残酷な真実 滅ぶべきはモンスターなのかそれとも・・. 作:tuunibyo
飛空艇を降りると1人の青年が駆け寄ってきた。
「ようやく帰ってきたな。待ちくたびれたぜ。」
彼はこの街の工房で武器職人になるために修行している見習いだ。工房長が言うには才能はあるんだがせっかちなため失敗しやすいらしい。
「工房長から伝言だ。頼まれてたものができたから取りに来いってさ」
青年はそう告げると一目散に走り去ってしまった。なるほど・・・工房長のいうとおりだわ。
そうこうしながら私は工房に入っていく。
「おじさま。ついにできたのね!」嬉々として駆け寄る私に待ってましたと言わんばかりに大剣を差し出してくる。
「そうさ!こいつが頼まれてたものだぜ。ゼルレウスの素材から作られた光の大剣だ。かっこいいだろ?」
ゼルレウスを討伐すれば作ってもらえると聞きやっと悲願がかなった。
「おじさま!ありがとう。」
「いいってことよ。それよりも聞いたかい?例の話。」
例の話?なんだろう?
「近々大規模な討伐作戦が計画されてるって話だ。どうやら本国は・・・・おっといけねぇ・・・すまん何も聞かなかったことにしてくれ」
なんだろう?また明日にでも隊長に聞けばわかるかな?
そう思いながら帰路に着く。
家に帰ると留守番のアイルーが出迎えてくれた。
「おかえりなさいませ旦那様。ご飯にするかニャ?それともお風呂かニャ?
それとも僕をモフモフしてくれるかニャ?」
「そうね・・まずはお風呂に入ってからご飯を食べてモフモフかな」
クスッと笑いながら言うと
「旦那様は欲張りだニャ〜ならお風呂入ってる間にご飯の用意をするニャ」
いつもこんなやりとりをしているがこんな日常が私の心の隙間を埋めてくれる。父と母はかつてとある龍が王国に襲撃した際に巻き込まれて・・・それ以来私の家族はこのアイルー達だけになってしまった。寂くないといえば嘘になるが今はこれで充分な幸せを享受できている。そう、これでいいのだ。
今日は疲れたな・・・明日は隊長に報告に行かなければ。
そう考えながら眠りについた。
翌日、私は隊舎にて隊長と面通しをしていた。先日の報告である。
「・・・・以上が今回の戦果です」
「うむ、よくやった。先のゼルレウス討伐に今回の戦果。目覚ましい活躍だな。隊長として誇りに思うぞ。」
褒められるとなんだがムズムズするな〜。
「隊長・・・先程工房でふと聞いた噂なんですが・・・大がかりな討伐戦があるのですか?」
隊長の顔が一瞬曇るのを私は見逃さなかった。
「そんな噂が流れているのか?だが、本当だとしてもまだまだ先の話にはなるだろう。今は忘れておけ」
「わかりました」後ろ髪を引かれる思いだが、今はまだということか
「それより、最近任務続きで疲労も溜まっているであろう。しばらく休暇を与える。飛空艇はすでに手配済みだ。タンジア連邦行きのな。」
確かに最近疲労が溜まっていたかも。
「少し休んでこい。だが・・・気を抜きすぎるなよ。タンジアは海底都市だが、最近地震が頻発するそうだ。古の龍の伝承もあるからな。」
「その言葉、肝に銘じておきます。」
そういうと私は隊舎を後にした。
タンジアか・・・小さい頃父や母に連れて行ってもらったっけ・・・
「旦那さん?大丈夫かニャ?具合でも悪いのかニャ?」
小さな相棒が心配そうに聞いてくる。いけない・・・暗い顔になってしまっていたようだ。
「大丈夫よ。それよりせっかくいくんだからしっかり骨休めしましょうね」
小さな相棒は「ニャ!」といい前を歩いていく。
そうよね・・・たまには任務抜きで色んなものを見るのも悪くないわね。
私も心が軽くなるのを考えながら感じながら帰路についた。
そして、私は知ることになる。
始まりの物語を。そして・・伏せられた真実を・・、