この世旅する少女は灰の霧を纏い、眠り続ける明日を乞う。――神が普遍の世界で灰色は何を見る――   作:ルヌヘレル

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ここは十二話。あははは、は?

 

 すべてが無に帰る灰色の霧が湧き始める中、アイラはその中心でアホみたいに笑っている。おかしくて、笑っていることすらおかしくてたまらない。

 消えろ、消えろ。そう願い、笑い、嗤った。もっともっと沸騰して、冷めて消えてなくなればいい。

 霧を沸かしながら笑っていると何か、機械のような声が聞こえてきた。それはどこか勇ましくて、粗暴な感じのする若い男の声だった。

 

『ばあちゃん! なんだあの化け物!』

 

『うるさい! 化け物って言うな! そもそも結界内で処理しきれないほど破壊魔力だけ置き去りにしたヤツが悪い!』

 

『あ、ごめんそれオレ』

 

 悪びれた様子もなく、謝る様子もなくただ告げた謎の声。どうやら逃がしたくない核はもう一つ聞こえてくる女児のような声が持っている、のか。なのにそいつは空間を繋げているだけらしく今は手が出せない。

 

(あなたなの? 私を甘美な感情で浸してくれたのは……?)

 

『お前かぁ! 今度会ったら覚悟しとけ! ああ、大二柱様になんて報告しよう。アイラちゃんがかわいそうだ……』

 

『あん? ばあちゃんの知り合い? ああ、いつもの禁則事項ね。ここまで来てそれね』

 

 どうやら男を女児は叱りつけているようで、先ほどからこちらには話を向けない。男は不満げの声色で此方に意識を向ける。

 寂しいのでそろそろ、手を出してみようかなと思い()()を纏う手順を起こす。底から湧くように、天から降るように、腕を振るい力に導かれるまま、あるがままを叩きつけるために。

 霧の外からなにか鋭く、小さい攻撃が飛んでくるが、この破壊魔力が沢山滞留しているところでアイラが負けるはずもない。気にすることは無い、まず最初は何を語ろう。

 

「さぁ、終わりの言葉を語ろうきっかけは――」

 

『やばいタートウナ! とりあえずなんでもいいから詠唱を止めろ!』

 

『やってる! ばあちゃんアレ! アレ使っていい!?』

 

『まてまて、それはダメだ。アレは辺りを破壊しすぎるから――』

 

「むぅ。聞いてくれないのね。いいよ。気にせず語るから。最初に失せるのは――植物だ」

 

 アイラがその言葉を発すると、演習場の植物は最初からなかったかのように消えうせた。種子も、痕跡が消えうせた。

 すこし不完全だが、まあいい。そう思った。

 

『アホ! いいか! アイラちゃんの詠唱はすべてを消していく! 最初は今、取るに足らない物から、まぁ植物も必要だが! お前は火を告げた後の言葉を絶対言わせるな! 存在が消えるぞ!』

 

『なんだよそれ! 攻撃通らないのにどうしろと!』

 

 どこか親しげな様子と、アイラのを知る女児に対し嫉妬のような感情が湧くが、次に何を語ろうか考えながら話を聴くことにした。この世で獲るに足らない物、お金だろうか。

 

『あーもう! アイラが全盛期じゃなくて助かった! あと私の孫じゃなきゃこの空間で圧死するぞ!』

 

『よくわかんないけど、ばあちゃんの孫でよかった! 手早く換装してくれたココロコのオッサンにも感謝だな! あのユニコーンもいい仕事をした、はずだ!』

 

 ユニコーンがユラの事だとわかると大して我慢できていなかった寂しさが、苦しさがあふれてくる。黒いのは、ここだけなのか。一人なのはここだけなのか。ニクイ。

 いいだろう、と次の消滅を決める。

 

「植物が消える、それすなわち一部地層の消失を意味とする。次に消えるのは……化石燃料だ」

 

