FANTASY☆ADVENTURE   作:神爪 勇人

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第51話 完全催眠

 

振り下ろした天鎖斬月が、その首を死の線ごと叩っ斬った。

ボロッ・・・と、その仮面を被った頭部が重力に従い地へと落下する。

死の線を・・・いや、それ以前に首を斬り落としたのだ。

確実に殺した。

瞬間、ジャック・ザ・リッパーが仮面越しに、笑った気がした。

 

「―――――――砕けろ、鏡花水月」

「!?」

 

そう言葉を発した瞬間、ジャック・ザ・リッパーの姿が霧散した。

コレは、

 

「完全催眠かよクソがッ‼」

 

五感から霊感までを支配する能力。

超五感は何の役にも立たない。

催眠だから、幻術の類に分類されるのか?

写輪眼で解けるか?

いや、そんな事をする前に、

 

「そこだっ‼」

 

神殺鎗を持った分身体が、野生の勘で刀身を一瞬で伸ばして攻撃する。

この部屋の上部の窓、それを神殺鎗が貫き砕き壊した。

すると、窓以外存在しないその空間に、ジャック・ザ・リッパーの姿が現れた。

完全催眠が解けた様だ。

 

「・・・・・・・・・・・・・・」

 

いや、本当に解けたのか?

これも催眠じゃねぇのか?

ジャック・ザ・リッパーが此方に手を向けている。

考えてる時間は無いか。

 

「―――――――――――――【無限装弾虚閃‐セロ・メトラジェッタ‐】」

「ちょっ、それは・・・・・・・!?」

 

反則だろ‼

瞬くほどの間に、無数の虚閃が放たれた!

無限の虚閃が大雨の様に降り注がれる!

 

「クソがッ‼」

 

【幻想殺し‐イマジン・ブレイカー‐】で捌き切ってやるよぉっ‼

須佐能乎でも防ぎ切れるかどうか分かんねぇしなっ。

嵐のような虚閃を右手で捌く。

一体何秒、いや何分凌いだだろうか?

虚閃の嵐を打ち消していた俺の手が止まる。

虚閃の嵐が止んだのだ。

 

「・・・・・・・・・いない」

 

ジャック・ザ・リッパーの姿が何処にも視えない。

退いたのか?

五感にも、勘にも、何も引っ掛からない。

・・・・・・・もうこの場にはいないようだ。

 

「・・・・・・・・・あ?」

 

何発か虚閃が身体を掠めたと思ったが、俺の身体には傷一つ付いていない。

それは分身体も同じだ。

 

「・・・・・・・ああ、そうか、俺アイツの【魔法無効化‐マジックキャンセラー‐】を【完成‐ジ・エンド‐】したのか」

 

特典貰う時【魔法無効化‐マジックキャンセラー‐】は貰えないっつってたから、会得出来ないもんだと思い込んでたな。

そーいや、その世界で会得するんなら不老不死も会得できるんだったか。

 

「・・・・・てか、アイツ本当にもういないんだよな?」

 

誰にも聞けないから独り言だが、聴かずにはいられない。

原作でも鏡花水月って破られていなかったような気がするが、コレ解決策あんのか?

五感も霊感も使えない。

野生の勘だけでイケるのか?

写輪眼で解けねぇかなぁ? 今度はそれを試すか。

 

「まぁ、いい。後の事より、今の事だな」

 

窓の外を見る。

夜の空に光が差し込まれる。

エーテリオン発動前か。

ルーシィ達は外で、残ってんのは俺、ナツ、エルザ、シモン、ジェラールの5人か。

確か、エーテリオンが直撃しても塔に吸収されて全員無事なはずだから、このまま上に登っても大丈夫だな。

もう昼間よりも明るいくらいに、光が強まって来てる。

そして、空が一瞬白に輝いた。

エーテリオンが放たれたのだ。

それに構わず、俺は塔の上を目指して駆け出した。

 

 

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