ブルアカにTS転生してメス堕ちする話   作:アウロラの魔王

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ミカ誕生日おめでとー!!!

2回目のお祝いですね。実質2歳ですね(?)

例の如く、エデン条約編終了後のミカミサですのでご了承ください。


ミカ誕生日短編

 

 

『―――これより、聖園ミカと光園ミサに対する公開聴聞会を執り行う!』

 

 

 

 早いものでエデン条約にまつわる騒動が終わって一週間が過ぎた頃。ただの一生徒に戻ったオレとミカの最初の休みの事。

 

「―――ん……ミカ?」

 

 目を覚まして隣を見ると、そこにはまだスヤスヤと眠り続けるお姫様の姿。オレはその姿を見て顔を綻ばせる。

 

「……えへへ」

 

 体を起こして周りを見渡すと、そこは以前暮らしていた《ティーパーティー》所有の屋敷ではなく、やや趣を感じさせる木造の寮、その屋根裏部屋だ。

 カーテンの隙間から漏れる光が、すでに起きる時間を過ぎてる事を知らせる。

 

「……着替えて朝ご飯作らないと」

 

 大きなベッドから降りてクローゼットに向かう途中で、ようやく起きたかと言わんばかりに擦り寄ってきた、ぶち模様の小さな猫2匹を軽く撫でつけて、服を取り出す。

 

「んー、今日はこれにしようかな」

 

 今日はミカとお出かけするし、オシャレしたいよね。ノースリーブのフリルの付いた白ブラウスと三段フリルのフレアスカート。姿見の前でくるりと回りながら全体を見て、おかしなところはないか確認する。

 

「えへへ、かわいい」

 

 さて、とご飯を作る前にあいつらにご飯をあげないと。棚からペットフードを取り出し、小皿に取り分けると床に置く。

 

「ご飯だぞぶちー?たまー?」

 

「にゃー」

 

「にゃーん」

 

 2匹の名前を呼ぶと、テーブルの下からすごい勢いで小皿に寄って来て、制止する間もなくがっつき始める。オレはそれを見て笑いながらその背を撫でてやる。

 

「焦って食べると体に悪いからゆっくり食べるんだぞ」

 

 オレは備え付けのキッチンに向かうとエプロンを付けて、何を作ろうかと迷う。

 

「たぶん、お店回りながら買い食いしちゃうだろうし、軽いものが良いよね」

 

 サンドウィッチでいいかーと思いながら冷蔵庫からサラダとベーコンを取り出し、適当に切り分けると食パンに挟み込んでいく。

 

「うー……ミサちゃぁん……」

 

 テーブルに並べ終えたところで、ちょうどミカが起きてくる。

 

「おはよ、ミカ。もうご飯出来てるから早く顔洗ってきてね」

 

「うー……」

 

 相変わらず朝が弱いミカはふらふらと洗面所へ向かう。ミカが顔を洗ってる間に使ったものを洗ってエプロンをしまう。

 

「―――ミっっっサちゃーん!!おっはよー☆」

 

 ふぅ、と一息ついたところで、完全に目を覚ましたミカが突撃して抱き着いて来た。むぎゅとミカのおっぱいに押し潰されそうになりながらも、オレもミカを抱き締め返しその温もりを堪能する。

 

「えへへ、おはようミカ」

 

「んー、あ、ミサちゃん」

 

「んえ?」

 

「羽ちょっとほつれてるよ、もー」

 

 ミカに言われて後ろを見ようとするが、よく見えずその場でくるくると回ってしまう。

 

「ほら、直してあげるからそこ座って」

 

「う、うん」

 

 羽ブラシを構えたミカに促され、ドレッサーの前にある椅子に座る。オレが座ったのを確認すると、ミカはゆっくりとオレの羽にブラシを通し、羽を梳く。

 ミカの手が羽に触れる度に、ピリピリとした小さな刺激が全身を駆け巡り、くすぐったい気持ちになりながらもミカにされるがままになる。

 

「よし!できた!んーミサちゃんの羽もふもふー☆」

 

「あ、ありがとうミカ」

 

「えへへ、どういたしまして」

 

 そう言いながらミカはオレの羽をモフモフし続ける。

 

「ってもう!くすぐったいよ!」

 

