新そうりきのグレゴリオくんつよすぎぃ。EXですら1凸しんどいじゃんね。
クソの話からの重要回。
私は今、《ティーパーティー》のとある方にお茶会に誘われ、ある場所に来ています。
「すーっはーっすーっ、失礼しますっ」
目の前の重厚そうな扉を潜り、足を踏み入れる。庭園のような所を抜けると、白いテラスでお茶をしている人を見つけます。
「……本日はお招き、ありがとうございます。ミト様」
「もう私は生徒会長ではないので、様はいりませんよ。ナギサさん」
そう、私が今いるのはフィリウス分派の"元"首長であるミト様の邸宅でした。
「無事、後任への引継ぎも終わり、今は悠々自適な学園生活を送らせて貰っています。とは言っても、あと半年もありませんが」
「……ミト様は、進学はなさらないと聞きましたが、本当ですか?」
「おや、もうナギサさんの耳にも届いたのですね。人の噂に戸は立てられないとは言いますか。ああ、ナギサさん座っても大丈夫ですよ。立ったままなのは辛いでしょう」
「し、失礼します」
私はミト様の向かいの椅子に座り、正面のミト様を見据える。今日は他に誰もいない。私とミト様だけのお茶会です。すごく緊張しますね……。
「その、すごく立派な邸宅ですね」
「ありがとうございます。ですが、この家は《ティーパーティー》の権限で貸与されたものなので、厳密には私の家ではないんですよ」
「そうだったのですか……」
《ティーパーティー》の首長ともなれば、その権限は大きいものでしょう。カードの限度額だったり、こうして家まで提供されるほどなのだから。……当然、権力の大きさに比例して責任も重くなるのでしょうが。
ふと、白いテーブルの上に一際異彩を放つ、いや異彩ではなく異常ともいうべきか。
「先程の質問ですが、私が進学しない、というのは本当です。理由はいくつかあるのですが、一番の理由は既に就職先が決まっているからですね」
「そ、そうなんですか?」
ミト様は、まるでそれが目に入っていないかのように話を続ける。わ、私がおかしいのでしょうか。私はミト様の話を聞きながら、チラチラとそれを見てるとミト様もようやくそれに触れてくれた。
「ふふっ、気になりますかこれ」
「え、ええ。それは、もちろん」
「これ、何に見えますか?」
「え」
茶色くて、太くて、とぐろを巻いていて。いや、なに冷静に観察してるのでしょうか。
「何に見えますか?」
「う、うんち、でしょうか」
ミト様の圧に負け、正直に口にしてしまう。
「ええ、そうです。うんちです」
ミト様はそう言うと、そのうんちを両手で包むように持ち上げる。
「み、ミト様!?き、汚いですよそんなの!」
「あら、汚くありませんよ。毎日綺麗にしてますから」
「毎日綺麗に!?いや、うんちですよね!?」
「ふふふふ、ナギサさん。よく見てください」
そう言って、ずいっとこちらに差し出してくる。
「うっ、臭ッ……くない?」
この独特な匂いは。
「まさか、粘土?」
「ふふ、正解です」
こうして間近で見ても、これが粘土で出来てるとは到底思えないほど真に迫ったうんちだった。真に迫ったうんちって何ですか。
「あの、どうしてこんなことを?」
「何も知らない方に、こうしてうんちの粘土を見せるのが楽しくてつい」
「それは悪趣味なので、やめたほうがよろしいかと」
元の場所へ戻ったミト様は、愛しいもののように粘土を抱えていた。
「……粘土と分かった後でも、粘土と分からないほど精巧に出来ていますね。なんというか、才能の無駄遣いを感じます」
「ぷっ、くふふふふ!無駄遣い、確かにそうかもしれません」
笑いを堪えながら、そう言うミト様はどこか懐かしむように粘土を見ていた。
「……ナギサさんは、最初にこの粘土を見た時、どう思いました?正直に言って大丈夫ですよ」
「その……汚いなと思いました」
「そうですね、うんちですから。でも、うんちだからと言って不要なものではありませんよね。田畑に肥料として撒かれたり、動物達が出したうんちが自然を育てるのですから」
「それは……そうなんですが……でも、うんちですよね」
「ふふ、そうですねうんちです。ですが『どう見えるか、ではなくどう見るか』じゃないでしょうか。ただのうんちとして見るのか、あるいは自然へ貢献する肥料として見るのか。ただ、見る角度が違うだけ、そうでしょう?」
「確かに、そうかもしれません。……でも、お茶会の席で飾るものでは無いですよね」
「……正論というのは、時として人を傷つける刃になりますよ」
拗ねたように口を尖らせるミト様。天上人のように感じていましたが、こうしてみると子供っぽくて可愛らしい方だったんですね。
こうして指摘されても、粘土を離さない辺り本当に大切なモノなんだと感じます。
「……もしかして、その粘土も例の恩人から?」
「……ええ、そうです。決して、長い時間を過ごせたわけではありませんが、あの日々もこの粘土も私の大切な宝物です」
事故に遭い、失明したミト様を救った"恩人"。以前は聞く暇が無くて聞けなかった話。今なら聞けるのでは?
