Q.ミサってゲーム知ってるならツルギ達のこと覚えてないの?
ちょうど今回で中学生編終わりだし、区切り良いので答えちゃいます!
A.忘れてる。10年も前の事なのでもうほとんど覚えてない。情報を確認する手段がないし、メモも取ってないので忘れた時点で思い出す手段にも乏しい。え?なんでメモ取って無いのかって?元々関わる予定じゃなかったからじゃない?あと、キヴォトスに来てからトラブル続きでそんな余裕無かっただろうし、前世の記憶と今世の記憶がごっちゃになってるのも原因の一つ。例・あれ?ミネってどっかで見たような?一緒のクラスじゃんねあっそっかぁ。ちなみにどの時点で記憶が薄まって来てるかは、さり気なく描写してます。どこだろうねぇ。
「んんっ……ふわぁ……あふ……もう朝……」
窓から差し込む光に目を細める。時計を確認すると、もう起きて朝の準備をした方が良さそうだ。布団から出ると、冬の冷気に晒され体が震える。暖房が付いてるとはいえ、この時期に裸で寝てたら、そりゃ寒いよね。
隣を見ると、ミカがまだ寝ている。むにゃむにゃ言いながら口を動かしてる辺り、何か食べてる夢でも見ているのだろうか。私は微笑ましくなりながら、ミカに布団を掛け直すと立ち上がり、タンスから自分の分とミカの分の着替えを取り出すと、シャワーを浴びに行くことにした。
「ふぅ……あったかい……」
頭から温水シャワーを被り、冷えた体に熱が染みる。体の汚れを落としながら、今日の予定を考えた。今日は2月14日、テスト期間最終日でバレンタインデーだ。テスト期間中はえっち禁止してたから、やっと解禁だぁ~!ミカも溜まってるだろうし、今夜はいっぱいご奉仕しなきゃ。それと今年のバレンタインは、私とミカ別で作ろうって話になったから、ミカがどんなチョコ作ってきたかまだ分からないんだよね。楽しみだなぁ~。
「テストが終わった後は、ミカと二人でお買い物に行くし、ふふっ楽しみがいっぱいだなぁ」
脱衣所に戻った私は、用意した下着を身に付けていく。ミカとお買い物行くし、ちょっと気合入れた奴着けておこうかな。
「―――んっ!?」
ブラを着けようとしたら、いつものところでホックが留まらない。仕方なく一列下げ……あれ!?何とかギリギリ留められたけど、胸の所がキツイ。うぅ、この前新しいの買ったばかりなのに~……。なんとなくショーツもお尻がキツイ気がする。これが成長期って奴なのだろうか。……身長は全然伸びないのに!
怒りのまま部屋着にパパっと着替えると、脱衣所を出る。ベッドの上では、まだミカはスヤスヤと寝ていた。
「さて、朝ご飯どうしようかな」
キッチンに掛けてある私のエプロンを着けると、冷蔵庫を開けて食材を確認する。お昼のお買い物中の食べ歩きを想定するなら、朝は軽めがいいかな。レタスとトマト、確かまだ食パン残ってたしトーストして、あとはスクランブルエッグとベーコンでいいか。必要な食材を並べると、調理を開始していく。調理といっても、野菜は洗ってボウルにそれっぽく並べるだけだし、パンはトースターに入れるだけだから、実際に作るのはスクランブルエッグとベーコンだけだ。
卵を焼き始めてしばらくすると、ベッドの方でモゾモゾと動くのが見えた。
「んー……ミサちゃぁん……?」
私がベッドに居なかったからか、体をゆったり起こすと、目を擦りながら顔をきょろきょろと動かしている。流石にキッチンから離れるわけには行かないので、その場から声を掛けた。
「ミカ、おはよう。とりあえず、シャワー浴びてきたら?」
「ミサちゃん、おはよー……。……うん、そうしてこようかな……」
寝惚け目のままふらふらと、着替えを持たず脱衣所に向かっていくミカを見送る。見送ってから、先にミカの分の着替えを用意しておいて良かったと思った。
その後、出来たスクランブルエッグとベーコンをお皿に並べ、テーブルに持っていく。そのタイミングで、トースターからチン!と音を立て、こんがり焼けたトーストが飛び出してくる。このトースター、見た目はレトロなのに、結構ハイテクで助かっている。そうして、野菜とトーストを並べ終わり、エプロンを外して一息ついたところに、お風呂から上がったミカが突撃してきた。
