個性「メ化」   作:カフェイン中毒

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 ご都合個性による番外編です。キャラ崩壊上等で書いてます。それでもよろしければお進みください

 異世界おじさんって面白いですよね(余談


番外編 ミニミニパニック!

 「え、ナニコレ……?」

 

 「轟……か?」

 

 「おかしいよ、私の知ってる轟くんはこんな小さくないしもちもちしてない。いやでもこの頭半分紅白おめでたいヘアーは私の知ってる限り轟くんしかいないような」

 

 「だよなあ……じゃあよ」

 

 「「なんで赤ちゃんになってんの?」」

 

 I・アイランドでの一件を終えた私たちは日本に戻り、合宿前の注意事項を伝えられる夏休みの登校日、道端に雄英の制服が落ちてたと思ったらその中には気持ちよさそうに眠る紅白ヘアーの赤ちゃんの姿が。えーっと、これはつまり……?つまりどういうことなんだ!?ベビー服は着てるんだけど……でも面影ありまくりなんだよねえ……。

 

 「し、しつれいしまーす……」

 

 そう言って私は暫定轟くん(仮)を優しく持ち上げて抱っこする。図太いのか態勢が変わってもすよすよと眠っている赤ちゃんに私はどうしたものかと戸惑いを隠せない。というかこのまま熱い地面に放置するとかは人としてどうなのかということもある。仮に轟くんだったらもっと困るし……えーと、右目で見て……うん、脱水とか危ない症状はないね。じゃあ私たちが来る少し前にこうなったのかな?いやしかし、解せないなあ。

 

 「あ!固まってる場合じゃない!えーくん!こういう時は相澤先生に連絡してそのあと警察にも!」

 

 「お、おう!そうだ!そうだったな!ってこれやっぱり轟の鞄じゃねえか!お前轟かぁ!?」

 

 「えーくん声が大きいよぅ」

 

 「ふえ……うえぇぇぇん!!!」

 

 「す、すまねえ!」

 

 「あーよしよし、びっくりしたねえ轟くん?なのかな?く、首据わってるっぽくてよかったぁ……」

 

 落ちてた制服を確認したえーくんが鞄にある轟くんの名前を見て素っ頓狂な大声をあげる。それにびっくりしちゃったらしい赤ちゃんはぱっちりと目を覚まして泣き出してしまった。顔を青ざめさせてえーくんが謝ってるけど赤ちゃんにはそんなの関係ないんだよ~。私は赤ちゃんを抱っこしたまま体を揺らして優しく声をかけながらあやし始める。やっぱり驚いただけなのかすぐに泣き止んだ赤ちゃんがぱっちりとした目で私をきょとんと見つめて、ふわりと笑った。

 

 「か、か、かわいい~~」

 

 「あ、相澤先生っすか!?すんません俺たちにも分かんないんすけど轟の制服とかばんと一緒に轟っぽい赤ん坊が落ちてて!はい!?お前らもか!?はい!希械に代わるッス!」

 

 『楪か、状況をもう一度説明してくれ』

 

 「あ、はい。えーく、切島くんと一緒に登校してたんですけど……道端に轟くんの制服と鞄と一緒に赤ちゃんがいて……一応脱水症状とか危ない状況ではないんですけど……」

 

 『やっぱりか……いいか、それはヴィランの個性だ。同時多発的にテロのように無差別に人間を赤ん坊の姿に変えるヴィランがいてだな……ヴィランそのものはオールマイトさんが捕まえたんだが、個性の効果が切れるまで暫くかかるらしい。警察も今てんやわんやだ。うちにも被害者が何人もいる。雄英で保護することになるから悪いが連れて来てくれ……』

 

 「そんなコミックみたいな!?」

 

 「コミックよりタチが悪くないかこれ……?戻るんだよな……?」

 

 えーくんの携帯に接続した私が相澤先生に事情を聞かれて説明すると驚愕の事実を返された。人間を赤ちゃんに変身させる個性!?なんじゃそりゃ!?あと相当相澤先生お疲れみたいだね……?いつも気だるい感じの声をしているけど輪をかけてそうなっちゃってる。まって今雄英にも被害者がいるって言わなかった!?テロだよこれ!?テロって言ってた!

