そのウマ娘、星を仰ぎ見る IF   作:フラペチーノ

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スターちゃん誕生日おめでとう!!!!!
9/20日はスターちゃん誕生日なので、お題箱に入っていたお題のお話を纏めて投稿します。
Twitter(X)で消化したら投稿してたりするので、良かったら覗いてください。
お題箱↓
https://x.com/Frappuccino0125/status/1965771956835512479


なんやかんやあってテイオーと入れ替わってしまったスターちゃん+α

☆なんやかんやあってテイオーと入れ替わってしまったスターちゃん☆

 

「……なにこれ」

 

「いや、ボクも分かんないけど……」

 

やっと蒸し暑い熱も消え、秋風に涼しめると言っても過言ではない日。

放課後にいつものようにトレーニングをしようとターフに集合した瞬間、俺の目の前に俺がいた。

いや言ってることが意味不明なのだが、これが俺が認識出来ている事実なのだから仕方がない。

 

「ボクたち入れ替わってる……?」

 

「いや……多分そう。部分的に、そう」

 

「トレーナーも自信ないじゃん……。って、ボクに話しかけるの凄い違和感がある……」

 

そんな俺に対して話しかけてきたのは、俺の担当ウマ娘でもあるトウカイテイオー。見た目は俺──スターゲイザーでしかないのだが。

自分が鏡を持っていないので、自分がどういう状況に置かれているのかは客観的に判断はできない。

ただ自分の見た目が「トウカイテイオー」になってしまっているのは、流石に分かる。

いつもより低い視界。動かすときに軽い体。そして自分の口から発声している、トウカイテイオーの声。

まぁ理解はできても、全く納得はできないのだが。

 

「で、これどうする?」

 

「どうするって……どうするのが正解なんだ……」

 

「カフェとかタキオンなら詳しそうだけど」

 

「心霊現象か、科学現象か……。オカルトチックが過ぎるなぁ」

 

とは言ったものの、少しだけ心当たりがある。

最近まで「オーバードライブ」で俺とテイオーの境界をうろうろしていたことがあった。

あれは俺がテイオーの中に「入る」みたいな現象なのだが、それを戻すときにうっかり勢いあまって入れ替わった……とか。

あくまで推定しか出来ないし、検証も今は怖くて出来ない。

 

「取り敢えず今日の練習は中止して、明日まで様子見しよう」

 

「仕方ないかぁ……。起きたら直ってたりしてね」

 

「そっちの方が嬉しいけどな」

 

そう言いながら、ターフを去ろうとする俺たち。

取り合えずと思いながら俺の部屋兼トレーナー室がある栗東寮へと足を運ぶことにしようとしたのだが、なんだかテイオーの様子がおかしい。

俺が首を傾げていると、彼女がソワソワとしながらとある提案を言ってきた。

 

「ねぇ、トレーナー。走ってもいい?」

 

「走るって……俺の体で?」

 

「だって、今日走ってないんだもん! 気持ちが不完全燃焼なんだよ!」

 

「別にいいけど……。怪我だけには気を付けてな」

 

「やった! 大丈夫大丈夫、そこまで速度出さないし」

 

そういってスーツ姿のまま屈伸を始めるテイオー。

関節をしっかりと伸ばして、いつも彼女が行っているようなストレッチをしている。

だが、やはり体が俺だからか違和感が凄いようで。

 

「なんか体固くない……?」

 

「テイオーが柔らかすぎるだけだぞ」

 

「うっそだぁ! じゃあトレーナーも同じことやってみてよ」

 

「……うっそ、なんだこれ柔らか。あり得ない角度まで自分の体曲がるの、違和感しかない……」

 

「ボクの体って凄いでしょ! なんか変な自慢だ……」

 

そんなやり取りをしながら、位置についたテイオーはトントンとつま先で地面を叩くと走る準備をした。

俺はターフに座り込みながら彼女を視界に収めていたのだが、いつもとは逆の光景に違和感しか感じない。

 

「……よっし! よーい、ドン!」

 

「……おぉ」

 