「ミサちゃん!おっはよー!」
さっきのテンションとはえらい違いである。私は苦笑しながら、挨拶を返した。
「ミサちゃん、また着替え先に用意してくれてたんだね。すっごい助かっちゃった」
「ミカが朝弱すぎるんだよ……。いつも着替えを持たずにシャワー浴びに行くんだから」
「えへへ」
「あ、もう朝ご飯出来てるから席に着いてて」
「はーい」
ミカがテーブルに向かったのを見て、私はキッチンに向かいティーポットをテーブルに持っていく。事前に温めておいたティーカップに紅茶を注ぐと、ミカの元に置いた。
「ん~いい香り……あれ?これってもしかしてダージリン?」
「香りだけでよく分かったね?」
自分の分の紅茶も淹れ、私も席に着く。
「そりゃもちろん。でも、今の時期って丁度収穫前だよね?最近アッサムかセイロンばっかりだったし、保存してたもの?でも、香りが劣化してる様子は無いし、よくこんなの買えたね?」
「あはは、やっぱりこの時期でも飲みたくなってさ。ちょっと遠くから取り寄せたんだ。相応に値は張ったけどね」
中々に高い買い物だった。学校のカードじゃ支払えないから、黒いカードを使う羽目になったよ。
「なるほどね……ん、ふぅ……おいしい。ミサちゃん、また腕上げたね」
「生半可なモノを出すとミカに怒られるからね、頑張ったよ。……うぅ、今思い出しても辛い日々、紅茶がぬるいとカップを投げつけられ、香りがちゃんと出てないとカップを投げつけられ……」
「い、いやいや!そこまで怒った事ないからね!?」
まぁ、半分くらいは冗談だけど。
「それにしても、ミサちゃんって凝り性だよね。紅茶に限った事じゃないけど」
「あーうん、なんというか出来る事は全部やっておかないと、気が済まないんだよね」
例えるなら、RPGでサブイベントを全部消化してからじゃないとメイン進めたくない、みたいな感じだろうか。あ、いくつか積んでるゲームあるからまた消化しておかないと。
「あ、そうそう今日のテストだけど―――」
私とミカは朝ご飯を食べながら、今日のテストやそのあとの買い物の話をした。バレンタインチョコの交換は家に帰ってからにしよう、という事になった。
ご飯を食べ終わった後、学園に行く準備を始める。
「あれ?ミサちゃん、太った?」
「へぁ!?」
制服に着替える際、ミカに見られないように着替えようとしたのだが、ミカは目聡く私の変化に気付く。
「ふ、太ったわけじゃないから!」
「えー、そうかなぁ。その割にお尻のこことか、胸の辺りの肉付きが」
「ひゃあっ!?」
「あ、でも腰回りはそんなに変わって無いから、胸とお尻だけ?」
「あ……!ちょ、ま……やぁん……!」
ミカの手が私の身体を這い回る。ミカの手により、全身の性感帯が開発されてる私の身体は、一切の抵抗が出来ずされるがままになっていた。
「あれ?ミサちゃん、大丈夫!?」
「ふにゃあ……」
私の状態に気が付いたミカは、ようやく手を離した。
「うぅ……こうなるから見られたくなかったのに……」
「えっと……なんかごめんね?」
一体何に対する謝罪なの。
「その、たぶんおっぱいが大きくなって、ブラのサイズが合わなくなっただけだから」
私はとりあえず、太ってないアピールするのだった。
「あーなるほど、じゃあAからBになったんだね!」
「え?あー、うん、そうだね?」
ホントは今着けてるのがBなんだけど、それは黙っておこう。今日の帰りのお買い物でランジェリーショップに寄る話をして、学園に行く準備を終えた。
二人で家を出て学園に向かう途中、隣を横切った影見て最初は何も思わなかったが、「あれ?」と思い振り返るも既に影も形も無かった。
「ミサちゃん?」
「今、モモフレンズのバッグ背負った女の子が通り過ぎたんだけど、学園と反対方向に向かわなかった?」
「あ、そういえば。今日テスト最終日なのにどうしたんだろうね?」
ミカは、忘れ物かな?と首を傾げていた。まぁ、忘れ物ならありえるよね。でも、その女の子を見たとき妙な胸騒ぎが……何だったんだろう?
