転生したが世代が違った...   作:大徳寺 一

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11話 文化祭

 

 二学期が始まり約二ヶ月がたった。仮免試験に向けての訓練や文化祭の準備など大変な二ヶ月だった。だが、今日はみんな生き生きとしている。何故なら今日は...

 

 『士傑文化祭開催!!』

 

 校内放送が響き渡る。そう今日は文化祭当日なのだ。うちのクラスは縁日をモチーフにしたもので教室内を提灯などの装飾品で飾りつけしている。それとクラス全員でハチマキと法被を身に付けている。そして、そういう俺はというと...

 

 「一年一組、縁日やってまーす!」

 「タコ焼きにわたあめ!射的と型抜きといったゲームもありまーす!」

 

 刃渡と一緒に呼び込みをしていた。正直、呼び込みより教室に残ってそっちの手伝いの方が良かった。「なんで呼び込みなんだ」とつい愚痴をこぼす。それを聞いて刃渡はこう答えた。

 

 「そりゃあ、お前の顔がいいからだよ。女子達も言ってただろ?」

 「なんか利用されてるみたいで複雑なんだけど...」

 「実際されてるんだよ。別にいいじゃん他のクラスの出し物を見に行っていいって言われてるし」

 「それもそうだな。せっかくの文化祭だしな」

 

 刃渡の言う通りせっかくの文化祭楽しまなければ損だ。呼び込みをしつつ文化祭を楽しもう。

 

 「よーし!どんどんお客を侍らせていこうぜ!」

 「言い方どうにかならんのか...」

 

 台無しである。

 

▽▽▽

 

 ある程度、呼び込みが終わり教室に戻る。満員というわけではないがお客さんは多かった。

 

 「お疲れ様。呼び込み行ってきたよ」

 「おっ!お疲れ!操助のおかげでお客さんじゃんじゃん来とるわ!」

 「そりゃどうも」

 

 豊満は休憩中なのか椅子に座ってパウンドケーキを頬張っていた。それ見て刃渡が突っかかる。

 

 「うまそうなの食ってるじゃん。俺にも分けろよ!」

 「別にええで、射的組の余りのやつやし」

 「じゃあ!女子の手作りってことじゃん!操助も食うだろ?」

 「俺はいいよ。さっきチョコバナナ食べたし」

 

 刃渡にそう答えると刃渡は「もったいねー」と言いながらパウンドケーキを手に取る。

 

 「めっちゃ紅茶のいい香りするな!このケーキ!」

 「せやろ!それでいてしっとりふわふわでうまいねん!」

 「そう言ってもらえると作った俺も鼻が高いよ」

 

 俺の言葉に固まる二人。ギギギと人形の様にこちらを向き口を開く。

 

 「えっ...これ...操助が作ったん?...」

 「そうだけど、それがどうした?」

 

 再び固まる二人。十秒ほど時間が経って再び口を開く。

 

 「このパウンドケーキ、パサパサせえへん?」

 「そうだな。しかも汗臭くね?」

 

 「おい」

 

 二人の言葉につい声を出してしまう。男が作ったって分かった瞬間にそんなにテンション下げるなよ。流石にこっちもショックだわ。ショックを受けた俺を見て豊満は慌てて訂正する。

 

 「冗談や!冗談!ほんまにうまいわ!料理上手なんやな!」

 「まぁ、一人暮らしだし」

 「イケメンで文武両道、挙句の果てに料理上手って...お前は何になりたいんだ!」

 「ヒーローだよ。何のために士傑に来てると思ってるんだ」

 

 「くっそお!!」と言いながら悔しそうに悔しそうにのたうち回る刃渡。それを可哀想に見る俺ら二人。そんな謎の空間にヒョコっと指原が顔を出す。

 

 「どうしたの~?」

 「病気」

 「病気て」

 

 俺の辛辣な返答に反応する豊満。指原は「そっか~」などと納得している。相変わらずのマイペースっぷりだ。その後指原は申し訳なさそうに話し出す。

 

 「戻ってきたところ悪いんだけどお菓子運ぶの手伝ってくれない?」

 「別にいいぞ。ほら、指原も行くぞ」

 「は~い...」

 「午後からミスコンあるらしいで」

 「いよっしゃあああ!!何キロでも何トンでも運んでやらあああ!!!」

 「清々しすぎて逆に好きだわ。お前のそういうこと」

 

