アサルトリリィ×仮面ライダー time of 百合ヶ丘女学院   作:黒破リンク

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後半戦、始まります。


EP10「アネモネ〜なくしもの〜part2」

髪飾り捜索三日目、何故か楓がテンション高く張り切っていた。

 

楓「さぁ、今日も張り切って参りましょー!!」

 

リョウ「急にどうしたんでしょう?」

 

メグミ「お腹でも壊したんじゃない?」

 

ケイト「お腹壊してたらテンション低くなるのでは?」

 

楓「千里の道も一歩から、ですわ!」

 

夢結「さっさと始めましょう。」

 

捜索開始から6日が経ち、何の成果も得られずにいた。

 

ミリアム「あ〜〜…。お湯が骨身に染みるぞい…。」

 

神琳「ここのところ、冷えますものね。」

 

シンカ「どうします??明日には梨璃さん達の謹慎が解けちゃいますけど…。」

 

メグミ「結局見つかるのかな。」

 

鶴紗「四つ葉のクローバー…だけに。」

 

壱「梨璃が戻ってくるのに何が困るの??」

 

梨璃の謹慎が解けることに嘆く一柳隊1年生メンバーの前に、壱と亜羅椰が現れる。

 

亜羅椰「ねぇ、あなたたち、最近浜辺で何してるのよ。」

 

二水「えっ?それは……。」

 

雨嘉「探し物してるんだけど…。」

 

樟美「探し物??」

 

壱達から離れたところで、汐里と楓が何やら話していた。

 

汐里「楓さん、今夜もですか??」

 

楓「えぇ、ぜひお願いしますわ。」

 

壱「そっか、梨璃の髪飾りをね?」

 

樟美「私も手伝いたい…!」

 

メグミ「え、いいの!?」

 

亜羅椰「早く見つけないと、いつ次のヒュージが現れるか分からないでしょう?」

 

壱「また戦闘があったら見つからないかも…。」

 

神琳「えぇ、夢結様たちにも話してみましょう。」

 

夜中、そうさく倶楽部の部屋で楓は何やら作り物をしていた。

『何人たりとも立ち入り禁止!!ですわ』と貼り紙までして。

 

翌朝、髪飾り捜索に協力してくれる生徒達が浜辺におり、そこにはアールヴへイムのメンバーもいた。

 

夢結「ありがとう…!恩に着るわ。」

 

壱「ぷふっ。」

 

天葉「『恩に着る』って、いつの人よ。」

 

夢結「ごめんなさい。こんな時、どう言えばいいか、分からなくて。」

 

天葉「仲間を失ったのは、私たちも一緒よ。

だったらせめて、落ち込んでる梨璃のためにも、何とかしたいと思うのは、自然なことでしょ?」

 

楓「ブェックシッ!!!」

 

雨嘉「わっ!?

いないと思ったら、先に来てたんだ…。」

 

神琳「大丈夫です??」

 

楓「いえ、お構いなく……。」

 

と、楓は鼻を擦っていた。

テスタメントを使った、大人数によるレアスキルの多重合成。

ケイトも神琳に協力してテスタメントの範囲を広げていた。

 

天葉「レアスキルを合成させるなら、接触式の方が非接触式よりも効率がいいわ。

とはいえ、こんなに大勢でやったことは無いけど。」

 

皆が手を繋いで鷹の目の効果を得たタイミングで、天葉が亜羅椰とミリアムにOKを出した。

 

天葉「今よ!」

 

亜羅椰/ミリアム「「必殺!!フェイズトランセンデンス!!」」

 

地面にCHARMをぶつけて範囲を拡大させていく。

皆が手を繋いで海を見ると、そこに髪飾りがあった。

 

全員「あった!!!!」

 

見つけた瞬間、楓は梅の肩に飛び乗って縮地を使うように進言した。

 

楓「あそこです梅様!」

 

梅「なんダ!?」

 

楓「レアスキル縮地ですわ!はよ〜!!」

 

梅「お、おう!!」

 

梅は砂煙を巻きながら走り出し、海へと向かう。

 

鶴紗「なんだ??」

 

梅「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」

 

楓「もう少しですわぁぁぁぁぁぁ!!! 」

 

