ヒロアカ終わりましたね良い最終回でした←今更
タグに亀投稿を付けようかなって思ってます。
エンデヴァーさんと喧嘩してから数日、俺は燈矢くんと特訓をしていた。
これからどうしようかなぁ...エンデヴァーさんとこのままの関係でいく訳にはいかないよなぁ...
「・・・・い・・・おい!腕立て今何回だ!」
「え?あっ!ごめん数えるの忘れた!」
「ざけんな!!!」
「本当にごめん!とりあえず休憩していいよ!」
急いで燈矢くんから降りると、そのまま燈矢くんは崩れる様に倒れる。
申し訳ない事をしたなと思いつつスポーツドリンクを燈矢くんに渡した。
「ごめんね。考え事してた」
「...父さんか?」
「あーうん、そうだね」
「...ごめん」
「気にしないでいいよ。俺が勝手にやった事だし」
俺が悪いのに気を遣わせて申し訳ないな。口は悪いけど根っこの方は優しい子だ。
「...なんで頭撫でてんの?」
「良い子だなぁと思って」
「やめろ」
「危なっ!?」
炎を出してきたので慌てて手を引っ込める。相変わらずのツンデレだ。
そうやって燈矢くんとじゃれついているとこちらに向かってくる足音がする。誰だと思い振り返るとそこにはエンデヴァーさんの姿があった。
「父さん何の用だよ?」
「いや、なんだ、今日は暑いからな。アイスでもどうだ?」
そう言うエンデヴァーさんの手にはビニール袋が握られており何種類かアイスが入っていた。
「あっそ、二人で食べてて良いよ」
「まぁまぁ燈矢くん、せっかくだからみんなで食べよ。ささ、どうぞエンデヴァーさん」
「ああ」
エンデヴァーさんは切り株に腰掛けて俺達に袋を渡す。
「好きに選べ」
「だってさ燈矢くん何がいい?」
「...ボリボリくん」
「はいよ。俺はぜんざいバーにしようかな」
「おっさんかよ」
「燈矢くん全国のぜんざいバーファンを敵に回したね」
「事実だろ」
「目の前に食べてる若人がおるやろがい」
まぁ前世足したらおっさんかもしれんけども!
そしてそれぞれアイスを食べ始めるが全員無言だ。風で木々が揺れる音と咀嚼音だけが聞こえていた。
「当たりだ」
「ラッキーじゃん。帰りにコンビニ寄ろうか」
「じゃあ持ってて特訓始めるから」
そう言って燈矢くんは立ち上がり特訓を再開する。その姿を俺とエンデヴァーさんで見守る。
そういえばエンデヴァーさんは燈矢くんの特訓姿を見るのは初めてか?と考えているとエンデヴァーさんの口が開く。
「中々のコントロールだな」
エンデヴァーさんの言葉に驚き困惑する。正直、難癖をつけて止めさせる為に来たと思っていたので誉め言葉が出たのは驚きだった。
「俺じゃなくて燈矢くんに言ってください」
「俺に言われても嬉しくないだろう」
「それでも言ってあげてください。そうじゃないと燈矢くんとの関係そのままですよ」
「そうか...」
「あとアイスの差し入れって冷さんに言われたんじゃないですか?」
そう言うとエンデヴァーさんはビクリと驚き俺の方を向いた。分かりやすく驚くものだから思わずクスリと笑ってしまう
「嫌々来た感じで話すもんでしたから、もしかしてと思いまして」
「ああ、冷に言われた」
「なら感謝しないとですよ。仲を取り持とうとしてるんですから」
「そうだな...」
正直、エンデヴァーさんが日頃の感謝を言う姿を想像できない。あっそうだ。
「じゃあ帰ったら冷さんにありがとうって伝えましょうよ。俺見守ってますから」
「何故お前に見守られないといけないんだ」
「だってエンデヴァーさん普段そういうこと言わなそうじゃないですか」
「...そんな事はない」
今の間は絶対に言ってないな。まぁ想像通りだけども。
「言ってるなら別にいいじゃないですか」
「...まぁいい。冷にお前を夕食に誘うように言われたからな」
「えっ!いいんですか?」
「ああ、燈矢が世話になっている礼だ。それと燈矢に稽古をつける日は家に泊まれ」
「エンデヴァーさん...」
ここまでしてくれるなんて思わなかった。この気持ちをエンデヴァーさんに伝えなくては!
「すっかり尻に敷かれるんですね」
「誰の所為だと思っている!!!」
しまった!正直な気持ちを出し過ぎてしまった!
