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年末忙しすぎて気が付いたら年明けてた件。
「―――ッ!?」
オレは今見た光景に衝撃を受け目を覚ます。
……なんだ、今のは。まるでオレがミカになったような、いやミカの目を通して見てた?
「そうだっ、ミカは!?」
眠る直前まで、隣でオレを抱き締めていたはずのミカの姿はどこにもなかった。
「そんな……」
あの光景ではセイアに銃を突き付けていた。まさか、そんなことあるはずない。
「……ッ!」
オレはベッドから出ると制服を着て家から飛び出す。あの光景がただの夢であって欲しいと願いながら……。
電力節約の為に明かりの無い暗い街を疾駆する。向かうはセイアのいるセーフハウスだ。
「くそっ……どうして。ミカとセイアが仲違いしてる様子なんて無かったのに……」
セイアの所へ行く道すがら、反対側の道をミカが歩いているのを見つける。
「ミ―――」
いや、待て。ミカは今どっちから来た?あの方角はセイアのセーフハウスがあるほうじゃないのか?そう逡巡してる間にミカは歩き去ってしまっていた。
今はセイアの所へ急ごう。思い過ごしでも勘違いでもいい。ただ無事で居てくれればと。
セイアのセーフハウスが近づいた頃だった。セーフハウスから爆発音が響き渡り、大きく煙を上げてるのが見え足を止める。
「―――うそ、だろ」
起きてしまったのか?セイアの襲撃事件が?でも、どうして。そんな兆候一切無かったのに……。
そんな時だった。正面から走ってくる小柄な人影。向こうもオレに気付き、足を止めて手に持ったアサルトライフルを向けてくる。銀の髪に顔はガスマスクを着けて確認できないが、オレはその姿に強い既視感を覚えた。
コイツ、エデン条約の?直感的にそう思ったオレの行動は早かった。向こうはオレの姿を見て固まっていたので、オレはその隙を突いて一気に接近、向こうもオレに銃を向け引き金を引こうとしたが、オレの方が一手速い。懐まで入ったオレは片手で銃を逸らし、放たれた弾丸が空を切る。ガスマスクの向こうで息を呑む音が聞こえる。オレはそのままもう片方の手で、少女の胸倉を掴み上げ路地裏に投げ飛ばす。
「―――ミサ様っ!」
丁度そのタイミングで、少女を追っていた《ティーパーティー》の生徒に出くわす。
「これは何の騒ぎ」
「は、はい!先程セイア様のおられるセーフハウスが爆発、そこから逃げるように出てきた者が居たので追って来ました!」
「セイア様の……その逃げた者が出た後に他に人は?」
「はっ!今のところ、出た者も入った者もいません!」
「分かりました。この件に関し緘口令を敷きます。今日担当している他の警備にも伝えてください」
「え、ですが」
「『何故か』を言わなければ伝わりませんか?」
彼女にそう視線鋭く言うと、背筋をピンと張り敬礼する。
「は、はい!了解しましたっ!」
「分かったら行ってください」
「はい!」
逃げる様に駆けて行く生徒を見送り、路地裏を見る。そこには先程の少女が逃げずに待っていた。
「そこの道を真っ直ぐ抜ければ、誰にも会わずに逃げ切れるはずだ。抜ける前にその目立つガスマスクは外しておけよ」
そう言って立ち去ろうとするオレを、少女は呼び止める。
「何故私を助けた……?」
「……」
断片的な情報を追っても、この少女がセーフハウスを爆破したのは明らかだ。それ故、どうしてここで見逃すのか分からず困惑してるのだろう。もしかして罠なんじゃないのか、と。
しかし先程の直感を信じるなら、こいつは今ここで捕まえさせるわけには行かない。それにガスマスクの向こうに見えたその目。あれは人殺しの目なんかじゃなかった。
……今でも忘れられない、本物の人殺しの目を。狡猾で残忍な目で嗤う、あの女の顔を。本物は、この少女の様に真っ直ぐな目をしていない。
