。

……さぁ、行きますよ!」

 

ミリアム「ファイト一発!!うりゃ!!」

 

神琳とケイトがテスタメントを発動、ミリアムがフェイズトランセンデンスでマギを供給し、全員が鷹の目を共有していた。供給係のミリアムはマギ切れで倒れる。

 

ミリアム「うぅ。」

 

梅「おぉ、なんか鳥になったみたいダ!」

 

鶴紗「これが鷹の目か。」

 

全員が梨璃の髪飾りを探すために海を見渡す。

 

カズマ「……見つかんねぇなぁ。」

 

楓「とはいえ、焼け石に水ではなくて?

これなら、わたくしのスキルの方が……

ん?これは…。」

 

夜、大浴場──

 

ミリアム「あぁ〜…。」

 

二水「お疲れ様です、ミリアムさん…。」

 

ミリアム「これ、いつまで続くんかのぉ…。」

 

鶴紗「見つかるか諦めるまで。」

 

雨嘉「楓じゃないけど、こんなことでほんとに見つかるのかな…。」

 

神琳「努力は続けるべきだわ。」

 

シンカ「あれ?そういえば楓さんは??」

 

メグミ「さっき出てった。

なーんかやることがあるんだってさ。」

 

二水「珍しいですね、いつもは1番長湯する人なのに…。」

 

そんな楓はと言うと、更衣室でくしゃみをしていた。

 

楓「ブェックシッ!!」

 

汐里「ひいっ!?

……楓さん、どうしました?」

 

楓「あの、ちょっと宜しくて??」

 

 

その後、百由の作業部屋にはミリアムがいた。

百由はというと、CHARMを弄りながら話を聞いていた。

 

百由「レアスキルの多重合成かぁ。面白そうなことしてるわね。」

 

ミリアム「フェイズトランセンデンスを毎日使っとったら、身体が持たん…。梨璃のためじゃなかったら絶対やらんぞ…。」

 

百由「ならこんなとこ来てないで早く寝なさいよ。」

 

ミリアム「ん…まぁ、梨璃の様子を聞いたり、夢結様の様子を見とると、その…なんじゃ…色々…思うところあってな…。」

 

百由「……こっちおいで。」

 

百由は作業を止めて、ミリアムに優しく声をかけた。

 

ミリアム「うむ…。」

 

ミリアムは百由の肩に顔を傾ける。

 

百由「もしかしてグロっぴ、私の事心配してる?」

 

ミリアム「百由様も、結梨のことでは骨折りしとったし…わしらは、命のやり取りをしているのを、久しぶりに実感して、少々アンニュイなのじゃ…。」

 

理事長室──

 

生徒会長3人と雪月花、咬月は前に一柳隊が回収したダインスレイフを前に話していた。

 

咬月「これが…!?」

 

史房「5ヶ月前、ヒュージの体内から回収されたCHARMです。」

 

咬月「これが2年間、ヒュージと共にあったというのか…。

2年前、『甲州撤退戦』から。」

 

懲房室──

 

梨璃はただ1人、結梨との思い出を思い出していた。

 

結梨『じーっ。』

 

梨璃『??』

 

結梨『梨璃のそれ、綺麗。』

 

結梨は梨璃の髪飾りを見て呟き、梨璃は髪飾りのことを話し始める。

 

梨璃『これ?

四つ葉のクローバー。よくあるアクセサリーだよ?』

 

結梨『いいなー。』

 

梨璃『ここに来る時、お父さんに買ってもらった物だから。

じゃあ今度、私が非番の日にお買い物に行こうよ!何かプレゼントしてあげる!』

 

結梨『ほんと!?じゃあこれから行く!?』

 

結梨は梨璃にぐっと身体を近づけた。

 

梨璃『今からは無理だよぉっ。』

 

そんな思い出を振り返って、梨璃は無力さを感じていた。

 

梨璃「何も……してあげられなかった…。」

 

……To be continued




次回、EP10:「アネモネ〜なくしもの〜part2」
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