ブルアカにTS転生してメス堕ちする話   作:アウロラの魔王

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感想いつもありがとうございます!誤字報告も感謝!

感想に面白い疑問があったので、答えちゃうじゃんね!

Q.ナギサとミサ、プロローグより仲良くなってない?

A.そう見えるよね。実際は、ミカと比べると仲良くなっていない。ナギサはまだミサバリアを突破出来ていないので、距離を詰めると踏み込んでほしくないミサが離れます。二人で話すことはあっても、二人っきりになったことは無いんですね。必ず、ミカが傍に居ます。二人で話しているとミカが絶妙に邪魔してきます。プロローグで、二人がお互いの関係性を曖昧に話すのはそういう事情があったからですね。しかも、ナギサは中等部に上がると会う時間が減り、ミサは中学の間はミカに調教されてる。

プロローグのナギサは、《ティーパーティー》のナギサと友人のナギサがせめぎ合った結果です。ナギサ視点を見ると、《ティーパーティー》として判断を下すナギサと、ミサを誤解しない人が増えたわーいと喜ぶ友人のナギサがいます。判断が甘めなのは友人補正。


6年生の話・夏

 

「授業終わった!ミサちゃん遊びに行こー!」

 

 終業のベルが鳴るなり、はしゃぐミカ。

 

「……今日、水泳あったから疲れてるんだけど」

 

「なら、パーっと遊んで疲れを吹き飛ばそうよ☆」

 

 パリピみたいな発想しやがって……。

 

「……ダメ?」

 

「はぁ、遊びに行くってどこに行くんだ?」

 

「どこか!」

 

「おい」

 

 行くよー、と教室を出て行くやたら元気なミカに、溜め息を吐きながら追いかける。

 

 

 

「……この辺来るの、はじめてだな」

 

「そうなの?」

 

 オレとミカはトリニティにあるショッピングモールに来ていた。ショッピングモールと言っても、オレの家の近くとはまた別のショッピングモールだ。家の近くの縦に広いショッピングモールと違い、こちらは横長に通路が伸びていて、周りには学園帰りの学生に溢れていた。

 

「買い物するなら、家の近くのショッピングモールで十分だからな」

 

「へぇー」

 

 興味無さそうだなこいつ。

 

「ミカはこの辺り、よく来るのか?」

 

「そうだよ!というか私の家この辺りだしね~」

 

「そうなのか?」

 

「うん、あれ」

 

「あれって……」

 

 ミカの指を差した方向を見る。そこには、ここからでも分かるほど大きくそびえ立つマンションだった。ってタワマンじゃねえか……。

 

「でかすぎんだろ……」

 

「今度来る?」

 

「……また今度な」

 

 断るのもどうかと思い、いつか機会があったときに、とは言ったもののあんなデカいマンション、近づくのも怖いな。いや、生体認証盛り盛りでセキュリティがちがちのウチのマンションも大概変だけど。

 

「それにしても、ナギちゃんも一緒に遊べたら良かったんだけどねー」

 

 ナギサは今日もお茶会で、公欠だ。最近特に多く、ミカもあまりナギサと話せてないみたいだ。そのせいなのかは分からないが、今日みたいにちょっとションボリ顔してることがある。

 

「……お茶会のし過ぎで、紅茶依存症になってなければいいけどな」

 

「ぷっあはは!なにそれー!」

 

「紅茶を飲まないと体が震え、魂が紅茶を求めてしまう奇病だ。ううっ!紅茶を求めて右手が疼く……!」

 

「あはははははっ!」

 

 ナギサ弄りでひとしきり笑った後、改めてショッピングモールを歩く。

 

「あっ……」

 

「ミサちゃん、どうかしたの?」

 

「え?いや、えっと……」

 

 オレの視線の先には、ゲームセンターがあった。しかし、仮にもお嬢様校のトリニティ生。ミカだって、お嬢様のはずだ。こんな所に、連れて行って大丈夫なのか?