「その"恩人"の話。私も聞いてもよろしいでしょうか?」
「……すこし、長くなりますよ?」
「構いません」
「ふふ、分かりました。そうですね、では私が事故に遭ったところから、語りましょうか」
◇
当時、百年に一人の才女と言われた私は、友人、家族に恵まれ幸せな日々を過ごしていました。しかし……。
―――キキィィイイイイッッッ!!!
「危ないっ!」
車に轢かれかけた友達を庇い、撥ねられた私は急いで病院へと運ばれましたが。
「両目の失明と下半身の不随!?な、治る見込みはあるんですよね先生!?」
「……残念ながら、足は手術してリハビリできたとしても、目の方は……」
「そ、そんな……」
こうして、私はたった一度の事故で友人、家族に見放され、貴族の権利も奪われ、全てを失ったのでした。
私は与えられた広い病院の個室で、たった一人暗闇の世界で蹲っていました。出された食事も喉を通らず、段々痩せていく私を見て医者も手を焼いていました。全てを失った私はその時、このまま死んでしまいたい、そう思うほどに追い詰められていました。今となっては、馬鹿な考えだったのですが。
そんなある日の事、病室の外が俄かに騒がしくなっていることに気付きました。
『―――いいですか?久しぶりの外だからといって騒いではいけませんよ?ここは病院なのですから』
『はーい!』
『この子は本当に分かっているのかしら……。貴女、この子の事を頼むわ。私は所用を済ませてくるから』
『かしこまりました、奥様』
会話の内容からして、どこかの貴族だろうか。こんな病院に一体何の用だというのだろう。ここには、私のような重病患者しかいないと聞いてるのだけど。あるいは、私と同じように怪我や病気をした子供の見舞いに来たのだろうか。いいな、私はもう見捨てられたのに。
『お、お嬢様!?大人しくしている、という約束で付いて来られたのでは!?』
『そんなもの方便に決まってるじゃーん!』
『お、お嬢様~~~っ!』
そんな声と共に病室の外がバタバタと騒がしくなる。騒がしすぎて寝ていられないので、注意しようと目を擦りながら起き上がったとき、病室の戸が開けられ誰かが入ってきた。
「およ?人が居るじゃん。おかしいな、誰もいないって聞いたんだけど」
それは、先程お嬢様と呼ばれていた子の声だった。
「あ、貴女は誰ですか?」
「人に尋ねる前に自分から名乗れよ。ここにいるってことは貴族なんだろ?」
私はその言葉を聞いて、ズキリと胸が痛んだ。
「わ、私はもう、貴族ではないので……」
震えるように紡いだ言葉に、お嬢様と呼ばれた子はふーんと興味無さげだった。なんだか、その態度に無性に腹が立ってシーツをぎゅっと握る。
「お前は貴族じゃなくなると名前が無くなるのか?」
「……記導、ミト」
そうまで言われて、私はようやく名乗った。
「あるじゃん、名前」
その声に、小憎らしく笑っているんだろうな、と私はそんなことを考えていた。
「私が名乗ったのですから、そちらも名乗ったらどうですか?」
「オレの名前?オレの名前、あー」
彼女は何故か急に歯切れが悪くなり、困ったような声を出す。
「……なんですか、実は名前が無いとは言わないでくださいよ」
先程の意趣返しも兼ねてそう言ったら、余計に困った声を出すだけだった。
「別にそう言うわけじゃないんだけど……オレ、名前を言うなって言われてるからさ」
「え?誰にですか?」
「そりゃ、親にだろ」
「……それは、知らない人に付いてっちゃいけませんみたいな話ですか?」
相手に名乗らせておいて、自分は名乗らないのはどうなんだと問い詰めるが、彼女から飛び出した言葉は私に衝撃を与えるものでした。
「いや、神秘の秘匿性がどーたらこーたらって話でよく分かんないんだけど、ホントは他の人とも話したらダメなんだよな」
話を聞くと、彼女は普段家に軟禁状態で滅多に外出を許して貰えないそうだ。今日、ここへ連れて来て貰えたのもこの病棟に誰もいないから、という理由らしい。実際には私がいたわけですが。
「そんなわけでさ、久しぶりに他人と話せて嬉しかったんだ。なにか気に障ったことを言ったなら謝るよ、ごめん」
「……いえ、私も貴女の事情を知らずに好き勝手言いましたから、そのお相子という事で」
身体が動かず自由が無い私と、家からその存在を秘匿され自由がない彼女。果たして、本当に自由が無いのはどっちだったのだろうか。結局名前の事は、好きに呼べと言われた。
「それにしても、お前なんの怪我で入院してるんだよ」
「それは……」
私は、事故に遭った事と両目と両足の事を話した。それによって、友達や家族に見捨てられた事も。今日会ったばかりの彼女にここまで話してしまうなんて、あの時は私も人との触れ合いに飢えていたのかもしれません。
「なるほどな、道理でさっきから目が合わないわけだ。目が見えてなかったのか」
