カッコいい女に愛されるシチュ   作:もぐら王国

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オーガに愛される

二人の女性がバーのカウンター席に座っていた。一人は長耳でロングの青髪を胸元まで垂らし黒のワンピースに身を包んだおっとりした雰囲気のエルフで、もう一人は、頭に二つの角が生えていて首元に届かない程の短い髪で、白のタンクトップにショートパンツというラフな格好をした長身で亜人のオーガだった。惜しげもなく晒されている腕や脚は筋肉が発達して良く引き締まっていて、鍛錬を相当積んでいる事が伺える。

二人はダンジョンに共に潜るパーティの仲間であった。

緩い雰囲気のあるエルフが後衛の魔法使い、筋肉質なオーガが前衛の戦士だった。二人はベテランと言って良い腕前でパーティの仲間と共に幾つもの危険な任務を見事にこなし、ギルドによって冒険者に与えられるランクは当たり前のように最高位のもので、同業者たちからは尊敬を通り越し畏怖の念さえ集めていた。

そんな二人はダンジョンから戻ってきて、酒を飲んでいた。

 

「大きな任務の後にみんなで飲むのも良いけど、こうやって静かな所で飲むのもいいわね」

「そうだよなぁ。特に最近は一緒に呑むことも無かったもんな」

「それは、誰かさんが恋人の手料理が待ってるからって断るからでしょ」

「ん~悪い」

「別に責めてるわけじゃないわ……。ただ、貴方に恋人がいるって発覚したときは本当に驚いたわね」

「みんな大袈裟なんだよな」

「いや、驚くのも当然よ。だって貴方まるで男っ気が無かったじゃない。興味も無さそうだったし」

「それは、そうだけど」

「なのに、ある時リーダーが皆で呑むぞって誘ったら急に恋人が待ってるのでって、そりゃびっくりするでしょ。おまけに同棲してますって、展開が早すぎよ」

「いや~。訊かれなかったら黙ってただけでさぁ。驚かせるつもりは無かったんだよ」

 

オーガは後ろ髪に手を当てながら“はははっ“と申し訳なさそうに笑う。エルフはため息を一つ吐くと、尋ねる。

 

「それで? ダンジョン攻略が恋人だった貴方の心を奪ったのはどんな方なの?」

「えーっと……」

 

グラスに注がれた酒を見つめながら言いにくそうにする彼女。「どうかしたの?」と目を細めて訝しがるエルフ。

 

「ギルドの受付やってる雄の人間、知ってる?」

「ええ、勿論よ。受付をやってる面子の中で人間って言ったら今のところ一人しか居ないもの。私も依頼の受注で何度か話したことあるし」

「……アイツ、なんだよね」

 

ぽつりと言った。

 

「……へ?」

「アタシの恋人。アイツなんだよ」

「ええっ⁉ 嘘ぉ⁉」

 

エルフは今までの落ち着いた様子とは一変、目を丸くして大きな声で驚いた。その後、直ぐに正気に戻り、口元を抑えて謝罪するように周りに軽く頭を下げた。

その後、真剣な顔で尋ねる。

 

「あの子なの⁉ あの、ぽわぽわ~っていう雰囲気の小動物みたいな子⁉」

「まあ、そう……なのか?」

「はぁ……まさかまた驚かされることになるとは思ってもみなかったわ。てっきり貴方はもっと、貴方に似た筋肉の逞しい強そうな男とか同じ種族である雄のオーガをパートナーに選ぶと思ってた」

「ちょっと偏見が混じってないか?」

「そんなこと無いわよ。実際貴方は、大柄で力も強くて何をするにも雑だもの。そんな貴方に合わせられる男なんて、相当タフじゃないと無理よ」

「おい。しれっと悪口言ってるだろ」

「事実よ」

 

オーガがじっと睨んだが、エルフは受け流すように目を瞑ってグラスを傾けた。

 