 

 「希械、ネットニュースにもなっちまってる」

 

 「うそぉ……」

 

 通話が切れて、えーくんが制服を簡単に畳んでかばんと一緒に持って、ついでに検索したらしい画面を見せてくれる。そこには、同時多発的に人間が赤ん坊に代わるヴィランテロのニュースがあり、私は眩暈がしてくる感覚を覚えるのであった。ねえ、君ホントに轟くんなの?と私の制服をぎゅっと握ってきゃっきゃしてる赤ちゃんを見て、可愛ければ何でもいいや、と脱力するのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「うそぉ……」

 

 「現実だぜ、希械」

 

 「あはは~梅雨ちゃんだけじゃなく皆赤ちゃんになってしもたんやねぇ」

 

 「上鳴さあ……ウチいなかったら危なかったよ……」

 

 「かっちゃんがそうなってるのは分かったんだけど……まさか他のみんなもだなんて……」

 

 「尾白君かわいい~~!私が面倒見るからね!」

 

 「ヤオモモかわいい!だけどこの状況でヤオモモいないのヤバいんじゃあ……?」

 

 「畜生!なんでオイラに被害いかなかったんだよ!変われよ!なあ!」

 

 「「「却下で」」」

 

 悲報、A組だけでもかなり被害者がいた。まず私が抱っこしてる轟くんでしょ?デクくんに嫌そうにだっこされてる爆豪くんでしょ?お茶子ちゃんが抱っこしてる梅雨ちゃん、響香ちゃんが抱っこしてる上鳴くん、透ちゃんが抱っこしてる尾白くんに三奈ちゃんが抱っこしてる百ちゃん……足元で色々アピールしてる峰田くんを砂藤くんが回収して瀬呂くんが個性でぐるぐる巻きにして黙らせてくれた。

 

 「はい、席に……今日はつかなくていいか。それでなんだが、今朝の無差別個性テロの件はニュースなりで知ってると思う。このクラスどころか隣のB組や普通科のクラスにも被害者が出た」

 

 「「「「「委員長!?」」」」

 

 「被害者1号だ。後処理で俺ら教師陣まで駆り出されることになってな。戻るまではすまないがみんなで面倒を見てやってくれ」

 

 「流石に無茶です!赤ちゃんですよ!?」

 

 「ちなみにここらの保育園や幼稚園、あるいは小学校の教諭までもテロの後処理に駆り出されてるのでヒーロー志望が山ほどいる雄英に回す人員がないと上から決定事項が伝えられてな。警察も普通科の対応で手いっぱいだ。正直俺にもどうしようもない。またこの個性が厄介なのが血縁関係にある人間に接触すると広がるらしくてな。親御さんに預けると親御さんも赤ちゃんになってしまう」

 

 「地獄か!?」

 

 「現在被害者がどれくらいいるかもわからん状況だ。幸い家の中や建築物の中にいれば大丈夫というのは実証済みでな。ヴィランが個性を使った瞬間外にいた人物が赤ん坊に変化している。なのでお前らが面倒を見るしか選択肢がない」

 

 やってきた相澤先生に抱っこされてるのは我らが委員長である飯田くん、珍しく姿が見えないと思ったらまさか委員長までも個性の被害にあってるなんて……困ったなあ、と私は軽金属と化学繊維を組み合わせて赤ちゃん用の小型ベッドを自作し、その中に轟くんを寝かせる。これ元に戻ったら二重の意味で地獄だよね。クラスメイトに赤ちゃん的なお世話されてるだなんて。

 

 「……楪」

 

 「はいなんでしょう」

 

 「そのベッド、54個作れないか。学校の被害者全員分だ」

 

 「54人も被害受けてるんですか!?犯罪史に刻まれますよ!?」

 

 「間違いなく教科書には載るから安心しろ。3年後くらいからな」

 

 「安心できませんっ!とにかくベッドについては了解しました。作るんで……えーくん悪いけど轟くん見てもらっててもいい?」

 

 「おう、わかった!あ、相澤先生俺が飯田の面倒見ますよ!希械も頼んだぜ!ガッコのみんなを助けてやってくれよな!」

 

 えーくんに促された私はとりあえずクラスのみんなの分のベッドを作ってから相澤先生について教室を出る。どうやらホントに被害者がそこかしこにいるみたいで、別クラスから赤ちゃんの泣き声がこだましてたり必死にあやす教師の声が聞こえてくる。これはひどい、何という地獄……。被害クラス行脚をしてベッドを手渡し、適当に音が鳴る玩具も渡して対処、これもヒーロー活動……?