 

「あー、ゲーセン行きたいの?だったら、素直にそう言ってくれればいいのにー」

 

「え、あ、うん」

 

「ふふん、ミサちゃんに私の鍛えたゲームテクを披露してあげる」

 

「ふーん?」

 

 自信満々にゲーセンに入るミカについていく。ゲーセンに入ったオレは、前世のそれと同じ空気感があるゲーセンの雰囲気に、懐かしさと感動を覚えていた。レトロな台から最新機種まで揃ったトリニティで一番大きいゲーセンらしい。

 

「世間知らずなお嬢様のミサちゃんでも、ゲーセンには興味あったんだねー」

 

「世間知らず……」

 

 言うほど世間知らずでは無いはず、確かに今世ではミカに言われるまでスマホにアプリ入れてなかったし、ミカがやりたいって言うまでコンシューマゲームも買ってなかったし、女の子の身体の洗い方もミカに教えて貰うまで知らなかったけど……あれ?

 

「どんなゲームやりたい?」

 

「どんなゲーム……」

 

 きょろきょろと辺りを見渡し、興味を引きそうなものを探す。

 

「じゃあ、あれ」

 

「あれって……ガンシュー?ゲーセン来てまで銃撃つの?」

 

「べ、別にいいだろ!気になったんだから」

 

 オレが指さした筐体に近づくと、普通のガンシューティングの筐体っぽかったが、結構前世のモノとは異なることに気が付いた。まず、用意されてる銃が複数ある。ハンドガン、サブマシンガン、アサルトライフル、スナイパーライフル、ショットガンの5つ。重さも本物と遜色ない、というか本物を使ってた。トリガーを引くと、銃に取り付けたセンサーが反応し、ゲーム画面に反映されるらしい。ゲーム画面にマーカーは出ないのでしっかり狙う必要がある。リロードもちゃんとマガジン交換しなければならないらしい。

 

「本格的すぎる……」

 

 ある意味、キヴォトスならでは、といったところなのかもしれない。

 

「ミサちゃん、どの銃使う?」

 

「……流石に、マシンガンは無いか。じゃあ、同じ長物なスナイパーライフルで」

 

「私、サブマシンガン~☆」

 

 いつも使ってる50口径重機関銃に比べたら重さが足りないけど、仕方ない。

 

 ミカがカードを筐体にかざすと、ゲームがスタートする。カードで自動決済できるのか、便利だな。

 

「よぉーし、行っくよー!」

 

 ゲーム画面では、ストーリーが流れており、仲間とはぐれたプレイヤーが森を進んで行くようだ。すると画面の奥側から人が現れ、こちらを撃ってくる。

 

「いや、いきなり撃ってくるのか……」

 

「ミサちゃん!反撃しないとやられちゃうよ!」

 

 ライフルを構え、頭を撃ち抜く。頭を撃ち抜かれた人は、そのまま倒れた。え、よわ。もう一発撃ち込もうとしたオレは、拍子抜けする。

 

「なんか敵のモデル?がキヴォトスの外の人なんだって」

 

「へぇ」

 

「銃弾一発で倒れるなんて脆いよねー」

 

 そのままゲームは進んで行き、中盤辺りから敵の数が増してきた。

 

「やーーー!!楽しーーー!!」

 

「敵漏らし過ぎだ!ちゃんと当てろ!」

 

 ミカが弾をバラ撒いて、漏れた敵をオレが頭を撃ち抜いて、確実に処理していく。ライフルを4連射し、近く敵を倒し、マガジンを交換してリロード、そしてまた連射。ライフルの戦い方じゃねえ……。

 

 そして、ゲームのラスボスを倒し画面にエンディングが流れる。

 

「あはは!すっごい楽しかったねー!」

 

「オレに雑魚処理押し付けて、ボスだけ集中狙いしやがって」

 

「てへっミサちゃんが倒してくれるし、いいかなーって。でもミサちゃん、最後のボスの生物兵器?にすっごい強かったねー!あいつ動き回ってすばしっこかったのに、ミサちゃん全弾正確に弱点に当ててたし!!」

 

「うん、まあ」

 

 褒められるのは満更じゃないので、すこし照れる。マーカー見えないからどうしようと思ったが、逆にマーカーがあったらここまで正確な射撃は出来なかったかもしれない。

 

 その後も、ゲーセン内を回りながら目に付いた筐体をプレイしていく。格ゲー、レースゲー、音ゲー、最後にはクレーンゲームもした。

 