梅「行っけぇぇぇぇっ、楓ぇぇぇっ!!!」

 

梅は思いっきり楓を海へと投げ、楓はCHARMで海を斬りって髪飾りを見つける。

 

楓「やぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

そのまま手に取って叫んだ。

 

楓「ありましたわぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」

 

浜辺へ戻った2人はタオルをかけながら暖をとっていた。

……くしゃみしながら。

 

2人「「ブェックシッ!!」」

 

 

懲房室から梨璃達が出てくると、そこには一柳隊や、生徒みんながいた。

 

夢結「ごきげんよう、3人とも。」

 

梨璃「夢結様…皆さん……!!」

 

楓「梨璃さん、さぁこれを。」

 

と、楓は見つけた髪飾りを梨璃に渡した。

 

梨璃「……これ。」

 

楓「さぁさぁ、いつまでもご覧になってないで、さっさとお付けになって??」

 

梨璃「これ、どこに売ってたんですか??」

 

楓「ふぇっ!?」

 

全員が動揺し始め、ザワザワし始める。

 

梨璃「私が無くしたのと、そっくり…。」

 

二水「そっくり!?」

 

カズマ「同じ物じゃねぇのか!?」

 

梨璃「私のは四葉の1枚に罅が入ってたの。

でも、これにはないし……。」

 

楓「オホホホホ、それはリサーチ不足……。」

 

夢結「どういうことかしら、楓さん。」

 

楓「いやですわ夢結様っ、そんな怖い顔して…オホホホホ…。」

 

夢結は楓から受けとった本物の髪飾りを梨璃の前に出した。

そんな楓は頭を抱えていた。

 

夢結「これは?」

 

梨璃「これ、私のです!」

 

シンカ「梨璃さんの髪飾りが2つ!?」

 

汐里「新しいのは、楓さんがご自分で作ったんです。」

 

二水「汐里さん!?」

 

梅「どういうことだ?」

 

楓は観念して、大人しく白状した。

 

楓「…本物は、2日目だか3日目に浜辺で見つけていましたの。

だけど、たとえ見つかっても、これでは梨璃さんを余計悲しませるだけだと……。」

 

ケイト「じゃあ昼間見つけたのは……!?」

 

楓「あんなに大がかりに探されては、流石に本物のありかがバレてしまいますから?早起きして本物を仕込んでおいたんですの。」

 

ミリアム「わしらまで謀っとったとは……。」

 

楓「で、わたくしが最初にそれを手にして、ゆうべできたばかりの偽物とすり替えたと言う寸法ですわ。」

 

雨嘉「楓が、そんな手の込んだことを…!?」

 

楓「えぇ!!えぇ、えぇ、えぇ!!

梨璃さんや皆さんを欺いたのは紛れもない事実ですわ!!煮るなり焼くなり好きになさってくださいまし!!バレたらバレたで、わたくしが全ての責めを負えば済むことですもの!!」

 

タクミ「思いっきり汐里を巻き込んでただろ!!」

 

汐里「いえ、あたしは工作室をお貸ししただけで、何をなさっていたのかはここで知りました。」

 

梅「……楓。」

 

楓「な、なんですの?」

 

梅「お前、良い奴だナ!」

 

汐里「うんうん。」

 

楓「えっ!?」

 

梨璃は楓に抱きついて感謝を伝えた。

 

梨璃「ありがとう、楓さん。」

 

楓「ど、どういたしまして…。」

 

梨璃「それに、皆さんも。

……楓さんの言う通りかも。この髪飾りだけだったら、私、辛いことしか思い出せないかもしれない。」

 

梨花「梨璃…。」

 

梨璃「だけど、こっちもあれば、みんなの気持ちを感じて嬉しい気持ちになれるから……。

……私には、どっちも本物です。」

 

楓「は、は、それはあれですわね、狙い通りってやつですわね。はははははっ。」

 

夢結「お立ちなさい。私からもお礼を言うわ。

ありがとう、楓さん。」

 

楓「そんな!

わたくしは梨璃さんのためにしたんです。夢結様にまでお礼を言われる筋合いはございませんわ。」

 

夢結「シュッツエンゲルとして、姉として言っているの。」

 

楓「あぁ〜、それはあれですわね?