彼女は私と目を合わせて会話してくれていたらしい。嬉しいと感じる反面、申し訳ない気持ちでいっぱいだった。
「私の目にはもう、暗闇しか映りません。貴女がどこにいるのかも、私には分からない」
「それなら、こうすれば分かるだろ」
そう言って彼女は私の左手を握る。左手から伝わる熱に、思わずそちらを見る。
「やっと目が合ったな」
「あ……」
「こうすれば、どこにいるか分かるし、足だって手術受けてリハビリすれば動くようになるかもしれないんだろ?なら時間が掛かるかもしれねーけど、普通の生活が出来るくらいにはなるんじゃねえかな」
こんなこと、誰もしてくれなかった。誰も、私に寄り添ってくれる人なんていなかった。これからもいないと、そう思っていた。
「……うっ……ふぅっ……くぅっ……」
「ええ!?な、なんで急に泣くんだよ!」
そんなこと、私に言われたって分からない。それでも、堰を切ったように溢れ出した涙が、ベッドのシーツを濡らしていく。私が泣き止むまでの間、彼女はずっと左手を握っていてくれていた。
「グスッ……ごめんなさい、私」
「オレは気にしてないから、別にいいけど」
短い時間だけど、分かる。それは彼女の本心なのだろう。少し話しただけでも、思ったことを口に出すタイプなんだな、と分かった。それだけに、彼女の言葉から真っ直ぐさが伝わり、心が温かくなる。
「あー、泣いて喉乾いただろうし、水飲めよ。ピッチャーはこれか……ん?」
「どうしました?」
「いや、なんでもない」
水を注ぐ音が聞こえ、「ほら」とコップを手渡してくれる。それを受け取り、のどを潤す。
「ありがとうございます。……私、足の手術受けようと思います。やっぱり、動くかもしれないのに、塞ぎ込んで自分から自由を手放したら、貴女に失礼ですから」
「もう十分失礼だけどな」
私の言葉に、彼女はそう笑った。
「目は……まぁ、見えない事にもいつか慣れるでしょう。色々と不便になりそうですが」
「……もしかしたら、目の方も何とかなるかもしれない」
「え?」
彼女の発した言葉に、私は目を限界まで見開く。医者でさえ治せないのに、まさか彼女には治す方法が?
「ああ、何とかなるって言っても、目を治す訳じゃない。たぶんだけど、目の代わりになりそうなモノ、なのかな……。とりあえず、論より証拠だな。失礼するぞ、よっと」
ギシッ、ギシッとベッドのスプリングが何度か跳ねたかと思うと、私の顔に温かい手が触れる。
「あ、あの」
「ジッとしてて」
「は、はい……」
息が掛かるほど近くから声が聞こえ、心臓がバクバクと暴走を始める。お、落ち着きなさい記導ミト。これはあくまで治療行為の一環であってそういうアレでは無いはず……。
「ミト、目を瞑ってくれる?」
「え、ええええっ!?」
目を!?この状況でするってことはそういうこと!?わ、私まだ小学生なのに大人の階段上っちゃうの!?
「落ち着いて、ゆっくり深呼吸して。そう、ゆっくり。そうしたら、目に意識を集中して」
彼女の言う通りに、深呼吸を繰り返していると目の奥がぼんやりと熱を帯びてくる。
「そのまま、目を閉じたままオレを見て」
「え?」
「いいから、オレを信じて」
目の前にいるであろう彼女を見ようと、目に意識を集中させ続けていると、突如光が差し込み視界が白く染まる。既に目を閉じているにも関わらず、目を閉じようとぎゅっと瞼に力が入る。
「大丈夫、力を抜いて」
彼女の声に安心し、瞼の力を抜くと徐々に光が晴れ、目の前のボヤけた様になり、それも徐々に輪郭がハッキリしていく。やがて、光が晴れると私は幻想的な光景を目にした。
「あ―――」
周囲に無数の光の玉の様なモノが浮かび上がり、その中心に"彼女"は居た。太陽の様に温かい彼女は、月の様な静謐さを纏って私の目の前に居た。
「どうだ?見えてるか?」
「あぁ……はい……」
腰の下まで伸びたピンクの髪が揺れ、銀の瞳が私を射抜いている。同い年かそれ以上だと思った彼女は、私よりも遥かに幼く美しい少女だった。
「そっか、それはよかった」
そう言って笑う彼女は、私が今まで見てきた芸術作品がゴミだったと思えるほど美しいモノだった。この目を開けて彼女を見たい。そう思い、目を開けると再びこの目は闇に閉ざされてしまった。
「あ、また見えなくなって」
「ふぅん?やっぱり目を閉じる事が発動条件か」
「えっと……」
私の困惑を感じ取ったのか、彼女が説明してくれる。
「聞いたことあるだろ?特殊な力、異能の力の話を」
キヴォトスでは稀に特殊な力を持つ子供が生まれる。
「まさか、私が?でも、どうして気付いたんですか?私も、家族も誰も気付かなかったのに」
「オレがこの部屋に入った時、オレの方見ただろ?目が見えてないって聞いた後、そのことが気になっててさ。確信したのは水の入ったコップを渡した時だな。見えてないのに、淀みなく受け取ったから。目ではなく、何か別の方法で無意識に見てるんじゃないかと思って」
