小説自体初めて書くのでおかしな描写や誤字脱字、原作との矛盾点等あるかもしれません。その場合コメント欄で教えて下さると有難いです。
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この世界は『平等』だろうか?……もしも、そんな質問をされたらボクは迷わず『No』と答えるだろうね。何故なら、美しい者・才能ある者・親が貧しい者・病弱な身体を持つ者……生まれも育ちも才能も、生まれた瞬間には大抵は決まっている。
よく、『努力すれば報われる』なんて巫山戯た事を抜かす輩も一定数いるが、そんなモノは凡人の戯言に過ぎない。
『天才とは、99%の努力を無にする、1%のひらめきのことである。』
かの有名な発明家であるニコラ・テスラの言葉だ。
『天才』とは、努力してなるモノではなく産まれた瞬間にもう既になっているモノなのだ。
幾ら努力した所で蟻は象には敵わないし、ペンギンは空を飛べない。それと同じ様にどれだけ努力した所で『凡人』は『天才』になる事は出来ないし、当然、勝つ事も出来ない。
その事実をボクが知ったのは齢9歳の時に起こった『ある出来事』のせいなのだが・・・まぁそれについては後々、話すとしようか、長くなるからね。
結局、ボクが何を言いたいかと云うと、とどの詰まりこの世はひと握りの『天才』が『凡人』を支配し搾取する『弱肉強食』が跋扈する世界なのだ……と。
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桜舞う4月某日、ボク、榊原 康一《さかきばら こういち》は学校に向かうバスの中、ゆらゆらと揺られていた。景色の変わり行く街の様子を横に持参した推理小説を読み耽っているとバスの前方から女性の金切り声が聞こえてきた。
あまりに大きい声であったため、周りの人たちもその声へと注目をする。
「席を譲ってあげようとは思わないの?」
一瞬、自分の事かと思い読んでいる小説を閉じ、その声の元へ視線を移す。
どうやら、注意されたのはボクの少し前の優先席にドンと腰を下ろしたガタイの良い金髪の男。ボクと同じ制服を着ている事から恐く新入生なのだろう。
彼の横には老婆。その近くにOL風の女性が立っていた。
「そこの君、お婆さんが困っているのが見えないの?」
静かな車内でOLの声は良く通り、周囲の人たちから自然と注目が集まる。
「実にクレイジーな質問だね、レディー」
「何故この私が、老婆に席を譲らなければならないんだい? どこにも理由はないが」
「君が座っている席は優先席よ。お年寄りに譲るのは当然でしょう?」
「理解できないねぇ。 優先席は優先席であって、法的な義務はどこにも存在しない。この場を動くかどうか、それは今現在この席を有している私が判断することなのだよ。 若者だから席を譲る?ははは、実にナンセンスな考え方だ」
「そ、それが目上の人に対する態度」
「目上? 君や老婆が私よりも長い人生を送っていることは一目然だ。疑問の余地もない。だが、目上とは立場が上の人間を指して言うのだよ。それに君にも問題がある。歳の差があるとしても、極まりない実にふてぶてしい態度ではないか」
「なっ......! あなたは高校生でしょう! 大人の言うことを素直に聞きなさい!」
「も、もういいですから......」
OLはムキになっていたが、老婆はこれ以上騒ぎを大きくしたくないのか。 手ぶりでOLををなだめるが、高校生に侮辱され彼女は怒り心頭のようだ。
確かに彼の言っている通り、筋優先席はあくまで『優先』席であって、そこに法的な義務は存在していない。だから席を使用している彼が譲るか、譲らないかの選択権を持っている。筋は通ってるよな…でもまぁ相当、肝が座ってなきゃあんな風に堂々とは言えないけどねぇ……と考えていたその時だった。
「あの……私も、お姉さんの言う通りだと思うな」
思いがけない救いの手が差し伸べられた。その声の主はOLの横に立っていたようで思い切って勇気を出した様子で少年へと話しかける。 ボク達と同じ高校の制服だ。
「レディーに続いてプリティーガールか。どうやら、今日の私には女性運があるようだ」
「おばあさん、さっきからずっと辛そうにしてるの。席を譲ってもらえないかな?社会貢献にもなると思うの」
「社会貢献か。なるほどねえ。だが、生憎と私は社会貢献活動に興味がないんだ。私は自分自身が良ければそれでいいと思っている。それとプリティーガール、先ほどから君らは私を責め立てているようだが、他の一般座席に座っている者はどうだ?本当に老人のためを思っているのなら、優先席かそうでないかの違いは些細なものだと思うがね」
確かに正論だねぇ。確かに彼の言う通り本当に老人のためを思っているのなら、優先席かそうでないかの違いは些細なもの……。うん、正論だ、ぐうの音も出ない程にねぇ……。
……じゃあボクは席を譲るのかって…?
ヤダなぁ譲るわけないじゃん。だってわざわざ面倒だし、学校に着くまで後30分くらいあるんだからその間ずっと立ってるの疲れるし……。と思い閉じた小説を開き読書を再開した。
……結局その場は、一人の女性が手を挙げて席を譲り解決した。
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それから程なくして目的地に着きドアが開くとバスから降り新生活への第一歩を踏み出した。