気にしすぎても仕方ないと、思考の外に追いやり、ミカと学園に向かいテストを受けた。中等部の締めくくりだけあって、問題は難しめだったけど手ごたえは十分だったし、この分ならいつも通り90後半取れるでしょ。
「ミカ~!テストどうだった?」
「いやー、結構ギリギリだったね。試験勉強の期間設けたのは正解だったかも」
テストが終わり、教室の雰囲気が緩やかになったところでミカに声を掛ける。ミカでも、今回は少々難しいと感じたらしい。ある程度、ミカと難しかった問題の所を、いくつか答えを合わせると、やっぱり余裕で90点取れそうだった。
「じゃあ、この後は予定通り街にお買い物行く?」
「行くぅ!」
やったぁ、ミカとお買い物だー。楽しみの余り、私はミカの腕にくっつく。
「えへへ、何買おうかな?ミカと何かお揃いで買う?」
「それもいいかもね!でも、その前にミサちゃんの下着買いに行こうね」
「あ、そうだった」
可愛い下着あるといいなー、と思いながら私は周りから突き刺さる視線を無視して、ミカの腕にくっついたまま街へ向かった。
街へ出ると、バレンタインだけあって色んなところでチョコが売りに出されていた。
「へー!結構色んな種類のチョコあるんだー」
「ミカ、こっちにはクッキーもあるよ」
「バレンタインって確か送るものに意味があったよね?」
「うん、クッキーは"友達でいようね"とか、マカロンは"あなたは特別な人"って意味があるらしいね。ちなみにチョコには特に意味は無いよ」
「無いんだ……じゃあどうしてチョコを送りあう日になったんだろ?」
「流石に私もそれは知らないなぁ」
まぁ、心がこもってるなら私は何でもいいと思うけど。
「あ、ランジェリーショップ」
「あれ?こんな所に新しいの出来てたんだ。しかも、知らないブランドだね。まだ無名なのかな?ショーケース見る限りだと、デザインは良さそうだけど機能性とかどうなのかな」
「ちょっと覗いてもいい?」
「もちろん、ミサちゃんの下着買いに来たんだから、ミサちゃんが気に入ったものを買おう」
「うん!」
私はミカを連れて、ランジェリーショップに入る。
「あ、お店の内装かわいい」
「結構細かいところまでこだわってる感じがするね。あ、この辺ミサちゃんに似合いそうな下着いっぱいあるよ」
「ホントだ。あ、先にスリーサイズ測ってもらうからちょっと待ってて」
「あ、うん。じゃあ、ミサちゃんが戻ってくるまで良さそうなの見繕っておくね」
私は店員さんを呼び、スリーサイズを測ってもらったら、上から72・53・68だった。2年前はほぼ50の寸胴体型だったのに、道理できつく感じるわけだ。ショーツはXSからSに変えるとして、ブラはどうするか。アンダー57って55か60かで一番迷う。仕方ない、試着して決めようかな。今後の成長見込むならC60辺りって感じもするけど。しかし、身長は伸びないのに、胸だけ大きくなりすぎ……はっ!まさかミカが言ってた揉むと大きくなるってホントだった?
