ガサガサと茂みを掻き分けて進んでいき、水音が徐々に大きくなっていく。
この音は滝だろうか?
近づけば近づくほど、激しい水の音が聴こえてくる。
「ま、とりあえず水がありゃ死にはしないだろ」
この森がどれだけ大きいのかは知らないが、下手した何日も滞在しなければならない。
現在迷子中だし。
地理なんて当然分からない。
水を確保しとくに越したことはない。
水筒はないが、ここは森だ。
投影魔術で刃物を創り出し、それで木を切って水筒を造れば・・・・・・
「・・・・って、投影で水筒って作れないのか?」
自分で言ってふと気づく。
そして試してみるが・・・・
「・・・・・・やっぱ無理か」
魔力を練り上げ試してみたが、全くできる気がしてこない。
やはりこの投影の魔術はイメージが問題なのだろう。
形をイメージしても、その材質だの製造過程だのをイメージするのは無理だ。
実物を視れば複製は可能なのかもしれないが、少なくとも今の自分には無理なようだ。
そこまで考えで、今度は別の事に気が付いた。
それは、神様特典で得た自分の能力。
『完成⁻ジ・エンド⁻』と『無限の剣製⁻アンリミテッド・ブレイド・ワークス⁻』。
この二つは今、使うことが出来ない。
完成は他人の能力や技能を覚えて、自分のモノにする力。
まだ誰とも出会っていないのだから、能力や技能を覚える事なんて出来ない。
同じく無限の剣製も同様だ。
この能力は、投影という魔術を基盤としており、それは物質の情報を読み取っての複製。
複製するものがないのだから、これも当然使うことなど出来ない。
そして、『魅惑の究極美貌⁻アルティメット・チャーム』。
これは異性に対してしか効果がない。
近くに女がいない以上、この能力も発動しない。
次に『幻想殺し⁻イマジン・ブレイカー』。
これはあらゆる異能の力を打ち消すというもので、つまりは異能の類がなければ何の意味も持たない。
これも今は使えない。
後俺が得た特典は二つ。
『ステータスMAX』
これは、神の力で上げられるだけ俺のスペックを上げる能力。
俺のあらゆるステータスがMAXになっている、ということだ。
能力ではなく体質に現れるモノだから、これは既に発動している。
特典最後の一つ。
『六道仙人の力』
これはその名の通り、六道仙人の力を使うことが出来る。
その力は、仙術・尾獣の力・写輪眼や輪廻眼といった強力な瞳術・忍術や幻術・膨大なチャクラ等々。
細かいのを上げていけばきりがない。
まぁ、その利便性故にこの力を選んだのだが。
今使えるものは、この六道仙人の力だけだ。
だが、問題はない。
この一つの力だけで大抵の事が出来るのだから。
だから唐突に戦闘が始まっても大丈夫とタカを括っていたのだが、その戦闘が起こる様子もない。
・・・・・ちょっと早まったか?
まぁ、後悔しても今更だ。
今使える力で、出来ることをやるしかない。
「ん?」
茂みを抜けると、目の前に広がるは湖と滝。
ようやく水場のあるところにたどり着けた。
そして、人の気配を察知した。
とっさに身を屈めて、茂みの中に隠れる。
どんな奴なのか分からないし、ここがどんな場所かも分からない。
まずは様子を視よう。
俺は目を写輪眼へと変化させる。
この瞳なら大抵の攻撃を避けられるだろうし、分析も可能だ。
それでも油断は出来ない。
俺は慎重に、茂みから顔を覗かせる。
その目が捉えたのは、一人の人間。
遠目で観ても、その人物は滝に打たれているのが判る。
滝と言っても、規模は小さいもので水の勢いはそこまで強くない。
少し強めのシャワーのようなものだ。
「・・・・・・・・・・ゴクリ」
思わず喉を鳴らす。
当然だろう?
滝を・・・つまりは、シャワーを浴びている。
つまりは、そいつは全裸。
つまりは、俺は今、覗きを行うことが可能!
こういう時、大抵美少女の裸体を拝んでしまい「きゃーえっちー」といった展開が起こるのが御決まりだ。
相手が女なら、そのまま俺の魅惑の究極美貌で落として、一先ずそいつの所に厄介になろう。
そしてキャッキャムフフな展開に持ち込めばいい。
先の展開を想像すると、ジュルリと思わず涎が垂れてしまう。
フッフッフ・・・その身体を拝んでやろうではないか。
ステータスMAXで視力が上がっており、目に力を入れれば遠くまで良く見える。
写輪眼で全身を余すことなく観察し、最上限まで上がった記憶力で観たモノを脳内へ永久保存することが可能!
俺の視線を、滝でシャワーを浴びている人物に向ける。
その腕、足、後ろ姿なのが残念だが、その背中が目に映る。
結構小柄な体格のようだ。
その小柄な人が、クルリと身体を反転させて、俺の目がその姿を捉える。
―――――小柄な爺さんが全裸で水浴びしているその姿を。
「おぅええええええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!?!?!?!?」
思わず吐いた。
口で噛んでいたガムごと吐き出した。
何だこれは?
何処の地獄の一丁目だ!?
無駄に上昇した視力が確実に爺さんの姿を捉え、写輪眼の力で無駄に相手の全てを読み取り、無駄に上昇した記憶力でさっき捉えた爺さんのチン■丸出しの全裸姿が俺の脳内に永久保存されて、
「おえっ」
思い出したらまた吐いた。
なんてことだ、能力が完全に裏目に出た。
全く役に立たない!
俺の声に気付いたのか、爺さんはビクリと反応しながらこっちを視て、
爺さん「いやぁ~ん」
恥部を手で隠しながら、そんな気色の悪い声を出した。
「いやぁんじゃねーよボケがあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」
そう、これが俺と、後に俺が所属することになるギルド。
『妖精の尻尾⁻フェアリーテイル⁻』のマスター。
マカロフ・ドレアーとの出会いだった。
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タイトルの割にはなんかアホな出会い方だ。
一カ月ぶりの更新だが、別にいいよな?
暇つぶしも同然で書いてるんだし。