ブルアカにTS転生してメス堕ちする話   作:アウロラの魔王

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主人公はいくらでも曇らせていい。古事記にも書いてある。


修行編
転生してきた話


 

 

 さて、なんでオレがブルーアーカイブの世界に来たのか。どういう経緯で今に至ったのか。説明する必要があるだろう。

 

 あれは10年前のことだった―――

 

 

 

 

 

 なんだこれ。

 昨日までは男、だったはずだ。ブルアカを起動して、デイリーを消化して……そこからの記憶が無い。まさか、寝落ち?これが夢でないならなんだというのか。

 

 震える手で頬をつねってみる。

 

「……いたい」

 

 喉から出たのは可愛らしい少女、よりも小さい幼女の声。

 

 鏡に映ったのは、ピンク髪を背中まで伸ばした銀眼の幼女。頭上にはどことなく見覚えがありそうでない青い輪っか。背中からは一対の白い翼が生えている。

 

「……うそだろ?」

 

 夢じゃない。気が遠くなりそうになりながら、何とか意識を保たせる。

 

 そうだスマホ……!

 

 ここには文明の利器がある。きっとなにかの間違いだ。震える手でロックを解除し、開いたニュースサイトには《キヴォトス》、《連邦生徒会》の文字が並び、《ゲヘナ学園》での事件や《ミレニアムサイエンススクール》で新発明の見出し。

 

 部屋の机の上には学生証があった。先程鏡で見た顔写真と《トリニティ総合学園》初等部1年生の文字。

 

 今度こそ、気が遠くなった。

 

 

 

 少しの間、気絶していたようで、目が覚めてもう一度鏡を見たが変わらず幼女。夢であることを期待したが、ダメだったらしい。思わず頭を抱えてしまった。

 

 これからのことを考えて、一気に不安が押し寄せてきた。不安を誤魔化すため、家の中を歩いてみることにした。

 

 家の中を軽く散策したが、幼女はこの家に一人暮らしのようで誰もいない。そういえば、ブルアカで家族の話って聞いたことないな。科学と魔術が交差する学園都市みたいに、キヴォトスの外にいたりするんだろうか。

 

 そういえば、自分の名前なんなんだ?いつまでも幼女呼ばわりはアレだし、確か学生証があったな。

 

「……こうその、みさ」

 

 光園ミサ。なんだろう、どこかのお姫様(ゴリラ)と間違えそうな名前してるぞ。よく考えたら、ピンクなのも一緒じゃねえか。やめてくれ、そこはトリニティでも一番避けたい場所だぞ!

 

 ……いや、待てよ?別に同年代とは限らないんだし、そもそも確実に会うような立場じゃないんだし、杞憂が過ぎるのでは?一番杞憂してた《エデン条約編》も、積極的に関わろうとしなければモブとして処理されるはず。じゃあいっかー。あーよかった。

 

 悩みが無くなったので、どうしようかと思ってると机の上の拳銃に目が向く。

 

 ……やっぱり触ってみたいよね男の子なら。

 

 とりあえず、持ち上げてみる。……そんなに重量は無い?見た感じ、普通のセミオートピストル。いや、サイズ感が小さい気がする。幼女の手でも握れるし、子供用か?まさか、おもちゃ?いやいや、ここキヴォトスだぞ。……試し撃ちしてみれば分かるか。

 

 ―――バンッ!

 

 適当な構えで適当に引き金引いたら、なんか出た。呆然として壁に出来た弾痕を見つめることしか出来ない。

 

 いや、本物じゃん……。なんか出た、じゃないよ。普通に銃弾だよ。え?もしかしてオレ捕まる?まさか7歳でムショの世話になってしまうとは……。いや、ここキヴォトスじゃん。銃撃ったぐらいじゃ捕まらないでしょ。

 

 ……心配だから、ちょっと外覗くか。

 

 ベランダから外を見れば、何事もなく歩く人々の姿。銃を撃ったこちらの事を気にした素振りはない。ホッとして、とりあえずまた銃を撃ってしまわないように、机の上に銃をそっと戻す。

 