「あー!楽しかったー!というかミサちゃんどのゲームでも強すぎだよ!?」

 

「まあ、大体反射神経が物を言うから」

 

 まさか、こんなところで前世の知識無双する羽目になるとは。知らないゲームは多かったが、経験則と知識量と反射神経で割とゴリ押しできた。前世がゲームオタクでよかった。まあ、ゲームでしか役に立たないけど。

 

「ところでクレーンゲームの景品、オレが貰ってよかったのか?」

 

 オレは手に持ったねこのぬいぐるみを見せる。

 

「もちろん!ミサちゃん欲しそうな顔してたし」

 

「ほ、欲しそうな顔なんてしてないがっ!?」

 

 ちょっと気になって見てただけだし!ゲーセンから出て、少し歩いたところでミカがあっと声を上げる。

 

「そういえば、ミサちゃん。ナギちゃんの誕生日プレゼントもう買った?」

 

「買ったけど、どうかしたのか?」

 

「うーん、私まだ何買うか決まらなくて、ミサちゃんは何買ったのかなって」

 

 なるほどな。今は7月でもうすぐナギサの誕生日だが、どうやらプレゼントを決めあぐねているらしい。ちなみに、オレは紅茶の茶葉を買った。最近、ナギサから貰ったティーセットで紅茶を淹れるのにハマっていて、紅茶の専門店にも足を運んでいて、オレのおすすめの茶葉セットをナギサに送ることにした。

 

「ナギサの誕生日明後日だけど、大丈夫か?」

 

「だから、これでも焦ってるんだよー!」

 

「去年は何送ったんだ?」

 

「かわいいペンセット!」

 

 ナギサが使ってるペン妙にかわいいと思ったら、ミカのプレゼントだったのか。

 

「毎年、見かけてこれだ!と思ったものプレゼントにするから、決まらないときは決まらないんだよね」

 

「とりあえず、アクセサリーショップ見て回ってみるか」

 

「え?いいの?」

 

「いいもなにも、最初からそのつもりだっただろ」

 

「わーい、ミサちゃんだーいすきー!」

 

「す、好き!?何恥ずかしいこと言ってんだバカ!?」

 

「えへへ~」

 

 その後、いくつかの店を回ることになった。

 

「これ、どう?」

 

「うーん、違う気がする」

 

「こっちは?」

 

「昔プレゼントしたモノに似てるから、ちょっと」

 

 うーん、難しいな。ミカの感覚がふわふわしすぎて、どういうモノを送りたいのか分からない。……ミカの感覚で選ぶんじゃなくて、あえてオレの感覚で選んだものを薦めてみるか?

 

 オレの感覚で選ぶなら、実用的なものが良いと思う。ナギサって庭いじりが趣味だって言ってたし、そっち方面でアプローチかけてみるか。

 

「ミカ、ちょっとこっち」

 

「え?どうしたの、ミサちゃん?……ガーデニング?」

 

「ナギサって庭いじり好きだろ?だから、こういうのも喜ぶかなって」

 

 それを見て、ミカは少し考えこむ素振りを見せる。

 

「でも、ナギちゃんって凝り性だから、自分で揃えてると思うけど……」

 

「もちろん、そのまま渡さない。かわいくデコればいい、ミカが」

 

 そうすれば、買ったものだろうと唯一無二だ。

 

「……そこは私がやるんだね」

 

「ミカのプレゼントを、オレがデコってどうするんだ。大体、オレがかわいくデコれるわけないだろ」

 

「そうかなぁ。でも、自分のモノをデコっても、誰かに送るモノをデコる発想は無かったなー……うん、いいかも☆」

 

 ミカは嬉しそうに、いくつかのアレンジする商品を手に取ると、会計に向かう。なんとか、良い落としどころを見つけられてよかった。このパターンだと、延々と悩みそうだったからオレのセンスで選んだものを、ミカのセンスでアレンジは良い思い付きだったんじゃないだろうか。ナイスだ、オレ。

 

「いやー、ミサちゃんに相談してよかったー!」

 

 ルンルン気分で店を出たミカがそんなことを言った。

 

「オレはアドバイスしただけだろ」

 

