ユイノを引き留め、この気まずい空気を何とかしてもらおうと思ったんだけど、
「……」
「……」
「……」
「……」
いや、お前も黙るのかよ。
「そ、そういえばユイノ、委員会の報告がどうとか言ってなかった?」
なんでオレが助け舟出してるんだろう。
「あー、別に今日じゃなくても大丈夫なんですが。でも、そうですねお二人が聞いても問題ないですし、今ここで報告させてもらいますね」
「あ、はいどうぞ」
「実は、最近また犯罪件数は増加しまして……詳しいデータは既に報告書に添付して、送信しています」
「また……ですか」
ユイノの言葉を聞いたナギサが、苦い顔になる。
「また?」
「えぇ、時期的にはミサさんが暴れなくなった辺りから、徐々に増加傾向にありますね」
「それはまた、分かりやすいね」
「はい、組織よりも個人に対する恐怖の方が強いのは、なんとも言い難いのですが」
「はぁ……また時間が……」
項垂れ溜息を吐くナギサ。たぶんだけど、ナギサが《ティーパーティー》の業務に追われるようになったの、これのせいな気がするな……。
「なので、ミサさんに委員会に入って貰ったら彼女達も大人しくなると思うんですけど」
「いや!」
「とまぁ、勧誘は悉く失敗してるわけですが」
何度断られても諦めない根性は買うけど、それとこれとは話が別だよ。
「ミサさんは委員会以外で、どこか入りたい部活があるんですか?」
「ぷいっ」
「えぇ……」
「み、ミサちゃんはどこか部活入るの?」
「……今のところ、特にどこにも入る予定は無いよ。たぶん、どこに行っても私の事が気に食わない連中が暴れるだろうし。だから、フリーで居るのが一番楽」
「ミサさん……どうして、私の質問には答えてくださらないのですか……!」
「ぷいっ」
「ぐぅっ……!」
ナギサに話し掛けられる度にオレは顔を背けてた。口を開くと、ナギサに対してうっかり悪態を吐いてしまいそうだったからだ。
「や、やはりもう許しては貰えないのでしょうか……」
「あははは!まぁまぁナギサ様、ミサさんにも心の整理をする時間が必要なんですよ。それに、許す気はあると思いますよ。でなければ、酷い目に合わせた本人に会いに、わざわざ来たりしないでしょうしね?」
「なっ!?何を言ってるのユイノ!勝手に人の心代弁しないでくれる!?」
ユイノの奴、絶対にこの状況楽しんでるでしょ……!
「ミ、ミサさん……!」
「ち、違うってば!ひ、人の事ばっかり言ってるけどユイノはどうなの!?」
「え?私ですか?」
「そう!その、将来の事とか卒業したらどうするのか、とか」
「まぁ、普通にトリニティの大学に行くと思いますよ」
「ふーん」
「なんで興味無いのに聞いたんですか?」
聞いてから興味無いことに気付いたんだもん。
「というかトリニティに大学あったんだ」
「そっちの方が興味あるんですね……」
「大学くらいどこの学区でもあると思いますよ。まぁ、他学区に進学は余程の目的が無いとしないと思いますけど」
「そうなんだ……」
そういえばシエルさん、カフェを経営したいって言ってたな。夢、叶えられたのかな。
「ミサちゃん?どうかしたの?」
「あ、ううん、なんでもない」
ユイノにもシエルさんの事聞きたいけど、ミカの前で聞いたらミカが不機嫌になるからな……またの機会にしようかな。
「ところで、話を戻しますけどナギサ様、犯罪抑制の為にパトロールの動員数を増やそうと思うんですけど、予算多めに下りませんか?」
「……今もかなり無茶して出してるんですが、更にですか」
「それと、ミサさんにはまたお手伝いをお願いしたいのですが……」
あ、なんか面倒臭そうな話題が振られた。
「……一応聞くけど、何するの?」
「主にパトロールのお手伝いですかね?」
「期間は?」
「少なくとも一週間」
