失禁ゼニスの黄金譚:変態能力における青春と倒錯的情動   作:マグルマン

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第5話:手紙と会議と再戦

◆◇◆

 

 

 アイナ様との一幕から一日、『現代魔法学』への参加実績を盾に「別の授業も受けろ」とスカラに押し切られる形となったのだが、そこであの邂逅が偶然でないことが証明された。

 

「また会いましたね。ゼニス君!!」

 

 相変わらず授業開始まで寝たふりをしていると、前日同様に眩い笑顔で挨拶し、ごく自然に隣の席に座るアイナ様。

 違いがあるとすれば、今日は取り巻きの女子生徒が数人付いていたことくらいだ。

 

 

 

 彼女は、俺が何も知らない、などという言い訳を微塵も信じていない様子であり、隙あらば烈火の如く質問を飛ばしてきた。

 その度に──そうでなくても──彼女の後ろに控える取り巻きが眉を寄せ睨みつけてくるので、昨日以上に言葉を選びながら言い訳をさせられる羽目になった。

 

 そんな状態が午前の間中続き、その上「お昼も一緒しましょう?」などと言うものだから、たまらず安息地に駆けこんだのがつい先ほどである。

 

 

 

 研究所の扉を開けるとスカラは居なかった。

 積みあがった実験器具やら材料やらの影にあの小柄な姿が隠れてやいないかと探したが徒労に終わった。

  

 昨日と同じように外に昼食を食べに行ったのだろうか。

 

 ふと、この部屋の中では比較的片づけられている作業机に目が行く。上にはあの記録装置が雑に置いてあった。さすがに採取した尿は置いていなかったが。

 

「ダメじゃないか。こんな大事なものを置きっぱなしにして出かけるだなんて」

 

 この装置には、あのマニアックプレイの一部始終が収められている。

 声まで入っているかは分からないが、見る者が見れば誰が後ろに居たかなど容易に察しが付くに違いない。いくらこの場所に人が寄り付かないといっても鍵も掛けないのは不用心にも程がある。

 

 なによりスカラの尊厳を守るためにも、これを野ざらしにはしておけない。

 彼女が帰ってくるまでの間預かっておくだけ……。丁寧にハンカチで包み、胸ポケットにしまう。

 

「……んっ?」

 

 何かがポケットの中で当たっている…?

 

 入れ替えるように、その何かを取り出すと一枚の封筒であった。いつ入れられたのだろうか。今朝時点ではなかったはずだが……。

 

 裏返すと燃えるような紅い封蝋がエレガント家の家紋を主張していた。今日、授業を受けた際に入れられたのか?

 

 慎重に中を確認する。厚みからして手紙だろうと予想していたが、その通りであった。

 

 簡単に目を滑らす。

 

 それはアイナ様からの嬉しくないデートのお誘いであった。

 

 

 

 

◆◇◆

 

 

「これより、第103回アイナ様親衛隊会議を始める」

 

 ここは学内のとある一室。

 陽光は分厚いカーテンで遮られ、中央に置かれた唯一の灯りが部屋に並ぶ者たちの顔を仄かに照らす。

 およそ10人程度だろうか。その顔は一様に険しく、事態の深刻さを物語っていた。

 

「議題はもちろんあの男についてだ」

 

 いくつもの唸り声が上がる。

 

 ここ数週間彼らの頭を悩ませるあの男とはゼニス・アーデに他ならない。

 

 

 

 始まりは小さな集まり。主にアイナと同年代でエレガント派閥の子らが彼女の純真に惹かれて語らいあっていたに過ぎない。

 それは組織として拡大を遂げた後も変わることなく、『今月のアイナ様』を共有し合う微笑ましい場であった。

 

 

 

 それが今では━━━

 

 

 

「会員番号1番!!なぜアイナ様をお一人にした!!あの男と接触させるのを防ぐのが貴方の仕事だったはず!!」

 

 糾弾とそれに同調する声が上がる。

 矢面に立たされた少女は唇を噛みしめながら言葉を紡ぐ。

 

「わ、私だって驚いている…。なにせアイナが私に嘘をつくなど夢にも思っていなかったから……。トイレに行くからと言われ…つい……」

 

「それで目を離したと?アイナ様が嘘をついてまであの男に会いに行ったと?貴方がウッカリ目を離した言い訳にしか聞こえませんな」

 

「それを言うなら5番。あの男を監視し、有事の際には介入する役は君ではなかったか?」

 

「それはその……、奴はあの日学外に昼食を食べに行った。天気がとても良い日であり…人通りも多く……それで………」

 

「見失ったわけだ。引け目を感じて私に責任転嫁をというわけか?」

 

「止めろ。今後の対応方針を決める場だったはずだろう」

 

 冷ややかな声が差し込まれ、ヒートアップしかけていた場が止まった。

 その発言者は場を更に落ち着かせるためにたっぷりと時間を使って居住まいを正した後、周囲を見渡しながら再び口を開いた。

 

