転生したが世代が違った...   作:大徳寺 一

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13話 強化合宿 後編

 

 昼休憩も終わり午後の訓練が始まる。午後の訓練は必殺技の作成であり、人によってはグループを作り案を出し合ったり、一人で黙々と製作したりと様々だ。そういう俺はというと...

 

 「ぐふっ!!」

 「操助、大丈夫か!?」

 「顔面から落ちたぞ...」

 

 必殺技作成中に顔面を地面に打ち付ける。正直痛いが心配させないようすぐにおきあがる。

 

 「ああ!大丈夫だ!」

 「鼻血だらっだらやで!?」

 

 豊満にそう言われ鼻の下を触ると確かに鼻血が出てきており、手にべったりと血が付いた。それが分かると直ちに鼻を摘まみつつ、血が垂れないようハンカチで押さえる。そして空いた片手で個性を発動させる。

 

 「よし!」

 「「よし!」じゃないわ!休まんかい!」

 「もっと鼻血出るぞ!」

 

 そう言われ渋々木陰に移動しその場に座る。すると二人も俺の両端に座った。

 

 「何サボってんだ。特訓しろよ」

 「これはサボりやないで操助!たまにはこうやって考えるのも大事なんやで!」

 「我武者羅にやってもしょうがないからな!」

 

 サムズアップしてもっともらしい事を言うがどうせサボるための口実である。まぁ、俺も動けないし必殺技を考える時間としよう。

 

 「てか、操助何なん今やっとる新技?」

 「スゲーよな!空飛ぶなんて!」

 「あれは思いっ切りガスを噴射してそれで飛んでるんだ」

 

 今俺は今、空を飛ぶ技を特訓している。これは職場体験の時に脱出するためにやった技だ。試行錯誤を繰り返しているが長時間飛ぶことができない。ガスを噴射し続けるのはスピードが出るが小回りが利かなくなるし燃費も悪い。爆豪くんのようにちょっとずつ噴射するのは小回りが利き燃費も良くなるが如何せん速さが足りない。そして何よりもバランスをとるのが難しい。さっきの顔面ダイブもそのせいだ。

 

 「職場体験の時は出来たんだけどなぁ...」

 「それはあれじゃね?火事場の馬鹿力ってやつ!」

 「そうかもなぁ...」

 

 あの時は必死だった。正直、必死すぎて脱出までの記憶がほとんどない。危機的状況でリミッターが外れてバランスを崩さず飛ぶことができたのかもしれない。

 

 「ということはもう一度危機的状況になれば感覚を掴める?」

 「そうはならんやろ」

 「お前、急にアホになるときあるよな」

 

 二人にボロクソに叩かれる。流石にそんなリスクが高い方法は試すつもりはない。

 

 「ていうかお前らは必殺技は出来たのか?」

 「俺は出来てるぜ!見てろよ!」

 

 刃渡はそう言うと靴を脱ぎ捨て裸足になる。そのまま足を刃に変えてスケートのように滑っていく。だが、ある程度滑ったのち足を引っかけ尻餅をつく。

 

 「どうよ!」

 「その状態でドヤ顔されても困るんだが」

 「やっぱ、機動力が大事だと思ってさ移動系の技考えてんだ」

 

 起き上がりながら刃渡はそう言った。それ聞いて豊満は羨ましそうに話し出す。

 

 「ええなぁ二人はそういうの出来て、俺の個性じゃ出来へんもん」

 「まぁお前は機動力を上げると言うより対人戦の技を極めたほうがいいと思うぞ」

 「毒島の言う通りだぜ!苦手なことより得意なこと伸ばすのも大事だと思う!」

 

 豊満はそれ聞いて「それもそうやな!」と言って立ち上がる。そしてそのまま刃渡と一緒に特訓を始めた。俺も落ち着いてきたら特訓を再開しよう。

 

▽▽▽

 

 午後の訓練も終わり夕食の時間になった。原作のように自分達で作る方式で今日のメニューは肉じゃがだ。俺は刃渡と具材を切っている。

 