 好奇心で動くべきではないと、学びを得てしまった。あんな迂闊な行動をとってしまうなんて。もしかしたら、無意識の内にテンションが上がっていたのだろうか。

 

 さて、寝るか。そろそろこの夢から覚めるだろう。中々に面白い夢だった。おやすみ。

 

 

 

 起きた。夢じゃなかった。どうして。どうして。

 

 どうしよう、と思っていたら下半身がブルリッと震えた。やばい、漏れそう。先に家の中探索しておいてよかった。ダッシュでトイレに駆け込み、便器の前でズボンとパンツを下ろしたところで気が付いた。

 

「むすこいねえ。どうやってトイレすんだ。―――あっ」

 

 まだ、我慢できると思ったのだが、急に尿意が高まり、しょああーっと黄金水が勢いよく流れ出す。呆然と、足を濡らしながら足元に水溜りが出来るのを眺めていた。

 

 ………………漏らしちゃった。じわりと、目に熱が溜まってくる。濡れたズボンとパンツが気持ち悪い。着替えと、あとタオルも取ってこなきゃ。

 

 

 

 自分の出したものを処理した後、自室に戻り、ベッドの上に俯せに倒れる。

 

 まさか、この年にもなって漏らしてしまうなんて、一生の恥にもほどがある。

 

 下半身丸出しでうー、と唸りながらベッドの上で転がる。着替え?かわいい女の子パンツとスカートしか見当たらなくてやめたけど?

 

「……ハッ!よく考えたら、すわってすればよかったじゃん」

 

 今更過ぎる。もっと早く思いついてよ。……もしかして、脳が変わった影響か?精神は肉体に引っ張られる、みたいなことは聞くけど、脳に記録された情報を引っ張り出してるせいだろうか。この手の分野は専門じゃないと詳しくは分からないから、何とも言えないけど。

 

 難しいことを考えるのはやめよう。眠くなる。それより、これからどうするのかを決めないと。

 

 机の上の学生証を見て、ふと思った。あれ?昨日学校行ってねえ。思わず跳ね起きて、今日の日付を確認する。8月3日。8月ってことは……たぶんどっかに行程表とかあるよな。あった、夏季休暇じゃん。安心して、どっと疲れが出た。

 

 8月31日まで休みだから、学校のことはとりあえず置いておこう。

 

 さて、明日も明後日もこの体のままなら、ここでの生活をしないといけないわけだが。となると、まず必要なのは食糧!冷蔵庫を見に行こう。

 

 冷蔵庫の中は、ジュース!以上!……。冷凍室は、アイス!以上!

 

 この体……どれだけダラダラして過ごす気だったんだ。さすがに、ごはんが無いのは困る。買いに行くしかないな。はぁ。

 

 ということは、だ。このパンツに足を通さなきゃいけないわけだ。パンツの前で、10分ほど悩み、ようやく履く決心がついた。

 

 は、履くぞ……。そっと、片方の足を入れた後、もう片方の足を入れ、ドキドキしながらゆっくりとパンツを引き上げる。一番上まで引き上げ、手を離すとぱちん!とゴムの締まる音がした。パンツ全体がお尻を覆っていて、股の部分がピッタリと張り付いてる。

 

「はいてしまった……女の子パンツ」

 

 なんだろう、いけないことをしてる感がすごい。ぺたぺたと何もない股を触る。張り付いてるせいか、より何もない感じがしてドキドキする。これ以上は、踏み込んではいけない気がする。早くスカートを履こう。スカート、を……履くのか?オレが?こっちのほうが難易度高くないか?

 

 いや、ここまで来たら何を履いても同じだ!フレアスカートを手に取り、一気に足を通す。左前でぱっと留めて、よし!なにも問題なかったな。……足がめっちゃスースーする。足を開いたら、見えてしまいそうで自然と内股になる。

 

 ……早く着替えよ。パジャマの上を脱ぎ捨て、水色のガーリーなTシャツを上から被る。あとは靴下。取り出したピンクの靴下をぺろーんと広げた。いや、なっが。くるくると足先まで通してから一気に引き上げ、もう片方も同じようにして履く。

 

 鏡の前に立ってみた。うわ、絶対領域だ。ていうか女の子腰の位置高すぎ。スカートの中見えそう。なんというか、幼女にだけ許された格好だよ、これ。

 

