そして翌日の朝。
俺達は馬車に乗って森を進み、集合場所へと到着する。
森の中にある、何とも大きな洋館だ。
「趣味悪いところね・・・・・・」
「ブルーペガサスの、マスターボブの別荘だ」
「あいつか・・・・・・」
あんな喋り方だが、一応男だ。
「に、苦手だな・・・・・・」
「まぁ、そう言うな。アレでも、うちのマスターが手を焼いたほどの実力者だからな・・・・・・」
「意外にもな」
「そうなんだ・・・・・・」
一夜もそうだが、意外な実力者っているよな。
「ハイ! 到着‼」
「「到着‼」」
俺等がマスターボブについて語ってると、何とも陽気な声が聴こえて来た。
目を向けると、
「ハイハイハイハイ! ようこそ‼」
「「ようこそ‼」」
「フェアリー!」
「「フェアリー!」」
「テイルの!」
「「テイルの!」」
「「「皆さんんんんんんんんん‼‼」」」
スポットライトに当てられて、3人の男が姿を現す。
「「「お待ちしておりました‼」」」
みんな呆気に取られてるな。
気持ちは良く分かる。
「我ら」
「ブルーペガサスより」
「選出されし」
「「「トライメンズ!」」」
暗転し、またライトが点いた。
「百夜のヒビキ」
「聖夜のイヴ」
「空夜のレン」
ビシィッと決めポーズを取る3人に、ルーシィが「ブルーペガサスのトライメンズ!? か、かっこいい‼」と、ときめいていた。
「それに、あのヒビキって人、週ソラの彼氏にしたい魔導士ランキングで、いっつも上位にいる、あのヒビキ・レイティス!?」
「フ・・・・・・」
ルーシィの反応に、ヒビキはウインクでハートを飛ばした。
コイツも相変わらずだな。
エルザとルーシィがトライメンズに接待されて、なんかもう来る場所間違った感じになって来た。
何コレ、何此処、何処のホスト?
「君達、その辺にしておきたまえ」
更にもう1人現れた。
「な、何、この甘い声・・・・・・!?」
「一夜様」
「い、一夜・・・・・・・?」
エルザ、顔が引き攣ってるぞ。
「久しぶりだね、エルザさん」
「ま、まさか、お前が参加しているとは・・・・・・」
「会いたかったよ、マイハニー。貴方の為の、一夜でぇす!(キラメキッ‼)」
現れたのは、その甘いヴォイスとは裏腹の、ブサメンだった・・・・・・。
いやー、中の人と性格はイケメンなんだがな、コイツ。
「ッ~~~~~~~~~~~~・・・・・・・・・!」
「エルザが!」
「震えてる!?」
気持ちは良く分かる。
「まさかの」
「「「まさかの!」」」
「再会」
「「「再会!」」」
またトライメンズが何かやりだした。
「やれやれだぜ・・・・・・」
「あら、随分懐かしい顔じゃない?」
「ああ?」
一夜達の行動に脱力していると、妙に聞き覚えのある声が聴こえて来た。
腰まで伸びた長い黒髪に、黒目。色白な肌。容姿はいたって平凡だが、その色白な肌を見せつけ、男を挑発する様な露出した軽装な格好をしているこの女は・・・・・・・。
「ルーチェ・クライン!?」
「どうも、久しぶりね」
ルーチェ・クライン。
俺がこの世界に来て、初めて会った転生者。
やはりというかなんというか、歳はあまり取っていないようだ。
20歳前後といった所か。
ま、若返る能力持ってるからな。
「お前が来ているとはな」
「まぁ、ブルーペガサス最強の魔導士である私が来るのは当然の事ね!」
「【一方通行‐アクセラレータ‐】で大半の攻撃は反射できるからなぁ・・・・・・」
魔導士と言っていいかどうかは微妙だが。
「しかし懐かしいな、アレからもう13年か」
「ちょっと止めてくれない、何か一気に年取った感じになるでしょ!」
「どうせ若返ってんだろ?」
「ええ、今は20歳の身体よ!」
何でドヤ顔?
