我が友、時雨は目が赤い   作:ワレオオバ

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艦これ10周年おめでとうございます。

ところで
時雨改三どこに行った?


6.イベント開催中?ちょっと物騒だね

 

 太平洋から深海棲艦の大規模な侵攻部隊が襲来してきた

 

 らしい。

 

 他人事みたいだけど実際他人事なんだから仕方ない。

 太平洋防衛戦線はボクたちの管轄じゃないから。

 

 日本近海の護衛・治安維持部隊であるボクたちには防衛戦の詳しい戦況は伝えられない。

 逆に言えば詳しく言う必要が無いぐらい余裕があるという事。

 

 なんともらくらく完勝ムード。

 

 人間とは進化より遥かに早い開発能力で世界を牛耳ってきた生物だ。

 日本海軍は既に「武装艤装艦」という艦娘輸送船である艤装艦を戦闘用に改装した超決戦兵装を配備している。

『量産型大和級拡張艤装』

 艦娘界のデンドロビウムというか、蒼き鋼な戦艦的な、艦娘用棲姫級装備がドカドカ惜しげもなく多数実戦配備してある。

 侵攻そのものに不安はほとんど無い。

 リメンバー長篠

 ノーモア七面鳥

 

 むしろ日本近海の方が侵攻前に比べて明らかに忙しくなった。

 侵攻部隊を撃退している艦隊の哨戒海域を補わないといけないし、大規模侵攻からうっかりハグれたり敗走して逃げ先を間違えた強めの深海棲艦も流れ着くようになっているから、いつもの海上護衛任務でも気を引き締めてかからないと死傷者を出てしまうぐらい危険性が高まっている。

 最新鋭装備の実験場である前線に比べ、艤装の質で劣る地方支部の方が戦力差が縮まるという逆転現象。

 

 つまり練度の稼ぎ時って事だね! 

 

 ◇◇◇

 

 いつもと同じ海上護衛

 けれど、いつもと違う敵

 

 発見したのは戦艦と空母の戦艦艦隊

 いつもボクたちが蹴散らしている雑兵の寄せ集めとは格が違う。

 

 戦艦と言うだけで砲撃の射程は長く、空母の航空攻撃も漁船ではひとたまりもない。

 ボクたちも気を引き締めて任務に臨まないといけない。

 

 ◇

 

 金剛の砲撃が最後に残った戦艦に突き刺さる。

 ボンと艤装が弾け、旗艦らしき戦艦ル級は沈んでいった。

 

 戦闘描写? 砲撃戦に持ち込まないのも兵法だからね。

 ほら、ボクたちの背後には護衛対象の漁船団あるから危ない事は出来ないんだよ。

 

 今回の護衛任務、戦闘はもっぱら龍驤と金剛におまかせ。

 ところによりボクも甲標的と瑞雲隊で貢献度を稼がせてもらう。

 

 流石にボクだってTPOは弁えるさ。

 船団護衛中に戦艦と空母を含む艦隊相手に悠長に距離を詰めていたら敵に漁船の位置がバレて攻撃されてしまうかもしれない。

 特に今回は敵の射程が長い。

 他人の命を懸けるような危険は犯せない。

 安全に越した事は無いんだから。

 という事で今回、ボクはこんな事もあろうかと艤装艦に積み込んでいた迅鯨の艤装の制御機能だけ使って遠隔攻撃に参加している。

 甲標的も瑞雲も使えて長距離射撃も(気合いで)出来るって実質レ級じゃない? なんてね。

 

 別にボクが特別って訳じゃない。

 これも技術の進歩の賜物。

 正直言って、もう艦娘の艤装は換装し放題すぎて見た目はともかく性能面での個性が無くなってきている。

 特に中型艦。

 軽巡/重巡/雷巡/航巡/水母/潜母あたりは艤装のチューニングでいくらでも好きな艦種にコンバート出来るから同名艦なのにスペックが全く違うとかもよくある。

 

