ありふれは"いけない"律者達は世界最強 ~最強の錬金術師と最強の戦乙女~   作:siera

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お待たせしました!「ありふれ」×「崩壊3rd」のコラボ作品本編です!

こちらも変わらず不定期更新になってはしまいますが、しっかり完結まで作っていきたいです!気長にお待ちください!

ただし今回は特別……一気に数話連続更新です!


プロローグ 

 

虚像はここに、無形の広間は真実を作らない――

 

 

世界をかたどる筈の無数のポリゴンが無造作に散り、何とも捕らえられない歪な構造物が作り出される。世界はデータのバグの如く、断片的な憧憬が虚しくノイズとなって物悲しく飾っている。

 

ここは量子の世界

あらゆる世界の可能性を内包した情報が揺蕩う、世界が流れ着く海――

そんな不安定な世界を平然と歩む3人の少女の姿。その表情は決意と覚悟を秘めており、この世界にはある意味相応しくない者達……3人は何処かを目指し、歩きまわっている様だ。

 

「どうやったら出られるんだろうね」

「地道に探していくしかないですね、とはいえ確証がある道は無いのですが」

「そうね。……彼の元に戻る道が何処にあるのか、それさえしれれば大丈夫なのだけど」

 

白い鎧を身に纏う3人の少女は、周囲を捜索している。第三者が見れば、その姿はまるで伝説や伝承にでてくる戦乙女、半神の神格を持つ美しき女戦士……戦う天使、または天女といったところだろうか。

甲冑に身を包み、羽飾りの兜と剣や槍、盾などを装備して武装する伝説の存在「ヴァルキリー」と呼称される存在と錯覚するだろう。とはいえ彼女らが持つ装備は刀や双銃、はたまたミサイルといった現代的な武装で身を繕っているか……。

 

「私達が通った道……は、もう通れないよね」

「はい。既に閉じていますので、あの場所に向かうのは不可能です」

「だとしたら、この場所を歩き探すしかなさそうね。二人共、行きましょう」

「了解です」「はーい」

 

二人は量子の世界を歩み進んでいく。様々な通路と呼べるかわからなないポリゴンで構成された大陸を歩いていると、時々ノイズの如く人影が出てくる。その人影は全く見たことのない人物もいるが、自分に似た誰かの幻影が、まるで鏡の様に現れてくる。

触れようとしても、体を通り抜け幻影は消えてしまう。これらはこの量子の世界に揺蕩う世界にいる自分とは別の自分の幻影……いわゆるパラレルワールドの自分、その残像である。

 

「改めて不思議だよね、私のようで私じゃないんだから…」

『time say goodbye‼……ふふん、ブロニー大勝利ぃ♪』

「……こんなにテンション高いのが別世界の私とは、想像したくありません」

「まぁ、可能性はあるんじゃないかしら?ゲームしてる時とかそんな感じだったわよ?」

「なっ!?あの"おバカ"と違って、私はそのような事ありえません!」

「ちょっと!又バカって言ったわね!あの時含めて二回目だよ⁉」

「……ふっ、昔と変わらないわね。二人共」

 

雑談交じりつつ、ポリゴンの大陸と飛び歩く3人。すると、突如白髪のポニーテールの少女の足元のポリゴンが崩れ、バラバラと消えていく。少女は咄嗟に別の大陸に手をかけ落ちずに済んだが、崩れたポリゴンの大地は底が知れない虚無の世界に落ちて、見えなくなっていた。

 

「あ、焦った~……」

「■■■ちゃん!大丈夫!?」

「何してるのですか、バカ■■■……」

「ワザとじゃないんだよ⁉いきなり地面崩れたんだもん、私の落ち度じゃないよ!」

 

刀を携えた少女が手を掴み、ポニーテールの少女を引き上げる。その時、真横に幻影が現れる。それは私達と同じ顔で同じ装備、そして同じ状況下。一つ違う点を挙げるとするなら…その後の少女達の幻影は、引き上げる途中、掴んだ大地も崩れ始め、他の少女達も含め皆、どうすることもできず量子の世界に落ちていく点だけだ。