「貴女を見たのはドアの音がしたから……」
「ドアの音が聞こえて見るのはドアの方で、オレじゃないだろ?そもそも、病院なんだから他にもドアがあるのに、この病室のドアでピンポイントに見てきたからな」
「そ、そういえば確かに」
あの時、誰かが入ってくるのを見たような気がする。
「でも、なんで目を閉じるのが発動条件だと?」
「オレが違和感を覚えたのが、起きたばかりのお前と泣き腫らしたお前。どっちも目を閉じてたからな」
「……すごい、たったこれだけの情報でその答えを導き出せるなんて」
「いや、ホントにもしかしたらぐらいの気持ちだったから、まさか本当に異能だったとは」
なんとも締まらない話だった。それでも、彼女が私に新しい光をくれたのは事実だ。
「そういえば、足の手術してリハビリと目の異能の特訓をするとして、退院したらミトはどうするつもりなんだ?」
「どうするとは?」
「だって、家追い出されたんだろ?」
「あ」
そうだった。もう私には帰るところが無い。どこか安い部屋でも探すしか……。
「特に決まってないなら、ウチが拾ってやるよ」
「―――へ?」
「だって帰るところ無いんだろ?オレだって女の子一人で放り出させやしないさ。なに、任せろって」
そう自信満々に言う彼女に、私は何かを言う暇もなく押し切られ、そして。
「このバカ娘!なにが任せろですか!また女の子拾ってきて!」
パシーン!パシーン!と病室に破裂音の様なモノが響き渡り、その度に彼女の悲鳴のようなものが聞こえた。
「ひぎぃ!?痛いー!?」
「え、えっと……」
「あ、ただのお尻ぺんぺんなのでお気になさらず」
私の困惑に、彼女のお付きらしき人の声が答える。
「なにか言い訳があるなら聞くだけ聞きますよバカ娘」
「だ、だって、困ってたし」
「おバカ!」
「痛ー!?」
その後しばらく音が鳴り続け、終わった頃には彼女の声が叫びすぎて掠れていた。
「全く……懲りない娘ですね」
「だって、どんな理由があっても、助けない理由なんてないだろ……」
「まだ言いますか……」
彼女の母親(らしき人)の声にまた剣呑さが混じり、慌てて私は間に入る。
「あ、あの!私が悪いんです!だから彼女にはこれ以上!住むところなら自分で探せますから!」
「……はぁ、何を勘違いしてるかは知りませんが、貴女を引き取らないとは言ってませんよ」
「え?」
「この娘が勝手に言った事とはいえ、一度口に出した言葉を飲み込む事は我が一族の恥。貴女は我が家で引き取り、保護します。手術が終わり次第、この者に連絡なさい。レイナ」
「はい。お嬢様のお付きをさせて頂いております、信楽レイナと申します。あ、こちら私の連絡先です」
「はぁ……あ、あの」
「はい、なんでしょう?」
レイナと名乗った少女から、硬くて薄いものを受け取る。しかし、連絡先だと渡されても今の私には困ったものだった。
「私、目が見えないので、その読めないのですが」
「それでしたら―――」
「記導ミト、貴女が持つ目の異能で見ればいいでしょう」
「―――ということらしいです」
つまり、私が異能を使いこなせるようになるまで連絡はするな、ということか。
「いや、普通に手術の日程を先に聞いてからこっちが合わせれば―――痛い!」
ゴッ、と鈍い音が聞こえた。
「ふふ、お嬢様。あれは奥様なりの気遣いですよ。目が見えないと不便だろうから、見えるようにしておけ、ってことです♪」
「あー、なるほどー」
「レイナっ!!」
……どうやら彼女の家は、かなり愉快なようだ。手術が決まってもすぐに、とはならないだろうし、経過観察も必要になるだろうから時間はある。その間に、目の異能をいつでも使えるようにしよう。
「よし!これにて一件落着っ!―――いだだだだだだっ!?」
「ああ!お嬢様の頭が万力の如く締め付けられて、奥様が鬼の形相に!」
「実況助かります」
「いえいえ」
その後、何事も無く手術を受け、手術後の後遺症の心配も無くなった私は、その日の内に連絡し彼女の家に向かいました。異能は元々無意識に使っていた節があったので、一度意識すれば短い期間で使えるようになりました。
「……ここが?」
「ええ、そうです。ようこそいらっしゃいました。私達は貴女を歓迎しますよ、記導ミトさん」
お付きの少女、レイナの車で揺られること一時間。案内されたお屋敷は、とても大きかった。まさか門をくぐってからさらに30分走るとは……。
「私の実家の何倍もあるんですが……」
「ここに来られた方は、みんな口を揃えて同じことを言いますね」
「レイナさんはここに来て長いんですか?」
「ええ、お嬢様が生まれる前から」
「そんなに……」
もしかして、実は結構高齢の方だったり……?
