ナツはハッピーに抱えられて、既に突入を仕掛けた。
ジュピターの銃口から建物の内部に侵入し、そこからジュピターを破壊する気のようだ。
グレイ、エルザ、エルフマンの三人は、グレイの氷の造形魔法で海の水面を凍らせて道を作り、その氷の上を走ってファントムのギルドに侵入しようとしている。
俺は『翼‐エーラ‐』で空を飛び、上から建物の内部に侵入しようとしていた。
ジュピターはナツ達に任せるとして、俺はファントムのボスであるジョゼを狙いに行く。
兎に角ギルドマスターのジョゼを潰せば、ファントムの戦力の大半は削れるだろう。
問題があるとすれば、転生者の鮫島篤だ。
アイツを倒せないとどうしようもないのだが・・・。
祐一「まぁ、何とかなるだろ」
少なくとも、能力や主な攻撃方法は既に分かってるんだ。
対策も・・・まぁ、上手くいくかどうかは分からんが一応考えてもいる。
後はやってみるだけだ。
祐一「さて、と」
俺は屋根の上に降り立った。
何処から入るか・・・いや、敵の本拠地なんだから律儀にドアや窓から入ってやる義理は無いな。
屋根をぶち抜こう。
そう思い、腕に武装色を纏っていたら、
「しんしんと・・・」
後ろから声が聴こえて来た。
いや、ちょっと待て、今のセリフって・・・・。
俺の予感を肯定するように、突如天気が崩れて雲が出てきて、ポツポツと雨が降り出してきた。
「そう・・・ジュビアはエレメント4の一人にして雨女。しんしんと・・・」
ジュビアがキタァァァァァァァァ・・・・マジで?
まぁ、既に原作の流れが少しばかり変化してるから今更か。
つーか、改めてジュビアを観察してみるが、ホント最新刊と初期の頃ってコイツ、ビジュアルに差があり過ぎるだろ。
イメチェンなんてもんじゃねぇよ。
けどまぁ・・・上等だ。
思い出せよ上田祐一、考えてもみろよ上田祐一。
お前はいったい何故この世界にやって来た?
お前の最初の目的は何だ?
ハーレムではなかったのか?
まぁ、確かに昔『あんなこと』があってちょっと躊躇いが出たが、そろそろ原点回帰してもいいんじゃないか?
ホラ、ゼスティリアが原点回帰しなかったんだから自分くらい原点回帰させてみようぜ!
・・・・・駄目だ、意味が分からねぇ。
祐一「ま、いいや。で、アンタが俺の相手をしてくれんのか?」
俺の特典が一つ。
『魅惑の究極美貌-アルティメット・チャーム-』
神様の力による異性の誘惑。
俺と対峙した女性は、俺に対する強烈な恋愛感情を懐く。
縁が強くなって絆を紡ぐと、何人に好かれてもヤンデレエンドを迎えない。
ただし、その女性に既に好きな異性がいれば効果は低下する。
能力である以上、同じように神様からの能力か、強力な対魔力で防御可能。
初見でグレイに一目惚れするっぽいが、まだグレイとは出くわしてないし、ジュビアに強力な対魔力を備えているような描写は無かった。
身体が水だから物理攻撃にはめっぽう強いがな。
さて、こんな俺の対女用のゲスい能力を発動させたらどうなるか・・・?
ジュビア「・・・・・・・・・(ポッ)」/////
こうなる。
いやー、なんか俺と対峙する女って転生者ばかりで、俺のように原作キャラに好感を抱いている奴等ばっかだったから特典の力が働かなかったから忘れてたけど。
この能力エグいな。
女相手なら容赦無しだ。
まぁ、能力のON・OFFは出来るから使わない時は使わないが。
使ったら最後、対峙している異性に好きな異性がいなければ、問答無用で一目惚れさせる能力とでも言えばいいのか?
我ながらなんてゲスい能力を特典にしたのか。
けどまぁ・・・
祐一「おい、ジュビア」
ジュビア「は、はい!?」
祐一「俺の女になれ」
ジュビア「・・・・・‼(キャピンッ♡)」
楽に事が運べるのは良い事だ。
え、なに?
フラグ? ストーリー性? ドラマ? 何それオイシイの?
良いだろ別にメンドクセェんだよ出会いとか好いた惚れたの経緯とか超メンドクセェんだよなんかそれっぽいこと言ってれば良いのかもだけどそれすらもメンドクセェよ。
問題無いだろ。
少なくとも今目の前に、目をハートにして撃墜されたジュビアを見る分にはそう思うぜ。
なんか幸せそうな顔でぶっ倒れてるから。
祐一「雨も上がったか」
降り出した雨は止み、気絶したジュビアを取りあえず背負う。
確かこの後・・・・。
祐一「お?」
バキィィィィインッ‼と、ジュピターの砲身が派手な音を発ててぶっ壊れた。
ナツが壊したのだろう。
そしてその直後、ゴゴゴゴゴ・・・・と音を発てながら、ギルドの形が変化していく。
変形するのだ、このファントムのギルドが。
建物の形がドンドン変わっていき、最終的に建物は家から人の形へと姿を変える。
『超魔導巨人ファントムMkⅡ』
・・・・・俺にはサイコガンダムにしか見えねぇわ。
.
戦わずに決着。