R18のほうでも書いたけど家庭の事情でやや遅れました。申し訳ない。
でも感想返し要らないって思ってる人多くて少し涙がちょちょ切れそうです。感想返しする暇あったらさっさと続き書けってことですかね。でも感想は書いて欲しい。読者がどう感じたのか知りたい。
あ、それとニコリハット様からファンアート頂きました!ありがとうございます!
【挿絵表示】
たぶん一番ミサのイメージに近いかもしれない。しゅごい(語彙力消失)
「別に何か恨みがあるってわけでも無いけど、ここで死んでもらうね?―――バイバイ、セイアちゃん」
持ち上げられた銃口の先、セイアを見据えて放たれようとする弾丸。
「―――え?」
間違いなくセイアの頭に合わせて放ったはずの銃弾は、セイアから逸れて横の壁に弾痕を作った。ミカは自身の持つ銃に目を向けると、銃身に何かが当たったような跡。
この部屋の入口へ目を向けると、そこにはガスマスクを着けた銀髪の少女がアサルトライフルを構えて立っていた。
(間に合った……か……)
「だれかは知らないけど邪魔しないでもらえる?」
「……あなたの役目は道案内までのはず、どうしてここに?」
「別に?貴女達じゃ本当に殺せるか不安だったから、私が直接来ただけだよ」
「だが、銃で殺すには」
「気絶しても何百発と撃たないといけない、でしょ?知ってるよ。でもね、
「…………」
嘲る様に彼女は笑う。その言葉が嘘では無いのだろうことは、銀髪の少女にも分かった。しかし、と少女は懐からあるものを取り出す。今回の任務の際に渡されたものだ。
「ここにヘイロー破壊爆弾がある。これがあればヘイローを直接破壊し、対象を殺すことが出来る」
「へぇ?それが貴女達の手段って事?ヘイローそのものを破壊するなんて良く思いついたね」
「これを起爆させれば騒ぎになる。ここに居たら、あなたも疑われるだろう。一刻も早く離れて欲しい。アリウスはあなたに恩がある。それを仇で返したくはない」
ミカは別にここで捕まっても良かった。いや、本当は誰かに止めて欲しかったのかもしれない。自分で止まる手段を持ち得ないから。
ミカはふぅ、と息を吐くとセイアに向けていた銃を下ろす。
「そう……貴女達がそう言うなら仕方ないね。その代わり、そっちの仕事はちゃんとこなしておいてよね」
「……分かっている」
部屋を出て行くミカを見送った少女は、セイアに向き直る。
「……待っていたよ、白洲アズサ」
「……!」
「驚くことは無いだろう?君はそれを知っていて来たはずなのだから。そして、君がなぜすぐに私を殺さないのかも、私は知っている。私なら君の疑問に答えることが出来るだろう」
「……私は―――」
◇
ミカとミサが捕まって数日後。《補習授業部》は無事試験を突破し、私は次のストーリーが始まるまでイベントに奔走していたのだが、先日ナギサから連絡があり、再びトリニティに訪れていた。
「ナギサ、その……大丈夫?随分顔色が悪いみたいだけど」
「先生、いえ大丈夫です。これくらいのこと、受け流せねば《ティーパーティー》など務まりませんから」
そう強がっているものの、ヒフミの事は虚言だったとはいえ、ミカとミサが犯人だったと知ればそうもなるだろう。ナギサの二人への信頼の
とはいえ、これ以上気遣うのもそれはそれで辛いだろうと思い、話題を逸らすべく別の話題を振ろうとして気が付く。そもそも、私を呼んだ理由がミカとミサに関することじゃん、と。どうあがいてもナギサのメンタルにダメージが行くことは間違いないだろう。
「あら?先生も呼び出されたんですね」
「ハナコ、数日ぶり」
「はい、一週間と少しぶりですね♪」
部屋に入ってきたハナコと、後ろに続くようにサクラコとハスミがやってくる。
「せ、先生……!」
「や、ハスミと……サクラコ、で合ってたよね?試験の日以来だね」
「あの時は名乗りもせず申し訳ありません。改めまして、歌住サクラコです。シャーレの先生のご活躍、こちらの耳にも届いております」
「あはは、そんなにかしこまらなくて良いよ。私はただの先生だからね」
「そ、そうでしょうか?」
「(あはは……?)―――ゴフッ!?ゴホッ、げほ!?」
「ナギサ様!?」
紅茶を飲んでいたかと思うと、急にむせだすナギサ。
しまった!今のナギサは思いの外重傷だったんだ!