「ごめんごめん!じゃあご飯にしよっか!」

 

 椅子から立ち上がると、ミカに手を引かれてテーブルまで連れて来られる。

 

「今日はサンドウィッチ?」

 

「うん、軽い方が良いかなって」

 

「ふーん、そうなんだ」

 

 そう言いながらサンドウィッチを口に運ぶミカ。食べてる様子をジーっと見つめてると、何かを疑問に思ったのかオレを見て首を傾げる。

 

「ミサちゃん今日はオシャレしてるけど、どこか行くの?」

 

「え…………」

 

「―――なーんてウソウソ☆今日は一緒に遊びに行くんだもんね!」

 

「う~~~!ミカのバカバカバカぁ!なんでそんな冗談言うのー!」

 

 涙目になりながらミカをぽこぽこと叩くも、ミカは愉快そうに笑うだけで効いてる様子はない。

 

「あはは!ごめんって~お詫びに何か買ってあげるから、ね?」

 

「むー……そんなこと言って、ミカは今カード制限食らってるからあまり使えないじゃん」

 

「え?あー、そう言えばそうだった……でも、それはミサちゃんだって同じだよね?」

 

「私は学校のじゃなくて個人のカードあるし!」

 

 自慢げに黒いカードを取り出して見せびらかしてやると、今度はミカがむぅっと唸る。

 

「そ、それより!食べ終わったなら早く着替えて行こうよ!……その、恋人になってはじめてのデートなんだし……」

 

 最後の方の言葉は、言い慣れてないせいで恥ずかしくって声がすぼんでいく。もじもじと指を絡ませながらミカを見ると、なんでか鼻を押さえながら上を向いていた。

 

「……なにやってるの?」

 

「うーん、無自覚って怖いなぁって思って……」

 

「なんて???」

 

 鼻声でよく聞き取れなかった。

 

「ううん!それより早くしないと遊ぶ時間無くなっちゃうね!ほら、ミサちゃんも早く準備しよ!」

 

「わ、私はもう終わってるよ~!」

 

 ミカに引っ張られながら部屋から慌ただしく出て行くオレ達。残された猫達は、やれやれと窓際に寝転がり日向ぼっこをしていた。

 

 

 

 ミカが着替え終わるのを待って、二人で街に出る。休みの日だからか、あちらこちらに生徒の姿を見かける。

 人が多くてミカとはぐれたら嫌だな、と思った時にふと閃いた。

 

「わー……人多いね。ミサちゃん、小さいからはぐれたら見つけるの大変そうだね」

 

「あ、あのミカ……」

 

「ん?どうしたのミサちゃん?」

 

「その……手、繋がない?」

 

「手?」

 

「あ、あの!ほら!はぐれたらいけないと思って!だから……あ」

 

 スッとミカの手がオレの手に触れる。そのまま指を絡めてごく自然に恋人繋ぎになる。

 

「こ、これならミサちゃんもはぐれないね?」

 

「う、うん……」

 

 手なんて、もう何度も繋いでるはずなのに妙に顔が熱い。

 

「ミサちゃんの手、あったかいね」

 

「き、今日は日射しが強いから」

 

「そうなんだ」

 

 そのままお互いに何も言わず歩き出す。オレとミカの間には何とも言えない空気が存在していた。それは気まずいとかじゃなくて、もっと温かい何か。

 

「……なんだか、こうしてミサちゃんと二人っきりで遊びに行くのって、すごい久しぶりだね」

 

「あ、うん……この前は余計なもの(先生)が付いて来たから、二人じゃなかったもんね」

 

「あー、足りないもの買いに行った時のね?」

 

「…………」

 

「み、ミカ……?」

 

 急に黙ったからミカの方を見ると、ミカはオレをジーっと見ていた。

 

「……もしかして、ミサちゃんって先生の事好きになっちゃった?」

 

 黙っていたかと思うと、吐き気を催すことを急に言い放つミカ。

 

「それは、ぜっっっったいに無い」

 

「そう?この前だって、妙に仲良さそうだったし、ミサちゃんだけシャーレの当番で呼ばれたりしてたよね」

 

「そ、それはアイツに借りがあるから仕方なく!それに私が好きなのは……!」

 

「好きなのは?」

 

「す、好きなのは……み、ミカだけだから!