 サイフは、っと普通にシンプルなサイフが出てきたな。中身は、黒いカードだけ?これで支払いすんのかな。カバンはこれかな。ポーチみたいで肩に掛けれる奴だ。これにサイフとスマホと、……一応銃も入れておこう。キヴォトスなら何が起こっても不思議じゃない。

 

 準備が終わって、玄関の前にぺたぺたと歩いていく。小さなエナメル靴に足を通し、いざ!扉を開けた瞬間、熱気が押し寄せてきたので、そっと閉じた。

 

 いや、暑すぎんだろ……。そういや夏だったわ。この中を歩いて行かなきゃならないのか。嫌だぁ。でも、行かないと今日のご飯が無い。

 

 意を決して、もう一度扉を開ける。再度、熱風を浴びるが何とか耐えて外へ出た。家から出ると、長い廊下に出た。ここマンションだったのか。エレベーターを使って下まで降りると、ようやく外だ。下に来ると一層暑さが強まった気がするな……。

 

 太陽がギラギラと輝き、熱を溜め込んだアスファルトが熱気を放って蜃気楼を作っている。往来を歩く人々は忙しなく動いている。……犬と猫とロボットが歩いてるのすっごい違和感あるな。

 

 人間っぽいのは学生だけか、って言っても羽とかヘイロー付いてるけど。いや、それはオレもか。変なこと考えてないで、早く行こ。暑いし。

 

 スマホを取り出して、近場の店を検索する。すると徒歩10分ほどの所に、大型のショッピングモールがある事が分かった。とりあえず他に無さそうだし、そっちに行ってみるか。

 

 

 

 暑い。

 

 動いてるのに、暑いよ~。……動いてるから当たり前だよー。……今日の最高気温、42度!?アカン、殺しに来てる。外に出るんじゃなかった~。しぬ~。

 

 ふと、目に入ったトリニティの制服を着たお姉さんたち。お姉さんたちは日傘を差して歩いていた。オレも傘持ってきてれば、多少はマシだったかもしれない。

 

 談笑しながら歩いていくトリニティ生を見て思った。めっちゃかわいいな。普通にアイドルやってそうな顔がそこら辺歩いてるって、やばいなキヴォトス。トリニティはお嬢様学校なためか、より顔面偏差値に磨きがかかってる気がする。もう顔で選んでるだろ、って言われても仕方ないレベルだ。

 

 中身さえ……!中身さえまともなら……!今すぐ告白したい……!でも、ゲームでトリカスムーブを見た後だと、二の足踏んじゃう。にんげんってこわい。

 

 ……トリニティ。そうだよ、トリニティかわいい子いっぱいいるじゃんか!やべー所に近づかなきゃいいんだし、相手がゲームのキャラでもいいよね!お嬢様多いし、オレの男の魅力でイチコロよ!

 

「はぁ……はぁ……」

 

 やべぇ、興奮して頭が茹で立ってきた。あれ?なんか、世界もぐるぐるしてる気が。ちゃんと前見て歩かないと。あれ、前ってどっちだ。―――あれ?

 

 視界が暗転し、倒れたと思ったがあまり衝撃が来なかった。目を開けてみると、そこには黒い壁。なんだこれ?と思い上を見ると、ヘルメットを被った危なそうな人がいた。

 

「―――あ?なんだガキ」

 

 血の気が引くとはこのことか。さっきまで暑かったはずなのに、急に体が冷えた感じがする。

 

「おい、どうした」

 

「あ、姐さん。いえ、ちょっとガキが」

 

「ガキ?はーん、逃げ遅れたトリニティのガキか。かわいそうになぁ、周りから見捨てられちまうなんてよ」

 

 逃げ遅れた?周りを見て見ると、先程までたくさん人が歩いていたはずなのに、今は人っ子一人いない。嘘だろ……。

 

 姐さんと呼ばれた人もヘルメットを被っていた。よく見ると、周りの人みんなヘルメットを被ってる。こいつら、まさか……。

 

「ちょうどいい、アタシら《カタカタヘルメット団》の人質になって貰おうか。ガキがいりゃ大人しく金を出すだろ」

 

 やっぱりヘルメット団か!治安どうなってんだよ!

