「うーん・・・・・・」
俺は目を直死の魔眼に変えて、ギルドの出入り口を凝視する。
見えない壁に走る死の線が見えるが、点までは見えない。
せめて点があれば一気に術式を殺せたかもしれんが、死の線が建物に阻まれるように伸びている為、どうやっても此処からは出れ無さそうだ。
まぁ、建物をぶっ壊せば【直死の魔眼】なり【幻想殺し‐イマジン・ブレイカー‐】なりで術式も破壊出来るんだが、マジな緊急時でもねぇのに折角建てたホームを壊すのは非常に抵抗がある。
一応写輪眼で何処か術式に綻びが無いかを確かめたが、几帳面というか生真面目なフリードがそんなへまをする筈も無く、俺が簡単に術式を壊せない様に建物の外にローグ文字を書いたようだ。
俺も術式を【完成‐ジ・エンド‐】して使えるっちゃ使えるが、こういう文字魔法は暗号化して書かれているのが定番だ。
咄嗟に書いた即興モノならともかく、時間をかけて書いたであろうこの術式を破れるほど、俺の頭は良くない。
いや、まぁ、時間を掛ければ可能かもだが。
「リーダスがやられた‼」
「くぅ・・・やるなァ、フリード‼」
アイツ等は呑気に観戦してるしなぁ。
確かエルザに石化があまり効いて無くて、後に解除されるんだっけか。
もういっそそれまで寝てるか?
神威や【瞬間移動‐ダイレクトライン‐】等の空間系の手段も無理だったし、【土潜‐ダイバー‐】で床下を抜けてみたが、やっぱ無理。
流石に今回は転生者が介入してくる余地はねぇだろーし、もういっそほっとっくか?
あー、でも俺もこの最強決定戦トーナメント(笑)に出たいしなぁ・・・ナツじゃねぇけど。
楽園の塔で俺、殆ど暴れてないモノなぁ・・・・・。
「ラクサス‼」
なんてアレコレ考えていたら、ラクサスが出て来た。
まぁ、実体ではないが。
「思念体だ!」
「つーかナツ、何でオメーが此処に居んだよ?」
「うっせぇ‼ 出られねぇんだ‼」
「てか、ラクサスよぉ」
「あ? 何だよ祐一・・・・・・」
「お前俺の事封殺しすぎだろ! フェアリーテイル最強を決めるとかほざいてたが、まさか俺を倒さないで最強を名乗るんじゃねぇだろうな?」
ついでに言うなら、ギルダーツも此処にはいないしな。
「安心しろよ、お前はちゃんと後で俺が潰してやる」
「後なんて言わずに今直ぐ俺を出せよ、雷神衆もろとも纏めて叩き潰してやっから」
「これでも俺はお前を認めてんだぜ。お前を倒すのは手間が掛かるからな、それなりの準備が必要なんだよ」
「準備だと・・・・・・?」
俺が存在する事で起きたイレギュラーか?
まぁ、あくまで俺と闘うだけだろうから、そう深く考えることも無いか?
「楽しみにしとけ。お前が最後の1人になったら、俺がお前をぶっ倒してやる」
「俺に倒される前に、倒されないといいな?」
「ハッ。誰が俺を倒すんだよ?」
「まだグレイがいるよ‼」
ハッピーが叫ぶが、
『グレイVSビッグスロー
グレイ、戦闘不能
勝者、ビッグスロー
残り28人』
現実は無常だ。
「ふはははははっ‼ 後は誰が俺達に勝てるんだ? ククク・・・・・・」
「ガジルだっ‼」
「残念~‼ 奴は参加してねーみてーだぜ」
「よし。レッド、ハッピー、お前ら行って来い」
「「無理無理無理無理無理ぃっ!?」」
やっぱ無理か。
「・・・・・・わかった、もうよい。降参じゃ・・・もう止めてくれ、ラクサス」
「じっちゃん!?」
「ダメだなぁ・・・・・・天下のフェアリーテイルのマスターともあろう者が、こんな事で負けを認めちゃあ。どうしてもリザインしたければ、フェアリーテイルのマスターの座を俺に渡してからにしてもらおう」
「ラクサス貴様! 初めからそれが狙いか・・・・・・!?」
「ゲーム終了までの時間は、後1時間半。リタイアしたければギルドの拡声器を使って街中に聞こえる様に宣言しろ、フェアリーテイルのマスターの座を俺に譲るとな。よーく考えろよ。自分の地位が大事か、仲間の身が大事か」
言いたい事だけ言って、ラクサスの身体が消えていく。
ナツが殴り掛かったが、その拳は空を切り、ナツは勢いよく無様に倒れた。
ハッピーが思念体だっつったろーが。
「くそっ! 俺と勝負もしねぇで何が最強だ‼ マスターの座だ‼‼」
「マスターの座などの正直どうでもよい」
「いいのかよ!?」
「だが・・・ラクサスにフェアリーテイルを託す訳にはいかん。この席に座るにはあまりにも軽い。信念と心が浮いておる」
悪い奴じゃないんだけどなー・・・・これも若さ故か?
「でもこのままじゃ、みんなが砂になっちゃうよ・・・・・・」
「えーい! 誰かラクサスを倒せる奴はおらんのかっ‼」
「俺だよ俺‼」
「一応俺もいるが?」
「此処から出れんのじゃどうしようもなかろう」
「・・・・・一応もう1人いるっちゃあいるが」
「何じゃと!?」
「誰が居んだよ!?」
俺の言葉にナツ達が反応するが、この人物にはあまり意味が無い。
だってなぁ・・・・・・。
「そこにいるんだろ、ガジル?」
「「「「えっ!?」」」」
俺がカウンターに視線をやり、皆もそっちを向く。
するとカウンターの下から、ひょいと人影が。
出て来た人物は、
「ガジルぅぅぅぅぅ‼」
「食器を食べんなー‼」
ジジイが「行ってくれるのか?」とか、ガジルが「あの野郎には借りもある」とか言って、ギルドの外へ駆け出すが、
―――――――ゴチーン‼
と、ガジルも見えない壁に阻まれた。
「お前もかぁぁぁぁぁぁぁっ‼‼」
「な・・・何だコレはぁぁぁぁ!?」
・・・・うん、まぁ、メタリカーナが中に居るからな。
そのせいだろう。
『ビッグスローVSナブ
勝者、ビッグスロー』
『フリードVSアルザック
勝者、フリード』
『残り3人』
「残り3人だけじゃと!?」
「3人って・・・・・・」
俺、ナツ、ガジルで3人である。
「コイツ等だけじゃとぉぉぉぉっ!?」
「オイラ達は頭数に入ってなかったのかぁぁぁぁ‼」
うん、まぁ、レッドはともかくハッピーはなぁ・・・・・・。
「しゃあねぇ。ナツ、エルザの石化を解け」
「仕方ねぇな」
「何!? どうやって解く気じゃ、祐一は触れんのだろ?」
「だからナツが解くんだって」
「どうやって・・・・・!?」
俺とナツは顔を見合わせる。
「「燃やして溶かす」」
「止めぇぇぇぇぇぇぇぇいっ‼‼」
いやー分かってるけどね?
普通は解けないけど、コレが解けるきっかけになんだから別にいいだろ。
そしてナツがエロい手つきで火で焙ったり、罅割れたエルザにガジルが鉄を溶かして溶接しようとしたりしたりして、エルザが復活した。
コレで残り人数は4人・・・・いや、5人だ。
「どうやら、あの男も参戦を決めたか」
フェアリーテイル、もう1人の最強候補。
ミストガン。
――――――さぁ、反撃開始だ。
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