残酷な真実 滅ぶべきはモンスターなのかそれとも・・. 作:tuunibyo
湖畔で座り込み景色を眺める。水面は気持ちとは裏腹に穏やかな様子だった。なのに・・・何やってるんだろう私・・・
「特に大した意味はありませんよ。ただ、興味があるだけです。人語を理解する龍の存在、遥か昔から記録にはあれど姿は確認できていない。
彼らが何を思い何を考えているのか・・.あなたを指名した理由はそこにもあるんですよ。」
考えれば考えるほど暗くなっていく。
「ニャ〜やっと見つけたニャ〜」
声の方を振り返るとアイルー達が走ってくる。塔の研究所を飛び出してしまったから心配して探してくれていたのかな?
「旦那さん・・・さっきの話・・本当かニャ?」
アイルー達は恐る恐る聞いてくる。「ええ、本当よ。私は炎王龍に育てられたの。隠してたわけじゃないけど・・・なんかごめんね。」
そう告げるとアイルー達は不思議そうな顔をしていた。
「謝ることなんてないニャ。僕達の旦那さんは旦那さんだニャ!」
「そうニャ!旦那さんは旦那さんニャ!」
強くいい放つアイルー達に少し励まされた。まるで火の意志が宿ったように。
そういえばあの時もそうだったな・・・・
遡ること20年前、私の生まれた村は火山地帯の近くにあり常に噴火と流れるマグマの脅威に晒されていた。なんでも山に住む龍の影響らしく人の手でどうにかできるわけもなく、本国からは半ば見捨てられたと言っても過言ではなかった。
「今年は君が生贄になることに決まった。」
そう、悪習とでもいうのか村では一年に一度若い子供を山の神に生贄として捧げる習慣があったのだ。そして、選ばれたのは身寄りのない私だった。
でも、怖くはなかったわけではないが私はどこか諦めていた所があった。父と母に捨てられ希望も持てず自暴自棄になっていたから。
儀式は一ヶ月後に執り行われるとのことらしい。それまでの時間に覚悟を決めろとのことだった。しかし、私には無意味な通達だった。
そして、その日はやってきた。崖の淵にある祭壇、眼下にはマグマの海が広がっていた。多くの生命を飲み込んできたまさに死海
村長が口上を述べていく、形式的な意味合いのものであるのだろうが幼い私には全く理解できなかった。あとはマグマに生贄を捧げて終わりという所だったのだが、逆に生贄になったのは大人達であった。
あっという間の出来事だった。そこにはいるはずのない炎王龍が襲来したのだ。周りの大人達は悉く蹂躙され気づけば私だけになっていた。そうか・・・文字通り山の神の一部になるんだ・・・そう思っていると私の体が宙に浮いた。正確には炎王龍に加えられ飛んでいたのだが。
私は炎王龍に連れ去られたのだと気づいた。一体何故?でも、暴れてもどうにかなるわけでもなく暫く身を任せることにした。
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