「で? あの人間君のどこに惚れたの?」

「え。そういうの、言わなきゃダメか?」

「当たり前でしょ。むしろそれ目当てで今日誘ったんだから」

「まじか⁉ 嵌められた⁉」

「根掘り葉掘り全部訊くまで返さないからそのつもりでいなさい」

「いぃ……」

 

オーガは眉を寄せて苦い顔をした。エルフはこうと決めたら意地でも完遂する女なのである。

 

「じゃあ、あらためて訊くけど。あの子のどこが好きなの?」

 

エルフに尋ねられ彼女は覚悟を決めるようにして一杯飲むと、ぽつぽつと語り始めた。

 

「最初は、顔だな」

 

エルフは視線で続きを促す。

 

「ほら、人間って他の種族と比べて幼い顔立ちの奴が多いだろ? ドワーフと比べても、老け顔じゃないし髭がもじゃもじゃでもない」

「それは個人差がかなりあると思うけれど」

「とにかく。アイツのおっとりした感じ?っていうか、守ってやりたくなる感じが良いなって」

「可愛い人間が好み……と」

「わざわざまとめるのやめろ」

「大事よ。後でパーティと共有するんだから」

「アタシの恋愛で遊ぶな」

「はいはい。それで? 他には無いの? 顔だけ?」

 

エルフは彼女の抗議を受け流し、回答を促した。

 

「後は性格、とか。アイツは、仕事はすげー真面目で丁寧だけど、話してみたら意外に気さくで結構楽しいんだよな」

「馬が合ったのね」

「それと優しい所が良いんだよなぁ。アタシがダンジョンから帰ってきたら、それに合わせて美味しいご飯作ってくれるし、アタシの方が絶対力あるのに重い荷物とか進んで持とうとするし、疲れたって言ったら頭撫でてくれるし」

「急に甘さが増して何かを殴りたい気分になってきたわ」

「自分で訊いたんだろ」

「そうね。好奇心を満たすにはリスクを払わないといけないものね」

 

エルフは落ち着くように酒を飲むと、尚も尋ねた。

 

「そもそもどっちから告白したの?」

「それはアタシだ」

「でしょうね。感情を抑えるの苦手だものね貴方」

「そんなことないだろ」

「そんなことあるわよ。気付いていないでしょうけど、貴方さっきから人間君の話するときに信じられないぐらいニヤけてるわ」

「嘘だ……」

「本当よ」

 

エルフが呆れたように言う。事実、オーガは親友であるエルフも今まであまり見たことが無いほどにだらしのない顔を先ほどから見せていた。彼女がその人間にどれほど心を寄せているのかが手に取るように分かる。

 

「それで? どんなふうに告白したの?」

「い、言いたくない」

 

彼女は顔を逸らしながら言った。まるで子供のようだった。

 

「なに恥ずかしがってるのよ。古い付き合いである私に今更恥ずかしがるようなことなんて何もないでしょ」

「……そりゃそうなんだけど」

「ほら。言いなさいよ。絶対に笑わないから。なんて言って告白したの?」

 

煽られた彼女は渋々口を開いた。

 

「“お前を一生守らせてくれ”」

 

「ふっっ」

 

エルフは堪らずと言った風で吹き出した。

 

「お前なぁっ」

「ごめんなさい。まさかプロポーズの言葉が飛び出すとは思って無くて。しかもそれ、たぶん屈強な男がか弱い女に言うセリフよ?」

「良いだろ別に」

「ええ、そうね。全くその通りね。むしろ貴方らしい言葉だわ。貴方は守られるような女じゃないものね」

「それ褒めてるのかよ」

「褒めてるわ」

 

げんなりした彼女にエルフは愉快そうに微笑を浮かべた。

 

「実際彼は冒険者たちの人気を密かに集めていたりするから。人間って言うだけで珍しいのに、愛想も良いと来たらね。流石に貴方に直接仕掛ける恐いもの知らずは居ないにしても、人間君を横取りしようとする輩は出てくるかも」