「今、失礼なこと考えましたね?」
「い、いえ!?そんなことは!」
あの親子のお付きだけあって、察しが良い。
車を邸宅の前に停車させると、レイナさんは車椅子を取り出してくれる。
「あ、ありがとうございます」
「これもメイドの仕事ですから、お客人であるミトさんはゆったりしていてください」
手術は無事成功したので、残るリハビリなのだが、奥様が屋敷でリハビリしても構わないと言い、お嬢様の後押しもあったので、私はこの屋敷でリハビリをしながら過ごすことになった。
「いらっしゃいミト!自分の家だと思ってくつろいでいいからな!」
玄関口からエントランスホールに入ると、お嬢様が直々に出迎えてくれた。脇には沢山のメイドが控えており、それだけで彼女の位の高さが伺える。
「あら、お嬢様。お嬢様がお出迎えにならずとも、こちらから向かいましたのに」
「レイナ、流石のオレだってそれは客人に失礼だって分かるからな。その上、ミトはオレが招いた客人だ。オレがもてなさなくてどうする」
「失礼しました。そこまで考えが至らず申し訳ありません。いかようにも罰を」
「いい、許す。というかお前に勝手に罰を下すとオレが母さんに怒られる」
「それもそうでしたね」
「おい」
くすくすと思わず笑いが込み上げてくる。私の事を思い出したのか、お嬢様は照れを隠すように咳払いをした。
「お嬢様、来るのが遅くなってしまい申し訳ありません」
「構わない。ミト、さっきも言ったが自分の家だと思って過ごしていいからな」
「はい、ありがとうございます」
私がお礼を言うと、満面の笑みを見せてくれた。目の異能を通して見る彼女の姿は、病院で見た時と変わらず、可憐なモノであった。あの時は、フォーマルな洋服姿だったのだが、今日は煌びやかなドレスに身を包んでいた。余りにも豪華なドレスに目を奪われそうになるが、それで彼女の美しさが翳るようなことは無く、むしろようやく服が彼女に釣り合ったと言えるほどだった。
「よし、今日はオレが直々に屋敷を案内してやるよ」
「よろしいんですか?」
「もちろんだ」
「おや、お嬢様。この後のお稽古は」
「よし行くぞ!」
レイナさんの言葉が言い終わらない内に、私の車椅子を押して走り出すお嬢様。
「お稽古はよろしいのですか?」
「うわぁ!普通に追いついてくるな!」
「いえ、お嬢様が遅いので」
お嬢様は「よいしょ、よいしょ」と言いながら車椅子を押していたが、自分で動かすよりも遥かに遅かった。頑張って押す姿が愛らしかったので言わなかったが。
「私が代わりに押しましょうか?」
「やだ!オレも車椅子押してみたい!」
「ですが、ナイフとフォークより重たい物を持った事が無い非力なお嬢様では」
「いや、普通にあるわそんくらい。そもそもこの前、初めてハンドガン撃てたんだからな。もう非力じゃない」
「盛大に外しましたけどね」
「うるさい!」
「申し訳ありません。いかようにも罰を」
「許す。罰は無い」
「それは残念です」
「うぐぐぐぐ……!」
仲の良いやり取りを見て、姉妹の様だと思った。
「ふふ、本当に仲がよろしいのですね」
「もちろん、お嬢様が奥様のお腹に居た頃からの付き合いですから」
「そこは普通に生まれた時でいいだろうがよ……」
「そうですね。お嬢様のおしめも変えたことがありますから」
「わぁー!?なに恥ずかしい事口走ってるんだお前は!」
「ほう!お嬢様のおしめ!」
「ミトも反応すんな!」
「申し訳ありませんお嬢様。このレイナめに是非罰を」
「許す!」
彼女たちのやり取りを見て、ふと疑問に思ったことがあった。
「お嬢様はすぐにお許しになりますが、お嬢様の性格だと腹いせに無視とかしそうだと思ったのですが?」
「ああ、それはですねー」
「……前に一度無視して放置したら、『私はご主人様に赦しも罰も与えて貰えない卑しいメイドです』なんていうふざけたプレートを付けて仕事をしやがった所為で、オレが母さんにめっちゃ怒られたんだよ……」
本当に心底嫌そうな顔で、お嬢様はそう言った。
「というか今日は一段と頻度が高いが、まだ病院で置いてったの根に持ってんのかよ」
「……いえいえまさか、お嬢様をお守りするために私がお傍に居るのに、そのお嬢様に置いて行かれたからってそんな女々しい事を私がするとでも?」
「するから困ってる」
そんなやり取りを見て、私はまた笑う。お嬢様はそんな私の姿を見て「仕方ない、今日ばかりは許してやるか」と呟いていた。
「おっと、話し込んでいたら通り過ぎるところだった。ここがリハビリルームだ。リハビリするときはここを使えよー」
「リハビリ専用の部屋があるのですか?」
「レイナに言って用意して貰った」
「用意させて頂きました」
私がこの屋敷に来るにあたって、急遽用意したらしい。
「器具は一通り揃えてあるし、レイナが有資格者だから安心してリハビリに励め」
「え?そうなのですか?」
「実はそうなのです」
お嬢様のお付きかつ護衛をこなしながらも、多芸で色んな事が出来るメイド。奥様が信頼するほどのことはあるんですね。