 ボクの迅鯨の方の艤装は元々は潜水母艦=潜水艦補給艦なんだけど

 中身はほぼ重装軽巡仕様(矢矧改ニ乙)だったりする。

 

 ボクたちは補給艦が必要なほど長く航海しないし、身も蓋もない事を言うと艤装船で良いよね? それなら本体性能高めた方が良いよね? という話。

 

 と言う訳で

 先制爆撃ドーン

 先制雷撃ドーン

 先制砲撃ドーン

 完

 

 戦艦艦隊もこれこの通り

 簡単すぎる……呆気なさすぎる

 

 なんて言ってもじゃあ危なくなるまで手を出さないのも違うからね。

 危険度にも波っていうのがあるから早め早めの対応が大事。

 見つかる前は0でも

 見つかったら100

 

 戦艦や空母の攻撃はどれだけ弱っていても運が悪ければ即撃沈の可能性だってありえる。

 いのち大事に見敵必殺。

 

 はぁ……。

 なんだかんだ一応これでもボクって鎮守府の主力だから戦力が必要な時は優先的に出撃しないといけない。

 つまり忙しい。

 出来れば早く帰りたいなぁ。

 

『漁船から連絡入ったでー。今日はここまでやってー』

 

「了解ー」

 

 やったね

 今日も一日、お疲れ様でした。

 

 ◇◇◇

 

 任務後、食堂で夕食を食べる。

 もちろん提督と一緒だよ

 

 なんの気無しに食堂のテレビを眺めていると、

 宇宙開発ロケットの打ち上げが延期になったというニュースが流れていた。

「そりゃあ、今は大規模防衛戦中なんだから流石に延期するよね」

 

「あぁ、しかし上層部の一部はそのままの日程でも良いんじゃないか? って言ってたらしい」

 

「お父さん情報?」

 

「ああ」

 

「確かに今の深海棲艦が厳戒態勢の中、ロケットを撃ち落とせるとは思わないけど何事にも万が一があるからね」

 

「そうだな、と言ってもそもそも少数意見だ。何の問題もなく延期は決定したらしい」

 

「それが良いよ」

 

 ◇

 

 30年ぐらい前からか、いつ頃からは正確には分からないけど、世界中で怪物が出現するようになった。

 端的に言えば、世界中で呪術廻戦をやっているって感じ。

 日本の場合は呪霊が深海棲艦になってるんだね。

 

 その中で日本は深海棲艦を根絶しない。

 というより出来ないしやる意味が無い。

 

 深海棲艦は本体である物理霊体が浄化されても艤装部分が陰気を吸収する事で全身を再生してしまうからだ。

 殻から再生するカタツムリみたいな感じ? プラナリアの方が近いかな? 

 まぁそれはいいとして。

 人間は生きている限り大なり小なり陰気を発してしまうため、深海棲艦の元は永遠に生産されてしまい、どうしたって深海棲艦は復活してしまう。

 

 そして何より

 深海棲艦は陸地に出現する怪物よりも総合的な危険性が低い。

 1.海という被害の出ない戦場であること。

 2.海から出現するため発生から襲撃までの期間が長いこと。

 3.遮蔽物の無い環境のため発見が容易で不意打ちをされにくいこと。

 4.フィジカルと遠距離攻撃能力は怪物の中でも高い方だけど、初見殺しな特殊能力を持たないこと。

 総じて、真正面からの戦闘能力は高いけど不確定要素が少ないからキチンと対策すれば対応は楽な部類に入る。

 

 日本という国は()()()()()()()()()()()()()()()()で陰気を意図的に深海棲艦に流し、国内で怪物が発生するのを抑えている。

 ワンオフの一発屋が突然陸に発生するより、対策済みの深海棲艦のままでいてくれた方が楽って話だね。

 

 そんな訳で

 日本は国内で怪物がほとんど湧かない世界でも有数の安全地帯なのさ。

 

 ◇

 