「そのアドバイスが助かったのっ」

 

「そうなのか。でも、相談するならできればもっと早くにしてくれれば、選択肢を増やせるんだけどな」

 

「ごめーん☆」

 

 ……次はオレから声を掛けてやるか。じゃないと、次もギリギリで聞いてきそうだ。

 

 ふと、横を見るとミカがいないことに気が付いた。

 

「ミカ?」

 

 背筋に、嫌な汗が流れる。まさか、オレを狙ってるやつか?ミカを人質に?それとも……。嫌なイメージが頭に流れる。

 

「ミカ!」

 

「あ!ミサちゃんミサちゃん!こっち!」

 

 後ろから声が聞こえて、振り返るとミカは掲示板の前に立っていた。その姿を認めて、肩から力が抜ける。

 

「……急に、いなくなるな」

 

「あれ?心配してくれたの?」

 

「ちがっ!……わない」

 

「そっか~☆」

 

「~~~っ!」

 

 顔が熱い。自分でも今顔が赤くなってるのを自覚できた。いなくて焦ったことは、絶対秘密にしておこう。余計からかわれるのが目に見えてる。

 

「そ、それより!何見てたんだよ」

 

「えー、ミサちゃん顔真っ赤だよー」

 

「いいから!!」

 

「あはは!えっとね、これ見てたの」

 

 ミカが指したのは一枚のポスターだった。

 

「……夏祭り?」

 

「うん!そう!楽しそうだよね!」

 

「楽しそう、っていうかトリニティに夏祭りなんて概念あったのか」

 

 そういうのしそうな学区と言えば……。

 

「なんか、百鬼夜行連合学院のお祭り参考にして、トリニティでもやるんだって!」

 

「へぇ……」

 

 百鬼の祭りをトリニティで、ね。ということは、当然《ティーパーティー》は認可済みって訳だ。つまり、この祭り自体に双方メリットあるわけか。そこら辺は全く読み取れないけど。

 

「ねぇ、ミサちゃん!このお祭り、3人で行こうよ!」

 

「ナギサもか?でも、アイツ時間空いてるか?」

 

「聞いてみる!」

 

 スマホを取り出し、タプタプと操作してたかと思うと、ションボリ顔になる。

 

「この日、用事があってダメだって……」

 

 そういえば、祭りっていつからだ?……明後日じゃねえか。

 

「この日ダメなら、パーティーも日にちズラさなきゃだな」

 

「うん……」

 

 ミカのことだ。どっちも楽しみだっただろうに。……ミカが悲しそうな顔をしてるのは、やだな。

 

「……なあ、ミカ。もし良かったらなんだけど、夏祭りオレと二人で行かないか?」

 

「え?」

 

 ミカはキョトンとした顔をしていた。こいつ、こっちが勇気出してるのに……!

 

「だ!だから!この日暇ならオレと夏祭り行かないかって!」

 

「えっと、ミサちゃんは私と二人でいいの?」

 

「いいもなにも、今誘ってるだろ」

 

「そ、そうじゃなくて!えっと……」

 

 ミカらしくもなく、口をもごもごと動かして言い辛そうにしている。

 

「なんだよらしくない、ハッキリ言え」

 

「その、ミサちゃんってナギちゃんのこと好きでしょ!?」

 

「…………??」

 

 ……???

 

「ごめん、なんて?」

 

「だから!ミサちゃんはナギちゃんのこと好きなんでしょ!見てたら分かるよ!」

 

 好き?オレが?ナギサを?なんで?分からない。ミカが分からない……!

