リサ姉の妹、バンドを始める   作:ローマン

21 / 24



 こちらの小説も、完結の見通しが立ちました

 それではどうぞ!!







征服者達の見えざる腕

 

 

 

 

薫「さぁ、再びやってきたよ。」

 

 

 

 薫の再登場に、会場では黄色い歓声が響いていた

 

 

 

薫「おっと、再登場は私だけではないよ?」

 

 

 

 薫が合図すると、全てのボーカル陣たちがぞろぞろと出てくる

 

 

 

薫「次は、私主体で一曲お披露目するとしようか、…Pizarro(ピサロ)…Cortes(コルテス)…Grijalva(グリハルヴァ)―海を渡った征服者達(Conquistadores)」

 

 

 

♪海を渡った征服者達

 

 

 

ニッコリウス『紅蓮の如く天空を彩った彗星、其れは如何なる凶事の前触れであろうか… 不明なる解釈に憤った、時の王Moctezuma(モクテスマ)…彼が占い師達を餓死させた事が、既に悲劇の幕開けであった…』

 

全員【征服者達】×8

 

薫『Quetzal Coatlus(ケツァル・コアトル) 土着神(かみ)の帰還に、惑う先住民(メシカ)』

 

全員『“―もっと前へ(Ah...Adelante)”』

 

薫『Hernan Corts(エルナン・コルテス) 唯一神(かみ)が放った、白き稲妻(レランパゴ)』

 

全員『“―進軍せよ前へ(Ah... Adelante)”』

 

全員【征服者達】×8

 

 

ニッコリウス『船は既に海中に没し、退路は既に断たれた、勇敢なる征服者達(コンキスタドールたち)よ、コルテス将軍に続けー!』

 

 

蘭『トルテカの〜♪』

 

彩『幻想(まぼろし)を〜♪』

 

友希那『打ち砕き〜♪』

 

こころ『アステカの〜♪』

 

香澄『夢想(ゆめ)〜♪』

 

レイヤ『踏み潰す〜♪』

 

ましろ『征服する男達(ロス・コンキスタドーレス)〜♪』

 

薫『異教の神(ぐうぞう)を壊して廻る〜♪ 見よ…嗚呼凡そ≪我等の≫ 正義(かみ)は無慈悲だ〜♪』

 

 

 

 そして、各パートの演奏隊のソロが始まる

 

 まずは蜜璃のギターソロ、寝ギターと呼ばれる寝転がった体勢でギターを弾いた

 

 続くソロは綾香、あまり早く弾くのには慣れていないが、今回の為に練習した成果が出ていた

 

 そして照明がミサだけを映し出すと、高速のベース弾きを披露する

 

 

 

リサ「ちょっと待って、ミサ凄くない!?」

 

紗夜「ベースだったからか、あまり目立った活躍がありませんでしたが……流石ですね。」

 

 

 

ニッコリウス『―Conquistadores』

 

ニッコリウス『政権を執った者と権勢を失った者… 名声を得た者と生命を奪われた者… 聖戦は遥か海を渡り尚も広がり続けるだろう… 唯【神】の名の下に 石畳を緋く染めながら…』

 

薫『善きものも、悪きものも〜♪ 歴史の掌(てのひら)の上〜♪ 嗚呼…今も尚…廻り続ける、正解(こたえ)の無い侭に〜♪ 終焉(おわり)の無い闇を〜♪』

 

全員【征服者達】

 

 

 

 最後は全員で振り付けをしながら歌唱もし、この曲は終了した

 

 

 

 

♪見えざる腕

 

 

 

 ステージに残ったのは、レイヤと麗音の2人だけ

 

 優しい綾香のキーボードの音色が、会場を包み込む

 

 

 

レイヤ『眠れぬ宵は路地裏の淫らな牝猫(Chatte)に八つ当たりして… 嗚呼…見えざるその腕で首を絞める… 《夢幻影》(Fantome de reve)壊れゆく自我(Ego)の痛み…狂えぬ酔いは屋根裏の小さな居城(Chateau)を転げ回る… 嗚呼…見えざるその腕の灼ける痛み… 《幻肢痛》(Fantome de douleur)安酒をあびて眠る…』