 

 顔から火が吹き出しそうなほど熱い。

 

「へ、へーそうなんだーふーん?」

 

 ミカの上擦った声が聞こえる。どうやらミカも照れてるらしい。

 

「なんでミカも照れてるの……」

 

「うっ……そのー言わせておいてなんだけどね。まさか、ホントに言うとは思って無くて」

 

「い、言うもん!ミカの彼女になったんだから!」

 

「か、彼女……そうだよね、ミサちゃんと私恋人同士になったんだよね」

 

「う、うん……」

 

 改めて言われると、余計に顔が熱くなってしまう。ミカも、耳まで赤くなって照れているのが分かる。

 

「あ!」

 

「ふぇ!?」

 

 急に大声を出したミカにびくりと肩が震える。

 

「あそこでアイスクリーム売ってるよ!ちょっとあそこで休憩していこうよ!」

 

 ミカの指差す方に車が一台止まっていた。この時期によく見かける販売車だろう。氷と描かれた旗の下に、アイスクリームもありますとデカデカと書かれている。

 

 ミカに連れられるままに列に並び、ミカに何味を頼むか尋ねられる。

 

「うーん……じゃあストロベリーで」

 

「そっかーじゃあ私はチョコにしようかな?」

 

 自分達の番が来て、注文しアイスクリームを受け取ると、二人で近くのベンチに腰掛ける。

 

「あむっ、ん……冷たくておいしい!」

 

「んー!暑い日のアイスクリームは格別だね!」

 

 火照った体をイイ感じにクールダウンできて、ついでに美味しいものも食べられて一石二鳥だ。

 

「……。あ、ミサちゃんほっぺにクリーム付いてるよ」

 

「え?どこどこ?」

 

 ミカに言われてぺたぺたと顔を触るも、それらしいものはどこにも無い。

 

「えへへ、ウソ~♪あむ☆」

 

「ああっ!?」

 

 目を離した隙に、ミカがオレのアイスにかぶりついていた。

 

「んー!こっちもおいしいね!」

 

「私のアイスなのに~!」

 

「あはは!ごめんごめん!ほら、私のも一口食べていいから許して?」

 

「む~……あむっ」

 

「おいしい?」

 

「ん、おいしい」

 

 ストロベリーとチョコの甘みが口の中で溶け合って、とてもおいしかった。

 

「それはそれとして!これで許して貰おうなんて片腹痛いよ!」

 

「えー?じゃあどうしたら許してくれる?」

 

「え?……じ、じゃあキス……して」

 

 言ってから、「あれ?結構大胆なこと言ったかも」と思い慌てて訂正しようと思ったが、一足遅かった。

 

「んっ」

 

 視界いっぱいにミカの顔が映り、唇に柔らかいものが押し当てられている。

 時間にして数十秒ほど、オレの唇を堪能したミカはぺろりとひと舐めして離れる。

 

「ミサちゃんの唇、イチゴ味ですごく甘いね」

 

「う~……」

 

「嫌、だった?」

 

「い、嫌じゃない、むしろ……好き、だけど。き、急にするのは無し!」

 

「えー」

 

「えー、じゃない!その、心の準備とか色々必要だし……」

 

 ふと手元を見ると、アイスクリームが溶けて垂れ始めてたので慌てて食べる。

 

「むぐむぐ……」

 

「ぷっ、ふふふ!ミサちゃんハムスターみたいになってる!」

 

「むぅー!んぐんぐ、ごくん。そんなに笑う事無いじゃんか!」

 

「あはははは!ごめんって!」

 

 いつの間にか食べ終えていたミカは、ベンチから立つと手を差し出してくる。

 

「ほら行こうよ、ミサちゃん!今日はたくさん遊ぶんだから!」

 

 オレはその手を強く握り返して頷く。

 

「うん!」

 

 

 

 バスを利用して商業施設へ移動したオレ達。目に入ったブティックのお店に入り、燃やされたミカの私物に代わって、新しくミカに似合いそうなものを探す。

 

「うーん、あ!これミサちゃんに似合いそうじゃない!?」

 

 そう言って広げた白いワンピースに、「おー」と感嘆の息を漏らすも、目的がすり替わってる事に気が付いた。

 