だが、それを伝えたところで目の前の少女は知らぬこと。まさか『ゲームではそうだった気がするから』なんて答えるわけにもいかない。
「なんとなくだ。オレの勘は良く当たるんだよ」
彼女はそれを聞いて一瞬考える素振りを見せ、ガスマスクを外す。その顔には、やはり見覚えがあった。
「ありがとう」
お礼を言うと彼女はそのまま闇の中へ駆けて行った。オレはそれを見送ると、セーフハウスへ急ぐ。
セーフハウスの入り口の門へ辿り着くと、奥にある建物が黒煙を上げているのがよく見えた。
「―――ミサ様!」
覚えのある声に振り向くと、ミネがいた。
「ミネ……」
「ミサ様、これは一体?」
「いや、オレも爆発音を聞いて駆け付けたばかりでまだ何も」
「……入って確認するほかありませんね」
オレはミネの言葉に頷き、門を開けると二人で入った。
「……妙ですね」
ミネの感じてる違和感。それはオレも気付いていた。
「人が居ない……誰一人……」
「《ティーパーティー》のセーフハウスは警備を付けないのですか?」
「オレとミカのセーフハウスには付けてないけど、他もそうだとは聞いたことが無いな」
自衛できるオレとミカはまだしも、戦闘が得意じゃないナギサとセイアは警備を付けているはずだ。そこでふと思い出す。
「そういえば、ここに来る途中で会った警備の生徒。もしかしてセイアの警備だったのか?」
「来る途中って、外ですよね?どうしてセイア様の警備が外に?」
問題はそこだ。てっきり他の所の警備かと思ったが、彼女はハッキリとここがセイアのセーフハウスだと断言していた。ここがセイアのセーフハウスだと知ってるのはごく一部の人間だけだ。つまり、彼女がセイアの警備をしていた生徒というのは疑いようもない。だけど、外にいた理由だけがどうしてもわからない。……!待てよ、セイアが今夜の事を予知夢で知っていたなら……?
「ミサ様?どうかされましたか?」
「あ、いや、ここだなセイアの執務室」
何度も足を運んでいたので、迷いなく辿り着く。
「……突入します」
「ああ……」
合図無しに同時に扉を蹴破り、中へ入る。中は爆発でぐちゃぐちゃになっており、中央にセイアが倒れていた。
「セイア様っ!?」
ミネが慌てて駆け寄る。オレは血溜まりに倒れるセイアを見て、かつての自分と重なる。
まさか死んで。死?嘘だまさかそんな。落ち着け。心臓の音がうるさい。嘘だミカが。落ち着け。大丈夫なはずだ。違うそんなわけない。さっき会った少女がセイアの生存に関与してたはずだ。心臓の音がずっと響いている。うるさい。違う。これは何かの間違いだ。何も聞こえない。ミカがそんなこと。落ち着け。落ち着け!
「―――ミサ様!しっかりしてください、ミサ!!」
「ミネ……」
目の前にはオレの肩を強く掴むミネが立っていた。返事をしたオレに安堵の息を吐く。
「大丈夫ですか?」
「ご、ごめん、オレ動揺して……」
肩を掴むミネの手に触れた時自分の手が震えてるのに気が付いた。ミネもそれに気付いたのか、ふっと微笑む。
「いえ、こんな場面を見せられれば誰だって動揺くらいするでしょう。……それと、友人がこんな目にあっても動じない冷血な女ではなかったことを知れて、少し安心しました」
「……お前はオレの事をなんだと思ってるんだ」
「ふふ、言い返せる元気があるなら大丈夫そうですね」
「お前な……ありがとう、お陰で少し冷静になれた」
深呼吸して一度頭を切り替える。自分が死に掛けてた時の事を思い出して、まだ少し手が震えているが、なんとか抑え付ける。
「それで、セイアの容態は?」
「ええ、傷は見た目ほど酷くありません。今はおそらく、爆発の衝撃で気絶しているだけだと思われますが……」
何度か深呼吸したあとセイアの状態を聞いたが、気絶してるだけ?