「あ、おかえりー。どうだった?」
「あ、うん。やっぱり、色々大きくなってた……」
「そっかぁ!……と、ところで具体的な数字は」
「な、言う訳ないでしょ!?いくら女の子同士でも、恥ずかしいって分かるんだからね!?」
「だよねー」
「もう……!」
ミカの手を見ると、いくつかの商品を抱えていた。
「あ、ミサちゃんに似合いそうなの選んでおいたよ」
「わぁ!ありがとう!」
チラッとサイズを見ると、Bだったので後でこっそり入れ替えておこう。
「このお店、私みたいな子供体型に合う下着あるの助かるなー」
「ミサちゃん、ちっちゃいからサイズの合う下着探すの大変だって言ってたもんね」
「……XS置いてるお店自体、稀少だからね」
置いてるのは、大体Sからだ。まぁ、私みたいに中学入っても成長の遅い子なんて早々いないだろうから、仕方ないんだろうけど。そう言う意味では、お子様パンツは普通に私のサイズでも置いてるから、探さなくてもいいのは便利だった。
「……ところでミサちゃんどれくらい成長した?」
「またその話!?教えないって言ってるでしょ!」
「お、おねがい!このままじゃ気になって夜しか眠れない!」
「健康的でいいね!」
「あ、アンダーだけでもいいから~」
何故か私の腰に縋り付くほどの謎の執着を見せるミカ。
「う………………57」
勢いに圧され、私は顔を赤くし小さくそう呟いた。蚊の鳴くような声で呟いたその言葉を、ミカは聞き逃さなかったようで、驚いた顔をしていた。
「え、ホントに?」
「う、嘘言ってどうするの。別に太ったわけじゃないからね!」
「そっか、ミサちゃん成長したんだ……良がったねぇ……」
「えぇ!?」
ミカは何故か急に泣き始めた。
「ちょ、どうしたの!?今日情緒おかしくない!?」
「だって、2年前はあんなに痩せ細っていたミサちゃんが、こんなに健康的になったんだって思うと泣いちゃうよ……」
「大げさだから!も、もう!私試着してくるから、待っててね!」
さり気なく、ブラとショーツのサイズを交換して試着室に入る。
「もう、ミカには困っちゃうよね。……よいしょっと」
ブラのサイズを確認がてら、デザインも確認する。
「さすが、ミカの見立て。恐ろしいほど良く似合ってる。……んー55だとちょっときついか、60の方が良さそう」
私は確認をそこそこに試着室を出る。そこには鼻をかんでるミカが待ってた。
「あ、おかえり」
「あ、うん。やっぱり55より60が良さそうだから、取り替えてくるね」
「そうなんだ、買うものは決まったの?」
「うん、ミカが選んでくれたやつが可愛いから、これにしようかな」
「そっか、じゃあ会計終わるまで待ってるね」
その後、会計済ませてミカと合流し店を出た。買ったものが入った紙袋を抱えながら、どこに行こうかとミカと話していると、ミカの目が私の胸を見ながら話しているのに気づいた私は、ミカにデコピンした。
「―――痛い!急に何するの!」
「そんなに鋭く私のおっぱいを見つめて『何』もないでしょ」
「いやー、私が育てたんだなぁと思うと感慨深くて」
「……」
ホントに今日はどうしたんだろう。もしかして、禁欲期間が長すぎておかしくなったんだろうか?そういえば、そろそろ2週間だもんね。前は長くても1週間とかだったし、おかしくなるのも無理はない、のかな?
「ミ、ミカその……」
「ん?なに?」
「今、無理して見なくても今日の夜たくさん見せてあげる、から……ね?」
「……」
あれ?今私すごく恥ずかしい事言ったような!?私は思わず持っている紙袋で顔を隠していると、ミカが私の腕を引っ張り路地に連れ込む。そして、私を壁に押し付けると、壁ドンしてそのまま私の唇を奪ってきた。
「―――んんっ!?ん……んむ……んちゅ」
そのまま五分近く口内を蹂躙され、解放された頃には私はトロトロになっていた。
「ふぇ……???」
あまりにも急すぎて、脳の処理が追い付かず疑問符を浮かべていると、ミカが私の顎を掴み唇を親指でなぞりながら言った。
「ミサちゃん、せっかく我慢してたのに、そんなこと言われたら私……抑えられなくなっちゃうよ?ミサちゃんが誘ってきたんだし、いいよね?」
「あ、あぅ……」
「……でも、そうだね……まだお買い物終わってないし、夜までは我慢しよっか。ミサちゃんも、我慢できるよね?」
そう、耳元で囁くミカ。うぅ、やめてぇ。お腹の下がキュンキュンしちゃう♡
「……返事は?」
「は、はい……♡」
ただでさえ顔が良いのに、そんな男らしいことされたら女の子になっちゃうよ……。……ん?男、らしい……?