『梨璃さんは私のものよ、渡さないわ』というわたくしへの牽制ですわね?」

 

夢結「えぇ、その通りね。」

 

楓「認めましたわね!?ぅぅぅぅっ〜〜〜!!」

 

鶴紗「もうやめとけ、お前はよく戦った。」

 

ショウイチ「ふふっ…あははっ。」

 

突然、梨璃に涙が溢れ出した。

 

梨璃「あれっ……。どうしたんだろっ…嬉しいのにっ…。なんでっ…。」

 

そう言いながら、梨璃は涙を流した。

 

夢結「お泣きなさい、梨璃。今のあなたに必要なのは、なんでもいい、自分の気持ちを表に表すことよ。」

 

梨璃「………私、守れなかったんですっ…!!結梨ちゃんを………!!私が……ちゃんとしなくちゃいけなかったのにっ……!!」

 

夢結「……あなたは出来るだけのことをしたわ。あれは、誰にも防げなかった。」

 

梨璃の涙に釣られ、二水やシンカ、神琳達の目にも涙がこぼれた。

 

 

 

夜、理事長室──

 

百由「さぁて?どっから話したもんですかねー。」

 

生徒会全員「要点を。」

 

百由「じゃあ出来るだけさらっと言いますが、このダインスレイフの術式は、『何者かによって書き換えられて』います。」

 

咬月「ふむ…。」

 

百由「書き換えられた術式は、ヒュージに何らかの影響を与えたと考えられます。」

 

咬月「CHARMを介してヒュージを?そんなことが可能なのか??」

 

百由「詳しいことはまだなんとも。

……ただ、リリィもヒュージもマギを共有してる以上、根は同じ。元々親和性が高いと言えます。」

 

咬月「確かこのダインスレイフは、白井君の物だったな??」

 

百由「……えぇ。

ですが、最後の契約者は──」

 

ユキ「……川添、美鈴様ですね。」

 

百由「はい。

……回収される前、このCHARMを最後に手にしたのは、当時の夢結のシュッツエンゲル、川添美鈴様です。」

 

 

夢結、梨璃、カズマ、ショウイチの4人は、結梨の墓の前で手を合わせていた。

 

梨璃「……やっと来ることが出来ました。

あの、美鈴様にも、ご挨拶しませんか?」

 

夢結「…そうね。」

 

そうして4人は、美鈴の墓へと向かう。

 

ショウイチ「夢結様とカズマさんは、美鈴様の事……どうやって乗り越えたんですか?」

 

夢結「さぁ?

でも、起きてしまったことは、時間をかけて受け入れるしかないわ。もう起きてしまって、どうしようもないことは。」

 

カズマ「……俺も同じ。」

 

梨璃「私もショウイチくんも、まだまだかかりそうです。」

 

カズマ「それでいいんだよ。

……人の死で最も残酷な事。それは、その人にまつわる一切のものが断ち切られる事。その想いも、願いも、あらゆる感情も、永遠に宙に浮いたまま時を止めてしまう。

…残された者は、その事にただ、戸惑うことしか出来ない。」

 

美鈴『上出来だ。』

 

夢結「……っ!?」

 

カズマ「っ……!!」

 

突如として、カズマと夢結に美鈴の幻影が現れる。

 

美鈴『大切なシルトと仲間を不安にさせちゃあいけない。』

 

夢結「……たとえ、幽霊であっても、本人と気持ちを交わすことが出来るなら、それは救いと言えるかもしれないわね。」

 

ショウイチ「……そう…なんですかね…。」

 

夢結「(だけど……貴女は…?)」

 

カズマ「(本当に……美鈴様の霊なのか…?)」

 

夜、アラタは梨花に呼び出され、指定された場所である空き教室に来ていた。

 

アラタ「こんな時間にこんなとこに呼び出して何の用だ?梨花。」

 

梨花「やっと、来てくれたわね。」

 

梨花はゆっくりと歩を進め、最初に出会った頃である、2年前の甲州撤退戦後に保護されて記憶のないまま出会った頃を思い出していた。

 

梨花「……2年前のあの日、あなたは記憶のない私に寄り添ってくれた。」

 

アラタ「そ、そう…だな。」

 