「それは、考えて無かった……」

「まあ余計なお世話かもしれないけれど、彼を奪われないように気を付けなさい」

「それは勿論。アイツに近付く奴は全員ぶっ飛ばしてやる」

 

そう言って拳を握るオーガの腕は逞しい。彼女が本気を出せば敵う者などいないだろう。

 

「説得力が凄いわね」

 

彼女は笑った。

 

「そういえば、同棲してるのよね? 一緒に過ごす内に好きな部分は増えたのかしら?」

「ああ、滅茶苦茶増えた。どんどん好きになるんだよなぁ」

 

酒が進んできて彼女も饒舌になっていく。

 

「お熱くていいわね……。ちなみに、どんな部分が?」

「さっきも言った通り基本的にアイツがご飯作ってくれるんだけど、それがめっちゃ美味いんだ。だから美味しい!っていつも言うようにしてるんだけど、そうしたらアイツはすげぇ嬉しそうに笑うんだよ。その表情がもう可愛くて胸がグってなる」

「へぇ」

「あとは寝るときに一緒の布団に入ってアイツを抱きしめて寝るんだけど、人間って体温が高いんだよな。それにオーガで筋肉質なアタシよりも身体がずっと柔らかい感触で、抱きしめると本当に堪らねぇんだ」

「聞いてて砂糖を吐きそうになってきたわ」

「アイツの膝枕も気持ちよくてさぁ……」

 

彼女の惚気話はエルフが止めるまで延々続いた。

気付けば二人は大分酒が回り、良い感じに酔っていた。

だから下世話な話も平然とする。

 

「これ、実は結構興味があったのだけれど、夜の方はどうなの?」

「おお、訊くなぁ」

「ほら、人間とオーガじゃない? 体の構造はまぁ似てるにしろ、身長差とかはあるし、どうなのかと思って」

「アイツって結構器用で何事も上手くこなせるタイプなんだよなぁ」

「そんな気がするわね」

「だからその、夜の方もなんか上手くて……。ベッドの上でだけ立場がすっかり逆転して抵抗も出来ずに滅茶苦茶責められると言うか、死ぬほど気持ち良くされ過ぎて気を失うと言うか、もう毎晩押し倒して下品に欲しがっちまうと言うか……」

「それは……凄いわね……」

 

 

エルフは返す言葉に困りながらそう言った。

 

「でも良かったわ。聞いている感じ、貴方が随分と幸せそうで」

「あぁ、幸せだな。ビビるくらいだ」

「実はちょっと心配してたのよ。変な男に捕まってるんじゃないかって。でもそんな心配は不要だったわね。そんなに幸せそうなら、人間君との生活も順調に決まってるわね」

 

エルフが安心したように言った。一応は友達として気にしていたのだ。

しかしその言葉を聞いたオーガは、若干顔を歪めた。

 

「……いや、順調って事でも無いんだよな」

「あら? 散々惚気ておいて、まだ不満があるの?」

「不満って言う程でも無いんだけど……」

 

彼女は視線を逸らして口を尖らせる。

 

「何なのよ、気になるわね。言ってみなさいよ」

「いや……その……」

「いいから言いなさいって」

 

促された彼女は口を開いた。

 

「……アイツからキスしてもらえないんだよなぁ」

 

「……は?」

 

エルフは呆れたように声を漏らした。

 

「そんなに胸焼けする程イチャイチャエピソードがあって、キスしてもらえないとか嘘でしょ」

「嘘じゃねえよ。この前だって、アタシがダンジョンから帰ったら誕生日だったアタシの為に好物のグラタン作ってくれてて、アタシが嬉しくなってキスも欲しい!ってねだったんだけどさりげなく顔を逸らされたし」

