FANTASY☆ADVENTURE   作:神爪 勇人

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2話連続投稿!


第58話 友の為に友を討て

 

 

バトル・オブ・フェアリーテイルが開始され、ギルドのみんなが殺気立って外へと飛び出していく。

俺とジジイも外へ出ようとするが、

 

――――ゴチーン‼

 

「何やってんだじーさん!?」

 

ジジイがまるで見えない壁にでも阻まれているみたいに、虚空に顔を張り付かせていた。

グレイが必死に引っ張るが、ジジイが外に出られる様子は無い。

 

「おい祐一! 見てねぇでお前も手伝え‼」

「いや、やるだけ無駄だ」

「ああ!?」

「上見ろ上」

 

言って、俺は上を指さし、ジジイとグレイも上を視る。

 

「空中に文字が!?」

「コレは・・・・・フリードの術式か!?」

「術式!?」

「結界系の魔法だ」

 

踏み込んだ者を罠に嵌める設置型魔法。

このギルドを囲むように、ローグ文字の術式が書かれている。

 

「術式に踏み込んだ者はルールを与えられる。それを守らねば出ることは出来ん」

「見ろよ」

 

空中に描かれた文字には、こう書かれていた。

 

ルール

『80歳を超える者と石像の出入りを禁止する』

 

「何だよ、この言ったもん勝ちみてーな魔法は!?」

「術式を書くには時間が掛かる・・・故に、クイックな戦闘には向いておらんが、罠としては絶大な効果を発揮する」

「こんな魔法のせいで、此処からじーさんだけ出られねぇってか!? 壊せねぇのかよ、じーさんでも!?」

「術式のルールは絶対じゃ! 『年齢制限』と『物質制限』の二重の術式とは・・・フリードめ、何時の間にこんな強力な・・・・・・・」

「祐一の右手は?」

「そうだ! 祐一の右手なら・・・・・・‼」

「んー・・・・・・・」

 

レッドの声に、俺は首を捻る。

確かに俺の右手でなら破壊は可能だ。

結界の元となっている、術式に直接触れなければならないが、それに触れれば一発で解けるだろう。

 

「けど、俺の右手の力は向こうも知ってるし、何の対策もしてねぇとは思えねーが・・・」

「やってみねぇと分かんねーだろ!」

「ま、それもそうだ」

 

取りあえず、まず壁に触れてみるか。

ジジイを阻んでいる見えない壁に、まず触れてみる。

 

「あん?」

 

確かに壁に触れた。

だが、少し妙だ。

如何にもジジイを阻んでいる壁よりも10cm程手前の位置で阻まれてんだが。

すると、

 

「何だ? また文字が浮かんできたぞ‼」

 

グレイの声に上を視る。

そこにはこう書かれていた。

 

ルール

『上田祐一の出入りを禁止とする』

 

「俺だけ名指しかよ!?」

 

どうやらジジイを阻んでいる術式の手前に、この術式を張っているようだ。

 

「この術式を発生させている基盤のローグ文字を、全部消していくしかねぇな」

 

とはいえ、この建物の外側にローグ文字を書いてるみたいだし・・・・・。

 

「なぁ、ジジイ?」

「何じゃ?」

「直して早々悪いんだが、ギルドホームぶっ壊していいか?」

「何でじゃ!?」

「この建物の外側にローグ文字が書かれてるっぽい。直接右手で触れねーと壊せねーんだよ」

 

俺の説明に、ジジイは「うぬぅぅぅ・・・」と呻く。

まぁ、折角再建したのに、一カ月も経たずに打ち壊すのは抵抗あるよなぁ。

 

「・・・・・・仕方がない」

 

仲間の命には代えられない。

それくらいの事は理解しているジジイなら、まぁそう決断するだろう。

だが、

 

「そこまでする必要はねーよ」

 

グレイが待ったをかけた。

 

「俺達だけで充分だ!」

「グレイ‼」

「アンタの孫だろうが容赦はしねぇ、ラクサスをやる‼」

 

グレイはラクサスを倒すため、外へ駆けだした。

 

「待つしかねぇな」

「ラクサスめ・・・・・・」

 

試しにホームの開けた出入り口に書かれたローグ文字を右手で消してみたが、直ぐに文字が復元した。

恐らく壁の向こう側の何処かに、文字が消されたら復元する術式でも書いているのだろう。

流石はフリード、用意周到だな。

 

「ん! リーダスか!?」

 

ジジイの声にビクつきながら、リーダスが扉の影から顔を出した。

 

「ご・・・ごめ・・・・・オ・・・オレ・・・・・・ラクサス怖くて・・・・・・・・」

「よい。それより東の森のポーリュシカの場所は分かるな?」

「ウィ」

「石化を治す薬があるかもしれん、行ってこれるか?」

「ウィ‼ そーゆー仕事なら‼‼」

「ごああああああああああああああああっ‼‼」

 

ラクサスの雷で気絶していたナツが、急に起き上がり叫び出した。

 

「ナツが起きたー」

「アレ!? ラクサスは何処だ!? つーか誰もいねぇ‼ じっちゃん‼ 何だコレ!?」

「ナツはうるせーなぁー」

「あい、ソレがナツです」

 

レッドの言葉に、ハッピーが頷く。

・・・・お前らは外に行かないのか?

