「―――――――カハッ!?」
止まっていた心臓が動き出し、息を吹き返す。
・・・・・・・ああ、そうだ、死んでたんだっけ?
暗い部屋を瞬時に見渡し、立ち上がる。
元々立っていた場所に、ジャック・ザ・リッパーは静かに直立していた。
俺が生き返るのを待っていたのか?
「いや、そんな理性で動ける様子じゃねぇのか」
早速【完成‐ジ・エンド‐】で会得した【解析‐アナリシス‐】が、ジャック・ザ・リッパーの情報を読み取る。
コイツには【狂化‐バーサク‐】の状態異常が掛けられており、このジャック・ザ・リッパーには理性というモノが存在しない。
意思の疎通も不可能だ。
言語も、能力を使う時くらいしか発しないようである。
まぁ、意思の疎通が出来ると殺しにくくなるから、俺に取っちゃ困る事にはならんが。
「影分身の術‼」
なら、さっさと決める。
分身体を5体造り出し、まずは俺の情報を確認だ。
【直死の魔眼】を発動し、俺の背のどの位置に死の点と線があるのかを把握する。
もう二度と、線と点を攻撃される訳にはいかないからな。
あまり分身体を作る事も、止めた方が良さそうだ。
分身体は俺そのもの。
分身体を多く突撃させるという事は、俺の情報をそれだけ得る機会が多いという事でもあるからだ。
全員同じ行動はさせない方が良いな、別々に動く。
右目を白眼で視界を約360度に保ち、左目の万華鏡写輪眼で全てを見切り、額に第3の目輪廻写輪眼を展開させ、その全ての眼に直死の魔眼の力を宿す。
ブチンと、頭から何かが切れた音がした。
脳の血管が切れたようだ。
だが、直ぐに再生能力が働き、回復する。
かなり脳に負担が掛かるようだが、幸い痛覚は遮断されてるし、再生能力で傷つく端から完治するから、戦闘続行は可能。
このまま行く。
折角【完成‐ジ・エンド‐】したんだ。
使わせてもらうぜ!
「――――――天鎖斬月‼」
俺が【斬魄刀召喚】で卍解するのを始め、分身体達も斬魄刀を召喚し、卍解する。
「残火の太刀‼」
「神殺鎗‼」
「千本桜景厳‼」
「双王蛇尾丸‼」
「鐵拳断風‼」
各々卍解した分身体が、ジャック・ザ・リッパーを取り囲む。
俺も前に出る。
もう一番後ろは安全ではない。
危険でも前に出るしかない。
攻めて攻めて攻めまくる‼
【魔法無効化‐マジックキャンセル‐】で、気力や魔力を用いた遠距離攻撃は殆ど効かないからな。
接近戦だ‼
「残火の太刀”東””旭日刃”‼」
分身体2体が先行する。
残火の太刀を持つ分身体が、その斬魄刀の切っ先を当てようとジャック・ザ・リッパーに刺突を連撃し、鐵拳断風を身に付ける分身体が、常に残火の太刀の対面側に立ち、前後左右からジャック・ザ・リッパーを攻撃する。
ジャック・ザ・リッパーは華麗に身を捻って避けてみせ、宙に跳んで攻撃を回避。
「狒々王‼」
空中へ跳んだジャック・ザ・リッパーを、骨の腕の様な形状をした狒々王が捉える。
動きを封じたジャック・ザ・リッパーを、千本桜景厳が取り囲み、
「吭景・千本桜景厳‼」
その数億の花弁の刃が襲い掛かる。
だが、
「―――――――金色疋殺地蔵」
その数億の花弁の中から、巨大な芋虫の様な身体を持った赤子が現れる。
クソッ、メンドクセェもん出しやがって‼
アレは周囲に毒霧を撒き散らす。
ヘタしたら塔にいる奴等も全滅だぞ!
「神殺鎗‼」
凄まじい速度で伸びた刀身が、金色疋殺地蔵を貫き、同時にジャック・ザ・リッパーを串刺しに貫いた。
チッ、死の点は突けてないか。
「だが、動きは封じた‼」
俺は超スピードで跳躍し、貫かれているジャック・ザ・リッパーを凝視する。
その首に横一文字に綺麗に描かれている死の線。
「月牙天衝ッ‼」
黒い斬撃を、死刑囚に繰り出されるギロチンの如く、ジャック・ザ・リッパーの首目掛けて振り下ろした。
.