「ほぉ」

「あと冷え込んだ日に二人で家に帰ってきて、暖炉の薪燃やしてもまだ部屋の中が全然寒いままだったから、しばらく抱きしめ合って暖め合おう!って意味で両手を広げてハグしてくれるのを待ったんだけど、見事にスルーされた」

「はぁ」

「もしかしてアタシ、嫌われてるのか……??」

 

酒の深く回った彼女は目に涙を浮かべながらそう言った。

エルフは顎に手を当ててその聡明な頭で彼女が避けられる理由を考えてみたが、酔った思考ではまるで分からなかった。とりあえず慰めの言葉をかける。

 

「まぁ、聞いてる限り嫌われてる事は無いと思うから安心しなさい」

「本当に……?」

「ええ。きっと、たまたま気分じゃなかっただけよ」

「そうなのか……?」

「たぶん」

 

そうして、二人はその後も酒を飲み交わし続けた。

やがて時が過ぎると、彼女は完全にアルコールが回り、遂にはカウンターに突っ伏して眠ってしまった。

 

「ほらー。起きなさい」

「キスしてくれたら、起きる……」

「ここは貴方の家じゃないのよ。とっとと起きなさい」

「キ~ス~……」

「はぁ。困ったわね……」

 

エルフは頭を抱えた。自分も酔いが回って起きてるのが辛いぐらいだというのに、彼女を家まで送り届けるなんて面倒くさすぎる。

するとそこへ、近づいてくる足音があった。

 

「自分が連れて帰りますね」

 

振り返ればそこには、黒髪で垂れ目の優しそうな青年。もとい、噂の人間君であった。

 

「君、いつから?」

「えっと、ついさっき?」

 

嘘である。彼は実は最初からいた。今日は彼女が友達と飲みに行くと聞いて、ならば自分も久々に酒でも飲もうと訪れたバーがたまたま彼女たちの選んだバーと同じだったのである。青年は彼女の腕を自分の首に巻き付けさせると「よっ」とt声を漏らしながら立ちあがり、自分よりもかなり背丈の高い彼女を背負った。

 

「だ、大丈夫かしら?」

 

見ていたエルフも心配そうに声をかけるが、問題は無い。彼は今でこそギルドの受付をやっているがかつては冒険者だったのである。だから一般的な人よりも力には自信があった。

 

「それじゃぁ、失礼しますね」

 

彼はそう言ってエルフに頭を下げると、代金を代わりに払い、店を後にした。

 

 

 

 

彼女を家のベッドの上に優しく寝かせて布団をかぶせた後、彼は小さなテーブルの前に座り首を捻っていた。

寝れるわけが無かった。バーでの彼女たちの会話を聞いていた青年は彼女の自分に対する好意を浴びる程に聞いて心臓が高鳴って寝れる気がしなかった。

あと、彼女の言っていた悩み事についても気になった。

彼が、自分からキスやハグをしてくれない。

これは弁護のしようが無い事実であった。しかしそれは勿論彼女のことを嫌っているわけではなく、むしろ彼女に対する好意というか尊敬の念ゆえのことであった。青年は元冒険者であったために、最高位の冒険者である彼女の偉大さが身に染みて分かるのである。おまけに彼女は顔が良い。少なくとも彼にとって彼女はかなり整っているように思える。そのため、彼女に対する憧れや純粋な照れから、どうにも自分から好意を向けた行為を行うのが恥ずかしくなってしまっていたのである。

だが、彼女が真剣に悩んでいるのを聞いて、そうも言っていられなくなった。これ以上、彼女を傷つけるわけにはいかない。せめて彼の真意を伝えたい。しかし、彼女を前にすると緊張でどうにもならなくなる。そこで彼が考えてたのが、文字に書き起こしてみる事であった。

ギルドの受付として日々沢山の文章が書かれた書類と向き合っている彼は、文字が思考を目に見える形にするもっともよい方法であることを知っていた。そこでとりあえず自分の考えを文字に起こしてみて、自分の中で整理してたうえで、彼女に説明してみようと考えた。