「え、じゃあこの大量の血は?」
「私も気になって調べましたが、ただの血糊ですね」
「……ホントだ」
床に広がっている血?に指を付けて確かめる。確かに、血の匂いもしない。セイアが無事だったことに安堵しながら、現場を確認していく。
「一体誰がこんなことを……。とにかく、一旦セイアを病院に運んでちゃんとした治療をしたほうがいいか」
「……」
「ミネ?どうしたんだ?」
おそらく、さっき会った襲撃犯であろう少女がこの偽装工作したんだろう、とオレは考えていた。さっき助けておいてよかったと少し安堵する。すると、何か考え込む素振りを見せるミネ。
「……ミサ様、ここへ来る途中この部屋以外が荒らされた形跡はありましたか?」
そうミネに言われてこの部屋までの状態を思い出していく。
「……いや、無かった」
「つまり、セイア様は泥棒と鉢合わせて襲われたのではなく、最初からセイア様が目的の襲撃だった、というわけですね」
「……ミネ、何が言いたい?」
記憶のピースが欠けた記憶にハマってくのを感じながら、オレはミネに聞き返す。
「襲撃犯が、セイア様が無事だと知れば、またセイア様が狙われるでしょう。ならば、この偽装工作を利用し、セイア様が死んだことにして匿う他ありません」
状況からセイアが狙われたのは確実だ。ここで匿う事に反対できる確たる根拠を持たない以上、この場ではミネが正しい。だが、セイアの死を知らされたことによって、ミカが後戻りできないと突き進んでしまうから、それは避けたい。
「なるほど、それならナギサとミカにもそう伝えて……」
「いえ、申し訳無いのですが《ティーパーティー》のお二人にもお伝えせずに匿います」
「ミネ、お前何を言って……!」
そこでオレはここに都合よくミネがいる理由に気が付く。
「……いや違う、お前、まさか最初から……?」
「……っ」
ミネは驚きに目を見開く。そうだ、最初からおかしかった。セイアのセーフハウスの前で《救護騎士団》の団長と会うなんて偶然にしても出来過ぎている。それに、《ティーパーティー》の所有するセーフハウスの場所は秘匿されてるにも関わらず、ミネはハッキリとここが『《ティーパーティー》のセーフハウス』と言った。
どうやって知ったのか。それを証明するのは難しい。逆に考えよう、誰ならこの場所を知っているのか。ここを知るのは《ティーパーティー》の一部の生徒と、セイア自身だ。つまり……。
「ミネをここに呼んだのは、セイアだな?」
「……」
ほとんど確信を持った問い。襲撃を予知したセイアがなんの対策もしない筈がない。だが、自身の周囲の警備を逆に減らしたこと、救援を求めたのが派閥外の相手なのはまさか襲撃犯が身内だと知っている?だから説得を試みて、失敗した場合に備えて自身を保護させる為にミネを呼んだ?
……だめだ、セイアがどこまで予知夢で見たのか分からないからこれ以上は憶測の域を出ない。けど……もしオレが見た夢の光景が現実だったなら、セイアも同じ光景を見ていたとしたら……。
「……ふぅ、貴女の頭の良さは知っていた筈なのに、隠そうとしたこと自体無理な話でしたか。セイア様も『ミサならすぐ気づくから話して良い』と言っていたのは、こうなると分かっていたからなのでしょうね」
ミネはそう観念したように言い息を吐く。
「そうです、私はセイア様に保護して欲しいと頼まれここに来ました。……襲撃の事は半信半疑だったのですが」
まぁ、予知夢の事を知っていても本当の事なのか、疑わしく思う気持ちも分からないでもない。オレだって原作知識が無ければ、そもそも襲撃に気付かなかっただろうし。
「それで、セイアは何て?」
「『私の命を狙っている者がいる。もし生きてたら誰にも言わず匿って欲しい』と」
「……"もし生きてたら"?」
「ええ、それと『これは賭けだ』とも」
「賭け……」
セイアが何の目的も無くそんなことをするわけが無い。けど、未来を知ってもなおリスクのある賭けを選んだ理由は何だ?だめだ、これ以上は情報が足りない。
「……。わかった、セイアがその方が良いと判断したなら、それに従う」
セイアに何かしらの思惑がある以上、ここで反対すれば変に思われるかもしれない。
「ミネがセイアを匿ってる間、オレは情報統制をして情報を漏れないようにすればいいんだな?」
セイアの死を《ティーパーティー》に伝え、セイアの死を《ティーパーティー》の外に漏らさないようにする。そして、セイアの死の偽装をバレないようにする。
言うのは簡単だが、実行が難しすぎる。かなり厳し目に情報を縛らないといけないだろう。だが、逆に考えれば管理する立場であれば、ミカに不利な情報をオレでシャットアウトできる。そう考えれば、悪い立場じゃない。
「……そちらの負担が大きくなってしまいますね、申し訳ありません」
「元々情報の管理をしてるのはオレだし、特に問題は無い。……まぁ、負担が増えるのはそうなんだが」
「ミサ様、一体いくつの業務を兼任してるんですか……」
全部で20くらい?とは言っても、一日で触ってる業務は5個ぐらいだけど。
「それでは、私はこれからセイア様のお体を連れて身を隠します。ミサ様、そちらのこと頼みます。……できれば、《救護騎士団》のことを気に掛けて貰えると助かります」
「ああ、そっちも気を付けろ。セイアを狙った奴がまだ近くに居る可能性がある」
ミネは頷くと、セイアを抱き上げ部屋から出て行く。オレはそれを見送ると緊急回線で《ティーパーティー》に掛けながら、考え事に耽る。
セイアはオレに計画を話しても良いと言ったが、その後オレがどう動くかまでは指定して来なかった。そこまでオレはセイアに信用されてるのだろうか。だが、ミカが襲撃犯だと分かればオレがミカを庇うために動くのはセイアも分かるはず……あるいはそれすらも織り込み済みで?