 

「さすが姐さん!人質なんて全く思いつきませんでした!」

 

「はははっ、褒めても弾しか出ねえぞ」

 

 や、やばい。逃げなきゃ……〈ダァンッ!〉ぴゃ!?足の間に銃弾が撃ち込まれ、足元から煙が立ち込めている。オレは驚いて腰が抜けてしまい、尻もちついてしまった。

 

「おっと?どこに行くんだ?大人しくしてれば危害は加えねえよ」

 

 そうだ、銃!ポーチから銃を取り出し震える手で構える。

 

「ソイツは何のマネだ?」

 

「く、くるな!それ以上ちかづいたら、う、うつぞ!ほんきだからな!」

 

「へぇ?いいぜ?撃てよ。但し―――ソイツを撃った瞬間、アタシもお前を撃つ」

 

 そう言って、手に持っていたポンプ式ショットガンの薬室に弾を送り込む。

 

 本気だ、コイツ。この世界では、銃は威嚇になり得ない。撃って、撃たれるのは当たり前で。銃は戦いの道具で、銃は力だった。銃を構えてから気付くなんて、遅すぎる……!

 

 どうしよう。撃つのか?でも人を撃つどころか、銃をまともに撃ったことないのに。それに、撃てば、撃たれる。当たり前だ。撃たれたら、きっと、すごく痛い。でも、今撃たなかったら……きっと次も撃てない。この世界でそれは致命的欠陥だ。だから―――撃つ。

 

 撃たなきゃ。

 

 ―――撃てッ!  〈バンッ〉

 

 ヘルメット団の女が持っていたショットガンに比べれば、軽い音がするそれは(くう)を切り、空の彼方へ飛んで行った。

 

「―――やるじゃねえか」

 

 ヘルメットに隠れて見えないが、なぜか笑ってる気がした。

 

「度胸は買ってやる。だがな、次からは―――ちゃんと敵を見て(・・・・)撃つんだな」

 

 そう言ってショットガンを構えた女はゆっくりと、銃を構えたまま動かないオレの胸元へ照準を合わせる。

 

「安心しな、一撃で眠らせてやるよ」

 

 その瞬間だった。一発の銃弾が、ヘルメット団の一人に直撃した。

 

「なんだ!?」

 

 ヘルメット女は直ぐさま銃を引き、弾が飛んできた方向へ向ける。そちらからは、黒いセーラー服の一団が走って来てるのが見えた。

 

「あれは、チッ《正義実現委員会》の連中か。しかし、来るのが早すぎるな。どうやって正確な位置を……」

 

 女はハッとしてオレを見てくる。

 

「そうか、成程な。全く、運が良いんだか悪いんだか。―――お前ら!委員会相手は分が悪い!退くぞッ!」

 

「―――待ちなさい!撃てーっ!」

 

 女は他のヘルメット団を引き連れ、即座に撤退していった。そこへ、委員会がアサルトライフルを持って追撃を仕掛ける。

 

「君っ大丈夫!?ごめんね、来るのが遅れちゃって……っ。君、泣いてるの?」

 

 委員会の制服を着た一人が、オレの所へ来てそう言った。泣いてる?言われて初めて、自分が涙を流してることに気が付いた。

 

「あ、オレ……っ」

 

「そっか、そうだよね。ごめんね、怖かったよね。もう大丈夫だから」

 

 委員会の少女は、構えたままだった銃をそっと下ろしてくれた。

 

「はじめて、人に、銃をっ」

 

「うん、うん。君が空に銃を撃ってくれたおかげで、私たちもすぐに駆けつけることが出来たんだ」

 

 あの時の……。

 

「我々《正義実現委員会》は、貴女の勇気に敬意を表します。委員会を代表して、感謝を」

 

「うっ、ぐすっ……」

 

「今は、ゆっくり泣いていいからね」

 

 

 

 

 落ち着いた後、椅子を用意してもらい、そこに座って委員会の人が慌ただしく動いてるのを眺めていた。さっきの少女は、「私が傍に付いてるから大丈夫だよ」と言ってオレの近くにいる。