「よし、次はお前の部屋に案内してやる」
「お嬢様が車椅子を押すと、日が暮れてしまいますので、ここからは私が押しますね?」
「む、むぅ……わかった仕方ないな」
先程とは違い、有無を言わさぬ言葉にお嬢様は力なく頷いた。
「ふふ、その代わり部屋の案内と説明はお嬢様にお任せします」
「ま、まぁそのくらいは働いてやらないとな!」
レイナさんの言葉ですぐに元気を取り戻したお嬢様は、その後も元気よく屋敷内を案内してくれた。
こうして、私は屋敷の一員として迎えられ、日々をリハビリしながら過ごしていました。
「あれ?お嬢様?」
「おー、ミトか。どうしたんだ?」
「いえ、お嬢様をお見かけしたので声を掛けに」
私が屋敷に来てしばらく経ったある日。私は偶然、屋敷の庭で遊んでいるお嬢様を見かけて声を掛けました。
「そういえば、リハビリはどうだ?順調か?」
「はい、レイナさんの見立てだと年内には足も元通りに動かせるようになるだろう、とのことで」
あの人は、人体の構造への理解が非常に高く、とても効果の高いリハビリができました。
「そりゃよかった!……足が治ったら、やっぱり学校に復帰するのか?それとも実家に?」
「……分かりません。今更、私を見捨てた親の元へ戻りたいとも思えませんし。同様に、私を見捨てた同級生に会いたいとも思えません」
「ふーん、そっか」
そう言ってお嬢様は手元の作業を再開する。私は気になってお嬢様の手元を覗き込む。
「あ、ダメ!まだ見たらダメだから!」
と言って隠されたので、目の異能を使って見る場所を変える。するとそこにあったのは。
「……なんですか?この茶色い物体」
「あっ!"天眼"使ったな!?」
「テンガン?」
聞きなれない単語に首を傾げると、お嬢様が説明してくれた。
「ミトの目の異能の事だよ。天の眼、と書いて"天眼"。その場に居ながら、遠く離れたところも見通す眼にピッタリな名だろ?」
「名前は必要だったのですか?」
「もちろん!相手に効果的な威圧を与えることが出来るし、名前を与えることで能力への理解も深めることが出来る。そして何より―――かっこいいからだ!!」
「なるほど、それは大事ですね」
「だろ!」
確かにかっこいいのは大事ですね。それに名を与えることにより、そのような副次効果まであったとは、流石はお嬢様です。
「ところで、結局その茶色い物体は」
「……」
その顔には「誤魔化せなかったか」という感情がありありと浮かんでいた。相変わらず嘘のつけない可愛い人だ。そう思ったのもつかの間、二ッといたずらっ子のような笑みを浮かべる。
「仕方ないな、ほら!」
そう言って私に手渡したのは、茶色くて、太くて、とぐろを巻いた。え。
「―――ひゃぁあああ!?」
「ぷっはは!引っ掛かったな!……よっと!」
私はお嬢様から渡されたそれを悲鳴を上げながら放り投げると、お嬢様は見事にキャッチしながら笑っていた。
「い、今のは一体……」
「お?ちゃんと見てみるか?ん?」
「いいいえいえいえ!?だ、大丈夫です!」
「なーに!遠慮すんなって!」
再度、ずいっと差し出されたそれに私は思わず後退りしてしまう。
「お、お嬢様それは一体……」
「ん?それってなんだ?言葉にしてくれないと分からないぞ?」
「その、だから」
「うん?」
「う、うんち……です」
「その通り!うんちだ」
私は何か乙女として失ってはならないものを失った気がした。
「お嬢様は何故こんなことを?」
「いたずらをしようにも、他のメイドだとワザと引っ掛かるから面白くない。その点、ミトは期待通りの反応をしてくれて嬉しい!」
「どうして、わざわざいたずらを?」
「……またしばらく家から出られなくて退屈だからな。ちょっとくらい刺激的な事をしてもバチは当たらないだろ」
そう、彼女はこの家から出ることを許されていない。半ば軟禁状態にあった。出ることが許されるのは、奥様同伴で、向かう場所に誰もいないときだけ。この家と誰もいない場所が、彼女の世界だった。
「勉強も、もう大学生の範囲まで終わらせちゃったし、とにかく暇なんだよ。もっと構え」
彼女の強気な態度も、寂しさの裏返しだったのだと気付いた。この家のメイドはお嬢様を慕う者こそ多いものの、お嬢様と親しくしているのはレイナさんくらいだ。そのレイナさんも、あくまでメイドとして接している。それでいて姉妹の様なやり取りが出来るのは、絶妙なバランスと言ってもいい。つまるところ、お嬢様と同じ目線、対等な関係でいられる者が誰もいなかった。だからこそ私は。
「仕方ありませんね。まだリハビリ中なので、激しい遊びはやめてくださいよ?」
私は彼女と同じ目線に立とうと思った。だから、足が治っても学園には復帰せず、このまま彼女の傍に居ようと、そう考えていた。
「それなら問題ない。このうんちを持ってみろ」
「えぇ……」
私は嫌そうな顔をしたが、お嬢様はそれでも押し付けてきたので渋々受け取る。
「どうだ?」
「どうって、普通のう、うんちに見えますが」
見た目はさることながら、臭いも……あれ?
