「コレで全てのギルドが揃った」
「あ、話進めるんだ」
年端もいかない少女が2人やって来て困惑する一同だが、ジュラがマイペースに進める。
「この大掛かりな討伐作戦にこんなお子様2人を寄越すなんて・・・・・・ケット・シェルターはどういうおつもりですの?」
シェリーの発言に、「あら、2人じゃないわよ。ケバいお姉さん」と訂正が入った。
ウェンディとクリスの後ろから1人やって来た。
いや、1人っつーか1匹なんだが。
それは、ハッピーやレッドと同じく、猫だ。
「猫?」とグレイが疑問系で言葉を発し、リオンが「だな」と頷き、ナツが「ハッピーと同じだ」と驚き、ルーシィが「喋ってる」と唖然とし、シェリーは「酷いですわ、ケバいなんて」とむくれた。
いや、そっちかよ。
「シャルル! 付いて来たの!?」
「当然よ、貴方達だけじゃ不安でしょうが無いモノ」
シャルルも来たか。
今の所、俺達転生者を除けば異常らしい異常は無いな。
「あ・・・あの・・・・・・私・・・戦闘は全然出来ませんけど・・・・・・皆さんの役に立つサポートの魔法はいっぱい使えます。だから仲間外れにしないでください~~」
あまりにも弱々しい声に、みんなは呆気に取られたままだ。
ああ、可愛い。
「あんた変態みたいな顔してるわよ?」
うるせーよルーチェ。
少なくともテメェみたいな変態に言われたくはねぇ。
「そんな弱気だから舐められるの、アンタは!」
「ご、ごめん・・・・・・」
「だからすぐ謝らないの!」
「ごめん・・・・・・」
「・・・・・お姉ちゃん、謝ってるよ」
「ごめ~ん・・・・・・」
「「・・・・・・ハァ」」
あのクリスって娘とシャルルの息はピッタリなようだ。
「・・・・・・あ?」
クリスが俺を・・・・・いや、俺達転生者をジッと視てくる。
何だ?
だが、直ぐにフイッと視線を外した。
「何なんだ?」
「さぁ? ケット・シェルターって確かあんまり人里の方には出てなかったんでしょ。ギルドにはあの子達しかいないんだし」
「そうだな」
このニルヴァーナ編のラストで明かされる事だな。
「自分と同じ転生者と出会ったのが初めてで、驚いてるんじゃない?」
「そんなもんか」
エリザベスの言葉で思い出すのは、俺が初めて自分外の転生者・・・ルーチェに会った時だ。
会った事は無いが、何故か知っているような感覚がして、何となく自分と同じ存在だと確信を持った、あの妙な感覚。
まぁ、自分が転生者だから相手もそうなんだと感じただけなのだが。
「さて・・・全員揃ったようなので、私の方から作戦の説明をしよう」
一夜がキラメキながら言った。
「そのポーズって必要なのかしら・・・・・・?」
「ルーシィ、ツッコむだけ時間の無駄だぞ」
意味なんてねぇから。
「まずは六魔将軍・・・・オラシオンセイスが集結している場所だが・・・・――――――」
「「「「「・・・・・・・・・・・」」」」」
「―――――と、その前にトイレの【香り‐パルファム‐】を」
「おい、そこにはパルファムってつけるな!」
普通にトイレでいいだろーが。
一夜はトテトテとキメポーズのままトイレに向かった。
「・・・・・・・・どーするよ?」
俺は小声で転生者ズに相談を持ち掛ける。
まぁ、主に原作を知ってるルーチェとエリザベスの2人にだが。
「どーするって、何が?」
「いや、確かトイレで一夜がエンジェルにやられるだろ?」
「あー・・・・そう言えばそんな感じだったわね」
「どうするよ。助けに行くべきか?」
「別にいいんじゃない。ほっといても原作通りの流れになるだけでしょ?」
エリザベスは結構どうでもいい感じだ。
「ルーチェは?」
「そうねぇ・・・・私もこのままでいいと思うわ。後で6人纏めて出てくるんだし、その時に一網打尽にしてしまえば解決するでしょ」
・・・・・・まぁ、一理あるか。
「悟空は?」
「お? 何の話だ?」
「・・・・・・悟空ってさ、フェアリーテイルって知ってるか?」
「オメェんとこのギルドだろ?」
「いや、ギルドじゃなくて、生前の原作の方の」
「・・・・・・・・・・・?」
「いや、もういいわ」
やっぱ原作知らなかったのか。
仕方ない、ここは放置で行こう。
すまんな一夜、まぁ死にはしないだろうから軽くエンジェルにボコられてきてくれ。
今度酒でも奢ってあげるから。
「私達って結構クズよね」
「まぁ、でも此処で阻止して原作の流れから大きく変動されんのも困るし」
エンジェルが一夜の思考を呼んだから、あの流れになった訳だしな。
◆◆◆
トイレから戻って来た偽一夜から作戦の説明を受けて、俺達は館から飛び出して駆けだす。
ジュラ、頑張れよ。
先行するナツを追って、俺達は走る。
目指すは、北にあるワース樹海だ。
「実際のところどう思う?」
「何だよ急に」
並走するエリザベスの言葉に首を傾げる。
「いや、ホラ、この後オラシオンセイスが現れて戦うじゃない?」
「そうだな」
「みんな苦戦して一回負けるじゃない?」
「そうだな」
「私達が負けると思う?」
「・・・・・・・・・・・・・・」
全方位を見渡し、千里眼の如く遠くを見て、透視まで出来る【白眼】を持ち、あらゆる攻撃を反射する【一方通行‐アクセラレータ‐】を使うルーチェ。
説明不要の戦闘民族、孫悟空。
瞬間錬成に焔の錬金術、ホムンクルスの7つの能力を持ち、賢者の石で命をストックしている不死身のエリザベス。
あらゆる魔法や技を見切る【写輪眼】を持ち、あらゆる技能を完成させるコピー能力【完成‐ジ・エンド‐】を使う俺。
クリスについては何も分からないが、転生者なら俺達と遜色ない強さを持っていてもおかしくは無い。
自分で言うのはアレだが、そんなアホみたいな強さを持った奴が俺を含めて5人いるのだ。
対する向こうは、強いとはいえ人数は6人。
「負ける気がしねぇな」
「どう考えても過剰戦力だものね」
まぁ、油断は禁物だがな。
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