「まずは現状の確認。それから対策の検討を行おう。現状については5番、君から頼む」

 

「……すまない、熱くなり過ぎていた。1番もすまなかった」

 

 5番と呼ばれた少年が軽く頭を下げ、糾弾されていた少女も礼を返す。

 

「では仕切り直して、現在の状況を述べさせて頂く。まず入学試験の出来事は皆も知っての通りだ。卑劣なるあの男によりアイナ様は辱められたわけだが、自身に何が起こったか気付いていないご様子。名誉会員様のお考えもあり、箝口令を敷きアイナ様のお耳に入らないよう働きかけていた。と、いうのが一昨日までの状況だ」

 

 

 

 この試みは成功していた。

 

『ゼニス・アーデに関する話をアイナ・レイナ・エレガントにすることを禁ず』

 

 ━━というお触れが発令されたことで、却って学園中の人間が知る所となったが瑣末な問題である。

 エレガント家の強権と親衛隊の人海戦術により、少なくともアイナの耳に入る事は防げていた。

 一生涯隠し通せるとは思っていない。だが、今伝えるべき事実でもない。

 これがアイナ様親衛隊の総意であった。

 

 

 

「しかし昨日、諸々の要因が重なりアイナ様とあの男が接触してしまった。……幸いにもあの男が余計なことを言う前に眠らせられたが、状況は非常に悪いと言える。今まで接触しないようにやんわりと制してきたが我々の進言はもはや無意味だ」

 

 最後の一言に皆が顔を伏せる。

 彼らの脳裏にはいつも通り天使の如く笑うアイナの姿が浮かんでいた。

 

「ゼニス君は皆が言うような酷い人じゃなかったです!謙虚で誠実な人でした!きっと皆誤解してるんです。一代魔法士なのにレティシアお姉様を倒す程の実力があるから怖がっているだけよ!!それに彼って学園に来るまで貴族家との繋がりがなかったからいつも一人でいるの。だから、友達になれたらなって」

 

 アイナ自らが「謙虚で誠実」などと評しているのだ。

 彼らはこれを覆す言葉を持ち合わせていなかった。

 

 

 

「報告ありがとう。では次に今後の方針検討に移る」

 

「私から良いか?あの男はアイナ様に聞かれてもはぐらかしたそうではないか?であるならば介入する必要はないのでは?過度に接触しないとは名誉会員様の意向でもある。各自の派閥の方針としても、あの男との接触は避けたいはず」

 

「現状の警戒体勢を維持する、ということですか?」

 

 苦々しげな表情で辺りを見回す。

 現状維持を唱えた彼も渋々の提案であることは明白であった。

 

「そうだ……。奴がアイナ様の側に居るのは心苦しくあるが、下手に手を出して状況を悪くする可能性は十二分にある。現状の、会員番号1番がご友人として側に控え、他はシフト制であの男を見張る。結局我々にできることはその程度でしかない………」

 

 肯定でも否定でもない声が各所から上がる。

 皆納得はしていないが理解しているのだ。所詮は非公式ファンクラブ。

 他ならぬアイナ自身がゼニスとの接触を望んでいる以上これを変えることは難しいと。

 

 

 

 この低迷した空気を打ち破ったのは更なる凶報であった。

 

「皆さん大変ですッ!!」

 

 息を切らせて駆けこんできた少年。

 そのただ事ではない様子に室内の緊張は否応なく高まる。

 廊下の窓から差し込む陽ざしが部屋に入るのを遮るように、その光を背に、少年は悲鳴に近い声を上げた。

 

「ア、アイナ様がッ!!!あの男と再び模擬戦をぉ!!!!」

 

 

 

 

◆◇◆

 

 

『ゼニス・アーデ殿へ

 

昨日お約束の通り、模擬戦をお願い致します。

お時間はいつでもとのことなので、

本日の14時、第三演習場で待っております。

 

アイナ・レイナ・エレガント』

 

 アイナ様からの手紙はごくごく簡素な内容であった。

 この手紙曰く、俺は既にアイナ様と模擬戦の約束を交わしていたらしい。記憶には全くないが『現代魔法学』で寝ぼけている間に了承でもしたのかと考えたが、可能性は薄い。

 

 それよりもアイナ様の策謀によるものだと考える方が自然だ。

 本当に約束をしていたのならこのような手紙を出す必要がないのだ。口頭で言えば済む話をわざわざ文面で寄越したのは、約束を既成事実化し有無を言わせぬためと考えられる。

 

 それほどに彼女は知りたいのだろう。

 

 

 

 第三演習場に入った俺をアイナ様が迎える。

 

 当事者である俺自身も直前に知った程に急遽セッティングされた試合ということもあってかギャラリーは誰も居なかった。

 

 アイナ様は既に戦いの準備を終えた状態でフィールドに立っていた。動きやすそうな短めのスカートを履き、手には小柄のブロードソードを携えている。

 

