『さあ最終コーナー!ここをぬけた先にある中山の直線は短いぞ!!』
12月、有マ記念。
『先頭はシンボリルドルフ!!大きなリードを抱えたままだ!直線に差しかかる!!やはり強いシンボリルドルフ!!先行のペースを維持し、後続のウマ娘の達を突き放していく!!』
(……いつだ、いつ、
ウマ娘ならば1度は憧れる夢の舞台である有マ記念。
そのハードルの高さ故に走ることすら叶わないことも珍しくはない。
それほどのトップクラスのウマ娘月同レースなのだ。
だが、
皇帝。
シンボリルドルフは大きく差をつけ、先頭を走る。
だが、その顔は余裕とは言える顔ではない。
刹那、中山競バ場が歓声に包まれる。
『おっとコーナーの終わる直前にペースを上げてきた!!』
「……やはり来たか!!」
「一騎討ちだなぁ……!!ルドルフ!!」
『ナイトスコーピオンだァ!!』
(スコーピオン……っ!やはり君だけは……ッ!油断ならない相手だッ!)
ハーフフェイスマスクをつけた、黒毛のウマ娘が後ろに迫っていた。
黒地に赤と黄色のラインが入った、お世辞にも派手とは言えない勝負服を身にまとっている。
『差しの作戦を執ることが多いスコーピオンですが、今回も同じように差してきたァ!!ジャパンカップではシンボリルドルフに1歩届かなかったナイトスコーピオン、今回は差し切ることが出来るのかァー!?』
ルドルフは前を向き直し距離を見はかる。中山の直線は短い。
ここでペースをあげればこのまま差で勝利できる。
(ここで……ッ、決めるっ!!!!)
足を踏み込み、地面を力強く蹴る。
スパートだ。
『さぁ勝負をかけたシンボリルドルフ!!』
(……!)
同様にナイトスコーピオンもスパートをかける。
『ナイトスコーピオンも食らいつく!!有マ記念、制するのはこの2人のどちらかだ!!ああっとしかし差は依然として……っ!?』
(……なんだ……なぜだ……??なぜ、ゴールがこんなにも……)
直線が短いはずの中山。この直線をスパートをかけ、一気に勝負をつけるはずだったルドルフ。
(ゴールが……遠い……?)
『2人の差が……縮まっている……!?これは一体どういうことなのでしょう!?2人のスピードは変わらないはず!!まるで……っ、《シンボリルドルフがナイトスコーピオンに吸い寄せられている》かのように!!』
分かっている。タネや仕掛けなどは存在しない。
プレッシャーランだ。皇帝として、その心構えはあったはずだが、
(それを揺るがすほどの……、重圧……ッ!!ペースを乱せるほどの……!!)
「……まるで、鎖が足に巻きついているようだ……ッ!それに加えて、簡単に解けないように針を突き刺されているような感覚……ッ!」
ラスト何百mがただひたすらに遠い。
ルドルフは後ろを横目で見る。……が、『それ』が見えてしまった。
「……なっ……!!」
「
瞬間、ルドルフのペースが大きく乱れる。
まるで、何かに引っ張られたかのように。
まるで、ナイトスコーピオンとなにかで繋がっているかのように。
「……反逆、復讐。それでこそスコーピオンというわけか……ッ!!だがっ!!」
汝、皇帝の神威を見よ
「頂点に立つからこそ……ッ!!私が皇帝たる所以だッ!!!
「「うおおおおおおおオオオオ゛オ゛オ゛ッッ!!!!!!!」」
2人のウマ娘が、ゴールラインへと、近づく。
To be continued...
いかがでしたでしょうか。
次回からは時間を巻き戻します。
この、熱い戦いに達するまでの物語を描いていきましょう。
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