「ほら、ミサちゃん。まだお買い物するから行こうよ」
「あ、うん」
何かに引っ掛かりを覚えた私は、思考の海に潜り掛けたが、ミカの声で現実に引き戻される。私は火照る体を抑え、ミカの後を追い掛けた。
ミカと街を巡り、服を買ったり、お茶したりした。その途中、ミカがアクセサリーショップを見つけて入りたがったので、一緒にお店に入り見て回る。
「あ、見て見てミサちゃん!これとか可愛くない!?」
「えー?うーん、こっちの方が合いそうじゃない?」
「こっちも可愛い!」
羽用のアクセを二人でアレコレ弄っていると、ミカが何かを見つけて持って来た。
「ミサちゃんミサちゃん、これあげる」
そう言ってミカが首に巻いたのはチョーカーだった。首に巻く布は柔らかい素材で肌を痛めにくく、小さいチェーンで釣ってある星形の石が可愛い。
「なんか本物の星の欠片使ってるって書いてあったよ」
「なにそれ、胡散臭すぎじゃない?」
それ、地面砕けば「はい、星の欠片です」って出せるじゃん。近くの鏡を見ると、黒い布に首を覆われていて、まるで……。
「……まるで、首輪みたいだね?」
「―――っ!!」
ミカに耳元で囁かれ、背筋を電流が走り、頭の奥でパチッと弾ける感覚。あっ……やばい……イッたかも……。
「ふふっ、どうしたのミサちゃん?」
「にゃ……なんでもない……」
見透かすように私を見て笑ってるミカに、なんとか崩れまいと足に力を入れ、倒れないように堪える。うぅ、足がガクガクする……。
「ミサちゃんもそのアクセ気に入ったみたいだし、買っていこっか」
「そ、それは、でも、ミカに悪いよ……」
「いいよいいよ、もうすぐ高校生だし、ね?進級祝いに買ってあげる」
「で、でもこんなの恥ずかしくて他の人に見せられないし……」
他の人にも首輪みたいに思われたらどうしよう……。
「えー、じゃあ分かりやすいように名前書いとく?」
「もー!余計に首輪みたいに見えるじゃんか!」
「あはは!冗談だってー☆」
結局、ミカに押し切られるままに買って貰った。うぅ、学校のみんなに変に思われそう……。お返しに私も、ミカにいくつかアクセを見繕ってプレゼントした。ミカにも恥ずかしい思いしてもらうために、とびっきりの可愛いやつを選んであげたらすごく喜ばれた。私、人に嫌がらせする才能が無いのかもしれない。
お店を出た後も、誘われるままに色んなお店を回った。しかし、悶々としたものを抱えたままの私は、その度に早く帰ってミカとえっちしたいなぁと思ってたりもする。とりあえず、ミカに体を擦り寄せて、僅かながらに欲求を抑えた。
「きゃー!」
なんてことをしていたら、何か事件が起きたらしい。
「なにかあったの?」
「また、ゲヘナの角付き共が暴れてるみたいじゃんね」
「ふーん」
折角、ミカとお買い物に来てたのに、アイツら水を差すのだけはホントに上手いよね。これ以上、邪魔されたらムカつくし、一辺締め上げておこうか。
「―――はいストップ」
私の腕を、ミカは引っ張って戻す。なんだろうと思って、ミカを見ると苦笑してた。
「ミサちゃんが行かなくても大丈夫だよ、ほら」
ミカが目で示した先を見ると、《正義実現委員会》の黒い制服が見えた。
「きひひひひひひひっ!」
「ツルギ!あまり前に出過ぎないでください!」
「やべぇ、ツルギが出たぞ!?」
いの一番に駆け付けたのは、ツルギとハスミだった。ツルギは両手に持つ二丁のショットガンを巧みに使い、ゲヘナ生を蹂躙していく。ハスミは前に出るツルギを、スナイパーライフルで援護していた。
ツルギの登場に浮足立つゲヘナ生に、更に追い打ちが掛けられる。空から盾を構えた少女が落ちて来たのだ。
「―――救護します!」
「げげぇ!?ミネまで来やがったぞ!?」
「せ、せんぱ~い!ミネせんぱ~い!まってくださ~い!」