 この場では意味がない、宣言と呼ばれる力。よくわからない物をよくわからないままに使っている。しかし、この気持ちが我が手足になるのであれば、それでいい。ただ、怨敵を食いつぶす糧となれ。

 

『あ、あ、あ。っぶなー! トウナ! 早くなんか煽って気を紛らわせろ! 植物、化石燃料が無くなると次は火、火の消失はすなわち金属物質概念の消失だぞ! 科学体形のお前はまずい!』

 

『ばあちゃん無茶言うな! そんなこと言われたって……ばあちゃんも火が消えたらまずくない!? というかここの外どうなってんだうああわあわああああ!』

 

 悩み叫び喚いているところをアハハと嗤ってやる。少し慈悲を持たせたが、面白い結果になりゴケロメルカップ……? ほどは満足した。どのくらいの量なのかわからないけど。

 そうだ、遊んでやろう。じわじわと、絞めていこう。最終的に、消えればいい。

 

「植物、化石燃料の消失。それすなわちケーブルの消失」

 

『あーもう! マシンガン売ってるのに攻撃通らないし気が惹けないし! ケーブル無くてよかったー! あ、そうだ。……やーいお前のかーちゃん……誰も知らねー!』

 

「……?」

 

 当たり前の事実なのに凄く侮辱された気がした。事実を事実と言われただけのことになぜ人はこんなにも情動を抱くのだろう。それは、人であるか怪しいアイラも同じことのようだ。直接絞めよう。

 

 霧を払い、手に真っ黒で長いナイフを生成する。相手は青色の宝石を纏った歯車機構で体を構成している。無駄に華美な敵さんと彼我の距離はあるが、足に灰霧を纏わせて速度を上げていく。早く、もっと早く。

 

『……! クソガキ! チャンスだ! 鞄を狙え! これからは時間を掛ければ消えると思え!』

 

『ああもうあーだこーだうるせえ! 理解はできるがそんな命令すんな! アーミスモルデンガナヒービクいいか!?』

 

『許可! いいか、傷つけるなよ! っていうかこの状況お前のせいだからな!』

 

 手提げ鞄狙ってると聞き、警戒してしまうが何もしてこない。歯車を拘束回転し向こうは逃げているが、何か小さく尖った物を飛ばしてくるがそのうち追いつくだろうことは理解した。

 一つ、面白いことを思いつく。徐々に速度を緩め、敵は疑問に思いつつ動きを止めた。その隙に、崩壊の意を込めた塊を大きなノコギリにする。大盤振る舞いだ。大量に食らうといい。

 しかし彼は跳躍し、滑空したようでノコギリは避けられた。

 ノコギリを次いで黒い触手に変質させ、後ろを追わせる。

 

『あー! 近づいてこないじゃん! 嘘つき!』

 

『知らないよ! というか感情が昂ってるだけなのか! あんまり喋らないからわかんないよ! 大二柱様のマニュアルゴミ過ぎない!?』

 

『なんか知ってる風だと思ったらマニュアル!? 終わった、もう終わった』

 

 ごちゃごちゃと喋っているが、関係ない。ただ敵を討つのみを是とするのであれば、これでは捕まえることが出来ないとするのなら黒い触手の先を太く、硬質さを付与し……

 

『なんかキモイ! 見た目が硬そうなのにグネグネ動くぞ!』

 

『避けろ! とりあえず避けろ! 多分もう少しだ!』

 

 後ろに黒く平たい鏡石が存在していないという可能性を潰す。青歯車はそれに叩きつけられ、虫のように落ちていった。結界に突撃したドラゴンもたまになるらしいね。

 

『グッ……ダーシミッヅ!(クソ!)