彼女がそう言って走り出した瞬間、俺は思わず感嘆の声を漏らしてしまった。

視界や体がぶれてしまっているはずなのに、走り姿は「トウカイテイオー」そのもの。

彼女の走りは見た目ではなく、心に。魂に宿っているとでも言えばいいのだろうか。

そんな感想を抱きながら、テイオーがぐるりとターフを一周しているのを見守る。

そして走り終えたテイオーが戻ってくると、俺に対して叫ぶような声を上げた。

 

「体おっもい!!!」

 

「だろうな」

 

「だろうな、じゃないんだけど!? トレーナーいつもどうやってレースしてるの!?」

 

「俺、走ってないぞ」

 

「そうだった……」

 

「因みにどんな感じだった?」

 

「なんかいつもは使ってない筋肉使って痛くなる時あるじゃん。あれがずっと続いてる感じする」

 

「それは……きついだろうな。とは言っても、テイオーの走法はテイオーにしか出来ないし。そういうことなんだろ」

 

彼女の走り方は、彼女限定。

テイオーステップを踏むには、彼女だけが持っている特殊な体質じゃないと無理ということがよく分かる。

ただそれでも。

 

「テイオーの走りは綺麗だったぞ」

 

「ボクに目を合わせてそう言われると、なんか変な感じする……けど、ありがと」

 

えへへと微笑みながら、お礼を言ってくるテイオー。

その姿は、傍から見たら微笑ましいものだろう。

ただそれが──

 

「うわ、ボクが凄い顔してる。何どうしたの」

 

「いやなんか俺の顔がそんな表情してるの見るの、痒いというか恥ずかしいというか」

 

「……にこーっ!」

 

「やめて、テイオーにしか許されないような満面の笑みだってそれは」

 

「カフェに見せるために写真撮っておく?」

 

「勘弁してください」

 

なんとも不思議な一幕であったが、彼女の走りを再認識出来たのなら悪く無かったのかもしれない。

そんなことを思いながら、俺は駆け足で逃げるテイオーを追いかけるのであった。

うわこの体、走りやすい。なにこれ。

なお入れ替わり自体はあとでなんとかなったとだけ、伝えておく。

 

 

 

☆スターちゃんとデジタンの絡み☆

 

トレーナーというのは、オタクにしかなれない職業だ。

ここで言うオタクというのは「特定の分野に熱中しているヒト」のことを指している。

そうなると、勿論俺は「ウマ娘オタク」ということになるのだが。

この職業は、並大抵の知識ではやっていけない。

要求されている知識、担当しているウマ娘で変わって来るマニュアルなど存在しないコミュニケーション力、最新技術を常に追い続ける情報力と勉強を続けるモチベーション。

普段トレーナーとして働いている俺でも時々「トレーナーって凄いんだな」と思ってしまう事がある。

それをテイオーに言ったら「トレーナーもトレーナーなんだけど?」って呆れられたが。

さて、何故いきなりそんなことを考えているのかというと。

 

「すやぁ……」

 

俺の目の前で、この学園の中で屈指の「オタク」であるウマ娘──アグネスデジタルが道端に落ちていたからである。

落ちていたという表現は比喩でもなんでもなく、本当に落ちていたのだ。

それ以外に表現しようがなかったくらいには、自然と同化していた。

 

「大丈夫……だな。特に呼吸とかに異常は見られないし、寝ているだけか」

 

地面で祈るように手を合わせて寝ている彼女に近づいて確認をしてみたが、特に外傷などの異常も見当たらない。

万が一があっても困るので保健室に連れて行こうと思い、俺がそっと彼女をお姫様抱っこする。

おんぶが一番良かったのだが、本人が気絶している以上そうも言ってられない。

思った以上に軽さに驚いていると、眠り姫になっていた彼女がゆっくりと目を開いた。

 

「あれ……私、確か……テイオーさんとマックイーンさんが周りにお花を咲かせながら歩いているところを見ていたはず……」

 

そんなことで気絶していたのか……。

そういえば彼女のトレーナーでもある姫宮明先輩が「よく自分の担当が気絶するのがトレーナーとして心配になるからそこだけ直らないかな」と言っていたのを思い出す。

確かにそんなことで倒れられていたらたまったものではないだろう。ただ「本人が幸せそうだったので問題ないならセーフです」とも言っていたのだが。

 