梨花「当時は記憶もなくて自分のことすらも思い出せずにいた私に対して、あなたはずっと気にかけて、共に戦場で戦ってくれた。

……正直、アラタがいなかったらきっと、今の私はいない。

そんな優しくて熱血で、気にかけてくれたあなたに、いつからか私、あなたのことが好きになったみたい。」

 

アラタ「……!?」

 

梨花の口から出た言葉に、アラタは驚きを隠せずにいた。

 

梨花「記憶を取り戻しても、私と共に一柳隊として…ブラックアウトの仲間として一緒に居てくれて…。そんなあなたに、私は恋をしたの。だから───」

 

その言葉を聞く前に、アラタは止めさせた。

 

アラタ「待って。

……その続き、俺から言わせて欲しい。」

 

梨花「アラタ……?」

 

アラタ「俺も、お前と同じだ。

……最初は、記憶もなくて自分のことも分からないお前を見た時、何か出来ることは無いかなって探し始めたんだよ。ユキなんて雪月花の任務で忙しくて俺に梨花の事を託してきてな。

梨花の事気にかけ続けてたらな、俺はお前の笑う姿に惚れたんだ。」

 

アラタは梨花に抱きしめられ、言葉を紡ぎ続けた。

 

アラタ「……暑苦しくて、真っ直ぐで、熱血バカな俺だけど、好きでいてくれるか?

俺の相棒(バディ)になってくれないか?」

 

梨花「何…言ってるのよっ……。当たり前じゃないっ…!!

私の隣は貴方だけって決めたんだものっ…!!」

 

涙を流した梨花はアラタに抱きしめられながら感情を表に出した。

 

アラタ「……泣きたい時は、泣いていい。今は俺しかいないから。」

 

梨花「……あの時…私が行っていればっ……!!何か変わったかもしれないのにっ……!!!

あの子を守ることも……一緒に戦うことすら出来なかったっ……!!!そんな情けない私が……嫌なのよっ……!!」

 

アラタ「……そんなの、俺も同じだっ…。

でもよ…立ち上がって前を向くしか…ないだろ?

……俺と梨花、皆で未来を掴もう。」

 

梨花「ええっ……!!」

 

こうして、結梨というもう1人の妹とも呼べる存在を喪った梨花は、アラタと言う大切な恋人を得て前を向くことを決めた。

 

時を少し遡り、夢結と梨璃が美鈴の墓標から戻る時……ショウイチは梨璃を呼び止めた。

 

ショウイチ「梨璃ちゃん。」

 

梨璃「ショウイチ君、どうしたの?」

 

ショウイチ「聞いて欲しいことがあるんだ。

……大切なことだから。」

 

梨璃「……どうしたの…?」

 

ショウイチ「僕、ずっと伝えたかったことがあったんだ。

……小さい頃からずっと。」

 

ショウイチは、自分の胸に手を当てて息を整え、想いを伝えた。

 

ショウイチ「僕、ずっと君の事が好きだったんだ。

……2年前に離れてからずっと、もう会えないんじゃないんじゃないかって…思ってた。

だけど、ここでまた君に出会えた。でも…伝える勇気が出なかった。……迷惑になるんじゃないかって思って。」

 

梨璃「そんなこと……ないよ…。」

 

ショウイチ「でもこうして、ようやく伝える勇気が出たんだ。瞬君のお陰…かな。

……梨璃ちゃん、いや、一柳梨璃さん!」

 

ショウイチは梨璃の左手を握って改めて想いを解き放った。

 

ショウイチ「僕は、あなたが好きです。

……僕と、お付き合いしてください。」

 

梨璃「……うんっ…!!」

 

梨璃は涙を浮かべながら、背伸びしてショウイチに唇にキスをした。

 

梨璃「……私の返事、これでもいい…?」

 

ショウイチ「うん。

……改めてよろしくね、『梨璃』。」

 

梨璃「よろしくね、ショウイチ君!!」

 

ショウイチは梨璃を呼び捨てで呼び始めて、2人は笑い合いながらそれぞれの部屋へと向かっていった。




次回、EP11:「ユリ〜訪れる最悪〜」

ふぅん、君が梨璃か。初めまして。
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