FANTASY☆ADVENTURE   作:神爪 勇人

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第61話 上田祐一VSフリード&ビッグスロー

 

 

 

「――――――解けたっ‼」

「よし」

 

俺が渡した情報が役に立ったらしく、思いの外早く術式が解けた。

後は、レビィが術式を書き換えるのを待つだけだ。

 

「これでようやくバトル・オブ・フェアリーテイル参戦だな」

 

フラストレーション溜まってるからな、発散させてもらうぜ。

 

 

◆◆◆

 

 

「まずは神鳴殿だな」

「どうする気じゃ?」

 

術式をレビィに解いてもらい、俺達はホームの外に出た。

街の空に浮かぶ300個の雷のラクリマ。

アレの処理をしなければ。

 

「破壊したら【生体リンク魔法】で雷が飛んで来るんでしょ?」

「まぁな」

「大丈夫なの?」

「へーきへーき」

 

ジジイや皆には少し離れて貰って、俺は空を仰ぎ見る。

1個1個壊していくのは面倒だ、一気に壊す。

俺は空高く跳躍し、ラクリマを壊しにかかる。

 

「【銃士‐ザ・ガンナー‐】‼」

 

俺の周囲に換装で銃器を出現させ、300個のラクリマをロックする。

 

「ハチの巣にしてやるよぉ・・・・ストライク・バーストッ‼‼」

 

一斉に放射し、宙に浮かぶラクリマの全てに直撃する。

街中に轟音が轟き、破砕音と共にラクリマが砕け散る。

そして、

 

――――――バチバチバチィッ‼

 

ラクリマに溜め込まれていた雷のエネルギーが、俺の身に襲い掛かる。

雷電がその身に直撃し、身を焼き、感電する。

 

「ま、効かんがな」

 

【魔法無効化‐マジック・キャンセル‐】。

ジャック・ザ・リッパーから【完成‐ジ・エンド‐】した能力で、俺は魔法による攻撃は無効化できる。

この魔法がメインの世界だと、ほぼ絶対的な防御性能を誇る能力だ。

 

「コレで神鳴殿の件は問題無いな」

 

難なく着地した俺の身体には、ダメージらしいダメージは一切無い。

チート万歳だ。

 

「じゃ、俺はそろそろラクサスぶっ飛ばしに―――――」

 

―――――行くぜ、と言おうとしたところで、はたと気づく。

 

「おい、ナツとガジルはどうした?」

「あの2人なら、祐一がラクリマ壊してる間にラクサス探しに行ったわよ」

 

俺の疑問にルーシィが答えてくれた。

アイツ等・・・・・抜け駆けしやがって!

 

「暴れるのは俺だっつってんだろーがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ‼」

 

先を越される訳にはいかねぇ‼

俺はホームから駆け出した。

 

 

◆◆◆

 

 

ラクサスの居場所は分かってる。

カルディア大聖堂。

奴はそこにいる。

だから俺は迷わずカルディア大聖堂へと、空を飛んでいく。

 

「バリオンフォーメーション‼」

「‼」

 

突然飛んできた魔力の砲撃を、俺は咄嗟に右手で払った。

【魔法無効化‐マジック・キャンセル‐】習得したから、わざわざ右手で払う必要は無いんだが、コレはもう癖だな、反射という奴だ。

 

「やはり、そう簡単に当たってはくれんか」

「そうこねぇとなぁっ!」

 

【舞空術】で空を飛ぶ俺と同様に、そいつ等も空を飛んでいる。

翼を生やしたフリードと、宙に浮く人形に乗るビッグスローがそこにいた。

 

「前座はお前ら2人か。ま、手間が省けていいが」

「言ってくれんじゃねぇか」

「お前の実力は認めているが、あまり我々をナメない方が良い」

「ナメちゃいねぇが、勝つのは俺だぜ」

「それがナメてるっつーんだよ‼」

 

宙に浮かぶ人形達が縦横無尽に飛び回り、俺を包囲する。

 

「シージュフォーメーション‼」

 

俺の包囲をグルグル回りながら、魔力砲撃を連発で放つ人形達。

普通なら、避ける事も防ぐことも出来ないのだろう。

 

「悪いが、もう俺にはその手の類の攻撃は効かないぜ」

 

無傷の俺にビッグスローが「なんだと!?」と、驚愕の声を上げた。

 

「お前の無効化の力は、右手だけの筈では・・・・・・?」

「無効化の力を持つ奴と先日闘ってな、覚えたんだよ」

「相変わらずのコピーか」

 