 

「いや別に、普通だけど」

 

「???なんで?」

 

 なんで、はオレのセリフなんだけど。

 

「でも、ミサちゃんナギちゃんと仲良さそうだったよ?」

 

「……仲良さそうで好きなら、ミカのことも好きにならないか?」

 

「…………たしかに!!……あれ?じゃあミサちゃん、私のこと好きなの!?」

 

 だれかたすけて。

 

「両方ミカの勘違いだ」

 

「かん、ちがい」

 

「そう」

 

「ああぁぁぁ!私すごい恥ずかしい人じゃん!ミサちゃんのバカ!」

 

 オレのせいじゃない。じゃないが、突っ込むと面倒臭くなりそうだから無視しよう。

 

「罰として、私と夏祭り行って貰うからね!」

 

 さっきから一緒に行こうって言ってる。もうどうにでもなれ。

 

「じゃあ、この時間に集合!いい?遅刻厳禁だからね!?あと、さっきのことは忘れるよーに!じゃ、解散!!」

 

 言うだけ言って、ピューと走り去ってしまった。残されたオレは、謎の疲れを感じながら家路へと着いた。

 

 

 

 夏祭り、当日。

 

 去年、ミカに買ってもらった私服に身を包みながら、待ち合わせ場所に向かうとまだ誰も来ていなかった。

 

「来るの早すぎた……」

 

 30分前って浮かれ過ぎか?でも、女の子より先に着いてるのは、男ポイント高い気がするな。

 

「ふふふー♪」

 

 ミカが来るまで暇だし、この前インスコした落ちものパズルでもやって時間潰すか。

 

「ミサちゃん!ごめん、もしかして待たせちゃった?」

 

 20分ぐらいすると、ミカの声が聞こえた。これは、あのセリフ言っていいのかな!?

 

「い、いやオレも今来たところ……」

 

「ミサちゃん……手に持ってるゲームの表示20分経過してるけど」

 

「うっ」

 

 しまった!ゲームつけっぱだった!

 

「ふふふ!ミサちゃん、私が待たせたって思わないように言ってくれたんだね。ありがとう!」

 

「お、おう」

 

 そう言って笑うミカ、今日は浴衣だった。ピンク色の浴衣と黄色の帯が良く似合ってる。

 

「ミ、ミカ。その浴衣、似合ってる」

 

「ほんとー?ありがとう!……あれ?ミサちゃんは浴衣じゃないの?」

 

「え!?い、いや、オレはほら、似合わないし」

 

「えー、そんなことないよ。絶対似合うって!」

 

「それに、今から買いに行くのもアレじゃん?」

 

 見るからに、スースーしそうな服着たくない。

 

「じゃあ、今から買いに行こう!」

 

「話聞いて!?」

 

 ミカが話を聞くわけもなく、結局浴衣売ってる店まで引き摺られた。

 

「なんで、今年はあちこちで浴衣売ってるんだ……」

 

 でなければ、売ってる場所少ないからと逃げられたのに。

 

「夏祭りあるからね~。やっぱり、物珍しさが勝ったり、雰囲気味わいたい人が大勢いるんだよ」

 

「くそぅ」

 

 試着室に押し込められて、ミカに渡された浴衣に着替える。……ん?これって。

 

「ミミミ、ミカァ!これセパレートになってるんだけど!?あとフリルすごいんだけど!?」

 

「えへへ、かわいいよね」

 

「これ邪道です!せめて普通の浴衣にして!?」

 

「んー、邪道とかよく分かんないし、大丈夫だよ」

 

「何が大丈夫なの!?せ、せめてスカートはやだぁ」

 

「スパッツ履いてるから大丈夫だよ」

 

「うぅー……」

 

 結局ミカに押し切られて、ロリータファッションの浴衣を着せられた。ミカの浴衣に似た淡いピンクに、こちらの帯は赤色だった。ミカの用意してくれた下駄に履き替え、会計を済ませた後、店を出る。

 

「スースーする……」

 

「そのうち慣れるって☆」

 

 下駄をカラコロ鳴らしながら、祭りの会場に向かって歩く。

 

「この、下駄?って履物面白いねー。あはは!歩くと音が鳴るよ!」

 

「そうだな……あ」

 

「ん?どうしたの?わすれもの?」

 

 靴擦れ気を付けろって言おうとしたけど、その程度でダメージ喰らう体じゃなかった。

 

「あー、なんだろ?」

 

「……ミサちゃん、大丈夫?もしかして、無理やり浴衣着せちゃったから?ご、ごめんね」

 

「いやいや!?大丈夫!すごく元気!ほ、ほんとになんでもないから」

 

「そう?よかったぁ」

 

 ミカの安心した顔を見て、ホッとする。オレもいい加減、前世と今世を切って考えた方がいいのは分かってるんだけど、体に染みついた考えってどうにも離れないよなぁ。

 