 

 回るたびに警察の人とか生徒たちから感謝されて、なんでこんなことになったんだろうと私の目は死んでいた。そしてヒーロースーツのゴーグルをかけた先生が電話をかけながら出ていってしまった。残ってるのはミッドナイト先生だけ……え?どうしようもなくなったら強制的に眠らせる?な、なるほど無慈悲な……。私は教室に戻ろう……。

 

 

 

 「ただいま~」

 

 「うぇぇぇん!!!」

 

 「お邪魔しました~~~」

 

 「待って希械ちゃんいかないで!」

 

 防音ばっちりの私のクラスの扉を開いた瞬間、赤ちゃんたちの泣き声の大合唱が聞こえたのでぴしゃりとドアを閉じて回れ右しようとしたら飛び出してきた三奈ちゃんを始めとした他数名により私はクラスの中に引きずり戻された。だって……明らかに面倒そう、もとい大変そう、じゃなくて問題が起こってるのがね……?

 

 「さっきから皆泣き止まなくて……あやしてるんだけど……」

 

 「……ちょっとごめんね?よしよ~し」

 

 三奈ちゃんが抱っこしてる百ちゃんを受け取ってあやしてみるけど、少し静かになったあとまたぐずりだしちゃった。うーん、何が原因なんだろう……?赤ちゃんのお世話だなんてお母さんのお姉ちゃんのお子さんくらいしかやったことないしわかんないよ~。はっ!?もしや……

 

 「お腹減ってるのかな?赤ちゃんって3時間ごとにミルク飲まさないといけないっていうらしいし……」

 

 「それだっ!」

 

 「でもよぉ……流石にミルクなんてないぜ?」

 

 「……でるかな?」

 

 「でぇへんよ!?希械ちゃん正気に戻って!?」

 

 「流石に冗談だけど……うーん、困った……あれ?皆乳歯生えてるんだ。離乳食で大丈夫かも。誰か、ランチラッシュ先生に電話!」

 

 赤ちゃんのお世話だなんてやったことないし手探り状態なわけで、泣いて口を開けた瞬間に皆歯が生えそろっているのが分かった。多分これなら離乳食で大丈夫だと思うんだけど……砂藤くんが食堂に連絡を入れるとランチラッシュ先生はすでに動き出していたらしく配膳ロボットが離乳食を届けてくれるらしい。よかった~~。

 

 「希械ちゃんが抱っこするとなんか静かになるね」

 

 「そりゃおめえオイラが考察するにあの豊かな母性がだほげえええっ!?」

 

 「死ね峰田」

 

 「耳郎さんのシンプルな殺意!?」

 

 ぐるぐる巻きにしてなおも足りないらしい峰田くんのセクハラ発言に耐えかねたらしい響香ちゃんがぐずる上鳴くんをあやしつつも両耳のイヤホンジャックで峰田くんに制裁を与えた。それに髪の毛が逆立つほど驚いたらしいデクくん、あれ?爆豪くんは泣いてないんだ。意外とデクくんがお気に召したのかな?あと轟くんも静か。他の子は泣いちゃってる、いやクラスメイトが赤ちゃんになるとかどんな奇跡体験を今してるんだろう私たち……。

 

 「ヘイオマチ!デリバリー!」

 

 「待ってました!あ!涎掛けもある!」

 

 「どうやって食べさせるん?」

 

 「流石にベビーチェアはないからね……作ってもいいけど片付けもあるし……仕方ないから膝に抱いてあげるしかないよ」

 

 「ウチこういうのやったことないんだけど……」

 

 「経験ありそうな梅雨ちゃんが赤ちゃんになっちゃってるからね……」

 

 「つーかこのクラスでそういう方面で頼りになるやつが赤ちゃんになってるよな、楪以外」

 

 「あはは、私が赤ちゃんになったらえーくん以外抱っこできないんじゃない?とりあえずご飯あげてみよっか」

 

