アサルトリリィ×仮面ライダー time of 百合ヶ丘女学院 作:黒破リンク
そんな彼の、祇恵良さんに保護されてからの話をしようと思います。
高松景虎。
普段は理事長代行、高松咬月の孫として百合ヶ丘で生活しているが、そんな彼には百合ヶ丘の生徒達の知らない過去があった。
彼の本名は『千早景虎』。
元はただの一般人であり、リリィや仮面ライダーとは無縁の生活をしていた。
小学3年生のとある日、家族旅行で新幹線で遊園地へ向かう千早家に悲劇が起こる。
ヒュージの襲撃に遭い、新幹線は壊滅。目の前で両親を殺される悲劇に見舞われる。
彼はヒュージからの攻撃から生き残った唯一の生存者だったが、それが原因でG.E.H.E.N.A.に目をつけられ過酷な実験を受けさせられていた。
彼曰く、『生き残ってなんかいなかったら、きっとあんな辛い思いはしなくて済んだ。』と後に祇恵良と咬月に語っている。
洗脳させられる直前に彼は自力で脱走し、彼は無我夢中で走り、G.E.H.E.N.A.から離れるも彼は倒れてしまう。
彼は水も食べ物も何も持たずに走っていた。それ故に彼は餓死寸前になっていた。
景虎「(もう……死んじゃうのかぁ…。いっぱい、楽しいことしたかったなぁ……。お父さん…お母さん…僕もそっちに──)」
気を失っていた所に、高松祇恵良が餓死寸前で死にかけていた景虎を保護し百合ヶ丘で匿うことになる。
景虎「あれ……ここどこ…?」
祇恵良「目を覚ましたか。」
景虎「あの…ここはどこ…?」
祇恵良「『百合ヶ丘女学院』。リリィを育成する学校だ。」
景虎「百合ヶ丘……?」
祇恵良「名は?」
景虎「景虎……千早景虎…。」
祇恵良「そうか。
なぜあんな所で倒れていた。親は居ないのか?」
親はいないのかと聞かれ、景虎は無言で頷いた。
祇恵良「何があったのか、話せるか?」
景虎「遊園地に行こうとして新幹線に乗ってたら、ヒュージに襲われて……それで…お父さんとお母さんが……僕の目の前で死んじゃった…。
それで、目を覚ましたら知らない研究所で実験を受けさせられて…それで…逃げてきた…。」
祇恵良「そうか。」
景虎「あの、祇恵良…さん?」
祇恵良「なんだ。」
景虎「なんで…助けてくれたの?僕はきっと、ヒュージに襲われるような何かを持ってるんだよ?僕なんか生きてたら、きっと──」
祇恵良「倒れている人間を放置するほど私は血も涙もない鬼ではない。
それに、G.E.H.E.N.A.の実験の被害者となれば話は別だ。」
景虎「え……?」
祇恵良「私も、あの研究者共から実験を受けさせられた者だからな。お前の気持ちも分かる。
身寄りがないのなら、私がお前の親になってやろう。」
景虎「えっ……?」
祇恵良「咬月。」
祇恵良は咬月を呼び出し、話をする。
祇恵良「彼を高松家に迎え入れる。手続きを頼んだ。」
咬月「かしこまりました、姉上。」
そう言って咬月は再び外へ出ていった。
景虎「あの人は……?」
祇恵良「彼は高松咬月。私の弟だ。
心配するな。二度と忌々しいG.E.H.E.N.A.の研究者共にお前は渡さない。」
そうして時が経ち、彼が中等部へ上がると、『高松祇恵良の息子』という肩書きが1人歩きし、畏まった態度を取られることが多くなり、彼自身そういった特殊な経歴を持ち、祇恵良と咬月の根回しによってレギオンや予備隊に入ることが出来ないため、それもあってか退屈な日々を過ごしていた。
景虎「退屈だなぁ……。
僕はただ、みんなと友達になりたいだけなのに…。なんで皆寄ってこないんだろう…。」
そんなある日、理事長室で雪月花と生徒会のメンバーが咬月との話を聞いていた。
ユキ「理事長代行、またもG.E.H.E.N.A.の研究員がガーデンへ接触しようとしています。どうしますか?」
咬月「説得に応じるのであれば説得で撤収してもらう。
武力行使に出るのであれば手荒な真似は許そう。」
景虎「G.E.H.E.N.A.……!?」
盗み聞きをしていた景虎だったが、G.E.H.E.N.A.の名前を聞いて思わず声を出してしまう。
ユキ「誰!?」
景虎「あ、すみません…。」
恋「彼は……?」
咬月「すまん、紹介してなかったな。
高松景虎。姉上の息子だ。」
景虎「高松景虎…です。
あの、すみません!盗み聞きなんて真似して……。たまたま理事長室で母さん待ってたら話が聞こえちゃって…。」
レント「ほ〜ぉ?お前さん可愛い面してんな。」
レントは景虎との距離を縮め、景虎の顔を見つめる。
レント「景虎ちゃん?だっけか。
俺は砂木沼レント。よろしく頼むぜ。」
そう言ってレントは景虎と握手を交わす。
景虎「あ、あの…僕男なんですけど……。」
レント「そっか、男かぁ……。
──え、男!?」
無為「レント様、少し静かにしてください……。」
レント「いや、だってこの見た目だったら女の子に見えるじゃん!?」
瞬「大体景虎なんて名前の女の子なんて居ないでしょ…。」
レント「いるかも知んないだろ!?