「大丈夫か? 体調とか悪くないか?」

 

なるべく驚かせないように、声の大きさを抑えめにして彼女に対して質問をする。

そんな目覚めた直後のアグネスデジタルは、大きく目を見開いてきょろきょろと辺りを見渡したかと思うと。

 

「……ひうっ」

 

その直後に──また気絶した。

 

~~~~~~~~

「いやっ、本当にスミマセン……。私、すぐ気絶するものでして……」

 

「本当に大丈夫か……? 悪い所とか無い……?」

 

「いえ、大丈夫です。一回マジで心配したトレーナーさんにお医者さんに連れていかれましたけど、癖って診断されちゃったので……」

 

「癖なのか……」

 

ここまでしても体に影響がないのはウマ娘の神秘なのか、それともアグネスデジタルが特殊なのか。

そうやって二人で会話しているのは、再度彼女が気絶してから俺が運び込んだ保健室の奥のベッド。

たまたまヒトが他にいない静かな場所で、アグネスデジタルは申し訳なさそうに俺に対して謝っていた。

 

「俺が見たところ問題はなさそうだったけど、もし何かあったらトレーナーに言うようにな」

 

俺たちが見れるのはあくまで外側だけであって、中身までは本人自身にしか分からない。

そんな不自然な機敏を見抜くのが俺たちのトレーナーの仕事でもあるが……本人が自己申告してくれるに越したことはない。

そんなことを思って彼女に助言してみたのだが、そんな当の本人はきらきらとした目で俺のことを見ている。

不思議に思って首を傾げていると、彼女はプルプルと首を振ってから尋ねるように口を開いた。

 

「あの……スターゲイザートレーナーって、凄いですね」

 

「……そうか?」

 

「はい! 私はウマ娘ちゃんオタクやらせていただいているんですけど……ウマ娘ちゃんに対する理解度が全然違うなって……。オタク失格ですよ……」

 

そうやって言われたのは、俺への褒めと同時に彼女自身の謙遜。

どこか後悔したような声に、俺はぴたりと保健室から出る足を止めてしまう。

だが彼女が抱えてかもしれないi悩みは、言葉以上のことは分からないし理解できない。

何故なら、彼女の相棒は別にいるから。

それでも。自分がトレーナーとして、少しでも力になってあげたいと思うから

 

「アグネスデジタルは、ウマ娘が好きなんだろ?」

 

「はい! だいしゅきです!」

 

「なら、大丈夫だよ」

 

「ふぇ?」

 

俺には分かる。

トレーナーはオタクしかいないが、みんなウマ娘が「好き」だからここまでやれているのだ。

好きだから理解しようとして、ここまで努力する。

そして、好きという言葉に「失格」なんて概念はない。

 

「俺もトレーナーとしてまだまだなところは多いんだけどさ……好きなら大丈夫」

 

「……」

 

「俺はキミと話してそこまで経ってないけど……その言葉は嘘じゃないって分かる」

 

月並みかも知れないがそんな言葉をかけてあげると、保健室にコンコンと扉をノックする音が響く。

そして次の瞬間、ものすごい勢いで見たことあるトレーナーが飛び込んできた。

 

「デジタル! また倒れたって聞いたけど、大丈夫!?」

 

「トレーナーさん……ご心配をおかけしました……」

 

「もう……全く……。デジタルの肌すべすべ的に大丈夫ね……」

 

「ひょえ~! トレーナーしゃん、近いですって!」

 

そう言って姫宮さんが、アグネスデジタルの頬に頬ずりしている。

なんか前から思ってたけど、姫宮さんってデジタルさんそっくりだな……。

 

「スターさんもありがとうございました。デジタルを回収してくださって」

 

「いえ、彼女に問題無かったので良かったです」

 

「ひょえ……やっぱりいいトレーナー……」

 

こういうところも似てるしな。トレーナーがウマ娘に似てるのか、ウマ娘がトレーナーに似てるのかは定かではないが。

 

「私からもありがとうございました。このアグネスデジタル! ウマ娘ちゃんオタクとして精進致します!」

 