「臭いが……しない……?いえ、というよりこの臭いは、粘土?」
「うーん、やっぱり完全再現には程遠いかぁ」
「あのお嬢様、これって」
「そ、粘土で作った精巧なレプリカ」
「な、なんて才能の無駄遣い……」
「あはは!そう言うなって!」
私がその精巧さに戦慄していると、ふとお嬢様は真剣な表情になる。
「これで、お前は二つの視点を得たわけだ。うんちとして見た角度。粘土として見た角度」
「お嬢様?」
「なぁミト、うんちを見た時どう思った?」
私はお嬢様の質問の意図が分からず、首を傾げながらも答える。
「それは……汚い、と」
「確かに汚い。まぁ汚物だからな」
事も無げに肯定するお嬢様。なおの事分からず首を捻っていると。
「でも、うんちは肥やしになる。肥やしは畑に撒かれて肥料になる。あるいは草木を食べた動物が出した排泄物から、草木は栄養を吸い成長させることが出来る。どう思った?」
「え?確かに、排泄物によって自然が成長するのはすごいですね。命が循環してると言うか」
「そうだな。これでミトは新たな角度を得た。不要か必要か。それは単に見る角度が変わっただけに過ぎない。物事はどう見えるかじゃない、どう見るかだ。それは学校だって同じ事だろ?」
「お嬢様……何を……」
「……オレは、ミトは学校に戻るべきだと思うよ」
私はお嬢様の言葉に目を見開く。それによって能力が解除されるが、そんなことよりもお嬢様の言った事が信じらなかった。
「私は……あんなところに戻りたくない……!建前で甘い言葉を吐いて、本心では毒を吐いてるくせに……」
「建前か、別にいいと思うけどな。逆に聞くが、どうしてそれが建前だと分かるんだ?」
「……え?」
「だって、そうだろ?ソイツが建前で話してるのか、本心で話してるのかなんてソイツ以外知りようが無いんだから」
「それは……で、でも!」
「あー、一応言っておくがオレはどっちが良くて、どっちが悪いとかの話をしてるんじゃないからな?」
私の言いたいことを、お嬢様は先んじて潰してきた。
「それに建前だってなにも悪い事じゃない。だってそれは、相手に好かれたい、相手に気に入られたい、そういう相手に良く思われたい気持ちから生じたものなんだから」
そう言われて、ハッとなる。私もお嬢様に良く思われたい。そういう気持ちで発した言葉は、私の嫌う建前ではなかったか。そう考え、愕然とした。
「だからオレは、建前と本心に境界は無いと思ってるよ」
「境界は、無い?」
「そう、それに相手の言葉が建前だろうが本心だろうが、それは言葉の受け取り手がどう受け取るかだ。……ここに手紙がある。たぶん、お前の同級生からじゃないか?」
「……手紙?どこにそんなものが」
「ミトの病室にあったよ。お前に渡そうかずっと悩んでいた。だから、今日ミトと話そうと思って、ミトの行動を逆算してここで待っていたんだ」
ここに居たのは偶然では無かったのか。
「とりあえず、読んでみろよ」
私は天眼を発動し、震える手で手紙を受け取る。封は既に切られていた。お嬢様が先に読んでいたのかもしれない。中身を取り出すと、女の子らしい便箋が何枚か出てくる。手紙は、私が庇った友達からだった。内容は、自分を庇ったせいで大怪我を負ってしまったことへの謝罪が延々と綴られていた。紙には一度湿った後、乾いた様な痕が残っていた。……きっと泣きながら書いていたのだろう。
「ミト、それは建前か?本心か?」
「……違う、違う!ごめんなさいっ……!私っどうしてもっと早くに気付けなかったのっそうすればっ」
『ミ、ミトさん。そ、そのごめ』
『……貴女も、きっと治るなんて建前の甘い言葉を吐きに来たんですか』
『ご、ごめんなさ』
『もう、来ないで』
「うぅぅぁぁあああっ」
「ミト……」
手紙を握り締め涙を流す私を、お嬢様は抱き締めて慰めてくれていた。
「私、謝らなきゃっ。学園に、戻らないとっ」
「……学校に戻るなら、ウチがサポートするけど、どうする?」
お嬢様の言葉に一瞬揺れ動きそうになるが、首を横に振った。
「いえ、私の力で戻れなければ意味がありませんから、私自身の足で立って友達に会いに行きます」
「そっか……」
しばらく、お嬢様に抱き締められたままでいた。
「ミト?まだ無理そう?」