 

 傷を負い、再起動に時間がかかるだろう青歯車に急いで近づき、直刀で柄も鞘すらない剥き身の刃を()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「やぁ、青歯車くん」

 

『ンだよ! やるならやれ! お前が――であるのなら、ただの……っ!』

 

「詳しくはしらない、お互いの事も、私は私のことを詳しく知らない。でも、お前と私は違うはずだ」

 

 その言葉を突きつければ、青歯車は声を詰まらせ歯車の隙間から血を吐いた。汚いね。

 刃を目の前で突き刺し、足で踏み付ける。何度も、何度も踏みつける。青歯車の体はアイラの素足で静かに鳴り、確実に傷ついてる。

 

(こいつにあって、私に無いもの。それが何わからないし、何となくだけど魂の底から悔しい気持ちが溢れてくる)

 

「この! 硬い! なんで歯車なの!?」

 

『しらねぇよ! そういう格なんだよ!』

 

 金属の体はアイラの素足では柔らかい音しか出ない。戦闘意欲が長続きしない事に苛立ちを覚える。もっと戦って、戦って叩きのめしたい気持ちで居たいのに急速に意欲が減っていくのをありありと感じる。

 

『よし、よし。落ち着いてきてる、アイラちゃん! お手紙、お手紙持ってない!?』

 

 青歯車はなんのこっちゃ分からないという雰囲気を出しているが、心当たりはある。出したくないので、破壊の魔力を撒き散らしておく。

 

『あー! わかった、わかった。そうだよね。お母さんの手掛かりだもんね! じゃ、じゃあお腹空いてる!?』

 

 お腹を確認するとどこか寂しい感じがした。楽しい気分と、怒りっぽい気分が消えうせていく。一人で、独りで、広い世界でちっぽけな存在になっていく。アイラが中心ではなく、あらゆるものが中心であり、外である。その事実を思い出してしまう。

 顔が川の縁に居るように濡れていくのを感じ、瞼を擦ってしまいそのことがさらに悲しい。

 眠る事はできないというその事実で涙があふれ、立ち尽くしてしまった。

 

『よし、よし。えっと、えっと。ああ、ええ?』

 

『……落ち着いたのかな? で、結局さっきからばあちゃん何のマニュアル見てんの?』

 

『大二柱様が使ってたアイラちゃんマニュアル。……ムエナちゃんに連絡取れる? 多分今なら来ても大丈夫なはずだから』

 

 何かやり取りしているが、膨大な悲しみで反応できない。

 

『っと。はいはい。今から来るけど、この場合どうすんの?』

 

『なんか、アイラちゃんが仲良くしたい、と思える人物から卵菓子を渡されるといいんだって。寝たらヤバいから、それで意識を留めておく、とかって書いてある』

 

 卵菓子という言葉に物凄く惹かれる。アイラを周りから見ると面倒臭く感じているんだろうな、と思うと鬱っぽくなってきた。疲れたし座ろう。

 

『座ったけど大丈夫? このまま寝たらヤバくない? あとなんで卵菓子?』

 

『寝たらヤバい。忙しさで死ぬかも。卵菓子は……たぶん卵が食物で唯一と言えるほど混沌に近いからじゃないかな?』

 

「あー、ね。理解、理解。えっとアイラ、ちゃん? ムエナちゃんが卵菓子、何になるかわからないけど用意してくれてるから……お兄さんの近くにおいで」

 

 青い宝石が、月の光で光ると歯車だけの体は筋肉質で青い髪をした若い男になっていった。すると、感情のほかに疑問が湧く。理性が戻ってくる。そうなればアイラは泣く以外の行動を始める。

 

「お兄さん……? は機人じゃないの?」

 

「あ、人間の体か? 人間の体が本体で、最初は歯車の体は魔法で変化させてたんだ。適性があったからどちらも本物になったんだ」

 

 へぇと感心した。アイラがやったらどうなるんだろうとかは気になるが一旦置いておく。もう一つの疑問を聞きに、女児へ語り掛けよう。

 

「ねえ、お姉さん」

 

『お、お姉さん!? 私が!?』

 

「……叔母さんがいい?」

 

『いや、いや。お姉さんでいいよ。今は見た目も声も女児のそれだが、それでもいいのなら』

 