 

「……下手したら、私達もああなっていたのかしら」

「あれも可能性ですから、そうでしょうね」

「……大丈夫だよね?今ある地面崩れないよね?」

「大丈夫じゃないでしょうか、多分」

「不安しかないんだけど!?」

 

下をのぞくと、落ちていく3人の幻影と崩れた大地の破片が落ちていく。私達も落ちていたらどうなっていたのだろうか、想像することはできない。何せ、この世界では何が起こってもおかしくないのだから。

 

「さぁ二人共、探索を続けましょう」

「今度は気を抜かないように、しっかりしてくださいね」

「だからわざとじゃないってば!ていうか、さっきのバカ発言取り消しなさいよ■■■■■■!」

 

3人はまた歩きだす。各々の決意と覚悟を無駄にしないために……3人は道を歩み続ける。ここまでは皆も良く知る世界線。崩壊3rdのストーリーで語られる少女達のちょっとした幕間の物語――

あなた達がこれから読むのは、別の彼女達。あの場所で落ちた時の彼女のお話……彼女達が落ちた先で巻き起こる。大きな闘いの物語――

 

 

 

 

『ダメ……飛べない!』

 

 

 

                         『これどうすればいいの‼‼』

 

            『二人共、手を!』

 

 

 

 

                         『ダメです!体が上手く動かせない!』

 

 

『もうちょっとで……手が、届くのに!』

 

 

 

 

 

 

 

                    『何……!下が光ってる!?」

 

 

『光が、強くなっていきます!』

 

 

 

 

                        『このままだと…飲み込まれるわ!」

 

 

                                  「■■先輩……‼‼』

 

 

 

「■■ナ……ちゃん‼‼」

 

 

 

               「ダメです!重装ウサギでも……助けられない!」

 

 

 

 

               「飲み込まれる……!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

悲鳴は聞こえることなく、美しき少女達は光の奥へ溶けるように飲まれて、消えた――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目覚めた一人の少女、視界はほぼない暗闇。倒れていた身体を起き上がらせると、冷たい岩と水の湿った感触と冷たい冷気が体を襲い朦朧としていた体が一気に目覚める。

周囲を見渡すとそこは先ほどまでの四角いポリゴンの集合体で構成された無機質な世界とは一変し、どこまでも暗黒で岩肌が続く洞窟の様な景色が続いている。ここは一体どこなのだろうか……私達が目指していた場所に似ている様だが、岩肌を解析してみると、どの国のどの地方でも聞いたことのない岩石の名前「ユーティナ石」というモノだとわかった。

 

「ユースティナ石……聞いたことの無い名前。検索……「該当なし」ですか。ここは一体……」

「キアナ、芽衣姉さま…どなたかいらっしゃいませんか!?」

 

名を呼ぶ声が虚しく洞窟内を木霊し、虚しく消えていく。どうやらこの場所周辺にはだれも居ないよう。もしかしたらどこか近くを探索している可能性もあるが、だとしても彼女達の性格的に私をこの場所で倒れたままにするとは考えられない。

 

「とすれば、このあたりには居ない?……解析開始」

 

自身の能力で周辺地域を解析し始める。彼女の瞳の前にオレンジ色のホログラムが突然現れ、周辺の地理情報が凄まじい速度で脳内を駆け巡る。普通の人間なら頭がパンクし、処理に耐えられず脳が焼き切れる可能性もあるのだが、彼女の律者の能力にはその心配はない。世界の真理を紐解き、すべてを解析できるであろう律者、「真理の律者」の前には。

 

「人の気配は無し……いや、人ではない獣の様な存在はかなりいるようですね」

「どのような獣なのかはまでは分かりませんが…というより、洞窟に獣がこれほどいるのも変ナモノですね」

「……このまま立っているだけでは何も解決しませんね。探索するしかありませんか」

「(第一の目標は芽衣姉さま、キアナとの合流ですね。その次にこの謎の空間の脱出…以前も量子の世界を巡った事があるからこその考察ではありますが、ここはまた別の世界の可能性もありますね。だとすれば、出られる条件がある筈…第三の目標ですね)」

