個性「メ化」   作:カフェイン中毒

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42話

 「へー、女子はみんな来るって話は知ってたけど、クラスのほとんどがいまI・アイランドにいるんだ。世間って狭いねぇ」

 

 「そうだな!俺もクラス委員長として励まねば!」

 

 「こーんなところまできてそれは流石にねーよ飯田~」

 

 「オイラたちだって真面目にやってるんだぜ~?」

 

 「メリッサさんナンパしようとしてたでしょ二人とも。ぶつよ?」

 

 「それかウチのイヤホンジャックか選ばせてあげる」

 

 「「何でもありません!すいませんでした!」」

 

 「みんな雄英高校の生徒さんなのね!とっても個性的だわ!」

 

 私たちが入ったカフェで雑談に花を咲かせていると私たちがオーダーしたドリンクを運んできたのは何とクラスの少しお茶目なコンビこと上鳴くんと峰田くん、その二人が私たちと一緒にいたメリッサさんに目を付けてあろうことかナンパを敢行しようとしたのを止めたのは、クラス委員長の飯田くん。実は彼も家族の代理としてこの島に来ていて、アルバイトに励む二人がちゃんと働くか見守っていたのだそう。そして、ナンパを阻止するためにやってきたのだ。

 

 私だけならともかく他の女子や外部の人に何かするのは雄英の恥になるので私としても強めのお仕置きをせねば、とゲンコツを見せる、そしてそれに便乗してイヤホンジャックをつんつんと動かす響香ちゃんと見た二人は直角90度の角度できれいにお辞儀をして謝る。アルバイトに来たならまともに働かないとね。

 

 「それでねー、明日の一般公開にはみんなで一緒に回るんだ、希械ちゃんも一緒にね!」

 

 「うん、それは約束してたからね。私は試験結果の通知とか呼び出しとかもありそうだからそこまで一緒にはいられないけど……」

 

 「そうなの……折角会えたのだしよかったら私がおすすめの所案内しましょうか?明日の役に立つと思うわ!」

 

 「まあ!よろしいのですか!?ぜひお願いいたします!」

 

 「やった!」

 

 私とデクくん、メリッサさんのパーティーに4人ほど追加された瞬間だね。とても行きたそうな顔をしている上鳴くんと峰田くんには申し訳ないんだけどみんなで飲み物を飲み切って出発することにした。ガックシと肩を落としながらテーブルの片づけをする二人に私は両手を合わせてから皆に合流すると、ズドン!と凄い音が聞こえてきた。

 

 「うるっさ!何この音……?」

 

 「多分ヴィラン・アタックっていうアトラクションね。こっちよ、案内するわ」

 

 ヴィランアタック……確か雄英でも使われてるヴィランロボットを個性ありで撃破したそのタイムを競うアトラクションだったっけ。なるほど、思いっきり個性を振るえるわけだからそれは人気が出そうだね。えーと、誰がやってるのかな……あれっ!?

 

 「えーくん!?」

 

 「え、またクラスメイト?」

 

 「希械ちゃんの幼馴染なんよ~」

 

 「かっちゃんもいる!?」

 

 ヴィランアタックを行っていたのはえーくんだった。硬化した手で岩山を無理やり足場にしてロボットに飛びかかり殴り壊す、それを繰り返してロボット全てを壊したところでタイムが表示される。タイムは22秒、第2位だ。そして手をパチパチ言わせてスタートを待っていたのは爆豪くん、彼はスタートした瞬間に爆破で空を飛び目にもとまらぬ速さでロボットを次々壊していく、タイムは15秒、トップだ。だーくっそ!と言っているえーくんが私に気づく。

 

 「お!おお!希械!なんだ着いてるなら言ってくれよ!お前のおかげで俺もこっち行けたぜ!サンキューな!」

 

 「ううん、全然!えーくんも楽しそうでよかった」

 

 「ああ!楽しいぜ!お前もやったらどうだ!?お、緑谷も一緒か!飯田に八百万たちも!」

 

 「ああん!?」

 

 デクくんの名前が出た瞬間に目が釣りあがる爆豪くん、地雷なんだね相変わらず……てめえ何でここに居やがるだの、色々文句を言う爆豪くんを何とか止めようとする。てめえが俺の記録抜けるハズねえという爆豪くんにうん、そうだねというデクくん、でもやってみなければわからないよねとお茶子ちゃん、そうだねとデクくん。あっ、やっちまった感じする。案の定それにブチギレした爆豪くんがデクくんをスタート位置にぶん投げた。

 

 「んだらやってみろやクソナード!ミジメな結果出してこい!」

 

 あっちゃー。変な形で参加することになったデクくんだけどここは雄英生らしく、やるからには本気、プルスウルトラだ。スタートがかかった瞬間にワンフォーオールフルカウルを発動させて、岩山を跳ねまわり次々とヴィランを撃破していく。おお、ちゃんと自壊しない5%でパワーをセーブ出来てるね!うん、やればできる子のデクくん!特訓に付き合ったかいがあるよ~。そして、かかった時間は16秒、おお、爆豪くんと1秒差だ!やるじゃん!

