ようこそ弱肉強食の教室へ   作:yux

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第五話

 

初めての小説投稿で47件のお気に入りを頂き、嬉しさで胸がいっぱいです。

 

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目的地である、カフェに着くと深みのある独特の芳香がボクの鼻腔をくすぐった。

それなりに値段の張る店なのだろう、落ち着いた間接照明の明かりに照らされた店内に、ムードを出すためなのかどこからともなく心地よい音楽が流れている。そして、店内に居るウェイトレスや客までもが、何処か品がある様に感じる。

空いている席に座るとボクはアイスコーヒー彼女はレモンティーを注文した。10分位すると、銀色のトレイに乗ってボクらが注文した飲み物がやって来た。運ばれて来たコーヒーに舌鼓を打っていると彼女が口を開いた。

 

「そういえば、榊原君に一つ質問したい事があるのですが……」

 

そう言うと彼女は品定めする様な視線をこちらに向けてきた。

 

「教室でのSシステムの説明の時に真嶋先生にした質問にはどんな意図があったのですか?」

 

一瞬どう答えるか迷ったが直ぐに切り返した。

 

「そうですねぇ……質問に質問で返して悪いのですが、坂柳さんは毎月10万ポイントを無条件で貰えると思いますか?」

 

「いえ、普通に考えれば貰えないでしょうね」

 

「はい、ボクもそう思います。真嶋先生も『この学校に入学を果たしたお前達には、それだけの価値と可能性があると』言ってましたしね。それって裏を返せば今のボク達には10万ポイントの価値があるけど、例えば、テストの点数が低いとか、監視カメラに授業中の居眠りや素行不良な所が写ったりとかで生徒の価値が下がれば、それに比例してポイントも下がるって事だと思うのですよ。まぁ、それが生徒個人での話かクラス全体での話かまでは分からないですけどねぇ……」

 

「……授業態度や素行を監視カメラで見られていて、それによって、来月貰えるポイントが増減すると……」

 

「そういう事ですね。それに、ちょっと考えれば分かると思うけどさ、もし真嶋先生の言葉通りに生徒全員に毎月10万円なんて無条件で配ってたら、1ヶ月で4800万円、1年間で5億7600万円……。いくら何でも高校生の為だけに使う金額にしては多すぎるでしょう」

 

「ふふ……成程、確かに筋は通っていますね」

 

彼女は満足そうに顔をほころばせる。

どうやらボクは彼女のお眼鏡に叶った様だ。

 

「さてと、ボクに対する質問も終わった様だしボクも一つ君に質問をしても良いかな?」

 

「えぇ、どうぞ」

 

「坂柳さんが、真嶋先生に質問していた『普通ならば、購入する事が不可能な物でもポイントで買えるのか?』って聞いてたけど、君の中での『ポイントで購入する事の出来ない物』って何なのだい?」

 

「そうですねぇ……例えばクラスメイトの個人情報でしたり、まぁ私には必要の無いものですが、テストの点数であったり……常識的に考えればお金では買えない物でもポイントで買えるのか……という事です」

 

個人情報ねぇ、ホントにポイントで買えるってんならプライバシーもクソもないですねぇ。

……まぁでも、テストの点をポイントで買うって方は良い考えですねぇ。一体何ポイント掛かるのかは知りませんけど……

 

「個人情報ですか……そんなモノ知ってどうするのですか? まさか、悪用するつもりですか?」

 

「……悪用なんてしませんよ、これから3年間一緒に学ぶクラスメイト達の事は知っておいた方が仲良くなれますので」

 

少々の間を置いて、そう言うと彼女は含みのある笑みを浮かべた。

 

「さて、話も一段落ついた所ですし、そろそろ帰りませんか?」

 

時計を見ると針は、午後の6時を指していた。

確か、この店に入った時は4時手前くらいだったから……もう2時間も経っていたのか……

 

「そうですねぇ、時間も時間ですし帰りますか」

 

そう言うと、ボクらは会計を済まし店を出た。

 

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ケヤキモールを出ると辺りは夕焼けに照らされていた。

宛ら燃え立つような赤さである。と、そんな事を考えながら

来た道を戻り更に10分程度、歩いていると鉄筋造りの大きな建物がボクらの眼前に現れた。

 

「ココが、ボクらが三年間過ごす寮ですか……」

 

まぁ、何となく予想はしていましたが大きいですねぇ……

 

「流石、国が運営しているだけあって大きいですね」

 

彼女もボクと同じ考えの様だ。

 

外観を眺めるのも程々に自動ドアを開きロビーに入った。

するたそこには高校生が住まう寮と言うよりかは、プリンスホテルのエントランスの様な高級感のある空間が広がっていた。良くもまぁ、ただの高校生の寮に金をかけてますねぇ……などと感心していると、後から彼女に声を掛けられた。

 

「本日は、付き添いありがとうございました。榊原君とのお話、とても興味深かったです。」

 

「はい、そう言って貰えると嬉しいですよ。」

 

まぁ、何処までが本心なのか分かりませんがねぇ……

 

「それでは、また明日教室でお会いしましょう」

 

そう言うと、彼女はエレベーターに乗って上階へと上がって行った。

 

「さて、ボクも自分の部屋へ行きますか。」

 

ボクは階段を登って自室のある4階へと歩を進めた。

 

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「まぁ、予想通り広いですねぇ……」

 

自室に入って1番にそんな感想を抱いた。

部屋を見渡すとキッチン、トイレ、お風呂が備え付けらてた1LDKの部屋に、ベッド、掃除機、ドライヤー、電子レンジ、冷蔵庫などの生活に必要不可欠な物が備わっていた。

最初から10万円も支給されたので、もしかしたら家具や調理用品等は実費で購入するのかとも思っていたが杞憂で済んで良かった。

 

「よしっ、まずは荷解きからしますか」

 

まず、ボクは荷物の整理を行う事にした。

衣類等は、入学以前に学校側に郵送し自室に置いてあった。それをクローゼットや収納スペースに片付けていく。

 

「ふぅ、一段落付きましたかねぇ……」

 

荷解きを終えるとベッドに横たわる。

ホント、今日は色々とあって疲れましたねぇ……などと思い返しながらウトウトしていると、お腹から『ぐうぅ〜』と情けない音を上げた。そういえば、今日1日、朝ご飯と昼に飲んだコーヒー以外なにも口にしていませんでしたねぇ……

そりゃ、お腹も減る訳です。

仕方ありません、面倒ですけど買い出しに行きますか……

そう言うとボクはベッドから起き上がり、外出の準備を始めた。

 

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お久しぶりの投稿になってしまいすみません 

本当は、4000字ほど貯めてから投稿しようと思っていたんですが、キリが良いので一旦投稿します。

次の話は、1週間以内に投稿する予定ですので今暫くお待ち下さい。

質問やご指摘等コメントまでお待ちしておりますので、是非とも、宜しくお願い致します。

 

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