 さっきまでが噓のようにテンションが高くなる刃渡。切り替えの早さは一丁前だ。だが、

 

 「よっこrうお!?」

 

 刃渡が持ち上げた箱の底が抜け部屋全体にお菓子がばらまかれる。この運の悪さである。むしろ切り替えが早いのは不運が故なのかもしれない。ん?こいつが呼び込みに回されたのってそういう...俺はそっと手を刃渡の肩に置く。

 

 「ドンマイ」

 「よく分らんけど、殴っていい?」

 

▽▽▽

 

 休憩が重なりいつもの四人で文化祭を回っている。ミスコンに行ってきたが刃渡の熱気が下がっている。

 

 「騙された...」

 「騙してへんよ。一応ミスコンやったやろ?」

 「ミスはミスでもミスターの方じゃねーか!」

 

 刃渡の言う通り、男が女装して美しさを競うミスコンだった。まぁ、最後の方は女装の美しさと言うより肉体の美しさを競う大会になっていた。あれはあれで面白かったが刃渡は不満たらたらのようだった。

 

 「俺の癒しは何処へ...」

 「そんな落ち込むと思わんかったわ。おごったるから元気出して」

 「毒島、一番高い所は?」

 「おい!少しは気遣え!」

 「えっと...多分、二年三組の...」

 「操助!お前も教えんといて!!」

 

 和気藹々と文化祭を回る。次はどこに行こうかと辺りを見渡すとあること気づく。そこには茶髪の女の子がキョロキョロと何かを探している。ずっと見ていたことに気づいたのか豊満が俺に声をかける。

 

 「どうした操助?おもろい出し物でもあったんか?」

 「いや、多分迷子だ。とりあえず話しかけよう」 

 

 そうして女の子に近づいて「どうしたの?」と話しかける。急に話しかけられてびっくりしたのかこっちを見て固まっている。黙っていてもしょうがないのでもう一度声をかける。

 

 「どうしたの?迷子なっちゃったの?」

 「うん...」

 「そっか、お名前は?」

 「ケミィ...」

 「ケミィちゃんって言うんだ...ん?」

 「ケミィちゃんだな!俺、先生に迷子の放送してもらってくる!」

 

 そう言い残し刃渡は職員室に向かっていった。そんなとこよりこの子ケミィちゃんなのか!急に原作キャラの登場に驚きを隠せない。確かに唇とかに面影がある!小さい頃はこんな感じだったのか!などと考えながらケミィちゃんをじっと見つめてしまっていた。ケミィちゃんは恥ずかしくなったのか豊満の後ろに隠れる。

 

 「操助...お前ロリコンやったんか...」

 「ち、違う!えっと、知り合いの子どもにそっくりだっただけだ!」

 

 とっさに噓でごまかす。だが豊満と指原は冷ややかな目で俺を見てくる。待って!マジで違うんだって!

 

 「まぁ、子どもは可愛いしな分からんでもないわ。ケミィちゃんお兄さんが肩車したるわ!」

 「そうだよ毒島くん!恥ずかしがることはないよ!ケミィちゃん飴ちゃん舐める?」

 「おいロリコンだって確定させるな!おい!聞いてんのか!おーい!」

 

▽▽▽

 

 「「本当にありがとうございました!」」

 「いえ、人として当たり前ことをしただけですので」

 

 ケミィちゃんの両親にお礼を言われその場を後にする。俺のロリコン疑惑も何とか晴れた。冗談抜きで人生で一番疲れたかもしれない。ていうか年齢を聞けばよかった。そうすれば原作までの時間を計算できたのに...

 

 「いや~ケミィちゃん両親に会えて良かったね」

 「せやな!魔の手からも守れたし」

 「この感情が殺意か」

 「冗談やって!操助の個性やとシャレにならんわ!」

 

 慌てて訂正する豊満。その様子にくすりと笑ってしまう。すると文化祭終了の放送が流れた。それを聞くと終わったんだと自覚させられて少ししんみりする。一年生の残りの行事は合宿だけ、原作までおそらく十年くらい先だろうが後悔ないように頑張らなくては

 




自分で書いといてなんだけどいつ原作始まるんや
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