「だ、大丈夫ですか?ナギサ様?」
「いえ、すみません。ちょっと紅茶が器官に、ゴホッゴホッ!」
「……(これは、少々やり過ぎてしまったかもしれませんね……)」
「―――すみません、少々取り乱しました。それでは先生も来てくださったことですし、本題に入りましょう」
少々か?いや、ここはナギサの名誉の為にも触れない方が良いだろう。
「ミカとミサのことだね?」
「っ、はい……その……」
言い淀むナギサに、私は今起きてる問題をハッキリと口にした。
「お互いに主犯は己であると主張し、相手は無関係と言い張ってるとか」
「はい、その通りです……」
このエデン条約編において、プレイヤー先生方を混乱させまくった状況。相手に擦り付けるならまだしも、自分から罪を被りに行ってるので「なにかあるのでは?」と疑った先生も多い。特に、この話の直前にセイア襲撃事件当時のシーンがあるので尚の事。
「それで、先生のご意見を聞けたらと。……先生はどう思われますか?」
「うーん、私の意見を言う前に、ナギサはどう思ってるか聞かせて欲しいな」
「私はミカさんがやったとは到底……しかし、だからと言ってミサさんが……」
「ミサがクーデターを起こすか否かで言えば?」
「……何かしら理由があれば、起こすと思います……」
そもそも、あのシーンでミカが出てくるまで、ミカが裏切り者だと考えていた者は少ないだろう。あるいは、ミカは利用されてると思った人も少なからず居たはずだ。
このトリニティにおいて、全ての情報が集まり、それをコントロールすることが出来たのはミサだけだ。また、セイアの報告をしたのもミサだ。つまり、セイアを襲撃した後に何食わぬ顔で報告も出来たわけだ。状況、証拠、あらゆるものがミサを犯人だと指し示している。
「やはり、ミサ様が主犯、ということなのでしょうか?ミカ様は、以前からミサ様の起こした問題をその……ミカ様が庇う状況が多々ありましたから、今回もそうではないかというのが私達の意見なのですが……」
「私もあの日、先生と共にミサさんと戦うまではそう思っていました」
「ハナコさん……?」
ハスミの疑問の言葉に答えたのは、ハナコだった。
「冷静に考えてみれば、ミサさんが今回の事件を起こしたならありえない矛盾、少し考えたら分かった事なのに私自身、このトリニティにおいて彼女にまつわる噂に踊らされ判断を誤ってしまうなんて……」
「"ありえない矛盾"?」
「はい、もし彼女が《ティーパーティー》を排除するために動いていたなら、セイアちゃんは既に亡くなっている筈です。しかし、彼女は生きている。それどころか保護したミネ団長にも何もしていません」
「それは……《救護騎士団》と事を構えるのはシンプルに分が悪いと思ったからでは?」
「そうでしょうか?それだけじゃありません、セイアちゃんの襲撃から時間が経ちすぎています。彼女の性格を考えれば、ここまで期間を空ける理由がありません。他に何か理由があれば別ですが」
襲撃があったのが4月の始め、今は6月だ。期間が空きすぎている。ミサは長期戦より短期決戦で臨むタイプだから、もし犯人ならセイアを襲撃したその足でナギサを襲撃しててもおかしくない。
「……確かに、ミサさんの性格からすれば妙ですね。え?では、まさかミサさんはミカさんを庇って……?」
「私はその可能性が高いと考えます。それくらい、ミサさんの行動は不自然さが目立ちます。それに……」
「それに?」
「いえ、少しミカさんとお話ししたんですが―――」
◇
「―――まさか、私に会いに来るなんて思わなかった。浦和ハナコ」
《正義実現委員会》の用意した特別牢。牢屋というには、少々豪華すぎる設備で彼女達は相対していた。