 

 「ん、の……クソナードが……!」

 

 「よーし、次は私やる!みててねえーくん!1位もぎ取ってくるから!」

 

 「おお!おっしゃ応援してるぜ希械!ぶちかましてやれ!」

 

 「まっかせて~!」

 

 『さあ御次の挑戦者はおおきな女の子!好タイムの連発ですが、どうなるでしょうか!?ヴィランアタック・スタート!!』

 

 「てい」

 

 予め出現位置は絞っていたので右目で捉えたすべてのヴィランをマルチロックオン、私の両手から放たれたマイクロミサイルが空中に七色の噴射煙をたなびかせながらそれぞれのヴィランを同時に撃破した。噴射煙はお祭りなので派手がいいよね、というお遊びだけど、タイムはどうかな?あ、あっさりしすぎてみんなポカーンとしてるや。ふふ、同じ位置に出てくるのなら2回も見れば位置なんてすぐですよ。そして私はこういうのが得意なんです。

 

 『し、新記録!ぶっちぎりの新記録です!タイム7秒!現在トップに躍り出ました!』

 

 ふふん、と憧れの地にいるせいかハイテンションな私は胸を張ってえーくんにピース。えーくんは腕を振り上げて喜んでくれるけど爆豪くんは緑谷君の胸ぐらを掴んで振り回してたのを放り捨ててずんずんこっちにやってくる。こわぁ……。

 

 「おい……」

 

 「な、なにかな?」

 

 「調子に乗るんじゃねーぞ、5秒以下とって突き放したらぁ……」

 

 『おおっと13秒!現在第二位に躍り出ました!』

 

 「あああああっ!?」

 

 「ひぃっ!?」

 

 私の次の挑戦者がデクくんと爆豪くんのタイムを上回る好タイムを叩き出したせいで瞳が吊り上がり作画が変わったような人相になる爆豪くん。これ以上はダメだ、私は彼を羽交い絞めにして回収する。離せコラァ!と暴れる爆豪くんを空輸しながら挑戦者の人を見ると……氷山だ、んん!?

 

 「あ、轟くん!来てたんだね」

 

 「ああ、楪。緑谷たちも一緒なのか」

 

 「轟くん!こっちに来てたんだね!紹介するよ、こっちのアカデミーに通ってるメリッサ・シールドさん!」

 

 「メリッサ・シールドです。雄英生ってすごいのね、退屈しなさそう」

 

 「離しやがれ楪コラァ!クソ重いもん押し付けてんじゃねえわ!」

 

 吠える爆豪くんを苦笑いして羽交い絞めし続ける私。そりゃあ、私の手足は重いけれども。いつの間にかやってきた百ちゃんにより猿轡をかまされて、ぐるぐる巻きにした爆豪くんを担いだえーくんたちと一緒に私たちはヴィランアタックのパビリオンから離れるのであった。雄英の恥部はあの二人以外にもいたね……。

 

 適当なところで爆豪くんを解放した私たちだけど、爆豪くんは団体行動なんかしてられるか!とさっさと行ってしまい、招待チケットを持ってるえーくんも追いかける形で離脱してしまった。えーくんとは夜に会う約束したし、この後のパーティでも一緒だろうから平気。そして私たちは目いっぱいにエキスポを楽しんだのだった。

 

 帰り際に1日頑張ったであろう上鳴くんと峰田くんにメリッサさんからご褒美パーティチケットを渡され、レセプションパーティーに行くメンツが決まり、仕切りだした飯田くんが集合時間を決めてしまった。それならということで準備をする私たちは、解散となり、ホテルが同じデクくんと私とついでにメリッサさんが残る。メリッサさんがついてきてほしいところがあるといって私たちを先導し、ついた場所は何とアカデミー、メリッサさんの研究室だった。個人で研究室を持つって相当凄いよ!?雄英じゃ発目さんくら……彼女は一緒に人がいると危ないからか。

 

 「ふふ、じつはね。私そんなに成績良くなかったの。マイトおじさまみたいにヒーローになりたくて一杯勉強したわ。だけど、無個性だったから諦めたの」

 

 「……無個性……!?」

 

 デクくんの驚く声が聞こえる。無個性っていうのは私たち第5世代と呼ばれる世代の子供たちには珍しいものだった。デクくんもワンフォーオールを受け継ぐまでは無個性だったって聞いてるしそれを理由にいろいろ嫌なこともあっただろう、同じ、なんだきっと。デクくんもそう思ってるんだね。

 

 「でもね、私にはもう一つ目標があった。それが私のパパ、個性なんて関係なく誰でも広く助けられる技術を持って人を助けている。間接的にヒーローをしているの」

 