「やだ」
「そ、そこをなんとか!」
やだよ、最低一週間ミカと居られないじゃんか。それに、指標も指針も無く行き当たりばったりに動いて、犯罪が起きたら対処、なんて無駄が多すぎる。
「ミサちゃん、なんとかならない?」
いつの間にか後ろに居て、オレの首に腕を回したミカが、オレにもたれ掛かりながらそんなことを言った。ミカの頼みなら仕方ない、と溜息を吐く。
「ねぇ、ナギサに送ったっていう報告書見せて、ついでにデータも」
「えっと……一応機密なんですが」
「じゃあいいや」
オレに執着する義務は無いし。と思っていたらミカにほっぺをむにぃと引っ張られる。
「ちょっとミサちゃん!諦めるの早すぎるよ!ナギちゃんも、それくらいパパっと見せてよ!」
「いや、あの機密……」
「実質関係者なんだからいいでしょ!」
「あ、はい」
実質関係者とは。バリバリの無関係なんだけど、と思いながらナギサから受け取った報告書とデータに目を通す。
「……読みづらい。報告書は要点を押さえて簡潔に書いて。あと、所どころに挟まってるユイノの憶測を交えた感想もいらない。書くならまた別でまとめて」
「まさかのダメ出し!?頑張って書いたのに……自分の考えを書くのもダメなんですか?」
「事実以外を書くと、読む側に余計な先入観を与えるからダメ」
「すみません……」
「それで、報告書で何か分かった事は……」
「……地図のコピーとペンちょうだい」
ナギサが外に控えていた分派に指示を出して、地図とペンを持ってこさせた。オレはそれをティーテーブルとは別のテーブルに広げ、キュッポンとペンの蓋を取る。
「まず、こことここ、それにこことここ、パトロール必要無い」
地図の上に×を付けていく。次に大きく〇を書いていく。
「で、残ったこっちとあっちとそっちだけど、こっちとあっちは前に知ってる不良見かけたから、話をして不良の繋がりを使って大人しくさせられる。というわけで、パトロールはそっちだけでいい、おわり」
ペンに蓋を被せると、ポイっと放る。
「え、おわり?」
「えっと、そっちの×を付けた方ってどうして必要無いんですか?そこは被害の多い地区なんですけど……」
「捕まった奴が牢の中から事件起こせるわけないでしょ。報告書見る限り、事件は現行犯で逮捕出来てるみたいだし」
もう活動できる不良ほとんど残って無いだろう。
「では、そちらの×は?」
「そこは私とミカが住んでる地区」
「あ、なるほど」
「あれ?でもミサちゃん、郊外の方は?」
「そっちは自警団に対応してもらう。幸い、自警団に知り合いがいるから、その子に頼んで見回りしてもらう。郊外は学園から離れる分、委員会の対応が遅れるから、フットワークの軽い自警団の方が向いてると思う」
「で、残った〇だけですか。正直、かなり半信半疑な所はあるのですが、ミサさんの言う事ですからね。でも、これが本当なら経費もかなり抑えられそうですね」
「そうですね、最近のパトロール強化で疲れてる者も多いですし、負担をかなり減らせそうです。……ミサさん、やっぱり委員会に入りません?」
「いやどす」
入るの嫌だから手伝ってるのに、それじゃあ本末転倒だろうよ。
「ただ、あくまでも大人しくさせるのは一時的なものだから、その間に対策は講じておいてね」
オレを知ってる連中ならまだしも、オレを知らない連中を長く止められるほどの拘束力は無いからな。しかも、半ば伝説扱いされてる今、言う事聞く奴もいるかどうか。高等部の入学式の時だって、オレのこと知らない不良がトリニティに来てたし。
「……ちなみに、対策を立ててくださったりとかは」
「や!」
「流石にそれは、ミサちゃんのこと頼り過ぎじゃない?ナギちゃん、そういうところがミサちゃんに嫌われちゃうんじゃ?」
そーだ!そーだ!もっと言ってやれミカ!