「聖園ミカさん、セイアちゃんのことは」
「……聞いたよ、生きてるんだってね。あーあ、やっぱり生きてたんだ」
そう言ってミカは大げさに肩をすくめて見せる。
「やっぱり……?」
「アズサちゃんから聞いてない?あの日、セイアちゃんを襲撃した時私とアズサちゃんが居たんだよ。アズサちゃんの襲撃と被っちゃってさー。正確には、私が被せたんだけどね」
それは知っている。試験の後、アズサの口から直接語られたものと同じだ。しかし、アズサはその場にミカが居たことは言っていなかった。その理由は不明だが、きっと彼女達の間で何かあったのだろう。
「セイアちゃんが生きていた事、ミサさんから何も聞いてないんですか?」
「…………そっか、ミサちゃんやっぱり知ってたんだね」
「……あの日、セイアちゃんの保護に当たったのはミネ団長と、ミサさんでした。間違いなく知っていたと思います」
「……だろうね。ミサちゃん、嘘つくの下手だから、なんとなくそうなんじゃないかなって」
ミカは苦笑してからテーブルのカップに手を伸ばし、紅茶を口に含む。
「随分余裕ですね?……いえ、これは諦めですか」
「そうだね、でも貴女なら理由が分かるんじゃない?浦和ハナコ、去年まで次期《ティーパーティー》の有力候補だった天才の貴女ならね」
「……」
「ふふ、腹の内を探るなら探られる覚悟もしておかないとね?」
手強い、ハナコはミカにそう感じた。まるで霧を掴まされてるような、そんな印象を受ける。そもそも、ミカの第一印象と言えばもっと自由奔放で能天気なイメージがあったのだが、実際に話してみるとどうだろう?これが彼女の本性なのだろうか。だとすれば、最初に与えた印象はこちらを油断させるものであった可能性が高い。パテル分派の首長は伊達ではない、ということだろう。ハナコは己の浅慮を恥じた。
「……一つ、聞かせて頂いてもよろしいですか?」
「あはは!今更遠慮するんだ」
「どうしてセイアちゃんを襲撃したんですか?」
「他の人にも言ったけど、邪魔だったからだよ」
エデン条約賛成派のセイアが邪魔だったから、そういう理由だったとは聞いていた。だが、本当にそうだろうか?彼女は何かを隠している。少なくとも、彼女がエデン条約に頓着してるようには見えない。聖園ミカが執着するする相手、それはたった一人の人物しかありえない。
「曖昧な答えですね」
「そうかな?」
「……ミサさんの為ですか?」
「……」
スッとミカの顔から表情が消え失せる。人形のように整った顔立ちではあるが、表情の無い彼女は寒気すら感じさせる。
「ようやく表情を変えましたね」
「……ふーん?」
ジッとハナコの目を覗き込むように見つめるミカ。
「貴女とミサさんの噂は有名ですからね。……ただ、想像していたものよりも違った関係だったようですが」
少なくとも、ミカが一方的にミサを従えてるわけでは無いのだろう。
「ミサちゃんは関係無いよ。……なんて言っても信じないだろうね」
「少なくとも、ミカさんがセイアちゃんを襲撃した理由に、ミサさんが関わってると思ってます。恐らく、その事をミサさんは知らないのでしょう」
「……面白い妄想だね」
「妄想、本当にそうでしょうか?少なくとも、ミカさんがミサさんを庇っているのは事実ですよね?だからこそ、その核心を誰にも話したがらない。話すことで、ミサさんに危害が及ぶことを恐れているから」
「……」
ハナコはミカの顔を真っ直ぐに見つめるが、ミカは俯いてその表情は窺い知れない。
「ミカさん、貴女は―――」
「浦和ハナコ」
「ッ!?」
底冷えするような声。さらに詰めようとしたハナコを押し留めるには十分なそれに加え、ミカは冷たく、拒絶を顕わにした目でハナコを睨むように見る。