驚きはしたものの、フリードは冷静に此方の出方を窺っている。

人形をファンネルのように動かして魔力砲撃を放つ攻撃がメインのビッグスローは、この能力で攻撃パターンの殆どを封じられるが、問題はフリードだよなぁ。

アイツの魔法は【術式】。

中でも、自分や相手の身体に直接術式を書き込む【闇のエクリテュール】は厄介だ。

アレを無効化は出来ないだろうし、俺の身に書かなくても自分の身に書けばパワーアップするのだから。

 

「何処に何を仕掛けているのか分からんし、早めにケリつけるか」

 

地上には術式を設置している可能性が高い。

このまま空中戦だ。

 

「ビッグスロー、間違っても【造形眼‐フィギュアアイズ‐】は間違っても使うなよ」

「わーってるよ。使った瞬間【写輪眼】で幻術に掛けられそうだしな」

 

人形達が再び俺の周囲で動き回る。

 

「アサルトフォーメーション‼」

「闇のエクリテュール! 暗黒‼‼」

 

人形達が砲撃では無く、その体で突撃してくる。

魔力による攻撃では無く、物理攻撃を繰り出してきた。

だが、俺には全て見えている。

 

「【換装】‼」

 

剣を取り出し、飛んで来る人形達を捌く。

人形達に紛れて、フリードも俺に接近戦を仕掛けて来た。

悪魔と遜色ない見た目と能力を得たフリードの拳撃を剣で受けるが、俺が換装した剣が刃毀れを起こす。

クソ、頑丈な身体だ。

俺の身体も頑強にしないと、あのゴツゴツした皮膚に削られる。

 

「【強欲の盾】!」

 

炭素硬化能力で全身の硬度を最硬化し、その黒い拳でフリードの拳を殴り潰す。

 

「ヌッ!?」

 

この状態なら硬度は俺の方が上だ。

 

「ラインフォーメーション‼」

「!」

 

縦に並んだ人形達が魔力斬撃を飛ばし、俺の左肩に直撃した。

フリードとの攻防で出来た隙を突いた、見事な連携だ。

だが、その程度の斬撃なら俺の硬化が通さない。

それでも衝撃までは防げず、ダメージは少し通る。

 

「無効化しなかったな。やはり、何かしらの力を使っている間その無効化能力が使えないのは、右手と同じの様だ」

「なら、やりようはあるな」

 

俺に砕かれた拳を血で濡らしながら、フリードはビッグスローと連携を仕掛けてくる。

人形達が常に俺の周りを囲み、離れた位置で状況を見極めるビッグスロー。

人形の攻撃の合間を縫って、近接戦闘を仕掛けてくるフリード。

その連携は見事と言っていい。

雷神衆と名乗り、3人1組で動いているのは伊達じゃない。

 

「もういいだろ?」

「あ?」

「そろそろ俺から仕掛けても良いよな?」

 

ベクトル変換能力の【一方通行‐アクセラレータ‐】だと、コイツ等の攻撃じゃ殺すかもしれん。

仲間内での喧嘩だ。

大怪我を負わすのは阿保臭い。

 

「ヘアマリオネット」

 

ビタッ!と、宙に浮かぶフリード達の動きが停止する。

人形達も同じだ。

 

「何だ!?」

 

騒ぐビッグスロー達に返答する事無く、俺は【斬魄刀召喚】で2本の斬魄刀を召喚した。

 

「掻き毟れ、疋殺地蔵」

 

1本目の斬魄刀でフリードとビッグスローの四肢の動きを封じて、

 

「倒れろ、逆撫」

 

前後左右上下の方向を逆にして、神経を支配する。

地に落下するフリードとビッグスローを見届けて、俺も降下する。

術式が仕掛けられているかもしれないから、着地はしないでおくが。

 

「声は聞こえるな?」

 

喋る言葉も前後逆に聴かせる事が出来るが、それをやると会話も出来ないので流石にやらん。

 

「テメェ、何しやがった!?」

「お前らの四肢の信号を断って手足を動けなくして、前後左右上下の感覚を狂わせた。まともに動けんだろ?」

 

ビッグスローが人形達を動かすが、逆撫の能力で見当違いの方向へ飛んでいく。

上手く操作が出来ないのだ。

 

「ま、しばらくしたら解ける様にしといたから、俺がラクサスをぶっ倒すまで大人しくしてな」

「クソがぁ・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・」

 

通行人の邪魔にならない様に道の端へと運んでから、俺はカルディア大聖堂へと飛んでいく。

 

「ウォーミングアップは済んだな」

 

身体も暖まって来たし、さぁてラクサスをぶん殴りに行くか。

 

 

 

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