 ほう、女児はそのまま女児なのか。姿は想像するのは難しいが、正体なら簡単に察することが可能だ。人をクソガキと呼ぶ核を持つ神、そして神をばあちゃんと呼ぶ何某。クソガキはココロコさんに換装してもらったとも言っていた。

 

「お姉さん……技術神は、私の事知ってる?」

 

『……それは、私と直接会って話さないといけない事だ。それが我々十二柱ができる最大限の義理であり、それが貴方へ贈ることのできる最大限のモノだ。小道具くらいならいいけど』

 

「じゃあ私を追い出したのは太陽神だよね? 貴方は、違うよね」

 

『あー。あのですわですわ姉さん?』

 

 かわいそう、と小さく聞こえたがなにがだろうか。ですわですわお姉さんがわからないが、とりあえず頷いておく。そうやって喋るんだろうか。

 

『うーん。まぁ、それくらいはいいか。そうだね、一応長兄姉に当るから代表して涙目で沈没していったね』

 

「じゃあ、貴方の名前は? 講習で省かれちゃったんだよね」

 

 お兄さんと空間に罅が入る音を幻聴した気がするほど空気が冷えた。基本的に神の名前は三つの主要な核を掲げることになっている。だがしかし技術神は技術神だけだ。前々から気になっていて、ついでに聞こうと思っていたがこの際聞いてみようと思ったのだ。

 

「ば、ばあちゃん」

 

『いや、いい。あれは増長していた私がわるかったのだ』

 

 なんか、とても悲壮な空気が溢れ出てるが、さっき戦っててもこうはならなかったと記憶している。そんなに変な名前なのかな、と思いやはりいいやと言おうと思ったら空間に響く機械音が流れた。機械音なのに、言葉として理解できるのはさすがは神なのだろう。

 

「原初の火、人の歩みと幻想を真としまた科学を真とした二律背反する魔導と機械の神……長くない?」

 

『だから恥ずかしくていいたくないのさ! 大二柱様に招集された時、私が一番うまく()()できてるとおもっちゃってて、感情を感じるプロセスはあったはずなのに羞恥心がなくてさぁ! ああもう。もう取り消せないんだよね、大二柱様か、もう一人できるかな……ってかんじでさぁ!』

 

「これ、オレが本名聞いた時おんなじ反応してたぞ。相当引き摺ってるらしい。他の神が綺麗に収めてるからなおさらだろうな」

 

 原初の火、人の歩みと幻想を真としまた科学を真とした二律背反する魔導と機械の神、小さく連呼してみる。そうすれば機械音が慌ただしく鳴り始める。どうやら機械にもどって感情を制御しようとしているらしいが、まったくもって効いてなさそうだ。

 

『大二柱様が面白がって消してくれないんだよね、ここまで食い込んじゃうと何が起きるかわからないけどあの二人に限ってそんなミスはしないしね。っていいんだよ、それは。ほら、ムエナちゃんきたよ』

 

「ムエナ? そういえば言ってたね」

 

 荒れ果てた演習場とは打って変わり綺麗な様子の外からムエナがお皿を掲げて走ってきた。さすがに匂いは届かない。四角く黄色い、上下は茶色の不思議な色合いをしている。

 

「アイラさーん! カステラ持ってきましたー! 太陽神の神士さんが教えてくださったんですー! なんか、こうしておかないといけない気がした、とかなんとか」

 

「……味によっては平手と椅子に昇格してあげよう」

 

 まだ許してないので味で決める。ムエナも賢いからなんとなく察したんだろうけど、確定させなければ確定せず。見なければ無い。見れば在る。そういうことにしておこう。

 ただ少し気になるのは神の孫にすらアイラの情報を禁則事項にしている、ということだ。その辺もそのうちわかるかな?