 「科学は万人に開かれてる。学べば応え、使えば応える。責任はその人間にある……それならばヒーローを助けるヒーローに……」

 

 「パパの格言ね!そう、楪さんの言う通り。私は科学で、皆を助けるヒーローになりたい。だから、その第一歩としてこのアイテムをデクくんに送りたいの」

 

 メリッサさんが白い箱から取り出したのは赤い腕輪のようなもの、それをデクくんの右手につけると、タッチパネルのようなものをぽん、と押した。するとそのアイテムは自らの形を取り戻すようにデクくんの右手にバンテージのように巻き付いて硬質化、固定化して腕を守る防具、ガントレットを形作ってしまった。これは、また超圧縮技術……!右目で分かる、これ私が作ったガントレットとは比じゃないくらい頑丈だ。すっごい、メリッサさん……!

 

 「これはマイトおじさまを参考に作ったものなの。デクくん、なんだか個性をセーブして使ってるよね?もしかして体に見合ってないんじゃないかと思って……そのガントレットはマイトおじさまの全力でも3発までなら拳を守ってくれるわ」

 

 「すごいね、メリッサさん。デクくんが個性をセーブしてたのを見抜くなんて。デクくん、全力でパンチしたら手が壊れちゃうもの、いいもの貰ったね」

 

 「やっぱり、それは名付けるならフルガントレット、といったところかしら。困っている皆を助けられるヒーローになってほしいの。未来のヒーローヘの、投資かしら?」

 

 いたずらっぽく笑うメリッサさんからのデクくんに向けてのエールに、彼は姿勢を正して学校で返事をする時以上に力強く「はい!」と答えた。満足げにそれを見守るメリッサさんはまさに技術者、科学者の顔だった。しかし、すごいもの貰ったね、デクくん。

 

 「あ、ユズリハさんにはフルガントレットの設計図とデータ、あとは超圧縮技術の細かいところまで教えるわ」

 

 「待ってくださいそれは流石にまずいです!技術者として何より大事なものですよ?」

 

 「いいえ、さっきユズリハさん言ったでしょう?科学は万人に開かれているって。パパのあの言葉を聞くにサポートアイテムの免許は発行される。それなら雄英で、デクくんにフルガントレットを改良して作り続けてあげて欲しいの。それが間接的に私の作品がデクくんを助け続けることになるわ」

 

 「……そういう、ことなら。ですけど私もタダでもらうわけにはいきません。なので、私が製作したパワードスーツを支える技術の一つを交換という形で受け取ってほしいです。これなら、見合うと思います」

 

 「嬉しいわ!貴方に出会えたことに感謝しなくっちゃ!」

 

 メリッサさんにそこまで言われたら私が受け取らなければ無粋だ。だけど、貰い過ぎもよくない。なので私から差し出すのは、パワーシリンダー……オールマイト先生並みの馬力を生み出す駆動装置だ。文字通りの秘蔵技術だけど、このくらいは差し出さなければ割に合わない。彼女の努力の結晶を受け取るのだから。ささっとメモリにすべてをまとめたメリッサさんがそれを差し出し、私も指から交換する技術が詰まったメモリを差し出した。今までで一番重いメモリを差し込んで読み取る。解析は後。

 

 フルガントレットを元に戻したデクくんがそれを見つめてると、ピリリリ!とデクくんの携帯が鳴った。ん?と思って時計を見ると……あ、まずい!もうすぐ集合時間過ぎちゃう!飯田くんに謝らなくっちゃ!わたわたと電話に出たデクくんのスピーカーモードの携帯から飯田くんの怒声が響いた

 

 『何をしている緑谷君!集合時間までもう少しだぞ!』

 

 「えっ!?あっ!?しまった!?」

 

 「ごめん飯田くん、ちょっと用事が入っちゃってそっちにかかりきりになっちゃったの。申し訳ないけど遅刻しちゃう」

 

 『む、それなら連絡を入れてくれれば、いや急用ということなら仕方ないな。分かった、待機してるので急いで来てくれ』

 

 「ごめんね」

 

 飯田くん結構怒ってた~~!急がないと!ダッシュ……というか飛ぶよ!デクくんほら掴まって!ホテルまで飛ぶから!メリッサさんは?あ、お家すぐなんだ!じゃあパーティー会場で!ヒーロースーツでよかったぁ!腰からアルビオンのテールバインダー二基を作り出した私はデクくんを抱えて研究室の窓から飛び立ち、ホテルへ急ぐのだった。個性が使用自由でよかった!飛んでる人も結構いるしバレないよね!いそげ~~!




 祝フルガントレット、デクくんの固定装備化!やっぱりね、血反吐吐きながら個性を使いこなしていくのもいいですけど安全策取れるなら取りたいですよね。

 次回なんとか頑張って楪ちゃんの正装考えます。少し更新遅れるかもです。感想評価よろしくお願いします

映画や小説、チームアップミッションの話あった方がいい?

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