「うぐっ……そ、そうですね」
ミカにまで言われてしまっては、とすごすごと引き下がるナギサ。これぐらい、最初から自分で考えて欲しいんだけど、という念を込めて視線を送る。視線を受けたナギサは、どこ吹く風と紅茶を飲んでいた。あ、よく見たら手が震えてる、
「そ、そういえばミカさん、度々パテル分派の生徒と言い合いになってるそうですが、大丈夫ですか?」
声も僅かに震えてるナギサが、思い出したようにミカに問い掛ける。内容は、最近オレもよく耳にするものだった。
「う……ナギちゃんの所にまで届いちゃってるんだ。その、大したことじゃないんだけどね、えへへ」
「なに?アイツらそんなにしつこく言い寄って来てるの?決めるのはミカなんだから、何もせずに見守ってればいいのに」
「え?ミサさんも知ってたんですか?……いえ、考えてみればミカさんの近くに居るミサさんが、一番の障害ですか」
ナギサが驚いたように目を開いた後、一人で納得する。事情を知ってるから良いけど、自己完結やめろ。
「知ってるも何も、直接私の所に来て『ミカ様の説得した後消えてくださいー』なんて言われたんだけど?」
「ミサさんと面を向かって、そんなこと言ったんですか?え?その人ちゃんと生きてます?」
ユイノが途轍もなく失礼なことを言う。生意気な事言われたくらいで殺してたら、キリが無いだろ。しばくぞ。
「『消えてください』って随分物騒ですね。ミサさんは、その、言う通りにするつもりなんですか?」
「聞くわけ無いでしょ、って言いたいけど今回に関しては、ミカに自分で答えを出してって言った」
「そうなんですか?では、ミカさんがパテルの首長になるなら……」
「……まぁ、一緒には暮らせなくなるかな。私、《ティーパーティー》とは関係ない一般市民だし」
そうなったら、以前みたいに一人になるのかな。……それはちょっと、嫌……かな。
「……ミカさんは、それでいいんですか?」
「い、良いわけ無いよ!ミサちゃんを一人にしたら、また前みたいになっちゃう!それは絶対にダメ!」
なんて信用の無い、いや逆にこれは信用されてる?ミカ、抱き締めるのは良いけど、首キマってるから離して……。
「でも、断っても家の事もあって向こうも諦めてくれないし、ミサちゃんと離れたくないし、ミサちゃんは自分で考えろって言うし、私どうしたらいいか……」
は、離して……離して……。
「……ミカさん、ミサさんの顔が青を通り越して白くなってるんですけど」
「あ!ミ、ミサちゃんごめーん!?」
「ヘイロー壊れるかと思った……」
銃弾効かない癖に、なんで窒息攻撃は普通に効くんだこの体。
「……ミサさんがそういうスタンスなら、私からは余り口出しはしませんが、そうですね……非公式ですが、フィリウスとサンクトゥスは既に次期首長を選出し終えてます」
「それって……」
「な、ナギサ様!?それは本当の本当に非公式の話ですよね!?流石にこの場で言うのは……!」
もう、決まってたんだ。なるほど、ユイノの態度やユイノがどうして来たのか、ずっと引っ掛かってたけど、そういうこと。
「大丈夫ですよ。ここに居るのは、ミカさんとミサさんですから。それに、ミサさんはもう気付いているでしょうし」
そう言ってナギサはこちらに笑みを向ける。え、何その信頼。オレ何かしたっけ?
「ミサさんだったら、フィリウスとサンクトゥスの首長が誰なのか、見当が付いているでしょう?」
「いや、私そんな超人じゃないから、知らない事を知るのは無理だから。……まぁ、ユイノが来てからあった違和感は今形になったけど」
「え、私ですか?」
「……なるほど、小さな違和感を拾い上げて情報を繋ぎ合わせた、ということですか。きっかけがユイノさんの言動。ということは、ミサさんみたいに賢ければ同じように結論出せる人が居るわけですか……。もしかしてミト様は、昔からミサさんの事を見抜いて……?」
何やらぶつぶつと何かを呟くナギサ。やだ、このナギサこわい……。ミカ、たすけて。
「そうなんだ、じゃあフィリウスの次期首長は……」
「そうですね、慰めになるかは分かりませんが、もしパテルの首長になっても一人じゃないってことを伝えられたら、と」
「……そっか、気を遣ってくれてありがとうナギちゃん。でも、やっぱり私はミサちゃんと居たいから……」
そこまで言ってからミカは、はたと何かに気が付いた様子で言葉を切る。その様子にナギサたちは首を傾げるが、近くに居たオレはミカが「そっか……こうすれば……」とか「最初からそうしていれば……」とか呟いているのが聞こえた。なんだろう、嫌な予感しかしない。
「あの、ミカさん……?」
「あ、えへへ。なんでもないよ!」
ナギサに声を掛けられ、先程とは一転してミカは満面の笑みで答える。いや、なんでもないって顔してないけど?