「面会は終了だよ」
「……そうですね、また来ます」
◇
「―――ということがあったんです」
「ミカさんがそんなことを……」
ハナコこえー……。僅かな情報から、ここまで詰めるの早すぎない?ミサのパーソナルデータがあれば、この時点で事件の全容を察してたのは間違いないだろうなぁ。
「しかし、そうなると聖園ミカさんが今回の件の首謀者、ということになるのでしょうか?」
サクラコの疑問に待ったを掛けたのはハナコだった。
「いえサクラコさん、今回の件はどうやら裏で色々なことが起きてる様子。結論を急ぐのはまずいかと。少なくとも、どちらが悪いかという単純な話では無さそうです」
「アリウス、ですか」
「ええ、アズサちゃんから聞いてるんですよね?」
「トリニティとアリウス……」
「……我々《シスターフッド》にとっても無関係とは言えませんね」
「因果は巡る、ということでしょうか?」
そう呟いたナギサに、サクラコは神妙な面持ちになる。
トリニティとアリウスの因縁。そこには当然、《シスターフッド》の前身たる《ユスティナ聖徒会》も関わってくる。
「アズサさんから話を聞いて、まさかとは思っていたんですがアリウスが関わってるとは……。やはりトリニティを恨んでいるのでしょうか」
「アリウスがトリニティから追放されたのは確か……」
「……"トリニティの至宝"を傷付けたこと、ですね」
「国宝級の何かだったんでしょうか?それにしては、刑が軽いとは思いますけど」
「追放程度で済んだのは、ユスティナの聖女の嘆願によるものですね。本来なら打ち首でしょう」
「ナギサさん、詳しいんですね」
「貴族籍の生徒なら誰でも知ってる事ですよ。至宝がどんなものだったかは、言えませんが。少なくとも、知れば誰もが怒り狂うほどのモノです、とだけ。このトリニティの根幹に関わる事ですからね」
超重要な話をサラッと出しておいて、エデン条約編で回収されなかった話……。まさか、回収までに2年掛かるとはね。
「それで、先生はどう思われますか?」
「私もハナコと同意見かな。今すぐに結論を出すべきじゃないと思うよ」
「そう、ですか」
しょぼんと肩を落とすナギサ。きっとミカとミサ、二人を心配してのことだろう。私は苦笑しながら立ち上がる。
「先生?どちらかに行かれるので?」
「うん、やっぱりもう一人の方も話を聞いておくべきだと思ってね」
「!ですが彼女は……」
「うん、話をするのも拒否してるんだってね。でも……」
今も孤独に戦っている彼女。このエデン条約編3章では彼女の協力が不可欠だ。会いに行かなければならないだろう。なにより、
「私は先生だからね」
生徒に寄り添わずに何が先生か。
「だから、ミサのいる部屋を教えて貰えるかな?」
ミサとの対話は避けては通れない道だ。
「というわけで来たよ、ミサ」
「……」
閉じられた檻の向こう。床に膝を抱えて蹲るミサ。髪の隙間からこちらを覗く瞳に背筋を凍らせながらも、私は覚悟を決めるのだった。
解説何入れようか迷った結果、なにも入れない事に落ち着いた。だって本編で解説しまくった後だし、特に書かなくても大丈夫かなって…。
とりあえず作者の中でハナコが動かすのに便利なキャラと化してきてる。
もうすぐミカとミサの誕生日だし、イチャイチャ短編書こうかなって思うんだけど、またも時系列がエデン条約編後なのは許して。
感想返しってしたほうがいい?
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いる
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いらない