連絡を回した後、携帯をポケットに戻す。
今更になって考える事ではないだろう。こうなった以上、オレはオレで行動しなければミカが魔女にされてしまう。それだけは絶対にさせない。
オレは駆けつけた《ティーパーティー》の生徒に現場を任せ、その場を後にする。
「セイアさんが、死んだ……!?」
「……ミサちゃん、それ本当?」
《ティーパーティー》の首長たちがいつもはお茶会を開いてる部屋で、ナギサの悲鳴にも似た声が響く。ミカが空席となったその場所に目を向けてから、オレに確認するように問い掛ける。
「……私も確認したので、間違いないかと。セイア様のヘイローは……破壊されてました」
「……そう」
そう言って目を伏せるミカからどういう感情なのかは読み取れない。ミカの動揺が無いことに訝しみながら、いや動揺を隠してるだけかもしれないと自分を無理矢理納得させる。
「そんな……どうしてセイアさんが……」
「それは、分かりません。しかし、襲撃のあった時間に謎の武装集団が目撃されてます。警備の者が追ったようですが、警備が離れた隙に……」
これに関しては警備を担当した生徒を責められない。怪しい者が武装してセーフハウスに近づいてきたら、理由がどうあれ捕らえなければならない。つまり、職務に忠実だっただけだ。
「最近、セイアさんの様子がおかしい事には気が付いていたのに……。私がもっと気を配っていれば……!」
涙を流すナギサにオレは無言でハンカチを差し出す。
「あ、ありがとうございますっ……」
「それでミサちゃん、情報の封鎖はどうなってるの?」
「すでに手を回して、《ティーパーティー》外部に漏れないようにしてます。同時に、捜査の為の人員を手配しました」
「早いね、流石ミサちゃん」
ミカの浮かべた冷たい笑みに、オレは驚いて固まってしまう。そこでオレはようやく気が付いた。あれは関心が無い時のミカだ。
「?どうしたの?」
「あ、いえ、なんでも、ありません……」
「そう?まぁ、とりあえず今後の事を話し合わないとね―――次の
ミカのその言葉にオレは無意識に体が強張る。ミカが原作でセイアを襲撃したのはホストを奪うためだったはず……。
「私はナギちゃんが適任だと思うけど、ミサちゃんはどう?」
「え?」
「私で、いいんでしょうか?」
「ナギちゃんならセイアちゃんも安心して任せられると思うなー。ね、ミサちゃん」
「え、え、あ、うん」
動揺して言葉に詰まってしまった。ここでホスト譲ったのにホスト奪うためにナギサに襲撃を?……あれ?ホスト奪うのは後付けの理由だっけ?うぅ……手元にストーリーを確認出来るものがあればよかったのに。
「ミサちゃん?大丈夫?さっきから様子がおかしいけど」
「な、なんでもない、大丈夫……」
「ホントに?ミサちゃんがそう言うならいいけど」
ミカがオレを訝しげに見つめる。ミカに疑われるのはまずい。セイアの死の偽装がバレたらストーリーを気にするどころじゃなくなる。現時点でバレたらどうなるか分からない以上、もっと冷静にならないと。
その後もミカとナギサの話を聞きながらも上の空なせいで、二人にすごく心配されてしまった。
冷静で居ようとすればするほど、ミカの妙に落ち着いた態度が気になり、本当に原作通りにストーリーが進んでいるのか不安になったからだ。セイア襲撃が起こった以上、原作外の行動を取ってミカを救えるか分からない。それどころか、原作より状況が悪化すれば目も当てられない。原作、未来を知っている事がオレの唯一と言えるアドバンテージだ。だから、できるだけ原作に沿った行動を取りつつ、ミカを魔女と呼ばせない、あるいはミカからヘイトを逸らす方法があれば……。
「ミサちゃん、今日ずーっと上の空だけどどうしたの?」
ナギサと別れ、ミカと執務室に戻って来てからも、思考に没頭していたせいでまたミカに心配をかけてしまった。
「あ、もしかして生理?確か昨日からだったよね?ミサちゃん、重い方だし、生理の時はいつもより情緒不安定になるから少し心配だよ。セイアちゃんの事もあったしね」
なんで生理周期把握してるのかはさておき、いつも情緒不安定みたいな言い方はやめて欲しい。とはいえ、調子が悪い要因の一つが生理であることは否定できない。昔よりは慣れたとはいえ、ツラいものはツラい。セイアは、最初死んでるかもと思った時はちょっとだけ動揺したけど、今は生きてるって分かってるから大丈夫だ。