 テレビにロケットが映り、続いてパイロットとなる艦娘が映った。

 強化人間であり機械の脳波コントロールも出来る艦娘は機械制御にこれ以上無いほどの人材だ。

 彼女たちに合わせ艤装と同じ合金を使用したロケットのカタログスペックは人類の成長曲線から見ても飛躍的な向上を見せている。

 火星に有人基地を建設するのももう不可能じゃないかもしれない。

 

 霊力という極めて効率の良いエネルギーを獲得し、肉体の強化という革新を得た人類は次のステージに進む準備ができた。

 そう言われているけど、その霊力から発生する怪物災害によって、なかなか宇宙開発まで手が回らないのが実情だ。

 そんな中で特別安全な日本は世界に先駆けて宇宙開発に乗り出している。

 艦娘を乗せた宇宙戦艦(仮)は正に世界の革新の先駆けと言えるかもしれない。

 

「そのうち宇宙旅行とか出来たりするのかな」

 

「まだ当分無理だろうな」

 

「うーん、残念」

 




迅鯨=時雨=サン
練度47+52
練度が上げられるのは嬉しいけど、提督との時間が減るのは悩ましい。
というかぶっちゃけた話、前線配備を蹴った以上、提督との約束のために頑張っているだけで練度そのものにはあまり興味がない。

『深海棲艦』
深海棲艦は死者の魂や残留思念の塊が実体を得た霊的知性体である。
広義的には生物に分類されるが、体構造的にはウィルスや自己複製するロボットに近い。
「昔の深海棲艦の方が賢い」
初期の深海棲艦(以下、旧深海棲艦)は死者の怨念が生物の陰気を集めて実体化した質量を持った幽霊であり、自我がハッキリしていて魂もキチンと持っている高等な霊的知性体が多かった。
しかし何十年も経った現在、旧深海棲艦は99%以上が成仏している。
現在の深海棲艦(以下、新深海棲艦)のほとんどは旧深海棲艦の艤装の自動修復能力が、艤装の残骸になっても機能したまま、性質として陰気を集めてなんとなく復活しただけの存在である。
つまりはガワだけ再生した劣化コピー品。
その繰り返しによって存在する現深海棲艦はもはや人の認識に存在を依存する妖怪の一種に過ぎない。
戦闘能力が下がる事は無いけれど成長する事も無い。

旧深海棲艦は
呪術廻戦の呪霊や
チェンソーマンの悪魔のようなモノ
旧深海棲艦=落武者の幽霊

新深海棲艦は
旧深海棲艦を素体とした量産品
新深海棲艦=落武者の鎧の妖怪

新深海棲艦は生物の発散した霊力が深海棲艦の残骸という呪物を起点に雪のように凝集して擬似生命化した妖怪であり、行動原理も旧深海棲艦の行動を模倣しているに過ぎない。
再生に理由は無く、存在に目的は無く、大型海洋哺乳類を殺傷するただの害獣である。
陰気を吸収する理由すら、艦娘が陽気を優先的に使用しているから余った陰気を利用しているだけ。
旧深海棲艦の精神性を「誰かの遺言状」と例えるなら、
新深海棲艦は「ツイッターの誹謗中傷の寄せ集め」
そのため高度な知性は無く、低俗でただただ暴力的で攻撃的。
その海に沈んだ艤装が霊気を吸収して再生するという発生メカニズム的に人類が存続する限り根絶は不可能と考えられている。

『海外の状況』
基本的に戦地になった場所や人気の無い場所から怪物が発生するため、人の住んでいない戦争跡地などが主に怪物のスポーン地点となっている。
前述の通り、ほぼ世界中で呪術廻戦のような状態。
また人の注目が集まり戦争の火種となるような土地は特に強力な怪物が発生しやすく、喧嘩両成敗の形になっている。
特に根深い宗教問題を抱えたエルサレムは、天使や悪魔の姿をした超強力な化け物が跋扈する人外魔境と化している。

こんなただの世界観説明なんて求められていないのだ。
ただもうイチャイチャの引き出しが(貧弱)
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