「あっ!!来ましたねっ!!!準備はいいですか!今後こそ負けませんから!!!」

 

 戦い前の高揚か薄っすら赤いほっぺを持ち上げ、いつもの笑顔だ。

 

 だが俺は、今回の模擬戦で力を使うつもりはなかった。純粋な魔力による身体強化と剣の腕だけで戦うつもりだ。

 というのも、いつもなら既に疼き始めるお漏らしの虫が鳴りを潜めているのだ。

 

 真剣勝負を望む彼女への裏切りになるかもしれないが、あのジクジクと胸を焦がすようなお漏らしへの渇望は一切湧いてこない以上、俺が力を使う理由もない。

 

 

 

 演習用の着替えは既に済ませている。レティシア様との模擬戦以来となる剣を握り、フィールドに立つ。

 

「言うまでもないですが手加減はなしですよ!!」

 

「はいっ、青痣の一つや二つは覚悟してください!」

 

 調子のいい言葉で意気込みを語るも試合は悲惨な結果になるだろう。あの力を抜いた俺の実力などたかが知れている。

 

 

 

「では私から行きます!!」

 

 

 

 お互いに構え終えたのを確認し、アイナ様が切り込んでくる。 

 

 まずは様子見とばかりに振り降ろされる剣を何とか受け流すも体勢が大きく崩れる。想像以上に速く重い。

 二撃目はまともにくらうだろう。

 

 青痣で済めば良いが……これも俺が背負った業か……。

 

 

 

 彼女は受け流された勢いのまま一回転。次なる攻撃がガラ空きとなった俺の胴に向け──────放たれなかった。

 

 

 

 カランッ

 

 

 

 突如、軽快な金属音がフィールドに響く。

 音の発生源はブロードソードであった。それが彼女の手を離れ落ちた音。

 

 見ればアイナ様は全身を小刻みに震わせ、目に涙を浮かべている。

 

 

 

 これはもしや……?

 

 いやいや俺は今回力を使っていない。だが、この様子は……。

 

 

 

 彼女は左手を口元まで持っていき、むず痒いように震える口元を隠した。

 その反対の手は迷いながらも何かに責め立てられるようにスカートの端を掴むと、ゆっくりおへその辺りまで持ち上げる。

 全体にレースがあしらわれ、部分的に肌色が透けて見える、彼女のイメージとはかけ離れた大人びたピンク色のパンティが露になった。

 

 

 

 彼女がなぜそんなことをするのか理解が追いつかない。

 仮に俺の力が発動してしまったとしても失禁するだけで、このようなオプションプレイは付いてこないはずだ。

 

 困惑から俺自身硬直してしまい、その状態でどのくらい時間が経ったか定かではない。少なくとも1分は経過していたように思えるが、彼女は右手を降ろすこともスカートから手を離すこともせず、何かが来るのをジッと待っていた。

 

 ふとアイナ様の伏せられていた目が開かれる。涙で潤んだ瞳がねだるようにこちらを見ていた。

 

 そして──────

 

「……ッ!!」

 

 繊細なピンクのレース細工に朱色の滲みが広がっていく。

 

 瞼がギュっと閉じられ、押し出された涙が頬を伝い、アゴの先に到達すると焦らすように数回揺れ、こぼれ落ちる。

 パンティからはその数倍の勢いで淡い金色の飛沫が弾けた。

 

 水気を含んだレース生地がアイナ様のデルタゾーンにしっとりと吸い付き、より鮮明に彼女の柔肌を飾り付ける。

 その間にもパンティの許容量を軽々と超えた黄金水が絶え間なく滴り落ち、直に地面へ吸い込まれたり、太ももの内側を這うように進んだりと、好き好きに降下していった。

 

 

 

 彼女が見せる無垢な笑顔が、今は羞恥に歪んでいる。

 

 身体を巡る解放感に身をゆだねてよいのかと、快楽と理性がせめぎ合い、手では隠しきれないほど大きく口を開けたかと思うと湿った息を吐き、身悶えるようにまた結ばれる。

 

 普段、彼女の快活さを表現するために忙しなく動く四肢は、内側に縮こまり、ただ放尿の嵐が過ぎ去るのを震えて待っていた。 

 スカートを掴む手もそれに合わせ、力が籠められたり緩められたりと弛緩するが、決して手の中の物を手放すことはなかった。

 

 

 

 再びアイナ様の潤んだ瞳と視線が重なる。

 どうやらそれが全て出し切った合図のようで、布地が吸いきれなかった分が零れ落ち、ポツン…ポツン…と規則的に波紋を形作っていた。

 

 

 

「ア、アイナ様ーーーーーーーーー!?」

 

 彼女の名を呼ぶ声が演習場の入り口から聞こえてくる。その声に大きく肩を震わせたアイナ様は弾かれたようにスカートから手を離すと、またしてもあの湿っぽい目線を一度だけ向けて見せた。

 

 

 

 

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