あ、イッテェ!?」
ユキ「レント、少し黙って。」
レント「こんにゃろめ〜…。」
景虎「あ、あの、すみません!!盗み聞きなんてして本当に申し訳ございません!なんとお詫びしたらいいか…。」
ユウ「そうだね……。雪月花に入ってもらうのは?」
景虎「あ、いや……僕、レギオンや予備隊に入ることを母さんから止められてるんです…。
だから……その…。」
言葉を詰まらせていると、トウカは咬月にあるお願いを言った。
トウカ「理事長代行、よろしいでしょうか。」
咬月「何かね?」
トウカ「彼を、私に預けては貰えませんでしょうか。
私が彼の面倒を見ます。彼を必ず、優秀な戦士に鍛えてみせます。どうか、雪月花への入隊を許可していただけませんでしょうか。」
祇恵良「柳生、その言葉を信じていいのだな?」
トウカ「理事長!!
……えぇ、もちろんです。」
祇恵良「良かろう。雪月花への入隊を特別に許可する。
景虎、後で工廠科にいる真島百由という人物を尋ねよ。良いな?」
景虎「……うん。わかったよ、母さん。」
祇恵良「雪月花の諸君。
景虎の事を頼んだぞ。」
雪月花「「はい!!」」
理事長室を出た景虎は、百由の元へ訪ねた。
景虎「あのー、僕、高松景虎って言うんですけど…。」
百由「あー、君が景虎君かぁ〜!
私は真島百由、よろしくね?」
景虎「よろしくお願いします!」
百由「いやぁ〜、理事長に頼まれてた物がようやく作り終わったよ〜。」
景虎「母さんから頼まれてたもの?」
百由「そーなのよ〜。理事長ってば、『景虎のための鎧を作れ』っていきなり言ってきてね!?」
百由「はい、これ。」
百由は景虎へ打刀と指輪を渡す。
景虎「これは?」
百由「『鍬刀』と『スタッグリング』。
理事長お墨付きのあなた専用の鎧よ!マニュアルもあるから、使い方はそれで覚えて!」
景虎「ありがとうございます、百由様。」
それからまたも月日が経ち、景虎も『高松祇恵良の息子』という肩書きを持ちながらも1人の生徒として受け入れて貰えるようになり、トウカの元で剣術の修行に励んでいた。
トウカ「強くなりましたね、景虎。」
景虎「いえ、僕なんてまだまだです…!!」
トウカ「そんなことないわ。
今のあなたはもう一人前で優秀な戦士よ。」
景虎「あ、ありがとうございます!!」
トウカ「その証として──これをあなたにあげるわ。」
そう言ってトウカは、かつて自分が着ていた羽織を景虎に掛けた。
景虎「これ……トウカさんの…!?」
トウカ「えぇ。私には新しい羽織がありますから。
仲間との大切な思い出も詰まってますし、捨てるのももったいないでしょう?」
景虎「そ、そんな……荷が重いですよ!」
トウカは後ろから景虎を抱きしめた。
景虎「と、トウカさん…!?」
トウカ「あなたの過去に何があったかは私は知りません。
でも、これだけは忘れないでください。あなたには私が……雪月花の仲間がついてます。心配せず剣を振るいなさい?」
そう言って頭を撫でた。
景虎「は、はい!!///」
しばらく抱きつかれ、景虎は頬を赤らめる。
景虎「あ、あの……トウカさん?いつまで抱きついてるんですか…?///」
トウカ「あら、ごめんなさいね。
ケンシンもあなたも私にとっては弟子であり弟のような存在ですもの。つい……。」
景虎「そ、そうですか……///」
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現在──
景虎は自分の部屋で髪をポニーテールに結び、トウカから受け継いだ羽織を羽織って外へ出ていく。
景虎「見てて、父さん、母さん。
世界を必ず守ってみせるよ!」
そう決意を改め、理事長室へ赴いていった。
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おまけ
雪月花入隊順
ユキ、恋、花、トウカ(廻間御庭番衆という予備隊扱いのチームからのメンバー)→カナデ、ジャン(ジャンは留学のため一時脱退)→無為、瞬→サンダユウ(ブラックアウトで更生させる一環で樟美のいじめ問題を解決に走った功績を認められて加入)→ケンシン、ウィン→レント→景虎→シノ(なんの脈絡もなく加入)→撫子(高等科入学と同時に)→アリア(撫子と同じく高等科から)