「ミカに似合うもの探してるのに、私に似合うもの探してどうするの!」

 

「だってミサちゃんに似合うと思ったんだもん」

 

 ミカに怒りながらも、もう一度ミカの持ってきた白いワンピースを見て気付く。

 

「……これ、私とミカがはじめて遊びに行った時に、ミカが着てたワンピースにそっくり」

 

「え?あー、言われて見れば似てるかも。でも、よく覚えてたね」

 

「憶えてるよ、ずっと。ミカと会ったあの日から、貰ったもの全て。ミカの事が、大好きだから」

 

「ミサちゃん……」

 

 ミカの持ってるワンピースを受け取り、両の手でしっかりと抱き締める。

 

「ねぇ、これちょっと着てみても良い?」

 

「え?う、うん」

 

 ミカの許可を貰って試着室に入る。着ていたものを脱いでハンガーに掛けると、ワンピースを手に取る。

 

「ミサちゃん、着れた?開けて大丈夫?」

 

 ちょうど着替え終わったタイミングで、ミカが外から声を掛けてくる。

 

「う、うん、大丈夫」

 

 試着室のカーテンを開いてミカに披露する。

 

「ど、どうかな?似合ってる?」

 

「……」

 

「ミカ?」

 

「あ……似合ってる。すごく、似合ってる」

 

「えへへ、ありがとう」

 

 改めて鏡を見ると、あの時のミカにホントにそっくりだった。

 

「これで麦わら帽もあったら完璧だったね」

 

「うん、そうだね」

 

 ミカを見ると、なんだか泣き出しそうな顔をしていた。

 

「ミカ?どうしたの?」

 

「……ううん、なんでもないの」

 

「……」

 

 なんでもないようには見えないけど、ここで詰めてもミカは答えないだろう。

 

「よし!ミカ!体を動かしに行こう!」

 

「……へ?」

 

「あ!店員さんこれ買います。着て行くのでタグだけ取ってください」

 

 カードで支払った後店を出て、ミカの手を引いて人混みの中をずんずん進む。

 

「ちょっ!待ってミサちゃん!体を動かしにってどこに……わぷっ。き、急に止まったら危ないよ」

 

「ん、着いた」

 

「着いたって……ここ、スポーツセンター?体を動かすってここで?」

 

 ミカの呟きをスルーして受付を済ませる。

 

「ミカ、こっち」

 

「こっちって、着替えなくて良いの?」

 

「大丈夫、大丈夫」

 

 施設内を進み、体育館みたいな場所に出る。

 

「ミサちゃん、何するの?」

 

 オレはカゴの中からボールを取り出すと、ミカに投げる。

 

「わっとと!……バスケットボール?」

 

「ミカ、1on1で勝負しよう。先に5本入れた方の勝ち。シンプルでしょ?」

 

「な、なんで急にそんな」

 

「急じゃないよ。それで、もちろんやるよね?」

 

「急にそんなこと言われてやるわけ……」

 

「ふーん、負けるのが怖いんだ?」

 

「なっ、別にそんな事」

 

「怖いんでしょ?」

 

「~~~ッ!分かった、やればいいんでしょ!」

 

「そうこなくっちゃ」

 

 オレとミカは位置に付くと向かい合う。

 

「勝った時は?」

 

「ん?」

 

「だから、私が勝ったら何を貰えるの」

 

「んー、じゃあ『勝った人は負けた人に何でも一つ命令できる権』でどう?」

 

「へー?またそんな条件付けていいの?」

 

「もちろん、"今回は"負けてやるつもりはさらさら無いから」

 

 攻守交替制で最初はオレの攻撃から。オレはドリブルをしながらミカの出方を窺う。おそらく、ミカは最初から飛ばして来ないだろうと思って、油断をしている。崩すならそこだろう。

 オレはミカの股下にボールを通し、そのままゴールを決める。

 

「悪いけど、ぬるい動きするならこのままストレート勝ちしちゃうかもね」

 

「……へぇ?」

 

 攻守交替でミカの攻撃。どう来るかミカの動きを見ようとして、見ようとした時にはミカはオレの隣を通り過ぎてゴールを決めていた。

 