そんなことを思っていると、アグネスデジタルが敬礼するかのようにびしりと手を頭に当てて俺にお礼を言ってくる。

その顔はさっきよりも晴れていて、彼女の中で解決したみたいだった。

やっぱり「好き」のパワーっていうのは、偉大なんだな。

そう再認識できた、アグネスデジタルとの出会いだった。

 

 

 

☆スターちゃんが二人に増えちゃうお話☆

 

「ねぇ……もうトレーナーが二人に分裂していることに突っ込みしないけどさ……」

「だいたいタキオンのせいだしな」

「で、トレーナーは分裂して何やってるの?」

「仕事」

「なんで……?」

「だって、俺が二人いると仕事の効率二倍なんだぞ。凄くないか?」

「そりゃトレーナー二人になったらそうだよね!」

「それにこれなら、テイオーとカフェのトレーニングに個別で対応できる。何ならこのままでも──」

「やだ」

「え」

「だって──トレーナーを『独り占め』に出来ないじゃん」

 

 

 

☆スターちゃんとガジェット詳しい系の娘達との機材談義☆

 

「トレちゃんって呼んでも、いいかな?」

「警察だ!」

「姉さんに対して、距離が近い友人枠は危ないんですよ……!」

「えっ、何々」

「ガジェットが何さ! ガジェットの廃熱速度よりボクの方が速いやい!」

「私の方が冷やせますが……? 霊感で物理的にもいけます……」

「いや、ちょっと話が見えてこないっていうか」

「トレーナーはボクたちが引き取るので! トラ……なんだっけ。トライアンドエラーさん?」

「トランセンドだよん。かすってすらいないね」

 

 

 

☆スターちゃん、10年バズーカをうける☆

 

「うわーっ! トレーナーが謎の煙に包まれてる!」

「状況説明ありがとうございます……! どうせタキオンさんのせいですよね……!」

「けほっ……。急にどうした……」

「トレーナー、大丈夫!? すっごい煙に、包まれ……て?」

「姉さん、大丈夫です、か……?」

「あれ、テイオーにカフェどうしてここにいるんだ……?」

「っつ!」

「え、なんで二人とも距離を置いて……というか制服……?」

「な、なんでもないよ!」

「……あぁ、今丁度このタイミングか。こんにちは。10年前のテイオーとカフェ。俺は未来から来たスターゲイザーです……って言っても信じてもらえないかな」

「いえ、信じます。姉さんが噓つくわけないのは知ってますし、目の前のウマ娘が姉さんなのは私がよくわかります……」

「それは……助かる。あっ、多分数分すれば戻るから気にしなくていいぞ」

「いえそれはいいんですけど……その……」

「……どうした?」

(『言えませんね…… 明らかに色気だけ増してるとは……』)

「トレーナー、本当に10年後なんだよね?」

「あぁ。証拠は……ちょっとないけど」

「にしては……見た目若すぎない……? 変わって、ないように見えるんだけど……」

「あぁ、それよく言われるな。たづなさんとかにも、全く変わってないですよねって言われるし」

「トレーナーはさ、10年後でもトレーナーなの?」

「そうだぞ。もうテイオーとカフェはとっくの昔に卒業しちゃったけどな」

「……ねぇ、トレーナーはそのさ。その指輪、けっこ──うわーっ!また煙が!」

「けほけほっ……。あれ、元に戻りました……? 姉さん、大丈夫ですか……」

「……んっ。あれ、テイオーとカフェ……?確か、俺」

「なんか10年後のトレーナーと入れ替わってたらしいけど……そっちは大丈夫だったの?」

「大丈夫……うん、テイオーだよな?」

「ふぇ? いやボクはトウカイテイオーだけど……」

「だよな……。あれはなんだったんだ……未来のトウカイテイオーってことだよな……」

「え、10年後のボク何したの」

「……言いたくない」

「ホントに何したのさ!?」




小話

スターちゃんの誕生日9/20はマンハッタンカフェの誕生日の3/5に月に(12÷2)、日にちに(30÷2)して足したという小ネタがある。
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