「あ!会場見えてきたよ!ほら、ミサちゃんも早く早く!」

 

 ミカに引っ張られるように、夏祭りの会場に足を踏み入れる。

 

「わー、人いっぱいだねー!それに、外にお店があるよ!」

 

「確かに人多いな。屋台もちゃんとしたのやってる」

 

 トリニティで一か所に人が集まるのって、余程のことだからな。正月の参拝でも結構まばらなのに。

 

「ミサちゃん!見て見て!お面いっぱい!」

 

「へぇ、どれどれ……うっ」

 

 モモフレンズのお面だ。もうペロロのお面買ってった奴いるな。まさか、いるのか……?周りに目を配ると、特徴的なペロロバッグが。

 

「どうしたの?」

 

「いや、なんでも……」

 

 見なかったことにしよう。

 

 二人でモモフレンズ以外のお面を買って頭に着ける。

 

「あはは!ミサちゃん似合うー!」

 

「ぷっ!ミカもよく似合ってるぞ」

 

「ありがとー!」

 

 お互いに変なお面に笑いながら、祭りの屋台に寄っていく。

 

「これなんだろ?」

 

「金魚すくいですよ。1回いかがですか?」

 

 店主に薦められ、1回だけやってみることにした。

 

「―――あー!破れちゃった……」

 

「……」

 

 金魚すくい、懐かしいな。前世でも、よくやってたな。あれは誰と行ってたんだっけな。もう思い出せないな。

 

「ミサちゃん、すごい取ってる……」

 

「あ、やべ」

 

 考えながらすくってたら、10匹ぐらいお椀の中で泳いでいた。

 

「えーと」

 

「あ、い、1匹でいいです!」

 

「はい、ありがとうございましたー」

 

「ミサちゃん、すごーい!なんでそんなに上手なの?」

 

「え?こ、こう魚の気持ちになって?」

 

「んー、よく分かんない!」

 

 ごめん、オレもよく分かんない。すくった中から1匹選んで、詰めてもらった袋で泳ぐ金魚を見ながら口元を緩める。

 

「帰るときに、こいつ用の水槽買ってやらないとな」

 

「ふふっ、そうだね」

 

 ミカと笑いながら、会場を歩いてると後ろから誰かがぶつかってきた。

 

「ってーな!何ぶつかってん」

 

「あ‶?」

 

 思わずイラっとして、ガン付けながら後ろを振り向くとただの不良どもだった。

 

「ヒィッ、こ、光園ミサ……!?」

 

「―――だったら?」

 

「ご、ごめんなさい!今から悪いことしようとしてましたァ!」

 

「は?」

 

 なんかいきなり絡まれたと思ったら、土下座して罪の告白されたんだが。

 

「こ、これ!祭りの最後の花火を爆弾に変えたら、パニックになって面白いだろーなって思ったんです!」

 

「いや、ダメだろ」

 

 普通に危ないことしようとしてんじゃねえよ。

 

「ヒ、ヒィ……!許してください!なんでもしますから!?」

 

「は?じゃあ今すぐ自首してこいよ」

 

「し、します!あ、そこの《正義実現委員会》さん!あたしらを捕まえてください!!」

 

「え?え?」

 

 通りかかった委員会の生徒は、オレと不良を見比べて困惑してたが、仕事はするべきと判断したのか、そのまま不良どもを連行していった。

 

「……なんだったの、あれ?」

 

「……オレが聞きたい」

 

 気を取り直して、夏祭りを回ることにした。まあ、浮かれて変な奴が寄ってくるのも祭りの醍醐味なのかもしれない。

 

「あ、射的だって!見てこ!」

 

「テキヤか……」

 

 あんまりいい思い出ねえな……。先に行ったミカを追い掛けると、すでにプレイしていた。

 

「むむむ、えいっ」

 

 掛け声とともに発射されたコルク弾は、しかし明後日の方向へ飛んで行った。

 

「うー」

 

「何やってんだよ」

 

「だってミサちゃん、これちゃんと飛ばないよー」

 

「……仕方ないな」

 

 ミカの上から覆い被さるように、銃を一緒に持つ。

 