 

「まずは、カステラ食べてから技術神のお姉さんに直答だね」

 

「……? はい、そうですね。今回はこれくらいしかできませんでしたが、私は生きているので安心してください」

 

「うん。ムエナの作ったカステラ美味しいし、安心する。ヤツは殴った後、椅子にしてあげることにした」

 

「ふふふ。アイラさんにとって触れる、とはご褒美なのですね。女王さまですね。国はありませんが」

 

 荒れ放題の演習場、いつの間にか歯車お兄さんと技術神のお姉さんは消えていた。空を仰ぎ見れば憎き太陽が中天に差し掛かっていて、時間の進みに驚愕する。

 周囲は草一つ生えておらず、燦々と闇夜を照らしていた明かりも歯抜けに消えていた。ケーブルを消してしまったから、科学のケーブルが無くなったんだ。

 街も大変なのかな、と思い少し沈んでしまう。損害賠償とか、どうなるんだろう? 

 ブルーになりかけた時にムエナが教えてくれた。

 

「あ、アイラさんが気にすると思うので言っておきますが今回は特定種族特殊技能保護法、とかいうので特別に損害賠償はないみたいです」

 

 どういうことか聞けば原因が保護をしなければいけない側の失態だったので、特例に全額免除だとか、この演習場以外にに被害が無かったので余計に情状酌量があったとか。一応初めて出る力を抑えた、という体にしておいたらしい。強ち嘘でもないのだがそれでいいんだろうか。

 ほぼ示談可だったのでムエナは一応いざこざが起きないように向こうに合意で略式裁判を起こし裁可を貰って神と人がこの示談を保障します、というのをやってきてくれたそうだ。

 

「統括神士さんが『総合神使が忙しくて来れずに申し訳ございません。今回十二柱の孫が引き起こした事態に付いて正式に発表し、何か欲しい物があればご要望があればお答えします。この度起きた権愚、真に陳謝いたします』って言ってました。この世界で権愚、って相当の罵倒らしいですね」

 

「そっか。権力を創らないようにしてるから、結果そうなったら相当の恥なのかな」

 

 この辺りには科学形体の人類が良く来るので演習や練習、なにか大きな行動を起こした時は万が一を考えて閉鎖する予定だったらしいが、あまりにも広いので偶に知らずに入り込んでしまうらしい。

 基本はここまで体調に変化が訪れることなどないが、人が生み出した魔力に弱い私を参考に対策を考えるとか、なんとか。

 

「たしかこの世界の人が作った魔力のお薬があるんだっけ? 多分それ飲んだら一発で大変なことになるよね」

 

「……なんで知ってるんです? 与えないでください、って言われたばかりですよー」

 

「あ、話してなかったっけ? 私って大きめの魔力の渦に入ると、ちょっとだけ何かを垣間見るっていうのかな。なんか見えるんだ」

 

 今回はどこかの街風景で、猫が一匹で昼寝していた。あと人工魔力についての注意事項について少しだけ知った。人工魔力を多量に摂取するとこうなる、くらいの意味だけど。

 

「なるほどですね。最初はどこでそれを知ったんですか?」

 

「シュカナ森街近くの森? 今思えば多分中級中位くらいの魔獣だと思う。ちょっと特異なかんじはしたけど、その魔獣周辺の渦で人の概要と近くにある街の情報とか。あんまり密度はなかったけど、浅く広く?」

 

 場合によっては便利だろうけど猫の昼寝とかとても可愛いと思うがあんまり使い道はないと思う。受け取る情報は選べないはずだ。

 ムエナの納得顔を眺めながらカステラを食べ終わり、地面に座っているムエナの足に頭を預ける。きっとアイラの顔は締まりのない顔だろう。ムエナが頭を撫でてくれるので、そっと意識を閉じ頭と体を休めることとする。

 

「ひるねするから、スミェーラトのことはよろしく」

 

「んもう。寝すぎると私も寂しいので、夕方には起こしますよ。スミェーラトの事はココロコさんが何とかするそうです。楽しみにしておきナ! って言ってました」

 

 おやすみを言うことができたのかは、知らない。




アイラの一言。
「カステラ美味しい。椅子は、ご褒美」
では次回四日後。

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