《救護騎士団》の中でも、すっかり札付きとなってしまったミネの登場に震え上がるゲヘナ生達。ミネの後ろから追い掛けてきてるのは、後輩だろうか?アサルトライフルの先に注射器が付いてるけど、何に使うんだろう。
「セリナ、救護を待つ者達は待ってくれませんよ!さぁ、行きます!」
「は、はい!あ、皆さんケガしても私が治すので安心してください!」
セリナと呼ばれた少女は、そう言ってミネに殴り倒された者をいそいそと治療し始めた。なるほど、ミネと違って戦闘じゃなくて治療専門なのか……いや、戦闘専門のミネがおかしいな。
「ね?」
ミカは私の言ったとおりでしょ?とウインクしてくる。
「……うん、そっか、もう私が出なくても大丈夫なんだ……」
その事に一抹の寂しさを感じている間に、ミネとツルギが大暴れして一気に事態は収束へ向かって行った。遅れて到着した委員会が後処理を行っているのを眺めていたら、ツルギと目が合った。
「……ミサ」
「あ、ホントですね。ミサさん、ミカさんこんにちは」
「ミサ達も来ていたんですね」
と、何故かミネもこっちに来た。ツルギとミネがこっちに来るものだから、野次馬がこっちに気付き、どよめく。
『おい、あれって光園ミサじゃないか?』
『ホントだ!って隣の美少女誰っ!?彼女!?』
周りがうるさい……。なんで毎日一緒に居るだけで彼女になるんだ。ちょっとミカの陰に隠れとこ。
「ハスミちゃん達もおつかれー☆最近、頑張ってるんだねー。色んな所で噂を聞くよ」
「私は、ツルギのサポートをしているだけですけどね」
「私は救護をしているだけですが?」
「……」
ミネ、お前本気でよく分からないって顔するのやめなさい。そして、ツルギは私を無言で見るな。
「今日はミサさん静かですね。というか、随分ベッタリなような……」
「あ、あはは……なんでだろうねぇ~」
「静かといえば、最近のミサは大人しいですね。前はもっと荒々しい感じだったと思うのですが」
ミネがそう言うと、みんなの視線が一斉に向けられる。な、なんで急に私に振るんだよ……!
「そうですね、前のミサさんはもっと男っぽかったような」
「べ、別に私の周りで事件が起こらなくなったから、暴れる必要が無くなっただけだし。それに……」
それに、こうして心の中はちゃーんと男らしく……男らしく?あれ?私、いつから心の中でも私って言ってた!?
「あ、あれ?」
「どうしたの?」
「あ、ううん!?なんでもない!?」
わ、わた……オレ、オレだから!わ、オレが心の中も女の子口調になったのいつからだっけ?半年前にあったツルギの件以降だったっけ?あれ以来、一切戦わなかったせい?うぅ、どうしてぇ……!
だ、だめだぁ。なんとか男口調に戻そうと思ってるのに、違和感がすごい!なんでよぉ。
「ミサちゃんが暴れる前に、ツルギちゃんやミネちゃんが片づけちゃって、ここ半年くらいはずっと平和な感じだったから落ち着いたのかもねー」
「なるほど……なぜ騎士団のミネが片づけてるんですか……」
「ハスミ、貴女は目の前で救護を求めてる人を見捨てろと言うのですか!?」
「言ってません」
わた、オレの葛藤を余所にミカ達が楽しそうに話してる。私も混ぜて~。
「そ、そういえば最近ツルギはハスミと組んでるの?」
「……あぁ、委員長がその方が良いと言ってな」
「そうですね。……なんだか色々押し付けられた気がしますけど」
ユイノ、前にハスミの面倒も見てたから丁度いいって思ったんだろうなぁ。
「そういえば、ユイノは?現場大好きなアイツが来てないなんて珍しい」
いや、現場大好きとは一回も聞いたことないけど。
「委員長なら、副委員長と一緒に書類仕事に追われてます」
「あー、なるほど。さしものユイノでも書類には勝てなかったんだ……」
「ミサちゃんは、逆に書類とかそういうの得意だよね」
「え!?」
「なんだと……」
「そうなのですか!?」
「なんでそこ驚くの……?」
私……じゃないオレが書類仕事得意なのそんなにおかしい?