 デリバリーロボットが人数分の離乳食を運んできてくれたので、百ちゃんを三奈ちゃんに返してから、私は轟くんを抱き上げて膝に横に座る形にして片手を背もたれみたいな感じにして保持する。じーっとこっちを見る轟くんに涎掛けをつけてからスプーンでほんの少し離乳食をすくって口元に持っていくと。口元をスプーンでつん、とすると大きく口を開けてくれたのでゆっくりと口の中にスプーンを入れて離乳食を食べさせてあげる。むぐむぐ、と一生懸命に咀嚼する轟くん、他のみんなも私の見様見真似でやってみるとみんなやっぱりお腹減ってたのか泣いてたのが嘘みたいにご飯に夢中になった。うん、その

 

 「かわいいね~~。クラスメイトの男の子に言ったらあれだけど」

 

 「かっちゃんが覚えてませんように……」

 

 「爆豪が知ったらクラス全員爆殺だな!」

 

 「上鳴かわいいって思っちゃった……不覚……」

 

 「尾白くん尻尾でスプーン掴もうとしてる~~!かわいい~~!」

 

 「ヤオモモ食べるペースはやっ!?詰まらせないでね!?あー、でも普段から結構食べてるっちゃ食べてるよね~」

 

 うん、その可愛いんだ、みんな。だってさ、赤ちゃんって無条件に可愛いでしょ?じゃあ今赤ちゃんになっちゃってる皆も無条件で可愛いよね……結局私たちはご飯タイムを終わらせてそこから30分ほど赤ちゃんの姿になった彼らに構っていたのだが、唐突に彼らは元の姿に戻った。ご丁寧に制服姿で。当然ながら荒れに荒れてしまうよね。

 

 「デクてめえ何くっついとんじゃ死ね!殺したるから動くな!」

 

 「うわわわごめんかっちゃんこれには深いわけが!」

 

 「うるせえ!聞きたかねえ!」

 

 「ケロ……お茶子ちゃん……お話聞かせてくれるかしら……?もしかして私とっても迷惑をかけたような気がするの」

 

 「朝から記憶がありませんわ……」

 

 「耳郎っ!?ちょ、おれなんかしたか!?ぎゃあああっ!?許してくれえええ!」

 

 「葉隠、さん?あのどうして俺は君の手を握ってたのか心当たりある?」

 

 「うーん!秘密!」

 

 「切島君!なんだかわからないが迷惑をかけたような気がする!済まなかった!」

 

 「おう!特になんもなかったから気にすんなよ!」

 

 「楪……俺はどうしてお前の膝の上にいるんだ?まさか……」

 

 「そ、そ、想像してるようなことは何もなかったよ!?その……このニュース、みて?」

 

 そして私たちはそれぞれ赤ちゃんだった人たちにネットニュースをスマートフォンで見せる。すると、彼らはその見出しを熟読し、内容を精査し、たっぷり1分ほどかけて内容を理解した。段々と彼らの顔に赤みがさしてそして……学校のそこかしこから聞こえる悲鳴と同調するように同じように大声で悲鳴を上げるのだった。私たちはそれをいたたまれない表情で見るしかない。唯一峰田くんだけは羨ましいと顔に書いてあるけど努めて無視する。

 

 結果的にこの事件は学校全体で黒歴史となり、誰も話すことも触れることも話題にすることもなくなった。赤ちゃんだった人は暫くふさぎ込み、世話をした人は自分もそうなってたらと恐れおののき、結果として誰も幸せにならないし笑えないにもかかわらず比較的平和な事件として……本当に日本のヴィラン犯罪史に名を連ねることになってしまった。私は、全てをメモリから消去することにしてこのお話を締めくくりたいと思う。

 

 せーの、イキュラス・キュオラ。




 ギャグって書くの難しい!といういつもほざいてるセリフはともかくとして。一回やってみたかったんです年齢操作の個性。私が書くとどうしても理屈っぽくなってギャグにならないですねえ。そして笑いどころが少ない!

 ま、まあ次回からは合宿編に入ります。楪ちゃんはここで大きなターニングポイントを迎えるでしょう。それがいい方向か悪い方向かは、お話次第ということで

ご意見を募集しているのでよければこちらにどうぞ
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=296431&uid=88429

 ではでは感想評価よろしくお願いします

映画や小説、チームアップミッションの話あった方がいい?

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