彼はそうと決めれば早速紙を取り出して、自分の考えを文字にしてみた。

不思議な事には全く意識していなかった筈なのに、気付けばすっかり彼女に宛てた手紙の形式になっていた。興が乗って、分量も随分と長いし正直な自分の気持ちなので、普段彼女に言うことが出来ないような、彼女に対する“好き”が溢れたひどく甘いラブレターみたいになっている。流石にここに書いてある全てを伝えるのは恥ずかしすぎる。大事なのは彼女を嫌って避けているわけでは無い事を伝える事だ。そして書いている内にその気持ちは大分整理できた。だから後は、明日にでも彼女にこの事を伝えればいいだけだ。

伝えれば、良いだけ……。

伝えれば……。

ば……。

……。

…。

 

彼は気付けば、机に倒れ込むようにして眠ってしまったのだった。

 

 

 

 

 

彼が目を覚ました時、目の前には同じく机に顔を乗せた彼女の嬉しそうな顔があった。

 

「おはよう」

 

彼は内心ドキッとしてバレないようにゆっくり体を起こす。

 

「おはよう」

 

隣に座っている座高の高い彼女の顔を見上げてそう言う。

彼女は見下ろす。

彼女はニコニコと嬉しそうである。

 

「何か良い事でもあった?」

 

彼がつい尋ねると、彼女は後ろ手に回していた手を差し出し、掴んでいた紙を見せつけた。

 

「じゃーん。これなんだろうな?」

「あっ」

 

それは彼女がご機嫌な理由。青年は言葉を息を漏らした。その紙は、彼が机で眠る前に書いていた紙。つまり、彼女にはとても読ませるわけにはいかないと思ったラブレターもどきであった。

 

「そ、それ」

 

彼が取り返そうと手を伸ばしたが彼女はひょいと高く掲げ、彼はバランスを崩し、彼女に抱き留められた。彼は彼女の顔を覗き上げる。

 

「……読んだ?」

 

確かめるように訊いた。

 

「読んだ」

 

ニヤリと笑って自信たっぷりにそう答えられた。

 

「お前、アタシのこと滅茶苦茶好きだったんだな!」

「うっ」

「でも、アタシはお前みたいに学が無いからさ。途中で読めない文字とかあったんだよなぁ」

「そうなんだ……」

 

その言葉を聞いて読めなかった程度が分からないが、全部読まれたわけではないと知って少し救われた気持ちになる。だが逃がしてはくれない。

 

「だからさ、読んでよ」

「え」

「お前の言葉で聞きたいんだ。その文章」

「えっと」

「お前の気持ち、一字一句洩らさずに全部訊きたいんだ」

 

それを聞いて「あ……さごはん作るか。よし」と彼はぎこちなく言って台所に向かおうとしたのだが、彼の身体はあっという間に抱きしめられてしまった。

彼女は後ろから彼を抱きしめながらつむじに顎を乗せる。

 

「あの、朝ごはんつくろっかなって」

「読んでくれないとずっとこのまま離さないからな」

「でも、朝ごはんを」

「その前に読んで」

「朝ごはん」

「読んで」

 

口調は子供じみたお願いだが、回された腕は硬く青年の力ではまるで抜け出せない。

前に回された手には手紙が掴まれていて、彼の目の前に差し出されていた。

彼女が口を耳元に寄せる。

 

「読め」

 

重く響く命令。

彼の鼓膜が揺さぶられた。彼は紙を受け取らずにはいられなかった。

自分で書いた恋文に似た何かを本人の前で読み上げると言うのは、もはや一種の羞恥プレイであるが残念ながら彼に選択肢はない。

覚悟を決めた青年は、唾を吞み込み一行目から読み始めた。

 

 

 

 

 

僕は君の事が……

 


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