「ストレート勝ちがなにって?」

 

「……そうこなくっちゃな」

 

 

 

「はぁ……はぁ……」

 

「ふぅ……ふぅ……」

 

 取っては取られを繰り返して、4対4。ミカの攻撃で、ミカからボールを奪えなければ、オレの負けだろう。

 

「……ふふっ、これは私の勝ちが決まったようなもんだよね。今から私に何を命令されるか、考えた方が良いんじゃないかな?」

 

「……まだ勝負は決まって無いのに、負けた時の事なんて考えてる暇あると思う?」

 

「生意気っ」

 

 抜けようとするミカを悉くブロックし、膠着状態に戻る。

 

「っ!いい加減諦めたら?」

 

「それは出来ない、ねっ!」

 

 ボールを奪おうと手を伸ばすも、ボール回しと体捌きで避けられる。

 

「甘いよっ!」

 

「―――っ!そこだっ!」

 

「えっ!?」

 

 避ける為に開いた体とボールの間に腕を捻じ込み、ボールを奪う。そのままオレはゴールを決めた。

 

「はぁ……はぁ……今回は、私の勝ちだよね」

 

「……今回"は"?」

 

「昔、ミカにバスケの勝負で負けたからね」

 

「そんな昔の事……それに、あの時はミサちゃんが勝ったじゃん」

 

「試合には勝ったけど、勝負には負けたんだよ。だから、ずっとリベンジしたかった」

 

 息を整えるとその場にごろんと寝転がる。

 

「はぁーっ、スポーツとか久しぶりだから疲れたぁー!」

 

「ミサちゃん、そんなところに寝転がると汚れちゃうよ」

 

「今日くらいは許してよ。それでさミカ、体動かして多少はスッキリした?」

 

「……やっぱりミサちゃんには誤魔化せなかったんだ」

 

「あれは私じゃなくても気付くよ」

 

「そっか……よいしょっと」

 

 ミカはごろんとオレの隣に寝転がる。

 

「いいの?汚れちゃうよ?」

 

「今日くらいは良いよ」

 

「そうなんだ」

 

「……さっきね、ワンピース姿のミサちゃんを見た時に昔の私の姿が重なって見えたの。『私のしたことが本当にミサちゃんの為になったの?』って言われた気がした。ただ(いたずら)に、私の勝手でミサちゃんを変えてしまっただけなんじゃないかって」

 

「ミカ……」

 

 体を起こしてミカを見ると、顔を腕で覆っていた。

 

「ミ―――」

 

「―――あのぅ、もうここ使って大丈夫ですか?」

 

「あっ!?は、はい大丈夫です!ごめんなさい長く借りちゃって」

 

「いえいえ、大丈夫ですよ」

 

 ミカを励まそうと声を掛けようとしたら、順番待ちの人に声を掛けられたので、慌てて場所を譲る。手持ち無沙汰になったので、ミカと一緒にスポーツセンターを出て歩き、適当な公園のベンチで休む。

 

「ミカ、飲み物買って来るけど何が良い?」

 

「え~と、ミサちゃんのおすすめで良いよ」

 

「おっけ~」

 

 近くの自販機から、りんごジュースを二本買ってミカに渡す。

 

「ありがと」

 

「ん」

 

 オレもベンチに座ってジュースのプルタブを開ける。

 

「んくんくっ」

 

 ぷはぁ、とジュースで喉を潤すことで、全身に活力が戻るのを感じる。隣を見ると、ミカは缶を手元でくるくると回しながら考え事をしている。

 

「……ミカ、オレは変わってないよ」

 

「ミサちゃん……?」

 

 ミカの手にそっとオレの手を重ねる。

 

「さっきの勝負の権利使うね。ミカ、私を見て。昔の(オレ)も、今のオレ()も、ひっくるめて『私』なの。どちらも『オレ』なんだよ」

 

「昔のことだって根に持ってずっとミカにリベンジしたいとか思ってるし、ミカと話すとき以外は『オレ』って言うし。でも、ミカの前では可愛い女の子でいたいって思ってる。ミカとの子供だったら、何人でも欲しい」

 

「でもっ、私がミサちゃんを歪めてしまったのは事実だからっ」

 