 

 近くに置いた銃を見てから、自分の両手を見つめる。落ち着いてから、ようやく手から銃を離すことが出来た。まさか、二日目でいきなり人に向かって発砲することになるなんて……キヴォトスの治安の悪さをナメていたかもしれない。

 

『全く、運が良いんだか悪いんだか』

 

 運が良かった。委員会に助けられたことも、銃を撃ったことも、……あの女に出会ったことも。すべて。でなければ、今も勘違いしたままだったかもしれない。

 

 この世界は、透き通る世界であっても、都合のいい世界じゃない。……前世で見た4thPVのバッドエンドラッシュ。最終編の最後まで見ることは叶わなかったが、あれはきっと失敗した世界。実際に起きたことなんだろう。"先生"がいなかったのか、あるいは"先生"がいてもどうにもならなかったのか。一種のボタンの掛け違いなのかもしれない。そして、それはいつのことであっても起こりうるはずだ。

 

 あのヘルメット女は、それを教えてくれた。今後のオレに必要なものも。

 

 まずは、銃の扱い方だ。ちゃんと銃が撃てるようにならなければ、このキヴォトスでは話にならない。次に銃。もっと威力が高くて強い銃がいる。今回は委員会が助けてくれたが、次があると思ってはいけない。一人でも倒せるだけの力を付けなければ。このキヴォトスで生き抜けるだけの力を。

 

「―――委員長!」

 

「なんとなく、何を言うのか分かりますが、どうしました?」

 

 思考の海に沈んでいたら、急な大声で現実に引き戻された。声の方に顔を向けると、そこにはさっきの委員会の少女が……えっ?あの人、委員長だったの!?さっきは見る余裕なかったけど、めっちゃ美少女。

 

 委員会の黒セーラーに、肩からカーディガンを羽織っており、黒髪を肩口で切り揃えた。全体的に物静かな雰囲気であるのに、佇まいがタダ者ではない。

 

「はっ!ヘルメット団以下6名を捕らえましたが、リーダー他数名は追撃を振り切り、雲隠れした模様です!捜索部隊を出しますか?」

 

「―――いえ、やめておきましょう。追い詰められたあの女が何をするか分かりません。それより、あの女が率いたヘルメット団の犯罪を未然に防げたことの方が大きいでしょうね。これで、しばらくは大人しくしてくれればいいのですけど」

 

 よく聞こえないけど、あの女って姐さんって呼ばれてたやつ?話してる口ぶりからするに、アイツやべーやつだったのか!?

 

「他の部隊にも撤収指示を、捕らえたヘルメット団も護送しておいてください」

 

「はっ!了解しました!」

 

 少女―――委員長さんは部下に微笑みかけると、こちらに戻ってくる。

 

「一人にしちゃって、ごめんね」

 

「あ、いえ、それより委員長さんだったんですね」

 

「ああ……別に隠してたって訳じゃないんだけどね。私自身、そう名乗るのに足るのかなって思うから」

 

「そんなことない!委員長さんすごくかっこよかった!……あ、ご、ごめんなさい」

 

「ううん、そう言って貰えてすごくうれしい!」

 

 キョトンとした顔のあと、綺麗な笑顔を見せる委員長さん。あまりに綺麗だったので、ドキッとしてしまった。

 

「私たちはそろそろ戻る予定だけど、君はどうする?良かったら、お姉さんが家まで送ろうか?」

 

「えっ!?」

 

 助けてもらったのに、流石にそこまでしてもらうのは忍びない。それに、家に戻る前に行っておきたい場所がある。善意で言ってくれてるのに申し訳ないけど、断らせてもらおう。

 

「その、ごめんなさい。まだ用事があるので」

 

「そうなの?もし良かったらお姉さんが付いていこうか?」

 

 委員長さんがサファイアブルーの瞳で覗き込んでくる。これは、顔面の暴力……!