「そ、そうですか」
しかし、ナギサはミカの満面の笑みに圧され、無理矢理納得させられていた。
「そうだよ!あ、ミサちゃんミサちゃん!お茶のおかわりちょーだい!」
「あ、うん」
オレが淹れるのか。まぁ、いいけど。
「あ、そうだ!ねぇねぇ!この前、すっごくかわいいアクセ見つけたんだー!」
急に話が飛びすぎだろ。見ろよ、ナギサもユイノも放心してるぞ。それはそれとして、アクセがどんなのかすごく気になる。
その日のお茶会は、延々とミカが喋り倒して終わった。
◇
「急に呼び出しちゃって、ごめんね~」
パテル分派が主に会合などで使用している校舎の一室で、ミカともう一人、ミカのお付きを名乗っていた少女が対面していた。
「い、いえ!ミカ様のお呼び出しですから!そ、それで返事を聞かせてくれるとのことでしたが、もしかして……!」
「うん、あの話受けようかなって」
「じゃ、じゃあ!「―――ただし」え?」
「今から言う要求を全て飲めるなら、っていう条件付きでね?」
「じょ、条件……ですか?」
困惑する少女を前に、ミカは指を三本立てる。
「まず一つ、私を首長にするに当たって反対する人たちは貴女達が説得する事」
「そ、それくらいなら」
「二つ、私の決定に逆らわない事」
「ミ、ミカ様……?」
「三つ、私のお付きとしてミサちゃんを付ける事」
「ミカ様!?いくらなんでもそれは!」
少女は、イスを蹴り飛ばす勢いで立ち上がる。あまりな条件に少女は憤慨するが、ミカはどこ吹く風だ。
「飲めないなら、私も首長にならない。じゃ、この話は無かったってことで」
「ま、待ってください!?ふ、二つ目までならなんとか……しかし!光園ミサは《ティーパーティー》に入っていないのでこの条件では」
「何言ってるの?ミサちゃんは《ティーパーティー》のパテル分派所属だよ、ほら」
テーブルに出された書類には、確かにミサが《ティーパーティー》に所属する旨が書かれていた。
「た、確かに……首長の印も押されている正式な書類……。こんなもの、いつのまに……日付が三年前?」
その書類が作られたのは、ちょうど三年前の今頃だった。三年前にあった事と言えば……。
「ま、まさか……当時の首長とされた"取引"って……こうなることを予見していたと?」
「それこそ、まさかだよ。ホントにただの保険のつもりで、ミサちゃんをパテルの所属にしたんだけど、まさかこうして役に立つ日が来るなんてね。―――これで三つ目も問題なくクリアできるよね?」
「し、しかし、分派の他の者が納得するかどうか……」
「だから、そっちで説得しろって言ってるの。それに、これはそう悪い条件でもないでしょ?なんたって、トリニティの最高戦力であるミサちゃんをデメリット無しで引き込めるんだから☆派閥間のパワーバランスを確実に崩せるよ。ミサちゃんは、そういうの嫌がりそうだけど、私とミサちゃんが離ればなれになるのに比べたら、些細な事だよね」
「ミカ様……わ、私は……」
「……なに?またミサちゃんの代わりになれるなんて、思い上がりを口にするの?貴女如きがミサちゃんの代わりになれるわけないでしょ。知識も、力も、見た目すら何もかも遠く及ばない。それに、貴女が私の近くに居るのはあの家の命令だからでしょ、私じゃない」
「う……」
「分かったなら、条件を飲むか飲まないかさっさと決めてよね。もちろん、私はどっちに転んでも問題ないけど。じゃ、ミサちゃんが家で待ってるから、もう帰るね☆」
そう言って立ち上がると、ミカは俯く少女に見向きもせず部屋から出ようとする。
「ま、待ってください!どうして、ミカ様はそんなにも光園ミサに執着するのですか!?」
少女の言葉に、ミカはドアに手を掛けた状態で止まる。
「そんなの決まってるよ。私はミサちゃんの事が好きだから。世界で唯一無二の、私の半身で―――運命なんだよ」
ミカはそれだけ言うと、部屋から出て行った。部屋に取り残された少女は、ぽつりと呟く。
「ミカ様……それでも、お傍に……」
◇
「―――ミサちゃん、ただいまー!えへへ~」
ナギサたちとお茶した日の晩。みんなから貰った誕生日プレゼントを整理していると、遅くにミカが帰ってきた。ちなみに、ナギサ達からもちゃんとプレゼント貰えた。ナギサからは、なんか高そうなティーセット。ユイノからは、よく切れるらしい出刃包丁。
「おかえりミカ。ご飯もお風呂も用意出来てるけど、どっちに先にする?」
「ミサちゃん!」
「ご飯かお風呂って言ってるでしょ。……なんか汗臭いし、先にお風呂ね」
「きゃー☆」
妙に上機嫌なミカに着替えを持たせて、強制的にお風呂に放り込む。……新婚プレイとかしたかったんだろうか。で、でも夫婦でもないのにそういうことするのは、流石に恥ずかしくない!?