仕方がない事だ。こんなにエンデヴァーさんが丸くなるなんて誰が想像できただろうか。
「誰の所為って自分の所為でしょ!自業自得ですよ!自業自得!」
「なんだ!その口の聞き方は!」
「事実でしょーが!」
「なんだと!貴様!」
俺とエンデヴァーさんの喧嘩が始まろうとした。その瞬間、炎が俺達を包み込む。
「うっせぇ!!!集中できないだろ!!!」
炎を放ったのは燈矢だった。訓練の邪魔をされたのだから当然だろう。
彼らを包んだ炎は鎮火していくと、さっきまで二人が居た所にはドームの様なものがあった。火がほとんど消えると役目を終えたかのようにボロボロと崩れていく。
「燈矢くん危ないでしょ!」
「うっせぇ!どうせ効かねぇだろ!」
「エンデヴァーさんはともかく俺は炎耐性ないんだからね!」
まったく攻撃するなら『攻撃しますよ』の一言ぐらい欲しいものだ。
「あんたら仕事でもそうなの?だとしたら他のサイドキックに同情するよ」
そう言うと燈矢くんは訓練を再開する。
そういえばこんな風にエンデヴァーさんと話すのは久しぶりだったな。
「仕事以外のこと話すの久しぶりですね」
「そうだったな」
「さっきはああ言いましたけど、ちょっとは家庭の事情に突っ込み過ぎたかなとは思ってます」
俺は苦笑いを浮かべながら話す。エンデヴァーさんは何か返すでもなく黙っている。
「でも後悔はしてません。目の前で泣いてる子を無視するのはヒーローじゃないから」
「...何でもかんでも助けるのはいつか身を滅ぼすぞ」
「苦行の道だとしても俺は進みますよ。俺は貰ってばっかだから」
優しい両親、親しい友人、そして二度目の人生。俺は恵まれて過ぎている。
こんなにも恵まれているのは沢山の人を助ける為に生まれてきたのだろう。
「それに知ってますか?余計なお世話はヒーローの本質なんですよ?」
▽▽▽
訓練を終えて轟家に向かうついでに、当たりアイスを交換する為にコンビニによっていた。
「交換してもらってくる」
「いってらっしゃい。エンデヴァーさん冬美ちゃん達の好きなアイス分かります?」
「何故だ?」
「燈矢くんだけアイス食べてたらズルいって思うじゃないですか」
「わざわざ買わんでも家に「もしかして知らないんですか?」知っている!!」
そう言うとエンデヴァーさんは俺から買い物かごを分捕りアイスを入れていく。
「お前のはぜんざいバーでいいか!」
「えっ?良いんですか」
「なんだ!いらんのか!」
「ゴチになりまーす!」
アイスコーナーで騒ぐガタイのいいおっさんとイケメンの姿は途轍もなくシュールであった。
(知り合いだと思われたくねぇ~さっさと店からでよう)
店員からアイスを受け取り、できる限り気配を消して店を出ようとした時だった。
「燈矢くーん!みんなの好みってこれで合ってる?この人家族関係アレだから信用ならなくて」
「アレとはなんだ!失礼な!」
現実は無慈悲である。仕方なく回れ右して二人の方へ向かって行った。
(ここのコンビニ、二度と行けねぇ...)
▽▽▽
コンビニでの買い物を終えて再び轟家に向かう。
「燈矢くん?顔色悪くない?大丈夫?」
「誰の所為だと思ってんだ...」
「ん?なんて言ったの?」
「うっせ!何でもねーよ!」
そう言うと燈矢くんはスタスタと先に進んでいく。特訓の時より疲れているような気がするが、本人が何でもないと言うのだから大丈夫なのだろう。
「そんなに急ぐと転ぶよ」
「ガキ扱いすんな!」
「小6なんて、まだまだ子供だよ」
燈矢くんの頭を撫でると、エンデヴァーさんの手がポンっと俺の頭に置かれる。
「お前もまだ子供だ。もっと大人を頼れ」
「...そういうのは燈矢くんにやってください」
「そうだな」
俺の手と入れ替わるようにエンデヴァーさんは燈矢くんの頭を撫でる。
「燈矢、お前は自慢の息子だ」
「なんだよ...今さら」
「ああ今さらだ。許してもらおうとは思わない。ただ償いをさせてくれ」
「...勝手にしろよ」
一時はどうなるかと思ったが何とかなりそうだ。冷さんに感謝だな。
そう思いながら特訓のことや学校のことなど雑談していたらあっという間に家に着いた。
「ちゃんと言うんですよエンデヴァーさん」
「分かっている」
「何の話?」
「冷さんに愛を伝えるって話」
「感謝を伝える話だ!」
こちらに怒鳴りながらエンデヴァーさんは玄関を開けるとほぼ同時に冷さんがやって来た。
「おかえりなさい。毒島くん急に誘っちゃってごめんなさいね」
「いえいえ誘ってくださってありがとうございます」
そして俺はエンデヴァーさんの方へ視線を向ける。エンデヴァーさんは俺の意図を汲み取ったのか咳払いをし冷さんに向き直った。
「あー...その...家庭の事をお前に任せっきりにすまなかった...感謝している」
冷さんは驚いた顔をするとすぐにいつもの様に微笑んで口を開く。
「ご機嫌取りのつもりですか?」
その言葉に全員固まってしまった。氷の個性を使ったのかと勘違いするほどだった。
「うふふ冗談です。さぁご飯にしましょう」
冷さんはそう言って戻っていくが、俺達は玄関で立ち尽くしていた。
これは尻に敷かれますわ...