 「毒島、芽を取り忘れてるぜ」

 「あっ、すまん。個性で平気だから忘れてた」

 「便利だけど危ないなお前の個性。ジャガイモは俺が切るから玉ねぎ切ってくれ」

 「分かった」

 

 そう言ってジャガイモを刃渡に任せ、玉ねぎを切り始める。個性で毒無効だから面倒くさい時についついやってしまう。この癖は直さなきゃいけないな。手料理を振舞ったら死んだなんてことなったら笑えん。そんな雑談を交えつつ何とか肉じゃがは完成し、いつものグループで食事をする。

 

 「そういや指原は一人で特訓してたよな。なんか必殺技は出来たのか?」

 「うん、出来たよ~連射力が下がるけど威力が上がるようになったり、威力を下げた代わりに連射力が上がるようになったんだ~」

 

 それを聞き刃渡は「すげぇな!」と返す。指原は満更でもないようで玩具を自慢する子供のように話し出す。

 

 「それだけじゃないんだよ!威力も連射力は下がるけど銃声をはぼ無くすことが出来るようになったんだ~!」

 「凄いなぁ!・・・ん?銃造、個性使うとる時ああなるけど大丈夫なん?」

 

 ああなるとはきっと訓練時に見せた性格が豹変する事だろう。確かにあの状態になってしまったら銃声が無くすことが出来てもバレてしまうだろう。俺もその事が気になり指原を見る。すると指原は数秒間黙り込んだと思うと口を開く。

 

 「ところでみんなは必殺技は出来たの?」

 「話逸らすな」

 「こりゃ出来てねぇぞ」

 「仕方ないじゃん!副作用で昂っちゃうんだから!」

 

 指原は「ぐぬぬ」と唸りながらそう話す。まぁ副作用なら仕方ないよな。

 

 「で、でも、ちょっとだけなら我慢できるんだよ」

 「へーどれくらいなん?」

 「・・・三分」

 「「「凄!」」」

 

 俺たちの反応を見て、指原は「え?」と間抜けそうな顔で呟く。

 

 「成長したんやなぁ...」

 「ああ、見違える様だ」

 「ここまでくると馬鹿にされてる気がするんだけど」

 「そんなことないぜ!指原本当に凄いぞ!」

 

 刃渡の言う通りだ。一緒に訓練していた身からするとノーベル賞物だ。もし馬鹿にする奴がいたら助走をつけてぶん殴ってやる。ああ本当に成長したんだな指原、感動で涙が出そうだ。

 そんな俺達の姿を見て指原は若干引いていた。それと同時に申し訳なさそうに口を開く。

 

 「なんかごめんね。苦労を掛けてるようで」

 「いや良いんだ。もう胸いっぱいだ」

 「仮免試験までには十分くらい耐えられるようになるよ」

 

 指原がそう言うと刃渡が深くため息をついた。ため息の原因は仮免試験のことだった。

 

 「仮免かぁ~、そうだよな~仮免試験までに仕上げないといけないんだよなぁ...」

 「そのための合宿やからな。忘れとったんか?」

 「いや覚えてはいたけどさ、なんかこう嫌なものから目を逸らしたくて」

 「逸らすも何も、もう三ヶ月切ったぞ」

 「言わないでくれ...」

 

 そう言って刃渡は天を仰いだ。気持ち真っ白に燃え尽きた様に見えた。まぁ刃渡の気持ちは分からんでもない。三ヶ月弱で必殺技を完成させなければならないと考えると俺も少し不安になる。

 

 「もうやるしかない所まで来てるんだから頑張ろうぜ。俺達なら絶対合格できる」

 「操助の言う通りやで!力合わせて全員で合格したろや!」

 「それもそうだな!合格目指してもっと頑張ろうな!」

 

 刃渡は元気いっぱいに言い放つ。これが終わればすぐに仮免試験が待っている。それまでに必殺技を完成させなくては。

 




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