変な葛藤をしていると、ミカがお風呂を上がっていた。ミカが髪をドライヤーで乾かしてる間に、ご飯を温める。
「いただきまーす!今日のご飯は豪華だね?」
「え、そ、そう?いつも通りじゃない?」
まぁ、誕生日だし、ちょっと気合入れて作ったけども。
「高級牛のステーキ肉なんて、もったいないからって普段買わないじゃんね」
だって高いんだもん。金はあっても、庶民の感覚が抜けないだよね……。
「ミカ、随分とご機嫌だけど何かあった?」
「えー、ミサちゃんにはやっぱり分かっちゃうかー」
そんなニコニコ顔だったら、オレじゃなくても分かると思う。
「実はね、パテルの次期首長の話受けようと思ってね」
「……そう、なんだ」
結局はオレがミカに何を言ったとしても、この結果に落ち着いたのかもしれない。ミカと離ればなれになるのは寂しいけど、エデン条約を裏から手助けしよう。そう思っていたのだが。
「うん!それでね、ミサちゃんに私の護衛というかお付き?お願いしたいの!まぁ、一緒に居て雑務して貰うだけなんだけど」
「へ?お付き?」
「うん!もちろん、ミサちゃんが良かったらなんだけど……」
「その、私が良くても派閥の人は納得しないんじゃ……」
「それは向こうが勝手に納得してくれるから大丈夫!」
「か、勝手に??」
よく分からないけど、大丈夫らしい。
「やっぱり、ミサちゃんと離ればなれは嫌だから、一緒に居たいなって。それに、ミサちゃんと一緒なら《ティーパーティー》のお仕事だって楽しく出来そうだし!」
「……」
「その、ミサちゃんに言わないで勝手に話を進めたのは、私が全面的に悪いし、ミサちゃんがそういった政治とか関わりたくないって気持ちも分かるの。でも、今更ミサちゃんが居ない生活とか考えられなくて……」
「そっか、ミカはもう決めたんだ」
「う、うん?」
「だったら、私も覚悟を決めないとね」
ミカのお付きに、って話は正直びっくりしたけど、よく考えればこれはチャンスだ。事件を一番近い所で察知できる。それに、ミカの傍に居るなら他にも出来る事があるかもしれない。
「それじゃあ、ミサちゃん……!」
「うん、ミカのお付き?してもいいよ」
「や、やったー!ありがとう、ミサちゃん!」
「ちょ、ご飯中に抱き着かないで!」
「えへへ」
オレもミカと離ればなれにならなかったことに、ほんの少し、ちょっとだけ、ミジンコぐらいの安堵を感じながら、未来に思いを馳せた。
光園ミサ
お茶会解散した後、普通に不良をボコしげふん説得しに行ってた。その際、キャスパなんちゃらさんも一緒にボコられた。《ティーパーティー》参入決定とともに、エデン条約編の中心人物になるのが確定した。
聖園ミカ
ミサの事をバカにされると、瞬間湯沸かし器並に一瞬で沸点を超えてキレる。好きを自覚して以来、スキンシップが激しくなり、隙あらばミサに引っ付く。ミサは自分の物だから、という独占欲に基づいたものである。ナギサは幼馴染なので、ギリギリ接触を許した。他は許さない。なので、ミサに女が近づくと魔女顔でキレ散らかしてる。それを悟られるヘマをしてないので、その事実はナギサ以外知らない。
桐藤ナギサ
お茶会以来、ミサに対し頻繁にメッセージを送るようになった。既読スルーされまくっているが、めげずにメッセージを送り続けている。失った信頼は大きい。取り戻すのは並大抵ではない。たまに塩対応返事が返ってくると、すごく喜ぶ。
感想返しってしたほうがいい?
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いる
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いらない