13年ロクに会ってなかったが、全く変わってないようである。
「近寄るなぁぁぁぁぁぁぁぁっ‼」
「メェェェェェェェェェェェェェェェェン‼」
あ、一夜がエルザに殴られて吹っ飛んだ。
「コレは随分ご丁寧な挨拶だな。貴様らはラミアスケイル、上等か?」
「リオン!?」
「グレイ!?」
ラミアスケイルが来たか。
てことは・・・・・・・。
「なんか五月蠅いわね」
リオンに続き、シェリーと一緒に現れたのは、黒髪のセミロングヘアにツリ目気味の黒目で軍服を着ている女。
「エリザベス・マスタング」
「ああ、アンタも来てたのね」
「俺の台詞・・・・・・だが、意外でもないか」
実力者が呼び集められたのなら、必然的にコイツも選ばれるだろう。
リオンに付いて行くと決めていたのなら、ラミアスケイルに入るのは確定だし。
「やめぇい‼」
カァンッ‼と、杖で床を鳴らし、怒声が一触即発の状態だったナツ達の空気を打ち破った。
「ワシらは連合を組み、オラシオンセイスを倒すのだ。仲間内で争っている場合か!」
「ジュラさん」
ジュラの声にリオンが戦意を押さえ、
「ジュラ!?」
「コイツがあの・・・・・・」
「ラミアスケイルのエース・・・・・・」
「岩鉄のジュラ」
リオンの言葉にエルザとトライメンズが驚愕し、
「誰?」
「聖十大魔道の1人だよ‼」
首を傾げるナツに、ハッピーが説明した。
「あたしでも聞いたことある名前だ・・・・・・」
「妖精もペガサスも5人でしたね。わたくし達は4人で充分ですわ」
「ひどいよ、オイラもちゃんと数えてよ・・・・・・・」
ハッピーは戦力とみなされてないんだな。
まぁ、いつもの事だが。
「コレで3つのギルドが―――――」
全体を見回すジュラが言葉を発するが、それを遮って「――――いやぁ、やっと着いたぞ!」と少しばかり間の伸びた声が聴こえて来て、1人の男が洋館に入って来た。
って、この声は・・・・・・・。
「もしかしてオラが最後か?」
「孫悟空!?」
「おお、祐一か! 久しぶりだなぁっ‼」
オレンジの亀仙流の道着が特徴的なこの男、まんま姿がドラゴンボールの孫悟空だ。
名前もな、いや存在がな。
エバルーの屋敷で出会ったのが最後だからな、ルーチェ程じゃないが、かなり久しぶりな感じだ。
「此処に来たって事は、お前、ギルドに入ったのか?」
「おう。クワトロケルベロスってギルドだ!」
俺と悟空の会話の間に、ジュラが「君一人かね?」と、言葉を挟む。
「確か、クワトロケルベロスからは2人選出されたと聞いたが?」
「それがよ、バッカスの奴がぶっ倒れちまってよ」
「バッカス殿が? 怪我か病気か?」
「いんや、二日酔い」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
悟空の返答に、ジュラが絶句した。
アイツ、仕事行く前に酒飲むの止めろよホント。
ジュラは「ゴホン」と咳払いで気を取り直す。
「残るわケット・シェルターの連中のみだ」
「連中と言うか、2人と聞いてまぁす」
「2人だけ?」
「こんな危ねぇ作戦に2人だけを寄越すってのか!?」
「クワトロケルベロスも本当なら2人だけみたいだし、そんなに驚く事なの?」
「悟空の強さは、たぶん俺やエリザベスやルーチェと大差ないし、バッカスもエルザと五分の実力を持つ男だ」
「そうなの!?」
首を傾げるルーシィに説明する。
つまり、たった2人でも実力は此処に居るメンバーの中で、上から数えた方が早い部類だ。
「じゃあ、ケット・シェルターの2人も相当の実力者って事!?」
「それは・・・・・・・」
どうだろうか?
1人はまぁ、原作通りだと思うが、もう1人は・・・・・・・。
チラリと、俺は同類の転生者達に視線を送る。
ルーチェとエリザベスも同じ考えの様だ。
悟空は首を傾げてたが。
つまり本来いる筈の無いもう1人は、俺達と同じ―――――
「―――――きゃあっ!?」
悲鳴と共に、盛大に床にズッコケた音が聴こえた。
「ん?」
みんなの視線が集中する。
1人の少女がハデに転んだ様だ。
「ぃ、痛ぁぃ・・・・・・・」
「大丈夫、お姉ちゃん?」
その後ろからトテトテと歩いてきて転んだ少女に声をかけるは、黒髪のショートボブで日本人形のような雰囲気の女の子。
歳は転んだ少女よりも少し下に見える。
「この気配・・・・・・」
間違いない。
「あ、あの・・・・・・遅れてごめんなさい。ケット・シェルターから来ました、ウェンディです」
「クリス・マッケンジーです」
「「よろしくお願いします!」」
挨拶する2人の少女に、みんなは絶句した。
「な・・・・・・」
「子供!?」
「女!?」
「ウェンディ?」
あのクリス・マッケンジーって娘、間違いなく転生者だ。
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