 

『…アルヴァレス将軍に続け!』

 

ニッコリウス『黄昏に染まる古き獣の森に…戦場で出会った二人の男… 金髪の騎士(Laurant)…赤髪の騎士(Laurant)… 争いは廻り…屍を積み上げる… 加害者は誰で…被害者は誰か? 斜陽の影に刃は緋黒く煌めいて──』

 

 

 

 ニッコリウスのナレーションの後、フルートの音色が聴こえ始める

 

 

 

レイヤ『片腕と共に奪1001(わ)れた彼の人生(Sa vie) 〜♪ 仕事は干され恋人は出ていった… 何もかも喪った奪1001(わ)れた最低な人生(La vie) 不意に襲う痛みに怯える暮らし……大抵の場合(Le plus, souvent)…貴方はうなされ殴るから… 私は…この侭じゃ何れ死んでしまう1001(わ)… さよなら(Au Revoir)…貴方を誰より愛してる… それでも…お腹の子の良い父親(Pere)には成れない1001(わ)……』

 

麗音『葡萄酒(Tu Fine)…発泡葡萄酒(Tu Champagne)…蒸留葡萄酒(Tu Eau De Vie)… 嗚呼…眠りの森の静寂を切り裂き…また奴が現れる──』

 

レイヤ『馬を駆る姿…正に悪夢…赤い髪を振り乱して…振う死神の鎌… 首を刈る姿…正に風車…緋い花が咲き乱れて…奮う精神の針…闇を軽るく纏った──』

 

麗音『夢から醒めた現実は 其れでも尚も悪夢(ゆめ)の中、故に…その後の彼の人生は酒と狂気…廻る痛みの中、左の頬に十字傷、赤く燃える髪に鳶色の瞳(め) 、奴を…殺せと腕が疼くのだ、『見えざる腕』が疼くのだ……』

 

レイヤ『誰が加害者で…誰が被害者だ…死神を搜し葬ろう……』

 

『…殺してくれる!』

 

ニッコリウス『騎士(Chevalier)は再び馬に跨がり…時は黙したまま世界を移ろう── 異国の酒場で再び出逢った二人の男(Laurant)…

 

レイヤ『隻眼にして隻腕、泥酔状態(アルチュウ)にして陶酔状態(ヤクチュウ) 、嗚呼…かつての蛮勇、見る影も無く……不意に飛び出した、男の手には黒き剣(Epee Noir)

 

『退け…』

 

レイヤ『周囲に飛び散った液体(Sang)、まるで葡萄酒(Pinot noir)〜♪』

 

『何者だ貴様…!』

 

レイヤ『刺しながら…供された手向けの花の名(Nom)──こんばん1001(わ)…(Bon Soir...)〜♪ 抜きながら…灯された詩の名──「さようなら」(Au Revoir)』

 

ニッコリウス『崩れ落ちた男の名はLaurant…走り去った男の名はLaurencin…もう一人のLaurantは…唯…呆然と立ち尽くしたまま……』

 

レイヤ『誰が加害者で…誰が被害者だ…犠牲者ばかりが増えてゆく… 廻るよ…廻る…憎しみの風車が…躍るよ…躍る…焔のように… 嗚呼…柱の陰には…少年の影が…鳶色の瞳で…見つめていた……

 

『人生は儘にならぬ…されど、この痛みこそ、私が生きた証なのだ…!』

 

ニッコリウス『復讐劇の舞台を降ろされ…男は考えはじめる… 残された腕…残された人生…見えざるその意味を──杯を満たした葡萄酒…その味1001(わ)いが胸に沁みた……』

 

 

 

 ストリングスとフルートの演奏が絡み合いながら、曲が終了する

 

 

 

麗音『其処にロマンは在るのかしら?』

 

 

 







 見えざる腕は、サンホラの中でも私が特に好きな一曲です

 近いうちに続きを出す予定ですので、また次回!!




  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。