 

「大丈夫!委員長さんのおかげで元気になったし」

 

 椅子から飛び降りて、銃をポーチにしまいその場から離れようとする。

 

「あ、そうだ。委員長さん、助けてくれてありがとうございました!オレ、委員長さんみたいなかっこいい人になれるように頑張ります!それじゃ!」

 

「あっ。……かっこいい人、か。ふふっ」

 

 

 

 

 委員長さんと帰れば安全に帰れたかもしれないが、やはりずっと頼りっぱなしというのは男が廃るというものだろう。強くならねば。あのヘルメット女も次会ったときはぎゃふんと言わせてやる!

 

 そう思い、やって来たのはガンショップ。銃を売ってるお店だ。

 

 ここに来た目的は、さっき考えていた銃の問題を解決するためだ。早くに解決するに越したことは無いので、早速買いに来た。

 

 店内を物色しながら、目的のモノに合いそうなものを探す。アサルトライフル……却下、サブマシンガン……却下、ショットガン……。ショットガンか、威力は悪くはないんだが、いかんせん連射力と射程が無さ過ぎる。セミオートなら連射力を上げられるが、集弾性が落ちる上、威力も落ちる。集弾性が落ちれば射程も落ちる。うーん却下で。スナイパーライフル、威力は高く射程が長いがやっぱり連射力が足りないし、もっと弾数欲しい。グレネードランチャー……自爆しそう、却下。ロケットランチャー……同じく、却下。

 

 マシンガン、やっぱり探すならこの中かな。……ん?

 

「でっか、なんだこれ」

 

 明らかに場所を取り過ぎな純白のマシンガンがあった。……これ、前世のFPSで見た覚えあるぞ。持って歩くものじゃなくて、設置物だったり、戦艦に取り付けてあるような、いわゆる重機関銃と呼ばれる大型銃だ。使用弾薬、12.7×81mm……これ50口径の方じゃん。50口径といえば対物ライフルやマグナムなどの高威力の銃に使われる弾と同じものだ。厳密には違う弾種だが。流石重機関銃。威力は対物ライフル、射程も元々長距離で撃ち合うものだから申し分ない、連射力は折り紙付き、弾数も多い。……まさか運命に出会ってしまったか?気になるお値段は……は?

 

「高すぎんだろ……。他の銃と比べても、全然桁が違うじゃん」

 

 しかし、これを逃せばもう出会えなくなるような。そんな予感がした。

 

「店員さん!これください!」

 

 呼ばれたロボット店員は目を丸くした。

 

「た、大変申し上げにくいのですが……こちら、お客様のお体に合ってないと思いますが……」

 

「これから成長します!」

 

「そそれに、こちら大変重量がありまして、お持ちになれないかと……」

 

「それくらい!ふんっ……え、重」

 

「約30kgでございます」

 

 重すぎィ!でも持つゥ!レールガンに比べれば軽い軽い!

 

「ふんぎぎぎ!も、持ったぞ……!」

 

「いや、目が血走ってる上にすごい汗が」

 

「支払いおねがいします!」

 

「あ、はい」

 

 勝った!めっちゃ重たかったが、なんとか会計に移動した。

 

「支払いはなにでなさいますか?」

 

 あ、今更ながらこの黒いカード使えるのかな?

 

「このカードでお願いしたいんですけど」

 

「はい、お預かりしま―――え!?」

 

 店員、カード見て固まったんだが大丈夫か?もしかして使えないカードだったんだろうか。

 

「店員さん?」

 

「はっ、失礼致しました。コチラお預かりさせて頂きます」

 

「限度額届きそうなら、分割で」

 

「いえ!こちらのカードは限度額が無いのでお支払い出来ますよ!」

 

 え?そうなの?それって金色のカードじゃなかったっけ?まぁ、使えるならいっか。

 

「じゃあそれで」

 

「はい。弾薬もご一緒にいかがでしょう?」

 

「え、お願いします。あ、筋トレグッズとかあります?」

 

「はい、ございます。そちらもご一緒で?」

 

「お願いします」

 

「今お買い上げになられた商品。こちらで御自宅まで配達を依頼しておきましょうか?」

 

「え?おねがいします?」

 

「はい、かしこまりました!」

 

 

 

「ありがとうございましたー!またのご来店をお待ちしております!」

 

 ……なんか急に態度変わったような。まぁ、銃買えたからいっか。

 

 よし、次行くか!