 

「ナツ! 祭りは始まった‼ ラクサスはマグノリアの中におる‼ 倒してこんかい‼‼」

「おっしゃぁぁあああああああああっ‼‼」

 

ナツが「待ってろよラクサスゥゥゥゥゥゥゥゥ‼‼」と叫びながら外へと飛び出すと、

 

―――――――ゴチーン‼‼

 

・・・・・・術式の壁にぶつかった。

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・なにコレ?」

「「「「えええええええええええっ!?」」」」

 

あー、そういや体内にイグニールがいるから出られないんだっけか?

特に明かされた訳じゃ無いが、思い当たる節はそれしかない。

 

「どーなってんじゃあナツ‼ お前80歳か!? 石像か!?」

「知るか‼ 何で出れねえんだよォォォォォ‼‼」

「・・・・リーダス、取りあえずお前、行ってくれるか?」

「ウ、ウィ」

 

戸惑いつつも、リーダスは石化された仲間を助ける為に外へ駆けだした。

 

「む?」

 

また宙に文字が映し出される。

 

「バトル・オブ・フェアリーテイル途中経過速報?」

 

『ジェットVSドロイVSアルザック・・・・・・』

 

「な・・・何じゃコレは!?」

「何でコイツ等が戦ってんだ?」

「術式だろーな」

 

『勝者、アルザック

 ジェットとドロイ、戦闘不能

 フェアリーテイル残り人数81人』

 

次々と途中経過速報の情報が更新されていく。

 

『マックスVSウォーレン

 勝者、ウォーレン』

『クロフVSニギー

 相討ちにより両者戦闘不能』

『ワンVSジョイ

 勝者、ワン』

『ミティ4人抜き』

『ワカバVSマカオ

 戦闘開始』

『ナブVSビジター

 戦闘中』

 

「止せ‼ 止めんかガキ共‼‼」

 

ジジイの叫び声は、当然向こうには届かない。

念話を妨害する式も組み込まれているようで、テレパシーの魔法も意味を成さない。

 

「街中に術式の罠が張ってあるんだ。それにかかったみんなが戦いを強制されて・・・・・これがラクサスの言ってたバトル・オブ・フェアリーテイル」

「くううぅぅぅ~~~~っ‼ 俺も混ざりてぇっ‼ 何なんだよ‼ この見えねぇ壁はよォ‼‼」

「混ざってどうする気じゃバカタレ‼」

「最強決定トーナメントだろコレ‼‼」

「何処がトーナメントじゃ」

「てか、トーナメントがどんなモノか分かるか、ナツ?」

 

トーナメントっつーか、サバイバル戦だろ。

 

「仲間同士で潰し合うなど・・・・・・」

「ただの喧嘩だろ? いつもの事じゃねーか」

「コレの何処がいつも通りじゃ‼ 仲間の命がかかっておる‼ みんな必死じゃ‼ 正常な思考で事態で把握出来ておらん‼‼ このままでは石にされた者達が砂になってしまい、二度と元には戻らん・・・・・・・」

「いくらラクサスでも、そんな事はしねーよ。ムカつく奴だけど、同じギルドの仲間だ。ハッタリに決まってんだろ?」

「ナツ・・・・・・」

「俺も同感だな」

「祐一もか・・・・・・」

 

アイツなりにギルドを思っての行動だからな。

まぁ、やりすぎな事には違いないが。

 

「祐一の右手で石化解けないのか?」

「さっきやろうとしたら『上田祐一が石像に触れる事を禁ず』って術式が出て来た」

「用意周到だな、フリード」

「レッドは? 何か石化を治す薬とか持ってねぇの?」

「持ってねぇ・・・・こんなことになると分かってたら、持って来たんだけどな」

 

まぁ、誰もこんなことになるなんて思わねぇからな、無理はない。

 

『リーダスVSフリード

 戦闘開始』

『グレイVSビッグスロー

 戦闘開始』

『エルフマンVSエバーグリーン

 勝者、エバーグリーン

 エルフマン、戦闘不能』

『フェアリーテイル残り人数41人』

 

仲間同士の潰し合いで、もう人数が半分以下となった。

倒すべきラクサスと雷神衆はまだ、誰一人として敗れていない。

 

.




術式に関して、多少オリジナル盛ってます。
原作でも偶にしか出て来ないから、設定の細かいとこが分からない。
まぁ、バトル・オブ・フェアリーテイル編自体、真島先生の思い付きで始まり、術式もその時のノリで決まったらしいから、仕方ないかもだが。
いやまぁ、思い付きで話を描くのはシマヒロ先生がよくやる事だが。
RAVEの時からそうだったし。
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