「ミミミ、ミサちゃん!?」

 

「耳元で叫ぶな……。ほら、一緒に狙ってやるから」

 

「う、うん」

 

 近くのコルクをいくつか手に取り、そのうちの一つを銃に詰める。

 

「ちゃんと脇締めろ。お前、いつもは我流で撃つから外すんだよ。たまにはマニュアル通りに撃ってみろ。ちゃんと狙って……そう。あとは、引き金を引くだけ」

 

「―――っ!」

 

 放たれたコルクは正確に景品に着弾し、倒れた。

 

「やった……当たったよ!ミサちゃん!」

 

「それはよかった。欲しかったのってそれ?」

 

「うん!ミサちゃんにあげたテディベアのピンク版!これ限定のレアカラーなんだよねー!」

 

「へぇ、よかったじゃん」

 

 喜ぶミカを見ながら、ふとあの人のことを思い出していた。オレに銃の撃ち方を教えてくれたのは、あの人だったな。今も元気だといいんだけど。左腕の銀の時計を眺めながら、そう思った。

 

「ミサちゃん?どうしたの?」

 

「あ……ううん、なんでもない。次はどこに行く?」

 

「うーん、りんご飴も気になるし、わたあめも食べてみたい!」

 

「じゃあ、順番に回るか」

 

「うん!」

 

 その後、りんご飴、わたあめ、たこ焼き、焼きそばと色々食べ歩きながら、型抜きで遊んだり、くじ引いて変な景品が当たり笑ったりした。

 

「あー、もう食べられないよー」

 

「流石のミカでも、あの量はきつかったか」

 

「だって、どれもおいしかったんだもん!」

 

「にしても、結構楽しかったな」

 

「うん!また来年もあるなら来たいね!」

 

「来年か……」

 

 呟くと同時だった。暗い空が明るくなり、大きな爆音を響かせる。

 

「あ、ミサちゃん!空!花火!」

 

「ホントだ」

 

 ミカに釣られて空を見上げると、夜空を大輪が彩っていた。来年、オレたちも中学生になるんだよな。……いつまで、ミカと居られるんだろう。原作のことだってあるし、いつかはミカもオレから離れていくんだろう。そうなったら、オレは……。

 

「……!ミカ?」

 

「えへへ、綺麗だね」

 

 オレの不安を見透かしてるかのように、手を絡めるように繋いでくるミカ。目を輝かせて花火を見るその横顔が。

 

「うん、すごく……綺麗だ」

 

 いつか来る別れだとしても、今は。

 

 

 




光園ミサ
アンニュイミサちゃん。夏が近づいてきたので、シエルのこととか前世とか色々思い出していた。シエルからのプレゼントは捨てられず、ずっと使ってる。途中会った不良は、4年生のときにボコしてトラウマを植え付けた子。当時、先輩不良十数名を全員病院送りにしている。ロリータ浴衣は邪道だと思ってる子。私はかわいければいいと思う。

聖園ミカ
タワマン住み。ミサを遊びに誘ったのは、最初からプレゼントの相談をしたかったから。ミサはナギサのことを好きなんだと思い、なんとなく邪魔してた。なんで邪魔してたのか、本人にも分からない。邪魔をしてたが、応援もしてたので遊ぶときはナギサも誘ってた。勘違いだった。恥ずかしい。射的屋でピンクのテディベアを手に入れて、ご満悦。しかし、撃った瞬間のことはミサASMRによって覚えてない模様。アンニュイミサちゃんを感じ取り、離れて行かないように手を繋いだ。

桐藤ナギサ
どんどん出番が減る子。仕方ないね。夏休みの後、二人から祝われた。もらったプレゼントは大切に使ってる。お茶会でささくれだった心を癒してくれる二人が大好き。ミサともっと仲良くなりたいが、ミサバリアとミカガードに阻まれ攻めあぐねている。


感想欄を見てると、別の視点からモノを見れて勉強になって助かる。ナギサとミサは分かり辛かったよね。ごめん。まあ、他の視点をあまり書かない、私が悪いんだけど。また答えられそうな疑問があったら、答えてあげるね☆答えなかったら、あ、答えにくいんだって思って。

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