「……ミサさんスペックの高さに改めて驚きますね。逆に出来ない事ってあるんでしょうか?」
「うーん、ミサちゃん最初出来ないことはあるけどいつの間にか出来てるもんね」
「これと言って思い当たることは無い、かなぁ?」
今度、出来ないこと探してみようかな。
「ユイノも忙しいみたいだし、今度息抜きにお茶誘ってあげよう」
「ええ、そうしてください喜びますよ」
「……そろそろ私達はお暇しよっか、みんな忙しいだろうし。ね、ミサちゃん」
「え?う、うん」
ある程度、話も終わったと思ったのかミカはそう言って私をんん!オレを引っ張る。
「そうですね、私もツルギも委員会の方を手伝わなければいけません」
「……壊す以外は苦手なんだがな」
「私も次の救護に向かわなければ!」
「三人とも頑張って」
「またねー」
離れていく三人を見送った後、ミカに連れられて歩く。
「ど、どうしたのミカ?」
なんだかミカの様子が変に感じたので、声を掛けたけど、「なんでもない」としか返されなかった。というか歩幅違うから、そんなに大股で歩かれたら疲れる!
「……すぅ、ふー。引っ張っちゃってごめんね、ミサちゃん」
ある程度歩いたところで、止まったミカに謝られた。
「ううん、私は大丈夫だけど……」
わたオレ、ミカに何かしちゃったのかな。
「そろそろ、日が暮れて来たし帰ろっか?」
「うん、いっぱい歩いて疲れたもんね」
ミカが差し出してきた手を握り返し、一緒に歩く。
「ミサちゃん!今日の晩御飯は何ー?」
「えー、疲れてるから出前にしない?」
「だーめ!今日はミサちゃんのご飯が食べたい気分なの!」
「もう、しょうがないなぁ」
あ、いつも通りのミカだ。よかった。
帰ってから、ミカに料理を振舞い、一緒にお風呂に入った後、チョコの交換をすることにした。
「はい!ミカ!」
「わ、わー……まるでお店のチョコみたい。え?ホントに手作り?」
綺麗に包装された箱を開けると、色とりどりのハートの形をした一口サイズのチョコレートが並んでいる。
「もちろん!上の段はミルクチョコレートで左から順に食べていくと、どんどん甘くなるよ!二段目はー、ホワイトチョコレートでー中に色々入ってるけど食べてからのお楽しみ!三段目はー苺チョコなの!」
「あれ?私の女子力、ミサちゃんに負けた?」
私は自信満々にミカに中に入ってるチョコを説明していくと、何故かミカの顔色がどんどん悪くなる。
「ミカのチョコはどんな感じ?」
「え、えーと、ミサちゃんのに比べたら全然普通なんだけど……がっかりしないでね?」
そう言って包装されたそれを渡してきた。中身は、ありふれたハート形の手作り感溢れる大きなチョコレート。
「わぁ……!かわいい!」
えへへ、これお部屋に飾ってたいなー。……あ、こういう事してるから思考が女の子に寄っていくのでは……?
「で、でもミサちゃんのに比べたら全然だよ?」
「え?なんで私?」
「なんでって……」
「このチョコは、ミカが頑張って作ってくれたんでしょ?だったら、私にとってこのチョコは唯一無二だよ!」
「……」
あ、あれ?急に静かになったけど、どうしたんだろ?
「ミサちゃん」
「ひゃわ!?え?なになに!?」
黙ってたかと思ったら、何故か急に抱き締められた。
「ねぇ、ミサちゃん。シよ?」
「え、えぇぇえええ!?急すぎない!?」
「急じゃないよ。夜になったらするって言ったよね?」
言っ……てた!あああ、あのときは流されて了承しちゃったけど、流石に今のわ……オレの状態だと恥ずかしいというかなんというか!
「わっ……!?」
ミカに引っ張られ、ベッドに押し倒されると、上からミカが覆い被さってくる。
「……やっぱり、男の子のミサちゃんが出ちゃってるんだ。だったら、また女の子のミサちゃんに戻してあげる」
な、なんでバレてるの!?あ!ヘイロー!?ば、ばかばか!ヘイローのばかぁ!顔より分かりやすく出るなよー!?