「いつもよりツラいならお薬出すよ?あとブランケットは?」
「薬は大丈夫。ブランケットは……あ、家に忘れて来た」
「仕方ないなぁ、私の貸してあげるね」
ごそごそと自分の荷物を漁るミカを見ながら、意を決してミカに問い掛ける。
「ねぇミカ」
「んー?なにー?」
「……昨日の夜、どこにいたの?」
「……」
ピタリと一瞬その動きを止める。しかし、すぐにまた荷物を漁りだす。
「あー、昨日はねぇ眠れなかったからちょっと夜風に当たってたんだーあはは」
「―――セイアのセーフハウスまで?」
「……」
今度は完全にその動きが止まった。こちらに背を向けている為、その表情は窺い知れない。
「ミカ、私見たんだよ。ミカがセイアのセーフハウスのほうから歩いて来たの」
「……そっかーあの辺りにセイアちゃんのセーフハウスあったんだね」
「ミカっ」
「偶々だよ、偶然あそこを歩いていただけ、そうでしょ?」
確かに、歩いていただけではミカがセイアを襲撃したとは証明出来ない。
「……ミカ、トリニティには犯罪抑制の為に防犯カメラが設置されてるんだよ」
「うん、知ってるよ。そのカメラの中にダミーが混ざってるのもね。報告にあったセイアちゃんのセーフハウス近辺のカメラはダミーだよね?どこにも繋がってないコードを伸ばしてるダミーのカメラ。仮に本物があったとしても電力カットで動いてないと思うよ」
……襲撃するなら、当然下調べは欠かさないか。
「そっか、なら当然ダミーにフェイクを混ぜてるのも知ってるんだよね?」
「―――え?」
「ダミーに見せかけたバッテリー内蔵型のカメラ」
そう言いながら、オレはミカにタブレットの映像を見せる。
「セイアのセーフハウス近辺に置いてあるのはすべてダミーに見せかけたフェイクだよ。……当然、昨日の夜の映像はハッキリと残ってる」
そこには、ミカがセイアのセーフハウスに入っていく映像が映っていた。オレはミネと別れた後、真っ先にこのカメラを調べに行った。ミカが襲撃犯でないと信じたくて……結果は御覧の有様だ。
「……はぁ、そっかバレちゃったんだ。まさか、ダミーにフェイクがあるなんてね」
ミカは机に腰掛けてオレを見ると、笑みを浮かべる。その露悪的な態度が妙に様になっていた。
「そうだよ、私がセイアちゃんを撃った」
「ミカ……」
「どうする?私を捕まえる?」
追い詰められてるのはミカのはずなのに、余裕の笑みでミカはオレを見つめる。逆にオレの顔は酷いもので、窓ガラスに反射したオレの顔色はお世辞にも良いとは言えない。
ここで捕まえれば、ナギサの襲撃は行われない、はず。でも、ミカは魔女として裁かれる。それはダメだ。認められない。じゃあ、どうしたらいい。どうしたら……。そのとき、窓ガラスに並ぶ同じ顔を見て、とんでもない名案を思い付いてしまった。
なぁんだ、最初からこうすれば良かったんだ。
「ミサちゃん?」
急に笑みを浮かべたオレにミカは怪訝な表情をする。
「捕まえない、私がミカに協力する」
「え?」
困惑、想定外だったのか余裕の表情が崩れる。
そう、少し考えれば簡単なことだった。これが確実で良い方法。
「私は、ミカの共犯者になるよ」
―――
光園ミサ
原作知識持ちだけど、役に立たなくて「あるぇ?」ってなってる。原作がある世界だからと言って原作知識が役に立つかどうかはまた別の話。
聖園ミカ
原作よりも破天荒さが抜けて物事を俯瞰して見てる冷静な方のミカ。原作ミカ要素は割とミサに吸われてる。ミサが嘘を吐く時の癖が出てたのでセイアが生きてるのは知ってる。
銀髪のガスマスク
ファッ!?同じ顔!?ビックリして一瞬体が固まった。そして負けた。
ようやく時間取れるし、正月番外編でも書こうかしら。イチャイチャが書きたい。
感想返しってしたほうがいい?
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いる
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いらない