「……これ以上は考えるのは無駄ですかね。いい加減体を動かしましょうか、少し寒いですね」

 

少女は槍を手元に創り出し、洞窟内を練り歩く。明るさが殆どないにも等しい洞窟内なのに躓くことなく歩けるのは、常に周辺の地形を解析して分析できているからだろう。少女は一人で歩く、だが不安はない。離れ離れになってもいずれ出会える……彼女達はどんなに離れていても、どんなに困難な道のりだったとしても、たとえ……絶望の底に叩き落されても……必ず乗り越え、笑いながら再会することが出来る。今までいつもそうだった、だから今回も不安はない。

どんなに過酷な場所に飛ばされても、その困難は必ず超えていく。それは私達の覚悟の証明、私が歩む救済の道――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

深海のごとき暗き海の底、深淵を歩む一人の白き武人の如き風格の少女が一人朽ちた廃船の墓地を練り歩く。

 

「皆は……ここにいない。でも大丈夫よね、私達ならまた必ず会えるわ。だから、みんなも頑張って」

 

少女は一人でしゃべりながら、静かに刀を引き抜く。前方には狂気に満ちた表情で少女を睨みつける亡霊の群れ。少し笑みを見せた彼女は、純白のヘルムを顔に付け刃を振るう――

 

 

 

 

 

 

 

此処は溶岩が噴き出す灼熱の火口。業火が吹きだし、あらゆるモノを焼き殺す熱風があらゆる生命を塵に還す地獄の釜の中腹。このような場所、好き好んで入りこむような、愚かな人間は殆どいない。入る者が居るとすれば、ただの命知らずが、宝を求める為に命を捨てる冒険者か探掘家ぐらいなモノだろう。

そのような魔境に一人、溶岩が固まった黒い石でできた通路を平然と歩くポニーテールの少女。体に少し汗を書いてはいるが、これほどの熱さに慣れているのか灼熱の空間をゆったりと歩いている。

 

「これが色々ある世界の一つって奴なのかな?……それよりも、暑い~…熱さに関しては多少慣れてると思っていたんだけど、これは暑いわ!」

「グルゥゥゥゥ……!」

 

少女の前に突如立ちふさがるサイに似た獣。その体は彼女がしるサイより鎧の様に頑丈な装甲で囲まれ、その鎧には赤く明滅するヒビに似た模様が体を駆け巡っている。その目は敵意にあふれており、今にも少女に向かって突撃しようと足を鳴らしている。

 

「……何、やる気?」

 

少女は虚空から剣を取り出し、片脚のホルスターから銃を取り出し構える。片手に剣、片手に銃というアンバランスな装備だが、なぜか自然と様になっているのは彼女のこれまでの人生と戦闘、過酷な闘いによる賜物といった所だろうか。

 

「ぐぅるるあぁぁぁぁぁぁ‼‼」

 

サイは突進するのではなく、角に炎を集約させ一気に放出させる。少女は一瞬にして炎に包まれていく。炎は少女の身体を燃やすかと思ったが、炎に包まれた影は形を崩す事は無く、少女は身を焼かれた形跡もなく平然としている。その表情は、笑っていた。

 

「ぐるっ!?」

 

 

少女は笑い、剣を向ける。

 

 

「あんたの攻撃は、これで終わり?」

 

 

さあ、これから始まる物語は少女達の偶然が招いた特別な冒険譚――

 

 

「(みんな待っててね、すぐに…会いに行くから!)」

 

 

異界を巡っていた少女達3人と――

 

 

「じゃあ次はこっちの番ね――」

 

 

異界に呼び出された異端者達による――

 

 

「……文句ある!

 

 

 

 

 

 

 

 

――壮絶な、世界を正す物語だ。

 

 

 

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