「それも違う。歪だったのは私だったんだから。ミカはそれを戻してくれた私の『ヒーロー』なんだよ。私を救ってくれたのは他の誰でもない、ミカなんだよ!あの日、アリウス自治区でも言ったよね。私、ミカになら何をされたっていい。それぐらいミカの事が大好きなんだって」

 

「ミカ、大好きだよ。私をあなたのお嫁さんにしてください」

 

 ミカの手を、祈るように両手で包み込む。

 

「ミサちゃん……うぅ~ごめんね!ありがとう……私も大好きだよ!」

 

 ミカの目から涙が溢れる。そして、体ごとオレに抱き着いてひとしきり泣いた後、恥ずかしそうに離れた。

 

「その……ごめんね、みっともないところ見せちゃって」

 

「ううん、やっとミカが弱い所を見せてくれて嬉しいよ」

 

「うぅ~!ミサちゃんには弱い所なんて見せたく無かったのに~!忘れて~!」

 

「もう見ちゃったから無理ー」

 

 目の周りとそれ以外も赤くしたミカがポコポコと叩いて来るが、それぐらいで忘れてやるものか。

 

「むぅ、ホントに生意気っ。そんなんだと夜イジメちゃおっかなー?」

 

「え♡」

 

「……なんで嬉しそうなの。はぁ、どうしてこんなにエッチな子になっちゃったんだろうね」

 

「うーん、ミカの教育の賜物かなー」

 

 ミカは手元の缶ジュースのフタを開けるとグビグビと飲みだす。

 

「あ、そうだ!ミカ、これ」

 

 そう言ってカバンからラッピングされた箱を取り出す。

 

「これって……」

 

「ほら、今年は誕生日を祝う暇が無かったでしょ?だから、と言うわけじゃないけど」

 

「ふふっ」

 

 くすくすと急に笑い出したミカに首を傾げる。

 

「ミカ?」

 

「まさか、同じこと考えてるなんてね。……はい、これ私からの誕生日プレゼント」

 

 そう言ってミカもカバンから同じくラッピングされた箱を取り出す。箱の大きさも同じくらいだ。

 

「……まさか、中身も同じだったりしないよね」

 

「じゃあ、せーので開ける?」

 

「んー、じゃあそれで」

 

「「せー、のっ!」」

 

 お互いに相手から貰ったプレゼントを開けて、絶句する。

 

「ぷっ」

 

「「あははははっ!」」

 

「あーあ、ミカなら小物系で来ると思ったからあえて外したのになー」

 

「私は普通にミサちゃんが欲しそうなもの選んだだけだからね」

 

 ひとしきり二人で笑った後、同じタイミングでベンチから立ち上がる。

 

「まだ今日は始まったばかりだよね」

 

「うん、まだ全然遊び足りないよ」

 

 お互いに考えることは一緒だ。なら、これからしたいことも一緒に違いない。と、ふとやり残したことを思い出す。

 

「あ、そうだ!」

 

「どうしたのミサちゃん?」

 

 ミカの前に躍り出て、手でスカートを広げながらくるりと回る。

 

「『オレ』に似合うかな?」

 

「うん、すっごくかわいいよ!ミサちゃん!」

 

「えへへ、そっか!」

 

 そして、ミカと手を繋ごうと思ったけど、どうせならと思い実行に移す。

 

「―――えいっ」

 

「わっ、ミサちゃん?」

 

 急に腕に抱き着いたので、ややバランスを崩し掛けたがすぐに戻った。

 

「こっちの方がミカに近いから、だめ?」

 

「ダメというか歩きづらいよ」

 

「こけそうになったらミカが助けてくれるもんね?」

 

「えー私がこけそうになったらどうするの?」

 

「そのときは私が助けるよ!」

 

「そっかー、じゃあそのときはお願いしようかな」

 

「任せて!」

 

 そのまま二人でどこに行こうか話しながら歩き出す。

 

 今日くらいは、学園の事は忘れていいだろう。

 

 だって、今日は二人の特別な日なんだから。

 

 




あのメス堕ちの日からもう1年経ったんだなーという思いが強い。
なのに、まだエデン条約編を終わらせてないよわよわ作者でごめんね。
がんばって書き続けるので、これからも応援お願いします!
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