「そ、その、もう少しこのままでもよろしいでしょうか?」
「もう、大きな赤ちゃんだなー」
言ってから少々恥ずかしくなったものの、お嬢様に抱き締められていると、心が温かい気持ちで満たされていった。
「……なぁミト、正直な話だけどお前がオレの傍に居たいって気持ちは嬉しいよ。でも、オレはお前達にはもっと広い世界を見て欲しいよ。オレには無理な話だからさ、その分沢山の経験をして、できればオレに聞かせて欲しい"外"の世界の話をさ」
「……はい、仰せのままに。お嬢様」
その後、リハビリの甲斐もあり足を完治させた私は、しかしお嬢様の強い勧めで杖を突きながら歩くことになり、そのまま学園に戻ることになった。初めは寮に入ろうと思っていたのだが、餞別にと家を丸ごとプレゼントされてしまった。
◇
「それから、私は学園内でメキメキと頭角を現し、今に至るという訳です」
ミト様の話を聞き終えた私は、余りにも壮絶過ぎる人生に開いた口が塞がらなくなってしまった。
「ミト様、そのご友人の事は……?」
聞き辛い話題ではあるが、聞いておかねば気になって今日は眠れなさそうだったので、聞いてしまった。
「無事に仲直り出来ましたよ。今も友人で居させてもらっています」
「ほっ、そうだったんですね。安心しました」
今日はよく眠れそうだ。
「では、この粘土は別れる時に?」
「ええ、本人からすれば出来の良い一品の一つをあげた、という認識だったみたいですが、私からすれば思い出の品であり、戒めでもあります」
「戒め?」
「ええ、この粘土を見る度に物事は多角的に見るべきだと、思い出させてくれるのです」
なるほど、確かに。『どう見えるか、ではなくどう見るか』。私も見習うべきでしょうね。
「ところで、足は完治したのに何故杖を?」
「実は、この杖は仕込み杖になってまして、ヘッドの根元にあるトリガーを引くと弾が出ます」
「な、何故そんなことを……」
「だって、その方がかっこいいではありませんか」
そういたずらっ子の笑みを浮かべるミト様に、話に聞いた"お嬢様"が重なる。この人の子供っぽいところは、彼女に似たのだろう。
「ミト様は卒業後、その家に就職を?」
「ふふ、ええ。まぁ、話の流れから分かりますよね」
「ところで、話の中で"恩人"の方の名前が一切出て来ませんでしたが、一体どこの方だったんですか?資金力から言って相当位が高そうですが」
「……消されても大丈夫なら、お話しできますが、どうしますか?」
「……え、遠慮しておきます」
「賢明な判断です」
世の中、知ってはいけない事もあるんですね……。
「あ、もうこんな時間ですか」
「おや、話が長すぎましたね。まだ明るいので大丈夫だと思いますが、お気を付けて」
「は、はい!」
ふと、もう一つどうしても聞いておきたいことを思い出した。
「ミト様、どうしてこの話を私にしてくださったのですか?」
話の内容からして、その"お嬢様"は余り人に知られたくない話のはず、なのにわざわざ話すのは理由があるはずだ。
「……そうですね、私がどれだけお嬢様の事を想っているかという自慢もそうですが、貴女は彼女の事について知るべきだと思ったからですよ」
「そ、それは一体……!」
「それでは、ナギサさん。ごきげんよう」
「……ごきげんよう」
これ以上は聞けないと思った私は、そのまま踵を返し邸宅を後にした。
「そう、知るべきなんです。今彼女に近い場所に居るのは、貴女達なのですから……」
桐藤ナギサ
9割ぐらい話に関係ないけど、聞き手役として優秀だったのと、ミトとの接点が一番強かったので出てきた。
記導ミト
"元"生徒会長。"お嬢様"に救われたからこそ今がある。お嬢様大好きなガチ勢。好きすぎてうんちプレゼントした。お嬢様にバブみを感じている。彼女は私の母になってくれるかもしれない女性だ。
お嬢様
謎のピンク髪のロリっ子。オレ口調。一体誰なんだ…()。出歩くたびに女の子の脳を破壊する。魅力のステータスがカンストしている。
最近ブルアカのTS転生SSがめっちゃ増えてるらしくて、時間がある時に読みたいって思うんだけど、いつ時間が出来るんだろう()
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