 

「たのもーっ!」

 

「いらっしゃいませー」

 

「髪切ってください!」

 

 というわけで来たのは美容院。髪鬱陶しいからな、バッサリ行こうと思う。

 

「かしこまりましたー。本日のカットはいかがなさいますか?」

 

 かっと?髪型の種類?……考えるのめんどくさいな。

 

「ボーズで!」

 

「なるほど、坊主……ってええ!?お、お客様、流石に坊主は……ベ、ベリーショートなどいかがでしょう?」

 

「あ、じゃあそれで」

 

 髪のことよく分からないし、おまかせでいいか。

 

 

 

「―――はい、終わりましたよ」

 

「んえっ」

 

 やばい、完全に寝てた。散髪してるときってなんでか眠くなる。と正面の鏡には少年のような風貌の少女が。

 

「おおー」

 

 見た目が完全にショタだな。っていうか今の格好だと女装にしか見えねえ。あとでズボンも何着か見繕っておこう。

 

「いかがですか?」

 

「めっちゃいい!あ、支払いはカードで」

 

 この見た目なら、成長すればなかなかのイケメンになりそうだ。

 

「っ!?はい、カードのお支払いですねっ……完了しました。ありがとうございましたー」

 

 めっちゃ顔引き攣ってますけど。このカード、マジでなんなんだ……。

 

 

 

 あとは服買って……。とそこでお腹がぐぅ~っとでかい音を鳴らす。

 

 そういや、昨日からなんも食ってなかった。服の前に飯だな。飯食って、そのあと服買って帰ろう。今日は疲れた。

 

 

 

 

 その後、何事も無く家に帰ることが出来た。朝、騒動に巻き込まれたことが嘘のようだ。

 

 荷物はもう届いていた。はっや。早速中身を確認。重機関銃は相変わらず重かった。ん?名札?"Lux Dei"?ルクスデイで読み方あってるのだろうか。ルクスは前世でゲームやってたから分かるぞ。光系の魔法でよく見るからな。デイはなんだろう。日?光の日ってこと?怒りの日みてーな名前しやがって。字も似てるしたぶんあってるだろ。そういえばブルアカって生徒の銃に名前付いてたんだっけ?

"

 とりあえず、かっこよさげな名前付いてても使えなきゃ意味ないよ。というわけで、筋トレだ!学校始まるまでには、普通に持って歩けるようになりたい。がんばるぞ!―――明日からな!!今日はもう疲れた!寝る!おやすみー。




光園ミサ
ヤベー女ホイホイ。この頃はまだ、メインキャラを避けようとしていた。気が付いたらメインキャラのど真ん中に居た。奇跡的に送り狼を回避した。なお、本人は気づいてない模様。まだ日本人メンタルだったので、銃を撃つのも、銃を人に向けるのも怖かった。曇らせが捗る主人公。形状記憶合金メンタル。ボコボコになっても元に戻ってくれる。助かる。

正実の委員長
ヤベー女。165cm。高校1年生。まだ高1なのに正実の委員長やってる。委員長任されるだけあって相当な実力者。その上、人格者で慕うものが多い。ロリコン。ミサに一目惚れしたので、ミサを送り狼しようとしたが失敗した。部下は呆れた目で見ていた。その後、たびたび偶然を装ってミサに会いに行ってる。ロリコンは人格者なのかって?先生も人格者だけどロリコンだぞ。

ヘルメット団のリーダー
ヤベー女。170cm。学校に通っていれば高校2年生。ショットガンで股抜きしたやべーやつ。当てない自信はあった。やたら高いカリスマ性を持っており、実力も高く正実の委員長が警戒するレベル。なんでヘルメット団に居るのかよく分からない。間違いなく、ミサに大きな影響を与えた。ミサのことは「おもしれー女」って思ってる。

黒いカード
限度額なしのブラックカード。主人公の生命線。実は主人公、超が3つ付くお嬢様。憶えてないけど。アビドス買い取れるレベルの金を動かしたが、全然余裕。その気になれば、土地をコロコロしたり、店ごと買い取れるレベルの代物。知らぬが仏。やったねミカ!トリニティ追い出されても余裕で生活できるよ!

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