「2週間ぶりだからね、2週間ぶっ通しでもいいよね?テスト終わった後は自由登校だから、学園の事は心配しなくていいからね」
な、なんでそうなるの!?2週間は駄目!流石に死んじゃう!?なんとか拒否したいけど、私の口からは「あ」とか「う」なんて言葉しか出てこない。うぅ、嫌なのに体が期待で反応しちゃってる……。
「何も言わないってことは、いいんだ?」
「そ、その……や、優しくしてね?」
「―――無理☆」
せめてもの抵抗を、すごく良い笑顔でバッサリと斬られた私は、その後2週間外に出られなかったのは言うまでもない。
◇
『黒幕登場☆ってところかな?』
『どうして、こうなったのかな……』
『私には……もう、帰る場所が無いの……トリニティにも……どこにも……』
『すべてが虚しいことばかりのこの世界で、ただ救いを願って苦しむだけだった……』
『私が本当の、"トリニティの裏切り者"』
「―――!?」
どこか見覚えのある"イメージ"に私は跳ね起きる。今のは夢……?違う、私は覚えているはずだ。画面越しに見ていたあの光景を。
「思い、出した……そうだ、エデン条約」
ミカに犯され、酷いことされても、それでもミカから離れなかった。傍に居なければいけなかった理由。でも、なんでそうしてたか次第に思い出せなくなっていた。段々と、"原作"が思い出せなくなっていたのは気が付いていた。気付いた時には、ほとんど思い出せなくて、それでもミカの傍に居る事だけを選んだ。ミカを守る為に。オレを助けてくれたミカに、今度はオレが助けて上げたくて。
「……そうだ、
まだ断片的にしか思い出せないけど、きっと徐々に思い出せるはず。とにかく、オレがミカを"魔女"にさせない。
日付を見ると、今日は高等部の入学式だった。そうだ、今日から高校生だった。ということは、猶予は多くても一年。たしか連邦生徒会長が失踪前にエデン条約の話があって、ミカがアリウスに接触するのはその前後……のはず……。まだ一年ある、出来る事は全部やらないと!
「……でも、ミカに守られてるオレに出来るのかな……」
「ううん、絶対に出来る!そうだ!高校生になったし、もっと男らしくなろう!そうすれば、きっとミカを守れる!」
ミカとお揃いにした制服に腕を通し、引き出しの中に入れていた銀時計を取る。ずっと着けるのを迷っていた。でも、ユイノと話してようやく吹っ切れた気がする。シエルさん……今度は、ミカを守って……。オレは時計を左腕に巻くと、銃とバッグを持って家を出ようとする。
「あ……」
テーブルの上に置いていた、ミカに買って貰った星飾りのチョーカー。どうするか迷って、首回りが寂しいし着けていくことにした。
「……首輪みたいに、思われないよね?」
まだ寝ているミカに声を掛けようと思ったけど、いつまでもミカに縋っているようじゃ男らしくなれないもんね?とりあえず、朝ご飯と書置きだけして家を出た。
よーし!高校デビューだ!
プロローグに続く…
光園ミサ
懲りない女(n回目)。思い出した(思い出してない)。女の子でずっと過ごしてたら、心の中まで女の子に染まっていた。なんとか戻そうと奮闘したものの、最終的に混ざった感じに。高校デビューは失敗した(プロローグ)。こいつ、中学と同じ失敗してるな…。記憶は思い出したように見えて、断片的すぎる上に、ミカの事しか思い出していないという。こいつの原作知識使えないぞ。不安しかないエデン条約編。
聖園ミカ
禁欲はするべきじゃないと学習した女。ミサが「ゲームで見たような…?」をしてるときに見事なアシスト(妨害)を見せた。そりゃ、前世で見たことあるとは思わないし。ずっと、ミサのヘイローがピンクだったのに、急に青くなったので内心ブチギレてた。
フィジカル、メンタル共にMAXの状態で中学生編を終えたため、エデン条約編のトゥルーエンド条件が解放されました。
感想返しってしたほうがいい?
-
いる
-
いらない