我が友、時雨は目が赤い   作:ワレオオバ

4 / 12
感想・評価ありがとうございます。
感想をいただけるととても喜びます。


4.お休みの日ぐらいゆっくりしようよ

 

 贅沢なお休みの過ごし方。

 1.とりあえず提督の部屋で寝る

 2.ひとまず提督の部屋に居座る

 3.……えーっと、うーん。どうしようかな? もうボク割と満ち足りてるんだけど。

 

 ん? あ、そうだった。今日はご飯食べに行くんだったね。

 うん、着替えるよ。

 それじゃあ、ちょっと待っててね。

 

 え? 

「自分の部屋に戻れ」って? もー提督、ボクと提督の仲じゃないか。今更恥ずかしがらなくてもいいよ。

『着替えが無い』? 大丈夫だよ。

 

 ほらこの何の変哲もない提督のタンス、このタンスには実は秘密があってね。

 ジャーン!! 

 

 こんな事もあろうかと、タンスの一番下の引き出しには既にボクの服を入れてあるのさ。

『いつのまに』? 別に気にしなくていいよ。ボクと提督の仲なんだから。あ、参考文献はボクの方で参考にさせてもらってるよ。見てミ えー? ちゃんと提督の好みかチェックしてもらいたかったのになー。

 

 まぁ、いいさ。

 後で、ね。

 

 ◇◇◇

 

 白のワンピースに丈の短めなデニムジャケット。

 後は麦わら帽子なんか被ったら雰囲気出て良いんだけど、邪魔だから帽子はお留守番。代わりに提督の私物で海軍グッズのマリンキャップ。

 艦娘としての容姿も相まって我ながら可愛い。

 

 提督はいつも通りのジーンズに焦茶のレザージャケット。キリッとした顔立ちが格好と相まって、海外のアクションスターみたいにカッコいい。

 

 お昼に来たのは鎮守府の近くの街で一番人気のハンバーグ屋さん。

 モダンな煉瓦造りのレストランでお値段はちょっとお高め。

 それでも連日行列もので、予約しないと平日ですら簡単に1時間ぐらい待たされちゃう。予約してたおかげですんなり入れたけど、突発で行くのは大変そう。

 

お店の定番料理は牛100%ハンバーグ。

牛ステーキみたいに中が赤いままでも大丈夫らしい。

 

「焼き加減はどうなさいますか?」

 

せっかくのハンバーグだし、やっぱり珍しい焼き方が良いよね。

「レアで」

 

「俺もレアでお願いします」

 

 お店の人が鉄板の上の綺麗に焼き目の付いた俵形ハンバーグをボクたちの前で真っ二つに切る。

 外はしっかり焼けているけど中身は思っていた以上に真っ赤。スイカぐらいの比率で中身が赤い。

 お店自慢のほぼ生でも食べられるハンバーグだ。

 

「ごゆっくりどうぞ」

 

 ごゆっくりと言うけれど、ほったらかしてたら熱々の鉄板の熱で火が通ってハンバーグの赤身部分が減ってしまって勿体無い……気がする。

 

「さ、提督食べよう」

 

 高温で外側だけ焼き目を付けたハンバーグは、外はカリッと、焼けたお肉はジューシーで、中の半生の部分はとろっと柔らかく、下味のスパイスがしっかり効いていて鋭い塩気とお肉の重厚な旨みがたまらない。

 外の焼いた部分と生の部分を一緒に食べるとちょっと特別な気分になれる。

 

 ボクが大きめにハンバーグを頬張ると提督も真似をしたのかハンバーグを大きく切って、あッ! 

 ハンバーグの乗った鉄板はまだ熱くて、ハンバーグの表面もアツアツのまま。

 つまり提督はちょっと舌をやけどしちゃったみたい。

 

「提督、ちゃんと冷まさないとダメだよ」

 ボクは丈夫だからね。口の中だってそう簡単にやけどなんてしないさ。

 

 あ、いい事思いついたよ

 ね、提督、ボクがフーフーしてあげようか? 

 

 ア痛っ! 

 

 えー、外でやる事じゃない? いいでしょ、減るものじゃないんだし。

 

 もー、はいはい。仕方ないなぁ。

 

 後回しポイント2だからね

 

 ◇◇◇

 

 さてどうしようか。ご飯の予約しかしてなかった。

 ノープランだ。

 まぁ、特別何かする必要もないけれど。

 

 とりあえず、雰囲気を重視して運動公園に行ってみた。

 お土産屋さんや軽食屋さんもある大きめの公園だ。

 となりに神社もあって、見つけたからには一応、お参りしておく。

 

 2礼2拍手1礼

 

『提督が早く指輪をくれますように』っと。

 

 提督は何をお願いしたの? 

「みんなが無事に帰って来れますように』? 

 はー、まったく。提督はお利口さんだねぇ。

 

 ◇◇◇

 

 運動公園の芝生に来たって、別に何かするわけでもないんだけどね。

 もうベンチに座って空と公園を眺めるだけ。

 

 空は快晴、雲一つなくて、雨の気配なんて微塵も無い。

 ボクたちから少し遠くの芝生で小さな子供たちがサッカーで遊んでいる。

 小さな子にはかなり大きく見えるボールをてこてこ追っかけている光景はとっても可愛い。

 

「昔を思い出すよねぇ」

 ボクと提督の馴れ初めも公園だった。

 人見知りの概念が存在しなかった小さい頃の話。

 

「子供、可愛いよねぇ」

 まだ早い? おやおや〜? 

 今のは失言じゃないかな? 

 

 後回しポイント3でスリーアウトだよ? 

 

「提督、もう少し公園で休んでからお買い物して帰ろう」

 後回しは許すけど、部下のガス抜きは必要だと思うなぁ。

 ね、提督もそう思うでしょ? 

 いまガス抜いてる最中だって? うーん、残念ながらガス抜きで溜まるガスもあるんだよ。

 

 あ、今日の晩御飯はボクが作るよ。

 

 献立はそうだなぁ

 牡蠣のアヒージョ

 あさりのお味噌汁

 アボカドサラダ

 レバニラ炒め

 ほうれん草のおひたし

 

 鰻は……今日はいいかな。せっかくの手料理だし、ボクも流石に鰻は捌けないからね。

 

「夕飯、頑張って作るから、楽しみにしててね」

 

今日は休みの1日目、ボクも提督も明日も休みだからね。

 




時雨さん
練度37+62(99)
「医食同源、大切な人に元気でいてほしいのなら食べ物には気をつけてあげないとね(赤まむしドーン)」

辻提督
士官学校卒業1年目、新米少尉殿
流石に卒業してすぐに結婚するのはあまり良くないと思う。
え、そうでもない?
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。